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2009年4月30日 (木)

新型インフルエンザ対策

新型インフルエンザによる死亡者が米国でも発生したと報道がありました。

共同47 4月29日 米で新型インフル初の死者 1歳11カ月の幼児

ロイターが伝えたとありますが、Reuter Apr 29, 2009 Texan baby is first flu death outside Mexicoでしょうか?Reuterには、インフルエンザの型がH1N1と書いてあり、A型ブタインフルエンザ(H1N1)のはずです。

1) ワクチン

仮にワクチンにしても、鳥インフルエンザとして有名であったH5N1ではないので、日本にどれだけワクチンが備蓄されているのか心配になります。そこで、国立感染症研究所のブタインフルエンザに関するよくある質問を読むと、ブタインフルエンザ予防のヒトへのワクチンはありますか?に対して「ヒトに病気をひきおこしている現在のブタインフルエンザウイルスを含んでいるワクチンはありません。」と書いてあります。少し、待たねばならないようです。

2) 抗ウイルス薬

タミフルのような抗ウイルス薬は、有効なようです。但し、抗ウイルス薬の危険性もあり、乳幼児・小児にとっても安全か等もあり、勝手な判断を下せないと思います。

3) 罹患率・死亡率

ブタインフルエンザに関して、現時点で言及することは避けるべきと思います。Webを探してみると、僻地の産科医さんの2008年12月のブログ新型インフルエンザの誤解と対策の問題点で、日本医事新報 N0.4409(2008年10月25日)で菅谷憲夫氏が書かれた新型インフルエンザの誤解と対策の問題点を紹介されていました。「新型インフルエンザには全国民が罹患・発病する」となっており、ほぼ全員が罹患・発病する可能性もある様です。

死亡率についても、「新型インフルエンザによる日本の死亡者数は、最悪の場合で、スペインかぜの経験から予測された数値、12万人(4万人~30万人)が最も信用できると考えているが」とあります。

甘く考えず、しっかりした対策を講じることが必要なのでしょう。

4) 対策

この厚労省のWebに、「新型インフルエンザガイドライン(フェーズ4以降)」というのがあります。その中の医療体制に関するガイドラインに「都道府県等は地域医師会等と連携し、あらかじめ発熱外来を設置する医療機関や公共施設等のリストを作成することが望ましい。」との文章(119ページ)があります。

病院や診療所での感染拡大の防止です。一方で、3)で紹介した菅谷憲夫氏の新型インフルエンザの誤解と対策の問題点では、発熱外来は有害無益とされておられます。

本当に複雑です。確かなことは、間違った情報に惑わされないことです。例えば、TVの○○ショーなんかでコメンテーターが述べていることは疑ってかかった方がよいのでしょうね。確かな情報で、行動することが最大の対策だと思います。

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2009年4月25日 (土)

朝日新聞4月25日の「おわび」を読む

草なぎサン「おわび会見」が報道されていますが、次の朝日新聞社の「おわび」を読んでいくと、色々考えさせられました。

MSN産経 4月25日 共産党員増加の記事誤り 朝日新聞がおわび

朝日新聞の「おわび」そのものは、Web上では見つけることができませんでした。しかし、朝日新聞社の「報道と人権委員会」(PRC)が示した見解についての報道、元の1月11日の報道ならびにPRCの4月24日の見解は、次のWebに掲載されていました。(元の記事の最後に「おわび」が、追加されています。)

朝日 4月25日 記事の一部に問題、朝日新聞社に対応求める PRC

元の朝日 1月11日報道記事 派遣切り、限界集落…そこに「共産党」―ルポにっぽん

4月24日 PRC見解 元森林組合長からの申し立てに対する見解

1) 記事の真実性

元の1月11日の報道記事のなかでは、多分5ページか6ページ目にあったと思われますが、既に削除されているようで、検証はできませんが、PRC見解に記載の通りであったはずです。

すなわち高橋記者が、筆を滑らせすぎた。新聞やTVの報道に接した時に、私はよく、どこまでが真実かと疑ってしまうし、当局の発表をそのまま伝えているだけだなとか、あるいは解説であれば、変な理解をしているとか、記者はよく解っていないなとか思ってしまいます。

マスコミもビジネスですから、新聞は、購読者の興味を引くような目線が入ってしまうし、大学院レベルのことを書くのではなく、疲れていても楽に読めることが重要となってしまう。民放は、広告依頼主のことを無視はできないし、NHKは予算他の関係もあり、国会の方を気にせずにはいられない。ブログと違って大変です。

その様な中だからこそ、真実を報道する報道機関が重要である。それ故に、取材相手がそんなことを言っていないと述べていることを報道することは、捏造であり、報道としての信頼を喪失し、破滅に繋がることだと考えます。

2) 期待権

NHKの女性法廷に関するETV2000の報道について2008年6月13日のNHK vs バウネット 最高裁判決で書いたことがありますが、報道に関する期待権です。マスコミの影響力を多くの人が認識しており、それ故に、取材に協力する。即ち、自分の言ったことが報道に反映されると期待している。報道機関は、期待権を守るべきであり、匿名で応じた取材であれば、一般名詞を使用しても特定されるなら、匿名を守ったことにはならない。

朝日新聞社こそ、NHKに関する批判を最もされておられると理解しますが、そのためには、守るべきことは、守ることが重要と思います。

2) 報道記事

元の報道記事は、ある側面を報道していて面白い記事であると思います。それからすると、冒頭のMSN産経の記事は誤解を与えかねないような部分があると思います。よく読むと、「記事の一部が事実と異なっていた。」ですが、さっと読んでしまうと「共産党員増加が事実と異なる。」と読んでしまいます。党員の増加は、その政党に聞かないと判らないかも知れないし、複数の政党に加盟している人もいると思います。報道の内容としては、朝日の元の記事は、私は、ある現代の側面を書いていると思いました。

朝日新聞のみならず、マスコミがこぞって大政翼賛報道をし、戦争に突き進んだ時代がありました。今の世で、戦争に向かう大政翼賛報道はないと思いますが、劇場政治を伝える日本のマスコミ報道が金太郎飴のように、ほとんど同じになってしまっていると感じます。

それからすると、記者が自ら取材をして署名入りで、多くの記事を書いてもらいたいと思います。

元の記事は既に修正されているはずですが、実際の取材がどうであり、どの様に報道されていたかは、4月24日のPRC見解を読むとよく分かります。このPRC見解も事実や実態をよく伝えていると思います。

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2009年4月24日 (金)

確定申告書の公開

自分の確定申告書をブログで公開される方は、余りいらっしゃらないと思います。

NB Online 4月24日 オバマ税制、「格差是正」の副作用 超リッチ層への増税は「2%の幻想」との批判もを読むと、バラク・オバマ大統領とジョセフ・バイデン副大統領の確定申告書が、ホワイト・ハウスのWebで公開されているとありました。

The White HouseTHE BLOGApril 15th, 2009のエントリー Release of the President and Vice President’s Tax Returnsが、そのブログであり、Download the President’s Federal 1040 form (pdf)をクリックすると、バラク・オバマ大統領の確定申告書が見れます。

