国連安保理事会の理事国就任に思う
10月17日の国連総会で日本が国連安全保障理事会の非常任理事国(Non-permanent Member)に選出され、2009年1月1日から2年間その任務に就くことになりました。読売の記事と国連のUN Newsは下記です。
読売 10月18日 日本が国連安保理の非常任理事国に、最多の10回目選出
UN News 17 October 2008 Five non-permanent members of Security Council elected today
国連の安全保障理事会とは、国連憲章24条1項に次のように規定されており、国際の平和及び安全の維持に関する主要な責任を負い、その責任に基く義務を果すに当って加盟国に代って行動する重要な役割を果たす国連の機関です。
国連憲章24条1項 国際連合の迅速且つ有効な行動を確保するために、国際連合加盟国は、国際の平和及び安全の維持に関する主要な責任を安全保障理事会に負わせるものとし、且つ、安全保障理事会がこの責任に基く義務を果すに当って加盟国に代って行動することに同意する。
安全保障理事会は、常任理事国(Permanent Member)5国と非常任理事国10国の15国で構成され、常任理事国を含む9国の賛成多数で手続事項に関する安全保障理事会の決定がなされます。(国連憲章27条)各国1票であるが、9国に常任理事国が含まれることから常任理事国の拒否権と呼ばれる取り決めです。
国連憲章(日本語訳)については、この国際連合広報センターのWebにあります。
世界の平和のために日本政府は国連安全保障理事国としての仕事をしていただきたいと思います。
多極主義の時代と呼ばれたりしていますが、そのなかでは国連に軸足を置いた外交が一つの重要事項であると思うし、被爆国として核廃絶に向けた努力をして欲しいと思います。それに関連して思うのが、北朝鮮問題です。米国は北朝鮮をテロ支援国家(State Sponsor of Terro)から外しました。10月11日の米国内務省の発表はここにあり、”the Secretary of State has rescinded the designation of the D.P.R.K. as a State Sponsor of Terrorism, effective immediately”と言っています。
米国が北朝鮮をテロ支援国家から外した理由は、その発表の冒頭にあるように、核兵器廃絶へ向けた検証手続きの合意です。合意内容はここにあります。
The Democratic People’s Republic of Korea (D.P.R.K.) has agreed to a series of verification measures that represents significant cooperation concerning the verification of North Korea’s denuclearization actions.
北朝鮮の核問題は、日本にとって大きな問題のはずだし、被爆国として真剣に取り組むべき問題です。米国の動きに対して、それを積極的に支援せず、北朝鮮の核問題、朝鮮半島の非核化に取り組もうとしないようでは、「過ちは繰返しませぬから」とある広島原爆慰霊碑の文面が空虚に思えます。国連安全保障理事国として、アジアや世界の平和と核不拡散に積極的に取り組むべきと思います。
今回の理事国就任については、イランも立候補していたので、2国の選挙でした。そのイランですが、来年春以降のブッシュ後には、動きがあるかも知れないと思います。イランも核廃絶の手続きを合意すれば解決するし、イランはIAEAの査察受け入れに合意するはずです。但し、イランに関しては、確実に核兵器を保有していると言われているイスラエルの問題に火がつけばやっかいだと思います。イスラエルは核保有を認めないであろうし、暗黙の中での和平しか困難と思うからです。
選挙に向けて各党がどのような主張をするか、どの党が常任理事国となった政府を指導し国際平和を推進するにふさわしいか、見ていきたいと思います。拉致問題も核廃絶を通じての交渉で解決するしかないはずで、制裁では解決しないはずです。
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