景気対策、定額給付金、消費増税
麻生首相が30日の総理大臣記者会見で経済対策を発表しました。
記者会見での発表は、この首相官邸のWebにあります。報道されている次の定額給付金や消費増税の部分もあります。
定額減税については給付金方式で、全所帯について実施します。規模は約2兆円。詳細は今後詰めてまいりますが、単純に計算すると、4人家族で約6万円になるはずです。
景気回復期間中は、減税を時限的に実施します。経済状況が好転した後に、財政規律や安心な社会保障のため、消費税を含む税制抜本改革を速やかに開始します。そして、2010年代半ばまでに、段階的に実行させていただきます。本年末に、税制全般につきまして、抜本改革の全体像を提示します。簡単に申し上げさせていただけるのなら、大胆な行政改革を行った後、経済状況を見た上で、3年後に消費税の引き上げをお願いしたいと考えております。
1) 定額給付金
私にとっては、何故かすっきりしません。記者会見での発表には、正規雇用の奨励についても触れているが、1回限りの政策ではない根本問題・構造的問題の解決への取り組みが重要と考えます。
例えば、このJ-Cast News「敷金・礼金・仲介手数料ゼロ」 その裏に潜むとんでもない事態ですが、 「敷金・礼金・仲介手数料・リフォーム費用0円」をうたう不動産会社・スマイルサービスの賃貸トラブルにおいて弱い立場の賃借人が理不尽な目にあっていると書かれています。内容については、十分あり得ることと思います。
問題の根本部分は、被害者弁護団の弁護士の話のように「契約を結んでいる人の多くは、把握している限りでは、若い人で収入が安定していない人、非正規雇用の人だ」であり、そのような人達にとっては、定額給付金として1人1万5千円を受け取るより、安定した雇用の方がよほど嬉しいと思います。しっかりした雇用対策が、経済対策の上でもより重要と思います。
2) 消費増税
記者会見の発言は、消費税に限っておらず、消費税を含めた税制全般についての見直しであり、私は賛成します。但し、税制改正は、それを決めた時の強者に都合がよい税制になることが危惧され、弱者も含めた真に公平・公正な税制になるように時間を掛けて多くの国民の参加を得て決定していくべきです。税のみならず、年金と健康保険を含め総合して解決を計るべきと考えます。
なお、定額給付金が2兆円とすれば、消費税に換算すると約1%です。定額給付金への賛成は、景気が良くなったある1年について消費税増税1%をすることと思えば良いのです。所詮、誰かが定額給付金を負担してくれるわけではなく、税金がその税源ですから。
3) 日本の将来
良い方向に行っているのでしょうかね。例えば、日本政府・地方自治体の債務金額の規模は世界一です。この意味することは、将来世界一高い税率の国になることを意味します。もし、そうならないのなら、逆に年金、医療、インフラ、政府・自治体からのサービス最悪の国です。コストとベネフィットの関係が成立するわけで、当然のはずです。
世界経済フォーラムが今月8日に「2008-9年版世界競争力報告」を発表しました。ご存じの通り、日本は1つ順位を下げて9位になっています。世界経済フォーラムの評価が正しいのかという問題はありますが、日本の機関による評価より第三者的評価になっていると言えるのか知れません。
報告書は世界経済フォーラムのこのページ The Global Competitiveness Report 2008-2009 からダウンロードできます。50位までの国と評価点数を棒グラフで書いてみました。
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