オバマさんの2008年の総所得金額(Adjusted Gross Income)は2,656,902ドルで、年税額は855,323ドルでした。所得の内訳は、給与所得201,923ドル、利子所得18,890ドル、配当所得26,558ドル、州税還付金7,991ドル、事業所得2,479,648ドル、譲渡所得1,107ドルです。なお、この所得金額と税額は、オバマさんが、夫妻合算申告を選択していることから、夫婦の合計金額です。

州税(イリノイ州)の申告書(IL-1040)も見ることができ、税額は77,883ドルです。州税は、3%の低率ではありますが、米国の場合売上税(Sales Tax)が、全て州税であり、日本と単純比較ができないことを申し添えます。なお、イリノイ州の売上税は一般品が7.5%と理解します。

日本は、どうかと念のために首相官邸ホームページを見てみました。麻生総理の確定申告書は見あたりませんでしたし、ブログもありませんでした。

ホワイト・ハウスのブログには、色々なエントリーがありました。このApril 23rd, 2009 The First Lady and Queen Raniaなんてミッシェル夫人とヨルダンのラニア王妃のHigh Resolution PhotoがDownloadできます。

ブログを開設して、一般の人々の中に入り、情報は積極的に公開していくという姿勢は好感が持てます。日本は、何時そうなるかな?日本も、政権交代選挙により、この様な方向に動き出すことが、期待できるでしょうか?

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2009年4月22日 (水)

和歌山カレー事件最高裁判決

和歌山カレー事件の最高裁判決は、MSN産経ニュース 4月21日 【毒物カレー事件】最高裁判決全文にあり、「第1審判決を是認した原判決は、正当として是認することができ、刑訴法405条の上告理由に当たらず。」とする上告の棄却判決は、予想されたとおりでした。(裁判官全員一致の意見でもありました。)

林眞須美は、関与を全面的に否認していたのだが、認めていたとしても、夏祭りの自治会行事でのカレーに砒素を混入し、その結果4人が死亡、多数の重症者も発生し、長期間後遺症に苦しんだ者もいたという重大事件であったことから、死刑を逃れることはあり得ないと考えられる。第1審判決(2002年12月11日)の判決要旨はここにありますが、これを読むと、林眞須美が犯人だと思います。この犯罪の犯人であれば、適用される最高刑が当然である。死刑が妥当であると思わざるを得ません。

しかし、嫌な気分になります。死刑で何が解決するのだろうか。刑罰が抑止力となるとの考え方があるが、林眞須美を死刑にして、抑止力にもならないと思える。それに、林眞須美とは何であるのか?死刑以外の可能性が極めて薄い時、人はどのような生き方をするのだろうか?えん罪であれば、当然否認を続ける。逆に、本当に犯人であれば、どうするのだろうか?このあたりになると頭が混乱します。

裁判員裁判で裁判員としてこの裁判に参加していた仮定するなら、自分の人生が狂ってしまうようにも思います。ここに、「林眞須美さんを支援する会」なんてホームページがありますが、特にこんなホームページを読んだら。裁判員になっていたなら、日和見主義で、「無期懲役」と主張しそうです。

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2009年4月21日 (火)

東芝の繰延税金資産取崩による損失

日立の次は、東芝を書きます。

東芝は、4月17日に2008年度 業績予想の修正を発表しました。

日経 4月17日 東芝、営業赤字は2500億円に縮小 09年3月期

東芝の発表説明会資料は、ここからDownloadできます。

この発表において、本年1月の業績予想に対して、営業損益と税引前損益は、それぞれ300億円と500億円の改善の数字を予想したものの、最終損益は逆に700億円の悪化(損失拡大)を予想しました。

700億円の損失拡大の理由は、繰延税金資産です。

繰延税金資産とは、前払い税金であり、税効果会計に係わる会計基準の(注5)には、次のように書かれています。

繰延税金資産は、将来減産一時差異が解消されるときに課税所得を減少させ、税金負担を軽減することができると認められる範囲内で計上するものとし、その範囲を超える額については控除しなければならない。

1) 東芝の繰延税金資産

東芝が2008年3月末の連結貸借対照表で計上していた繰延税金資産、繰延税金負債は次の金額でした。

繰延税金資産(流動)      1485億円
繰延税金資産(固定)      2858億円
繰延税金負債(流動及び固定) 807億円

差し引き 繰延税金資産    3536億円

2009年3月期において、第3四半期までで、繰延税金資産は3536億円から、4300億円へと464億円さらに増加していたとのことです。この4300億円の繰延税金資産のうちの地方税(道府県民税、市町村税、都民税)相当分の850億円を資産計上せず、2009年の損失(2009年としては、結局は639億円の損失)として計上するとの発表です。(発表説明会資料の7ペ-ジ目参照)

地方税についての繰延税金資産を取り崩すこととした理由は、地方税については、「連結納税制度の適用がなく、単独の課税所得が現在の経済環境では厳しい状況の為、一括で取り崩し」との説明ですが、今ひとつ納得がいかない部分があります。即ち、赤字の連続で支払い済みの地方税を相殺するような課税所得が生まれないと見込まれる子会社も存在するでしょうが、全体からすれば将来の利益は見込めるはずです。赤字のまま閉鎖となる会社は、利益金額では少数派と思うからです。

これ以上の議論は、私も情報を保有していないし、監査法人が的確な仕事をされるのであり、最終的な報告を待ちたいと思います。

2) 監査の重要性

4月2日の2008年度は上場企業倒産が最悪の45件で、ゴーイング・コンサーン(継続企業の前提)を書きました。ゴーイング・コンサーンが検討の対象になった場合には、繰延税金資産なんて考えられないと思います。

企業が赤字になれば、赤字が繰越損失金となり将来の税金を減額していくれると期待します。しかし、課税所得が生まれてくるとの確証が無くては、資産として貸借対照表に計上するのは正しくないはず。

M&Aで成長を続けた企業が、不況に入り、急成長を遂げた故に、脆弱性が問題となる企業もあると思います。M&A企業の特徴は、資産として「のれん」を計上していることが多い。「のれん」は、現在の日本の会計基準で毎期規則的な償却をすることが必要ですが、同時に固定資産の減損会計の対象でもあります。固定資産の減損会計を適用し、評価するには、将来のキャッシュフロー予測は必要不可欠です。

ビジネスの仕組みが複雑化してきたからには、企業の財政状態や営業成績を表す財務諸表も、それに適応して対処する必要がある。会計士の方々、大変ですが、頑張ってください。経済や金融を支えるインフラそのものと思っています。

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2009年4月20日 (月)

日立の省エネ冷蔵庫の不当表示に思う

日立の省エネ冷蔵庫における不当表示で、公正取引委員会が不当景品類及び不当表示防止法第6条第1項の規定に基づく排除命令を出したとのニュースがありました。

共同47ニュース 省エネ冷蔵庫で不当表示 日立ブランド9機種

1) 日立のガバナンス及びコンプラの欠如

日立アプライアンスは、株式会社日立製作所が全株を保有する子会社であり、日立製作所のガバナンス及びコンプラが不完全であることを証明したような形となりました。その結果、市場の信頼を失った部分は、大きいと思います。

