バラク・オバマ大統領就任
本日就任式です。最近の米国大統領の中では、期待感が最も大きな大統領である気がします。世界的な不況脱出と平和への前進に関しての期待が大きいのだと思います。
1) 不況脱出なるか?
簡単ではないと思います。車のビックスリーにしても、需要減とコスト高を同時に抱え、解決を誤るとサブプライム以上の影響が出ると思います。コスト高には12月18日の自動車産業の今後で書いた様に、UAW(全米自動車労組)との協定があり、ビックスリーの人件費の時間平均73ドルは、日系メーカーの人件費の約1.5倍です。同じ国内での話であり、中国と日本の比較ではないので、大変です。
米国不況について金融方面に関連する話題が多いように思えるのですが、製造業に関する問題もあり、下手をすると1929年のブラックマンデイから始まった世界大恐慌と同じような大不況になる恐れがあると思います。
2) 平和
ガザ停戦はオバマ氏大統領就任とやはり関係があるのでしょうか?米国は、イラクから大部隊を引き上げるでしょう。オバマ大統領に期待をしてるのは、米国国民のみならずイランや北朝鮮も、そうではないかと思うのです。
ブッシュ政権は、9月11日事件はイスラム過激派だ、アルカイダだと激しく非難した。イラクについては、大量破壊兵器の使用を計画しているかのように発言した。9月11日事件のあった2001年より今は安全になっているのだろうか?飛行機に乗る時のチェックが厳しくなったから、安全になっていると思えるが、イスラム過激派がいなくなったわけではなく、インドのムンバイで事件も起きた。9月11日事件以前にも、爆破テロの様な事件は、世界各地であった。軍隊を外国に送ったりするのではない警察力を前面に出したテロとの戦いが本来の姿に思えます。
冷静に考えると米国の過剰攻撃であるように思える。そう考えれば、オバマ政権がそんな特別な平和攻勢に出るのではなく、ごく通常の交渉をベースとした世界の国々の関係を進めていくだけと思います。
3) オバマ大統領期待
”We can change”なのだと思います。変革が可能なのだと米国人を勇気づけたことが、オバマ氏の最大の勝因だと思います。これもブッシュ氏との対比になるが、「正しいアメリカ、強いアメリカ」で引っ張った。それが成功した部分もあるが、ゴムが伸びきり、風船が膨らみすぎた所で、はじけてしまった。サブプライムを含め金融問題も、車のビックスリー問題も根は同じだと思います。
正攻法で、問題を正面からつぶしていくことの重要性だと思います。オバマ大統領の期待を高くした功労者は、やはりジョージ・W・ブッシュその人ではなかったかと思います。
4) 大統領・首相
オバマ氏は、米国民に大きな希望を与え、米国以外の人々にも同じような期待を与えていると思います。”We can change”世界は変わるのだと。
日本の首相も、自ら先頭に立って、日本のため、世界のために頑張るのだという期待を抱かせるような姿を見せて欲しいと思うのは欲張り過ぎなのでしょうか?「可愛そうなくらい苦労しているんですよ。」なんて言った首相がいましたから。これじゃ、首相になる夢を持てないよ。政治に夢がないと思います。あるいは「イラクには大量破壊兵器が存在する。」と言って、国民に大嘘をついた首相もいました。
大統領や首相は、国民のならず全世界の人々に夢と希望を与える人であって欲しいと思います。そのために、一番必要なことは、誠実であることと思います。そして、これからのオバマ大統領を見ていきたいと思います。
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コメント
たびたび、TBだけさせていただいて、何のご挨拶もせずに失礼しております。
で、また、TBさせていただきましたので、さすがに、ご挨拶せねば・・・と(笑)。
私もオバマさんに突きつけられた課題は大きなものだとは思っております。
期待の高さはその裏返しだと。
その意味では、一番懸念しているのはオバマさんが一発逆転をねらうこと、つまり、経済的にはドルの放棄、外交的には戦争に走る・・・であり、これは可能性が高いとは言えないまでもまったく有り得ない話でもないと危惧しております。
投稿: へいたらう | 2009年1月24日 (土) 17時38分