クレーン転倒事故
東京で、4月14日にクレーンが転倒し、歩行者ら6人が負傷した事故がありました。次のMSN産経ニュースのサイトに幾つかの写真が掲載されており、それぞれクリックすると拡大した写真を見ることができ、大きな事故であったことがわかります。
MSN産経ニュース 2009.4.16 13:50 つり上げ途中に旋回か 直後にバランス崩す クレーン横転
クレーンを適切に移動させなかったために資材との距離が離れすぎていたとか、鉄板にひっかかったとかの話が出てきたりしていますが、いずれにせよ安全対策に根本的な問題があったと考えます。転倒モーメントを超えるモーメントが働けば、転倒するのは物理の法則であり、物理の法則には逆らえないのです。
そこで、Webを探したのですが、「モーメントリミッタ」なる物が、大和製衡(株)の次のサイトで見つけました。
「モーメントリミッタは、土木建設作業や港湾等の荷役作業で使用されるクレーンに過荷重がかかったり、転倒しないように、吊り荷の荷重やクレーンに働くモーメントを演算して、モーメントが許容値を超えると警報を発信する装置です。荷役作業の安全を確保します。」
と書いてあり、「主に使用いただいている業界: 建設/土木/港湾/サービス業など」となっています。
大和製衡(株)以外にも、同様の製品を作っておられるメーカーもいると思うのです。そこで、問題の4月14日に転倒したクレーンですが、東京新聞 4月15日 クレーン事故 警視庁 補助ワイヤ数確認へ 操縦者『バランス崩した』によれば、クレーンの製造メーカーは日立住友重機械建機クレーン(株)です。そこで、同社のWebからカタログを見ました。安全装置として、何と「モーメントリミッタモード切替装置(右ハウス内)」とか書いてあります。
転倒したクレーンの機種までは判っておらず、また、モーメントリミッタはオプション装備かも知れません。
いずれにせよ、「モーメントリミッタ」の信頼性に問題があるとかでなければ、装着と使用を義務づけるべきと思いました。
果たして、14日の転倒クレーンは、「モーメントリミッタ」を装着していたのでしょうか?
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