ガバナンスやコンプラは、1%欠陥があっても、致命的な問題になりうると言えます。しかし、今回の、日立の問題は、「昨年9月から同樹脂を使う計画だったが、技術的な問題から遅れた。この情報が宣伝部門に伝わっていなかった。」とありますが、製造部門もその製品がどのような販売広告・宣伝がなされているか知っているはず。知ることは、義務であると考えます。見て見ぬふりをした関係者が多くいたのではないかと疑いを持ってしまいます。

日立が信頼を回復したいなら、この疑いを晴らせてくる解明をして欲しいと思います。

2) 省エネ大賞

省エネ大賞とは、平成17年度まで財団法人省エネルギーセンターが実施していた制度を平成18年度から経済産業省が主催者となり、実施している省エネのコンペティションです。ここに平成20年度省エネ大賞の平成21年1月28日経済産業省発表があり、問題の日立の製品は平成19年度の省エネ大賞でありこの経済産業省の平成20年1月17日の発表の(3) 省エネルギーセンター会長賞 (12件)の一番上に記載されています。

政府が経済産業大臣賞、 資源エネルギー庁長官賞等を出して、省エネを推進することに異存はありません。

しかし、この事態をどう考えるべきか?本当に政府がすべきことなのか?かといって、財団法人省エネルギーセンターがすべきことかとと考えると複雑です。この財団法人の役員を見ると日立製作所の方が理事としておられます。企業が財団を設立して、財団が企業の枠を超えて活動することに異議はありません。しかし、省エネ大賞のような中立的な評価を行う場合、理想としては、資金的にも政府や企業から独立した評価専門の機関が行うのが良いと考えます。

今後、省エネやCO2削減に更に取り組むといった場合に、企業から独立していた方が公平であり、省エネ推進にもっと有効であると思います。

3) モニタリング

省エネやCO2削減と言った場合、製品を評価するのみでは終わらず、モニタリングを継続することにより、正しい評価が下せます。モニタリングなしでは、一面を捕らえただけであり、正確ではありません。

独立した評価専門の機関と言ったのは、そのようなモニタリング制度を整備していく観点もあります。

4) 今回の日立事件

発覚経緯について、未だ報道がないようで、私も判っていません。公正取引委員会への内部通報でしょうか?もし、そうだとするなら、余りにも日立のレベルが低すぎると思えます。即ち、内部通報が行われるからには、その事実にある程度の数の日立の人達が気づいていたはずと思えるからです。

一方、日立アプライアンスのプレスリリースがここにあり、次のように書かれています。

「フレックス真空断熱材」の芯材の原材料に廃棄された冷蔵庫の棚等からリサイクルした樹脂を使用しており、また、この樹脂を使用することにより、「フレックス真空断熱材」の製造工程において排出する二酸化炭素の量を、当該樹脂を使用しない場合と比べて約48パーセント削減しているかのように表示したが、実際にはリサイクル樹脂の使用は一部機種・期間(添付資料参照)においてのみのものであり、また、実際の二酸化炭素の削減率も表示の数値より小さかったこと。

これを、省エネ大賞を受賞した際の、次の「申請者による概要説明」と比較してみます。リサイクル樹脂などとどこにも書かれていません。そうなると、省エネ性能は、ほとんど変わっていないように思えます。問題は、過大広告であったとなります。しかし、この場合でも、ガバナンス及びコンプラに問題があることには変わりはないと考えます。

省エネ大賞への申請者による概要説明

本冷蔵庫シリーズは、省エネと省スペース大容量を兼ね備えている「まんなか冷凍」構造であり、さらに独自の省エネ技術を採用している。省エネ技術では、2006年に採用した技術(ダブルクール冷却、マルチセンシング)に加え、独自の新技術として門形構造、立体成形真空断熱材の採用やコンプレッサーおよび真空断熱材の高性能化を図った。これにより、R-X6000では外形寸法がほぼ同じ前年機種のR-W5700に対し内容積を約6%拡大しながら、消費電力量では約20%の省エネ化を進めた。

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2009年4月18日 (土)

東京オリンピックの予算

2016年東京オリンピック開催に向けての誘致活動として、東京を訪れたIOC評価委員の17日の競技会場予定地などを視察に対して、東京都や招致委員会は、盛大なアピールをおこないました。

朝日 4月18日 東京五輪へ周到アピール IOC視察、知事は手ごたえ

上の朝日の記事にも写真があり、TVでも見ましたが1000分の1の東京の模型なんて、(他目的に転用可能かも知れないが、)ずいぶんと費用を要しただろうなと思いました。

色々探すと、次のしんぶん赤旗の記事が目にとまりました。

しんぶん赤旗 4月18日 五輪招致「異議あり」 IOC評価委にアピール スポーツ連盟など

しんぶん赤旗に”新日本スポーツ連盟の井上宣(たかし)東京都連盟事務局長は「東京都はスポーツ予算を七割も削ってきた。その一方で、招致の名を借りて、五輪施設だけでなく、道路建設などで九兆円ものお金をつぎ込むやり方は、五輪憲章にも反するし、到底納得できるものではない」と訴えました。”と書いてあります。

上の朝日の記事には、「五輪招致を手伝った経験がある外国人コンサルタント10人以上と契約」、「東京の招致費用は民間資金を含め150億円」、「プレゼンテーション用映像制作費や車両費、会場費など評価委対応に使った税金は今年度予算だけで3億円に上る」などと書いてあります。

やはり予算は気になる処で、東京都議会オリンピック・パラリンピック招致特別委員会の会議録がここにあります。本年3月9日開催の会議での並木東京オリンピック・パラリンピック招致本部企画部長の答弁に対して、以下に掲げた文章がありました。金額を要約すると次の通りです。

招致活動経費     150億円(東京都:100億円、民間からの寄付金:50億円)

施設整備費      3319億円(日本政府と東京都:2381億円、民間寄付金:930億円)

組織委員会経費   3100億円(大会収入でまかなう。TV放映権収入、チケット収入、スポンサー収入、ライセンス収入等がある。)

会議録を読むと松村委員が指摘していますが、多摩新宿線、羽田-築地トンネル、首都高速5号、6号線拡幅等々様々なインフラ整備も、当然あります。施設についてもそうですが、一度のオリンピックで使って終わりではなく、オリンピック以外の目的も存在し、長期間使用・利用可能ですから、どのように考えるかにより異なってきます。しかし、タダではないので、不必要な投資をしてはならず、同じお金なら本当に必要とする所や最も有効な所へ支出すべきです。所詮税金であり、お金のことを忘れてはならないと思います。

ここにIOCに提出した立候補ファイルがあり、942億円で建設するオリンピックスタジアムはどこなのかと見ると下の地図がありました。現在の状態としてYahoo地図も表示します。

