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2008年11月16日 (日)

定額給付金の良い側面

一つ前の評判悪い定額給付金で、新聞各社の社説を紹介し、定額給付金の評判の悪さや問題点を書きました。しかし、世の中のことは、別の角度から見ると違ってくる。日本の学校テストのように○×で評価すると誤ってしまう。多面的な評価を行い、賛成・反対のみならず、次のステップへの発展につなげていくことが本当の姿と思います。

そこで、定額給付金について考えた場合、次のような良い点があるのではと思いました。(これを良い面と言うのは、やはりおかしいのかな?)

(1) 多くの日本国民に政府財政政策について考えさせてくれた

平成20年度の予算は、この財務省のWeb(pdf)にあります。歳入及び歳出をまとめたのが次の表であり、最右欄は、租税及び印紙収入について、その主な内訳を書き出しました。

平成20年度予算    (単位:億円、カンマ位置は兆)
支出 歳入 租税及び印紙収入
一般歳出 47,2845 租税及び印紙収入 53,5540 所得税 16,2790
地方交付税交付金等 15,6136 その他収入 4,1593 法人税 16,7110
国債費 20,1632 公債金 25,3480 消費税 10,6710
歳出合計 83,0613 歳入合計 83,0613 相続税 1,5550
揮発油税 2,0860
その他の税 5,0570
印紙収入 1,1950
合計 53,5540

表を眺めてみると、2兆円は大金です。丁度大騒ぎの揮発油税(現行の1リットル48.6円のガソリン税のみで軽油取引税を含まず)とほぼ同じです。なお、消費税は4%分が含まれています。1%は、地方税なので、含まれていない。

2兆円は、どう使うのが納税者・国民のためになるのか?本日のNHK日曜討論で自民党柳澤氏は、定額給付金は税額控除であると言われていました。所得税の所得控除の方式を税額控除の方式に変更するのであれば、所得税法を改正する提案をすべきであると考えます。

(2)面白い政局

この朝日新聞の世論調査(11月11日報道)は、「8、9の両日実施した総選挙に関する連続世論調査(第4回、電話)によると、・・・定額給付金について、「必要な政策だと思う」は26%にとどまり、「そうは思わない」が63%と、否定的な見方が圧倒的だった。」と書いています。

63%の人々が反対している場合、そんな政策を唱えている人達は、選挙で負けると通常であれば考えられる。勿論、世論調査と選挙結果とイコールとは限らず、また真に必要であれば、信念を曲げないことも重要です。一方で、野党は反対するに際し、それなりの政策案を出していく必要があります。野党案が、2兆円を節約し、長期的な展望を示す案でも良いのであり、どのようになっていくか興味を沸かせます。

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