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2009年4月 6日 (月)

福島銀行の違法配当

次のニュースです。

日経 4月3日 福島銀に改善命令 金融庁方針、原資ないのに誤配当

金融庁の行政処分は次にあります。

平成21年4月3日 東北財務局 株式会社福島銀行に対する行政処分について

会社法の前の商法時代は、利益処分案が計算書類に含まれており、監査法人による監査対象であった。会社法の施行後は、利益処分や損失処理は435条の計算書類に含まれないことととなり、上場会社の場合は、会計監査人設置会社であることから、定款に定めれば、取締役会において金銭による配当を実施できることとなった。(会社法459条 特に1項四号)

会社法により四半期配当も可能となり、柔軟性が生まれた。一方、それに対応して、配当等の制限(会社法461条)も多少は厳しくなった面があるが、このニュースに最初に接した時は、商法と会社法の差による微妙な取り扱いの差が影響したのかと思った。しかし、調べてみれば、お粗末な面も含まれています。

0803equity

上に示したのが、福島銀行の問題の2008年3月の貸借対照表の純資産の部です。分配可能額が461条2項に定められていますが、第三号に自己株式の帳簿価額があり、第六号に「前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額」とあり、第六号の定めが会社計算規則186条です。186条二号に「最終事業年度の末日における貸借対照表のその他有価証券評価差額金の項目に計上した額(当該額が零以上である場合にあっては、零)を零から減じて得た額 」と書いてあります。即ち、その他有価証券評価差額金がマイナスであれば、その金額を剰余金の額から引き算する必要があります。

剰余金の額とは、会社法446条と会社計算規則177条によりますが、ほとんどの場合は、その他資本剰余金の額とその他利益剰余金の額の合計になります。

従い、福島銀行の2008年3月末で分配可能額は、次の計算のようにマイナス695百万円となります。

剰余金の額(3,937)-自己株式の帳簿価額(11)-その他有価証券評価差額金(4,621)=-695

配当可能額がマイナスだから、配当できないにも拘わらず、3億3482万7260円の配当をしてしまったとのことです。ところで、商法であっても、配当可能額の計算結果は全く同じでした。即ち、商法290条が貸借対照表上ノ純資産額をベースに規定していることから、その他有価証券評価差額金がマイナスである場合も自己株式も、計算の当初からマイナスとなっていました。確かに、会社法と会社計算規則の定めは、何故こんな複雑怪奇な表現にしたのかと感じる部分があるのですが、先ずは常識的に考えれば、良いのだと思います。

それからすると、福島銀行の違法配当は、通常の常識を失っていたのではと思ってしまう面があります。最後に、福島銀行の発表を掲げておきます。

福島銀行 平成21 年2 月10 日 前期の配当について

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コメント

私、福銀の株主です(議決権4個)。違法配当の直前に「第三者割り当て増資」(取引先に株売った)してます。思うに、自己資本比率2%割れの厳しい状況でしたから、借金の返済につかったのではないでしょうか?。そして増資を引き受けた株主にごまかしの配当をしたのでは?。だとしたら大変な事件です。株主総会で厳しく追求しましょう。

投稿: 大部 | 2011年11月17日 (木) 00時57分

大部様

コメントありがとうございます。

限度を超えて配当を支払うことは、株主からすると、損をする話ではない。配当金が多くなるのだから。

しかし、企業としての信用力を失うことにつながり、大局的には株主にも損となる。債権者(銀行にとっては、預金者が一番の債権者)が逃げていくことになっては、どうしようもない。業務遂行のための許認可等の問題もあり、株主総会で追及して当然と思います。

投稿: ある経営コンサルタント | 2011年11月17日 (木) 16時32分

昔は1000人を超えていた行員も、今は500人程度。2001年末の取り付け騒ぎをきっかけにリストラを進めましたが、同時に優秀な人材も流出したことで、人材不足の面が大きいと思います。
さらに営業店を重視する傾向が強いので、本部に決算に関する法務に詳しい人材が当時居なかったのではと思います。

投稿: 通行人 | 2011年12月 8日 (木) 19時37分

あと、5月上旬をピークとしたユーロ相場の動きを見たうえで、2011年3月末、6月末、9月末の外国証券残高を見ると面白いですよ。
8月の人事異動はその大変そうな状況を表しているように思います。今はユーロ相場に一喜一憂して胃に穴が開くような思いをしてるでしょうけど。

投稿: 通行人 | 2011年12月 8日 (木) 19時52分

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