2016toyoolympicmainstudium

並木東京オリンピック・パラリンピック招致本部企画部長の答弁

オリンピックにかかります総事業費という定義はございませんので、それぞれ分けてご説明していきますと、招致活動経費、それから、ただいまご説明申し上げました競技施設等整備費、それからオリンピック組織委員会の予算がございます。
 第一の招致活動経費でございますけれども、これにつきましては、東京都と招致委員会を合わせまして百五十億円でございます。そのうち招致委員会の補助金を含めました東京都が百億円を負担いたしまして、五十億円は民間からの資金を充てることとしてございます。
 それから、ただいま藤井部長がご答弁しました第二の施設整備費でございますけれども、これにつきましては、恒久施設整備費については、競技会場二千二百六十九億円、IBC、MPC百五十一億円、選手村八百九十九億円、計三千三百十九億円でございまして、この費用の負担割合でございますが、国及び都が二千三百八十一億円でございまして、民間による資金調達は九百三十億円を想定してございます。
 なお、国と都の負担割合でございますが、平成十九年九月十一日の閣議了解において、使用施設の整備に要する経費につきましては、国の負担割合は二分の一以内とするとされてございます。今後、国からの補助金を最大限活用いたしまして、都費の負担を軽減してまいります。
 第三のオリンピック組織委員会の三千百億円でございますけれども、これにつきましては、IOCの分配金千九十億円、スポンサー収入七百三十億円、チケット収入七百八十億円と、税金の投入は予想してございません。
 以上でございます。

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2009年4月17日 (金)

大阪弁護士会の橋下弁護士懲戒審査開始決定

大阪弁護士会綱紀委員会が橋下弁護士を「懲戒審査に相当する」と議決し、同弁護士会の懲戒委員会が今後審査を行い、懲戒処分に該当するか検討するとの報道がありました。

読売 関西発 4月16日 光市事件発言で橋下知事を懲戒審査へ…大阪弁護士会議決

懲戒に相当する弁護士の処分は、当然と思うのですが、上の記事の最後に次のように書いてありました。

橋下知事は15日の定例記者会見で「行き過ぎた発言だが法的には問題ない。あってはならない弁護活動だったと思う」と話した。

大阪府のWebを見ましたが、未だ15日の定例記者会見は掲載されておらず、上記発言の部分が掲載されるかどうか不明ですが、弁護してとして問題がありすぎる人物であり、懲戒処分が適当と思いました。即ち、

1. 法的に問題があるかどうか

法的に問題があるかどうかを判断するのは橋下ではない。法は市民のために存在するのであり、市民がどうように判断するかである。当事者が、自分の行為・発言を正当であると発言することは許されるのであり、それほど問題にすべきことではないのかも知れない。問題弁護士が発言するから、反発を覚える面もあるが、間違ったことを堂々と発言するのは、やはり許せない。

2. あってはならない弁護活動

この発言も、「だったと思う」がついているので、通常であれば許容範囲内かも知れませんが、弁護士が自分が関与していない裁判の弁護活動に関して批判することは、特別な事情のない限り許されることではありません。橋下の問題行為・発言は光市事件差し戻し裁判であり、その際の弁護士の活動については、橋下が問題とするようなことは存在せず、橋下が自分の知名度と弁護士という肩書きを使って、あってはならない行為・発言を行った。

橋下弁護士のような弁護士は、存在自体許されない気になります。但し、知事としては、大阪府民が選んだのだから、大阪府民のために続けてください。

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クレーン転倒事故

東京で、4月14日にクレーンが転倒し、歩行者ら6人が負傷した事故がありました。次のMSN産経ニュースのサイトに幾つかの写真が掲載されており、それぞれクリックすると拡大した写真を見ることができ、大きな事故であったことがわかります。

MSN産経ニュース 2009.4.16 13:50 つり上げ途中に旋回か 直後にバランス崩す クレーン横転

クレーンを適切に移動させなかったために資材との距離が離れすぎていたとか、鉄板にひっかかったとかの話が出てきたりしていますが、いずれにせよ安全対策に根本的な問題があったと考えます。転倒モーメントを超えるモーメントが働けば、転倒するのは物理の法則であり、物理の法則には逆らえないのです。

そこで、Webを探したのですが、「モーメントリミッタ」なる物が、大和製衡(株)の次のサイトで見つけました。

モーメントリミッタ

モーメントリミッタは、土木建設作業や港湾等の荷役作業で使用されるクレーンに過荷重がかかったり、転倒しないように、吊り荷の荷重やクレーンに働くモーメントを演算して、モーメントが許容値を超えると警報を発信する装置です。荷役作業の安全を確保します。

と書いてあり、「主に使用いただいている業界: 建設/土木/港湾/サービス業など」となっています。

大和製衡(株)以外にも、同様の製品を作っておられるメーカーもいると思うのです。そこで、問題の4月14日に転倒したクレーンですが、東京新聞 4月15日 クレーン事故 警視庁 補助ワイヤ数確認へ 操縦者『バランス崩した』によれば、クレーンの製造メーカーは日立住友重機械建機クレーン(株)です。そこで、同社のWebからカタログを見ました。安全装置として、何と「モーメントリミッタモード切替装置(右ハウス内)」とか書いてあります。

転倒したクレーンの機種までは判っておらず、また、モーメントリミッタはオプション装備かも知れません。

いずれにせよ、「モーメントリミッタ」の信頼性に問題があるとかでなければ、装着と使用を義務づけるべきと思いました。

果たして、14日の転倒クレーンは、「モーメントリミッタ」を装着していたのでしょうか?

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2009年4月16日 (木)

痴漢事件最高裁判決

多くの方がブログで書いておられます。私も、思うままに書いてみようと思いました。報道は、次でした。

日経 4月15日 防衛医大教授に逆転無罪 電車内痴漢、慎重な判断必要 最高裁

判決文は、ここ全文)にあります。

1) 最高裁は何を判断したか

私は、「被告は真っ白である。」とも「女子高生が嘘をついている。」とも判断していないと考えます。

「裁判で真実が明らかになる。」なんて言うことがあります。本当は、言い逃れに過ぎない。裁判とは、争点について争うのみであり、争点にならなかった部分は、そのままです。そして、争点についても、真実に近づく努力であって、人間のすることに限界は存在する。

裁判は、人間の限界の下での、仕組みである。人間は、白・黒つけられるほど、賢くて偉いのだろうかと思うのです。

被害者参加や極刑主義、復讐主義に偏りすぎているように感じる時があります。光市事件で、極論を叫ぶ橋下に人気が出る。真実より、パフォーマンスが大事という風潮は嫌です。

2) 痴漢事件と最高裁

痴漢事件で最高裁まで争われることは、ないと思います。痴漢をしていなくても、「そんな誤解を与えてしまったのは、失敗であった。」として、謝って、示談解決するのが通常だろうと思うからです。最高裁まで争ったら、弁護士費用等の直接費用も大変だし、この名倉正博氏の場合も、収入がなくなり、大変だったと思います。

名倉正博氏には、敬意を払いたいと思います。最高裁まで、争っていただいたから、この判決がありました。

私は、女性が痴漢を受けた場合に、被害申告をすることができるのは、当然であり、証拠があるないの問題ではないと考えます。そこは、人間社会の出来事であり、100%黒になる白になると言うのは、ないことと考えます。合理的な解決しかないことを受け入れるべきと思います。

3) 車内監視カメラ

磯崎さんが、2007年1月のIsologで、「犯罪・冤罪を発生させないための鉄道会社の人道的責任(なぜカメラに投資しないのか?)」を書いておられました。プライバシーや肖像権の問題もあり、鉄道会社が自らリスクを増やすことになり、実現は難しいと思います。しかし、社会の要請であれば、鉄道会社は喜んで協力すると思います。

タダの普通の男にとってみれば、写されても、痴漢と間違われるよりよいとなりますが、女性にとっては、どうなのでしょうか?

