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2008年12月18日 (木)

自動車産業の今後

不況が拡大していると思います。次のようなニュースもありました。

日経 12月17日 ホンダの今期下期、1900億円の営業赤字に 上場以来初の減配

ホンダの発表は、2008年度業績予想の修正2008年度業績予想プレゼンの通りです。2008年度12月間の通期の純利益予想は連結1,850億円の利益で、単体550億円の損失となっています。ホンダは、海外生産が多い会社であり、連結売上高のうち四輪生産台数365万台のうち、北米で44%、アジアで22%であり、国内での16%より大きな数字になっています。

前回の発表数字と比較すると連結で純利益が3,000億円の減少であり、単体の純利益が2,030億円減少して赤字転落なので、国内生産に係わる赤字増が連結利益減少の70%近い要因と考えられる。単体売上は、国内生産が主体のはずであり、そのなかで輸出が70%を超えています。今回の修正における、通期ベースの売上を比較すると、輸出の減少が13.4%であり、国内の減少が7.3%です。四輪の台数では、輸出減少11.1%で国内販売減少が4.1%となっています。

他の自動車会社を見ると、日産の12月17日のニュースは次でしたし。

日経 12月17日 日産、国内の減産拡大 非正規社員ゼロに

トヨタも北米減産のニュースはありましたし。

日経 12月8日 北米で追加減産、トヨタが意向 4工場対象

米自動車ビッグスリーが、どのような道をたどるのか、未だ不明点が多いが、UAW(全米自動車労組)とどのように話がまとまるか、全産業において米国の労働組合がこれからどのようになるかが一つのキイポイントだと思います。ビッグスリーについて「労働者1人当たりに1時間平均73ドルのコスト」で、「日系メーカーの場合は1人1時間当たり労働コストは平均49ドル」という情報があります。単純比較はできないものの、生産コストにおいてビッグスリーが不利になっていると思います。新参メーカーはデトロイトを避け、UAWに属さない人を雇用しても、歓迎される地域に生産拠点を置くことができた。ビッグスリーは、そんなことをしたくて不可能であった。UAWも、組合員を守ることができなければ、存在意義はなくなるのであり、現実に医療保険が切り捨てられていこうとしていた米国において、UAWが何もしないことは許されなかった。

一方、日本では、派遣・非正規社員の削減が連日報道されています。無責任経営とも言えるし、不況の時は雇用数を減少するのが当然であり、派遣・非正規社員は調整弁であるとする考えもあるはずです。実は、昔から日本でも工場に出入りする人材提供下請けが存在し、不況の時には調整弁の役割を果たしていたと思います。その当時は、正社員は終身雇用で、肩たたきすらほとんどなかった。しかし、給料は下請けの方がよかったりして。調整弁を無くすことは困難だろうと思います。しかし、調整弁=派遣・非正規社員というのは、余りにも能がない話で、もしそうするなら、正社員の数倍の給料で働いてもらうこととするとか、働く者が納得できる制度にすべきと思います。

日経 12月17日 「雇用保険料引き下げやむを得ず」 厚労省が報告書素案なんてニュースがありますが、保険料を下げるよりも、給付を厚くする方が、重要ではないかと思います。わがまま・無能力経営者は日本の法人税が高いから競争力が失われていると言います。企業の競争力は、法人税率が主要因で決まるのではなく、複雑な要素で決まってくるし、有能な人材なんて法人税より重要です。例えば、日本は治安が良い国であり、そのことから治安面でのコストは日本では安くついているはずです。同様に、不況になり不幸にも解雇されても、ある程度の支援を受けれられるなら、安心して働ける豊かな国になるはずです。企業も恩恵を受けられる。国民も幸福。そのように税を有効に使うことを考えるべきと思います。

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