価格下降にどう立ち向かうか
こんなエントリー名を付けると間違っていると思われるかもしれません。街角の景気感覚は、次の日経の記事に代表されていると思いますから。
日経 9月8日 8月の街角景気、指数5カ月連続低下 原油高が企業や家計圧迫
原油価格もずいぶん安くなりました。1バレル100米ドルになってきましたから、まもなくガソリンスタンドの店頭価格も158円になる計算です。(米ドル為替108円の計算です。)8月11日のブログの原油価格のチャートを9月3日まで伸ばしました。
原油以外に食料の値上がりが盛んに言われておりますが、こちらも少し落ち着いてきました。例えば、このInternational Grain CouncilのWebのチャートをご覧になってみて下さい。一時の最高値は終わったと思います。
それ以外の商品については、この日経 9月6日 資源運搬船、運賃急落 5月最高値の半分とあるように、ばら積船(Bulk Carrier)のチャーター料が下がっています。次のBaltic Exchange Dry Indexのチャートは、このInvestment Tools.comにあります。
5663でも2006年1月頃と比べると倍以上ではありますが、日経が報じるように今年5月と比べると半分になりました。
ばら積船とは、袋にも入っていないし、梱包もされていない貨物を運ぶ船で対象は穀物や肥料、石炭が主体です。鉄鉱石を運ぶ場合もあると思いますが、鉄鉱石は比重が大きいので、日本への輸入の場合は、鉱石運搬船が主体と思います。ばら積船は、いずれにせよ、原料の海上輸送だと言えます。従い、運賃が下がっていることは、輸送量が減少していることを意味し(新造船の増加も同じ傾向ですが)、世界全体の景気が少し後退しているのではないかと思います。
例えば、中国のオリンピック後の景気後退と言うべきか、むしろ建築ラッシュの終了により需要が減少する。日本への影響は、米国サブプライムより大きい可能性もあると思います。鉄鋼の需要が減少する。アジア新興国にとっても、中国は大きな貿易相手です。だから、アジア同時不況に入ったりして。
景気対策と言って、目先のことばかり、足下のことばかり、しゃかりきになっています。せめて数ヶ月、あるいは半年、1年ぐらい先を考えて計画しないと失敗になると私は思います。政府の景気対策だけではなく、企業の経営についても当てはまると思います。
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