しかし、一方で、監視カメラが多くの場所で設置されているようにも思います。例えば、車内にはなくとも、駅構内にはあったりして。それからすると、車内にあっても良いように思えるし、痴漢対策だけなら、撮影後のデータ保管時間も1日は必要ないと思いますし。

いずれにせよ、何らかの取り組みがあっても良いように思うのです。

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2009年4月13日 (月)

ソフトバンク750億円損失のディスクロージャー(その2)

ソフトバンクが4月10日に、次のプレスリリースを出しました。

昨年10月29日に開示済みの実質的期限前償還に係る特別損失の計上および平成21年3月期の業績見通しに関するお知らせ

ソフトバンクが述べている特別損失750億円とは、2008年10月30日のソフトバンク750億円社債デット・アサンプションによる損失で書いた「750億円社債デット・アサンプションによる損失」のことです。

ソフトバンクは、昨年10月29日に開示済みと言っていますが、10月29日のこの連結営業利益見通し等に関するお知らせでは、単に「現時点における公表は困難な状況にあります。」となっているのみであり、「開示済み」とは言い難いと思います。

750億円の損失の詳細は、2008年10月30日のソフトバンク750億円社債デット・アサンプションによる損失で書きましたが、この平成21年3月期 第2四半期決算短信 の24ページの「2. 偶発債務」の合計金額です。

私でも、10月30日に750億円の損失を予想できました。一方、私とは比較にならないほど情報量を持ち損失になるかどうかの的確な判断をソフトバンクの経営者は下せたはずです。それにも拘わらず、期末を10日も過ぎた時点で、「750億円損失を出しました。」とは、ディスクロージャーができていないというか、株主・投資家(潜在的株主や投資を検討中の人も含め)やユーザー、債権者、その他関係者をおろそかにしすぎではないかと感じます。偶発債務ではあるが、その発生の可能性が高い場合は、引当金に繰入れ、損失を認識するのは、会計のイロハのイであります。引当金は、期末にのみ繰り入れるのではありません。何のために、四半期開示をしているのだ!第3四半期の決算短信を見ても、全く同様で、引当金処理をしていません。

デット・アサンプションぐらいは、やばそうではあるが、まともなデット・アサンプションもあるとして、「英国領ケイマン諸島に設立された特別目的会社(SPC)」とか「クレジット・デフォルト・スワップ契約」なんて、思いっきりやばそうな単語が並んでいましたから。

それにも拘わらず、今回のプレスリリースも「営業利益およびフリーキャッシュフローの連結業績予想に影響はありません。なお、当社単体業績に与える影響もありません。」なんて言っていますが。私に言わせれば、次の通りです。(書いていて、バカらしくなりました。)

・ 特別損失であるから、営業利益に影響がないのは当たり前。

・ 750億円のデット・アサンプションに関わる社債は、平成22年8月の償還であるから、フリーキャッシュフローに影響がないのは当たり前。

・ 連結子会社ソフトバンクモバイル㈱が発行した社債に関する取引であるから、連結親会社であるソフトバンク(株)の単体業績に影響がないのは当たり前。

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2009年4月12日 (日)

政府経済対策による将来の増税

政府は大型の経済対策を、4月10日に発表しました。麻生総理の記者会見がここにあり、その際の記者会見での配付資料はここにあります。

詳細については、この内閣府のWebの「経済危機対策(平成21年4月10日)」からDownloadできます。

効果がないとは言いませんが、様々な議論があると思います。金額ばかり目立って、中を読むと何をするのか分からないのが私にとっては、ほとんどです。例えば、雇用対策として、事業費2.5 兆円(国費1.9 兆円)や、企業の資金繰り対策として事業費41.8 兆円(国費3.0 兆円)と書いてあり、その具体的な政策を読み取ろうとしても分からない。医療・介護として1兆円が割り振られているが、こんなことをするなら、批判の多い医療費削減政策を正しいのかどうか、再検討することが重要だと思います。

将来の増税も検討すべきはずです。例えば、医療費削減政策は、小泉改革が「私の内閣では、増税をしない。」の前提で始めたことであり、その前提を外すなら、思いつきの政策より、正しい政策を実施すべきです。

いずれにせよ、財政出動15兆円なら、将来に15兆円の増税が待っています。実態から言えば、今でも5%程度の消費税増税が予定されているのだろうから、近い将来に15%位の消費税率になっても、不思議ではない状態なのだと思います。

経済対策を講じることについては賛成します。しかし、税金を投入するのであるからには、将来の増税になるのであり、増税負担以上の成長が見込めるのであれば、問題もありません。一方、経済対策という名前を借りて、一部の層のみがその利益・恩恵を受け、将来の負担が広く納税者にのしか掛かるなら、悪い政策です。この様な経済対策を「自分には余り関係がないが、損はしないだろう。」なんて受け止めては危険です。将来の増税以上の恩恵が得られるかをよく考える必要があります。

最近では、米国において、AIGのボーナスの件で議論がありました。米国において、金融安定化法の時も、不良資産救済プログラム(TARP)の時も、一番の議論は納税者の負担でした。日本人は、税金に対して甘いとも思わないのですが。しかし、利益誘導政治で自分に利益が来ると思うのは、もっと甘いことであり、可能性としては、他の人達がそれをすることも許すことに繋がる。公平な政治を望むべきです。そのためには、公平な評価が重要です。

それからすると、4月12日のMSN産経ニュースですが、【日本の議論】高速道路1000円は“天下の愚策”かがありました。第2次補正予算で成立したのですが、この平成20年度補正予算(第2号、特第2号及び機第2号)等の説明の6ページの「( 5 ) 地域活性化対策費」として「① 高速道路利活用推進対策費 補正第2 号追加 500,000(百万円)」とあります。5000億円ですから、一人あたり8千円として4人家族であれば、1家族3万円強の負担をするわけです。

本来は、高速道路の料金は何円が適切かの検討が最初にあり、当然その検討において高速道路と鉄道との関係や今後の交通システムの整備が検討されるべき。第2次補正予算は、どさくさに紛れて国会を通ったと思います。民主党が、高速道路ゼロ円を掲げ、それに対して自民党が1000円で対抗したとしか思えない。こんな夢のない、国民の幸せを無視した泥沼人気合戦をする政治でよいのかと思います。

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2009年4月10日 (金)

北朝鮮リスク

北朝鮮の立法機関である最高人民会議の第12期第1回会議において4月9日、金正日総書記を国防委員長に再任したというニュースがありました。

日経 4月9日 北朝鮮、金正日総書記を国防委員長に再任

北朝鮮という国の政治体制をよく知りませんが、総書記が党の地位であり、国防委員長が大統領兼首相のような軍の最高司令官であり政府で最も権限を有する地位と想像します。

1) ミサイル・リスク

ミサイルが飛んでくるリスクがあるかと言えば、ないとは言えません。但し、それは必ずしも北朝鮮からのみならず、他の国から飛んでくるリスクもあるはずです。その可能性がもしかしたら北朝鮮の場合は、比較論において高いと言うことでしょうか。

