定額給付金の良い側面
一つ前の評判悪い定額給付金で、新聞各社の社説を紹介し、定額給付金の評判の悪さや問題点を書きました。しかし、世の中のことは、別の角度から見ると違ってくる。日本の学校テストのように○×で評価すると誤ってしまう。多面的な評価を行い、賛成・反対のみならず、次のステップへの発展につなげていくことが本当の姿と思います。
そこで、定額給付金について考えた場合、次のような良い点があるのではと思いました。(これを良い面と言うのは、やはりおかしいのかな?)
(1) 多くの日本国民に政府財政政策について考えさせてくれた
平成20年度の予算は、この財務省のWeb(pdf)にあります。歳入及び歳出をまとめたのが次の表であり、最右欄は、租税及び印紙収入について、その主な内訳を書き出しました。
平成20年度予算 (単位:億円、カンマ位置は兆) | |||||
支出 | 歳入 | 租税及び印紙収入 | |||
一般歳出 | 47,2845 | 租税及び印紙収入 | 53,5540 | 所得税 | 16,2790 |
地方交付税交付金等 | 15,6136 | その他収入 | 4,1593 | 法人税 | 16,7110 |
国債費 | 20,1632 | 公債金 | 25,3480 | 消費税 | 10,6710 |
歳出合計 | 83,0613 | 歳入合計 | 83,0613 | 相続税 | 1,5550 |
揮発油税 | 2,0860 | ||||
その他の税 | 5,0570 | ||||
印紙収入 | 1,1950 | ||||
合計 | 53,5540 |
表を眺めてみると、2兆円は大金です。丁度大騒ぎの揮発油税(現行の1リットル48.6円のガソリン税のみで軽油取引税を含まず)とほぼ同じです。なお、消費税は4%分が含まれています。1%は、地方税なので、含まれていない。
2兆円は、どう使うのが納税者・国民のためになるのか?本日のNHK日曜討論で自民党柳澤氏は、定額給付金は税額控除であると言われていました。所得税の所得控除の方式を税額控除の方式に変更するのであれば、所得税法を改正する提案をすべきであると考えます。
(2)面白い政局
この朝日新聞の世論調査(11月11日報道)は、「8、9の両日実施した総選挙に関する連続世論調査(第4回、電話)によると、・・・定額給付金について、「必要な政策だと思う」は26%にとどまり、「そうは思わない」が63%と、否定的な見方が圧倒的だった。」と書いています。
63%の人々が反対している場合、そんな政策を唱えている人達は、選挙で負けると通常であれば考えられる。勿論、世論調査と選挙結果とイコールとは限らず、また真に必要であれば、信念を曲げないことも重要です。一方で、野党は反対するに際し、それなりの政策案を出していく必要があります。野党案が、2兆円を節約し、長期的な展望を示す案でも良いのであり、どのようになっていくか興味を沸かせます。
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