比較論の問題ではなく、核リスクの問題のはずです。即ち、2003年に核不拡散条約からの脱退を宣言し、2006年10月に核実験実施を発表しており、核リスクが最大のリスクであり、その運搬手段としてミサイルを保有していることの恐ろしさです。

そう考えた場合、4月5日の飛翔体は、何なのだろうか。人工衛星の可能性もあるが、一方で、この4月6日の日経社説にあるように、人工衛星と弾道ミサイル打ち上げの技術はほぼ同じである。但し、日本を射程に置くには、こんな大きなロケットは必要がない。その意味で、4月5日の飛翔体実験でリスクが増加したとは単純に言えず、もしかしたら、自衛隊の丁度良い訓練であったかもと思う。

2) 国連安保理決議

政府は当初、飛翔体の発射を受けてこの日経4月5日 政府、安保理協議で新決議案提出へ 「テポドン2号」発射受けのように、国連安保理決議を言っておりました。最近は、この日経4月8日 国連安保理、議長声明で妥協も 官房長官 のように、トーンは少し穏やかになっています。

3年近く前の2006年7月5日の飛翔体発射は、日本海に向けての発射であり、人工衛星ではなかったことから、国連安保理決議 2006年7月15日 No. 1695も次のようになっています。

1. Condemns the multiple launches by the DPRK of ballistic missiles on 5 July 2006 local time;
2. Demands that the DPRK suspend all activities related to its ballistic missile programme, and in this context re-establish its pre-existing commitments to a moratorium on missile launching;

また、2006年10月9日の核実験に対しては、この2006年10月14日国連安保理決議 No. 1718があり、外務省の日本語訳もあります。

新たな国連安保理決議ではなく、決議1695号には違反しない人工衛星であったのか、情報公開を求めることと思うのです。そうして、核の放棄に持って行くようにすることが本当の姿だと思います。

3) 最大のリスク

様々脅かしをしても、北朝鮮政府は期待するように動いてくれないはずです。制裁しても全く困らないだろうし、制裁をし、門戸を閉ざさせることによるリスクも考える必要があると思います。

最大のリスクは、北朝鮮内乱・破綻国家リスクと思います。金正日がいなくなり、内部で権力闘争が起こったらという不安です。現在も、どのような権力構造になっているか、分からないので、何も言えません。しかし、分からないからこそ、リスクがあると思ってしまいます。

このAERA2009年4月13日号は、「第4の息子」が4月9日の最高人民会議で後継者として登場する可能性もあると、その関連情報についても複雑なことを書いていました。世襲で国家のリーダーが決定されることのリスクをどう評価するかです。信長や秀吉を考えると、後継者を定める制度がない場合の破綻リスクが高いと思います。民主主義は、後継者を考えなくてもよく、制度自身を運用していく中で、生まれてきます。

北朝鮮で権力闘争が起こったら、どうなるのでしょうか?核兵器を押さえた人物が、巨大な権力を把握する可能性もあると思います。

金正日が健在で権力を持っているうちに、民主化までは進まなくとも、情報公開は少しは進み、核査察を受け、外交関係を多くの国と持つようにさせないと恐ろしいリスクがあるように感じてしまいます。

日本の今の姿勢は、どうなのだろうか?ある国が強硬論で迫り、別の国がなだめと、役割を分担して当たった方がよいかも知れないので、何とも言えません。

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2009年4月 6日 (月)

福島銀行の違法配当

次のニュースです。

日経 4月3日 福島銀に改善命令 金融庁方針、原資ないのに誤配当

金融庁の行政処分は次にあります。

平成21年4月3日 東北財務局 株式会社福島銀行に対する行政処分について

会社法の前の商法時代は、利益処分案が計算書類に含まれており、監査法人による監査対象であった。会社法の施行後は、利益処分や損失処理は435条の計算書類に含まれないことととなり、上場会社の場合は、会計監査人設置会社であることから、定款に定めれば、取締役会において金銭による配当を実施できることとなった。(会社法459条 特に1項四号)

会社法により四半期配当も可能となり、柔軟性が生まれた。一方、それに対応して、配当等の制限(会社法461条)も多少は厳しくなった面があるが、このニュースに最初に接した時は、商法と会社法の差による微妙な取り扱いの差が影響したのかと思った。しかし、調べてみれば、お粗末な面も含まれています。

0803equity

上に示したのが、福島銀行の問題の2008年3月の貸借対照表の純資産の部です。分配可能額が461条2項に定められていますが、第三号に自己株式の帳簿価額があり、第六号に「前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額」とあり、第六号の定めが会社計算規則186条です。186条二号に「最終事業年度の末日における貸借対照表のその他有価証券評価差額金の項目に計上した額(当該額が零以上である場合にあっては、零)を零から減じて得た額 」と書いてあります。即ち、その他有価証券評価差額金がマイナスであれば、その金額を剰余金の額から引き算する必要があります。

剰余金の額とは、会社法446条と会社計算規則177条によりますが、ほとんどの場合は、その他資本剰余金の額とその他利益剰余金の額の合計になります。

従い、福島銀行の2008年3月末で分配可能額は、次の計算のようにマイナス695百万円となります。

剰余金の額(3,937)-自己株式の帳簿価額(11)-その他有価証券評価差額金(4,621)=-695

配当可能額がマイナスだから、配当できないにも拘わらず、3億3482万7260円の配当をしてしまったとのことです。ところで、商法であっても、配当可能額の計算結果は全く同じでした。即ち、商法290条が貸借対照表上ノ純資産額をベースに規定していることから、その他有価証券評価差額金がマイナスである場合も自己株式も、計算の当初からマイナスとなっていました。確かに、会社法と会社計算規則の定めは、何故こんな複雑怪奇な表現にしたのかと感じる部分があるのですが、先ずは常識的に考えれば、良いのだと思います。

それからすると、福島銀行の違法配当は、通常の常識を失っていたのではと思ってしまう面があります。最後に、福島銀行の発表を掲げておきます。

福島銀行 平成21 年2 月10 日 前期の配当について

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幻の産業技術史博物館

幻の博物館が存在したことを、伊藤乾氏が書いておられるNikkei BP4月6日のなぜ日本はテポドンで右往左往するのか? 技術に定見を欠く人材育成がもたらしたものを読んで知りました。

博物館は、実現していなので、「博物館構想」と書くべきかも知れません。しかし、収蔵品として、金属加工機械類が約650点、鋳造関係が文書資料約2万点と機器類が約400点、繊維工業機械類31点、火力発電機器類27点、工作機械類8点、理化学関係が文書約1000点と機器類約100点、製茶機器類8点、その他約40点も存在したのです。(1997年の数字ですが、多分増減はないと思います。)

次の共同47ニュースにある、「頓挫」が言葉として、適切かも知れませんが、1980年代から蓄積されてきたのですから、今更頓挫でもないように思います。

共同通信 3月13日 万博公園の保管資料2万点廃棄へ 産業博物館頓挫で

この産経ニュース 1月21日 40年前の興奮再現 万博公園の「鉄鋼館」を改修の記事が述べている鉄鋼館に収蔵品が置いてあったことから、撤去を求められ、幻の博物館は空中分解してしまったと言うことです。

産業技術史博物館については、凡才中村教授の憂鬱のこのブログ桃山学院大学総合研究所発行の『大阪の産業記念物』2005年3月号の3~8ページにその経緯等が書かれています。1980年代から収蔵物が蓄積され、大部分は、関西の多くの個人や企業の善意で寄贈された物ということです。

文化・産業・生活といったものは、切り離すことのできないものです。海外で博物館に行くことがありますが、どこも歴史を保存しようとしていると感じます。日本の博物館では、模型があったり。でも、模型ではない実際に使われ、働いていた本物が展示されているから、価値がある。

博物館は、国立との構想であったので、文科省に設立を働きかけていたのでしょうが、現実に収蔵品が存在するのであり、それを管理していた法人が存在するはずです。それが、大阪府、大阪市、大阪商工会議所、日本産業技術史学会で作る「国立産業技術史博物館」誘致促進協議会であり、3月6日に会合を開いて資料の「廃棄処分」を決定したようです。大阪府の予算を見ると、この書類の施策ID053に平成19年度の予算額人件費として198万円の記載があります。但し、負担額はゼロとなっています。鉄鋼館の改修にしても、1月21日に急に決定したのではないはずです。大阪府の担当府庁幹部・職員(知事もしかるべき時期からは)は、知っていたと思います。

税金は何のために使うべきであるか?

一方で、このエントリー「幻の産業技術史博物館」を書くにあたり、調べていて、嬉しくなることもあります。

エル・ライブラリー 大阪産業労働資料館がこの緊急のお願い。図書運搬ボランティア募集! 本を救え!大作戦のように図書の搬出ボランティア呼びかけ、図書については、エル・ライブラリー 大阪産業労働資料館がとりあえずは、救出したようです。

それ以外にも、救えた収蔵品はあったようですが、やはり、時事通信 3月23日 産業資料2万点余を廃棄へ=博物館建設構想の頓挫で-大阪に、スクラップとして搬出される収蔵品の写真もありますが、大半は救えなかったのでしょうね。

貴重な財産の処分を3月6日に決定して、3月23日に実行する。文化がないというより、一方的な価値観を押しつけるFascismと感じてしまうのです。

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2009年4月 5日 (日)

完全無所属のはずが自民党支部長

1週間前の3月29日に千葉県知事選挙があり、森田健作(本名:鈴木栄治)氏が当選しました。

読売 3月30日 千葉県知事選、森田健作氏が初当選

次の日経の記事には、”森田氏は「完全無所属」を掲げ、政党政治と一線を画す姿勢をアピールした。”と書いてあります。

Nikkei Woman 3月30日 千葉県知事に森田氏 民主、推薦候補破れ痛手

ところが、次の読売の記事を読むと、「えっ!これ何」となります。

読売 3月30日 「完全無所属」実は「自民支部長」…千葉知事当選の森田氏

読売 4月3日 森田健作氏に違法政治資金、献金禁止企業から1010万円

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2009年4月 3日 (金)

ついに米ドル100円ですね

本日、米ドルが100円になりました。日経とブルームバーグを掲げておきます。

日経 4月3日 円続落一時100円台、米経済底割れ回避の見方 5カ月ぶり

ブルームバーグ 4月3日 東京外為:円下げ渋り、米雇用統計警戒や株失速で-一時5カ月ぶり安値

1年前の2008年4月1日からのチャートを書くと以下の通りです。

Usdforex20094_2

円安為替は、自動車やエレクトロニクス関係の輸出依存製造企業にとっては、歓迎すべきことです。一方で、日本経済にとっては、何とも言い難い面もあります。物価の下がり局面は、これで止まり、上昇に向かう可能性もあると思います。

ロンドン・サミット(G20)との関係で考えると、ここに共同声明(Leaders’ Statement 2 April 2009)があります。声明文は、多岐にわたっており、29番まで文章があり、抽象的な部分が相当多いのですが、それでもこの声明の内容を実現する場合の主役は20ヶ国のうちでも米国、中国などが浮かんできて、日本は米国や中国の需要増の恩恵を受けて生産・収入が増加する国になるような気がします。

世界を見渡して、世界が本当に望むものを作り出すことが真の成長をもたらす気がします。

いつものように、NHKに対する愚痴になりますが、NHKニュース 4月3日 5時18分 金融サミット 首脳宣言を発表は「先進国と新興国が来年末まで総額で5兆ドル規模の経済対策を実施することで、世界経済の成長率を4%押し上げるなどと、具体的な数値を掲げて世界経済を回復軌道に乗せるとする首脳宣言を発表しました。」なんて言っていますが、NHKて、英語は大丈夫かな。それとも、私の英語がダメなのかと思ってしまいます。

世界のGDP合計が60兆ドルを少し超える規模です。これが4%成長するなら、2.4兆ドル増加する。そのために、5兆ドルの支出をする。NHKのロジックは変だと思います。

次の、6がNHKが参考にした文章のはずですが、4%は成長率ではなく、財政支出のことであり、文章としてはGreen Economyへの移行を促進する、と私は読みます。

6. We are undertaking an unprecedented and concerted fiscal expansion, which will save or create millions of jobs which would otherwise have been destroyed, and that will, by the end of next year, amount to $5 trillion, raise output by 4 per cent, and accelerate the transition to a green economy. We are committed to deliver the scale of sustained fiscal effort necessary to restore growth.

世界の経済成長に関する文章としては、次の10を、2010年までに2%以上の成長率となるように、何が何でも努力すると読みます。

10. Last month the IMF estimated that world growth in real terms would resume and rise to over 2 percent by the end of 2010. We are confident that the actions we have agreed today, and our unshakeable commitment to work together to restore growth and jobs, while preserving long-term fiscal sustainability, will accelerate the return to trend growth. We commit today to taking whatever action is necessary to secure that outcome, and we call on the IMF to assess regularly the actions taken and the global actions required.

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2009年4月 2日 (木)

2008年度は上場企業倒産が最悪の45件

朝日の記事に「08年度上場企業倒産、最悪の45件」というのがありました。

朝日 4月1日 08年度上場企業倒産、最悪の45件

記事に「最多だった02年度の22件を大幅に上回った。」とあります。東証のみを対象とした場合、上場企業の数は、2002年末で2119でした。それが、この3月末には、2370ですから、企業数は1.12倍になったのに対して、倒産数2.04倍ですから、2008年度の企業倒産数は非常に多かったと言えます。そして、これから更に増えるのではないかとの懸念があり、危惧されます。

1) ゴーイング・コンサーン

ZAKZAKの3月26日の記事です。

ZAKZAK 3月26日 大和自、コスモスイニシア…最新版!経営不安126社

とあり、

ゴーイング・コンサーンに関して監査法人から注記が付されたその126社の会社名が、ZAKZAKのWebのここここにあります。

2) 金融庁の改正案

上場企業については、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められるときは、財務諸表にその内容や対応策を注記することが求められています。上場企業の場合は、財務諸表について監査法人による監査が必要であることから、継続企業の前提(ゴーイング・コンサーン)も、監査対象です。

金融庁は、監査基準の改訂案と財務諸表等規則の改正案を3月26日と27日に公表しました。金融庁のWebのここここにあります。

3月24日に開催された企業会計審議会・監査部会において、一定の事象や状況が存在すれば直ちに継続企業の前提に関する注記及び追記情報の記載を要する現行の規定を、国際的な基準との整合性を図る観点等から改めることとしたとのことですが、今ひとつしっくり来ません。

財務諸表等規則の改正案からすれば、「当該事象又は状況を解消し、又は改善するための対応をしてもなお継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められるときは」という部分を追加したのが、大きな改正と思え、本質論ではないように思えます。

本音は、次の日経ビジネスオンライン(NB Online)の記事の事態を恐れている経営者の逆襲ではないの?と勘繰りたくなるのです。

NB Online 3月31日 「監査倒産」続出の懸念 3月危機を乗り切っても…企業に迫る次なる試練

3) ゴーイング・コンサーン(継続企業の前提)とは?

簿記の最初に、これがないと会計が成立しないと習います。ゴーイング・コンサーンについて、一番分かりやすく書いているのが国際監査基準と呼ばれる”INTERNATIONAL STANDARD ON AUDITING 570 GOING CONCERN”の2.Going Concern Assumptionの次の文章と思います。

Under the going concern assumption, an entity is viewed as continuing in business for the foreseeable future. General purpose financial statements are prepared on a going concern basis, unless management either intends to liquidate the entity or to cease operations, or has no realistic alternative but to do so. Special purpose financial statements may or may not be prepared in accordance with a financial reporting framework for which the going concern basis is relevant (e.g., the going concern basis is not relevant for some financial statements prepared on a tax basis in particular jurisdictions). When the use of the going concern assumption is appropriate, assets and liabilities are recorded on the basis that the entity will be able to realize its assets and discharge its liabilities in the normal course of business.

企業が事業を継続するとの前提で資産の評価が可能となる。先行きが、成り立たないとなれば、予測がつかなくなる。an entity is viewed as continuing in business for the foreseeable futureが前提であり、永遠ではないが、その企業の成立が危うくなるとは思えないことが必要です。金融庁の改訂・改正案は、「将来にわたつて事業活動を継続する」という部分を修飾語を付けて、より適切な文章にするとのことでしょうか?

4) 財務諸表と監査報告書の目的

決して投資家のためだけでは、ありません。取引先、債権者、従業員等様々な利害関係者のためです。財務諸表とは、誤魔化して、金を集めて、経営者が自分個人の懐に富を蓄えようとするものでは、絶対にないことは確かです。しかし、粉飾すれば、そのようなことが可能であるし、例え個人の懐に入れずにいたとしても、傷口を大きくしてしまうことはあり得るし、債権者にとって見れば、債権の50%が回収できたのが、ゼロになってしまうこともあり得ます。

会計監査とは、経営者が作成した財務諸表にお墨付きを与えるのであるから、大きな責任を社会に対して持っています。ゴーイング・コンサーンが怪しいにも拘わらず、財務諸表に注記されていないなら、経営者に問いただし、その上で疑問が払拭できないなら、その旨を監査報告書に記載するのが監査法人の義務です。黒白明白にならないこともあるでしょう。しかし、そのような場合でも、財務諸表を利用する多くの関係者に有用な真実の情報を提供しようとするのが、会計監査です。

5) 企業倒産への備え

危ないと判断したなら取引を押さえることです。自らのビジネスを減少させることに繋がり、容易ではありません。しかし、倒産したら、ビジネスを減少させるより、はるかに大きな痛手を被ります。倒産するか、しないか、やはり財務諸表が、一番大きな情報を与えてくれます。企業の生き残りのための、現時点における最も重要なことは、そのようなことではないかと思います。

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2009年4月 1日 (水)

美少年酒造のわな

美少年酒造事件を見ていると、落とし穴のような罠が、何重にも張り巡らされているように感じました。

1) 社長の続投

社長は本日記者会見で(正式な記者会見でなかったかも知れませんが、次の日経記事には報道陣に対して述べたとありますので)辞任を言ったようですが、「筋道がついてから辞める」というのは、辞めると言えるのでしょうか?同記事の中に、「汚染米事件発覚後の経営再建を担っていた緒方伸太郎副社長」とあり、社長と同姓であるので、息子さんであると思いますが、「副社長」に譲り、自分は役なしの無報酬で会社、社員を支え、取引先及び顧客のために全力で尽くすのが本筋と思います。

日経 4月1日 美少年酒造社長が辞任へ 三笠フーズからの裏金で

2) 汚染米加害者の可能性

前日の3月31日に世の中に知れ渡ったんですね、美少年酒造が汚染米被害者ではなく、加害者の可能性があることが。(少なくとも、付け入れられるような弱みは持っていた。)

日経 3月31日 三笠フーズ側、美少年酒造へ裏金 コメ差し替え、差額プール

どのようなことをしたのかは、次の朝日の記事の方が、多く書いてありました。

朝日 4月1日 「三笠フーズ側から裏金」美少年酒造社長が謝罪会見

農協から一等米を仕入れて(三笠フーズ子会社の)辰之巳に精米を委託しながら、(辰之巳には)実際は三等米とみられる米を納入させ、浮いた差額は三笠フーズ社長の冬木三男が年に一度、緒方社長にまとめて渡していた。」(括弧の中は、私が付け足しました。)

一等米を本当に仕入れているのですから、巧妙な手段を使っていました。そのような美少年酒造と三笠フーズの関係であったから、汚染米と分かっていながら、購入した可能性が高いと思います。そう思って、次の9月30日の石破農水相が美少年酒造を訪れ「深くおわび申し上げます」と述べたと報じるニュースを読むと最高の皮肉演劇を見ているようです。

産経 2008年9月30日 【汚染米不正転売】農水相が美少年酒造に謝罪

3) 被害者vs加害者

三笠フーズや美少年酒造の経営幹部連中が加害者であることは、間違いがないことと思います。しかし、それだけで、終わらせて良いのだろうか?朝日の記事には「裏金は、自社の酒を飲食店に置いてもらおうと資金を貸したまま、回収できなくなった不良債権の処理などに使ったという。」とあり、美少年酒造の緒方社長は、手にした裏金を、会社のために使ったのだとは思います。

被害者は、一等米が入っていると品質を信頼して購入し、飲んだ消費者です。しかし、被害回復は困難と思います。

しかし、一方で、消費者が余りにも、価格と単なる表面上の記載にこだわりすぎている結果ではないかとも思います。どこそこの○○が製造した、あるいはXXが販売しているということで、品質の信頼が存在し、高くても納得できた物が、情報が乏しかった昔の時代には多かった。安いのは良いことですが、行き過ぎると逆にマイナス効果が出てしまう。消費者は一方では、(公務員を含めサービス提供者と考え)生産者です。生産者にとっては、安いだけではない、本当の価値を正当に評価して欲しいのです。次の朝日の記事は、そのような部分も表現しているのだと思いました。

朝日 3月30日 昨春から一転、値下げラッシュ 行き過ぎなら企業圧迫も

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