与謝野大臣の発言
民主党の代表選出選挙を前にしての与謝野大臣の発言が面白い。
「岡田さんは逃げない。鳩山さんは逃げる」
(日経 5月15日 「鳩山さんは逃げる」 与謝野財務相、消費増税否定を酷評から)
岡田氏のくそまじめさに、つい口に出てしまったのかなと思います。民主党は、基礎年金の全額税負担を言っているのですから、増税なしで絶対無理と私は思います。貧困社会を無くすためには、増税して政府が所得再配分をし夢のある社会にしていかないと、日本の行く先は暗いと思います。
税の面では、90年代から暗い時代が約20年も続いて、やっと岡田氏のような表現をする政治家が現れてきたのかとの思いです。政治家が税を徴収しないと言ったら、そんな人に投票しますか?私は、そんなことを言ったら、その政治家は初めから失格だと思います。何故なら、何もしない、何もできない政府になるからです。強盗や殺人はやり放題。金はごまかし放題。搾取し放題。力が全てで、最貧の人々が蔓延する社会になります。
多くの人が合理的と考える考える社会、そのルールに従いたいと思う社会、を実現するためには、社会の構成員が政府をつくり、政府を合理的に運営して、実現するはずです。
税については、デタラメが通ってきた日本社会と思うからです。
次の表が所得税、法人税、消費税の税率の推移です。財務省のWebにある所得税の推移表に少し手を加えました。
49年 |
59年 |
62年 |
63年 |
元 年 |
7 年 |
11年 |
19年 | |
所得税率 | % | % | % | % | % 万円 | % 万円 | % 万円 | % 万円 |
10 | 10.5 | 10.5 | 10 | 10(~ 300) | 10(~ 330) | 10(~ 330) | 5(~ 195) | |
12 | 12 | 12 | 20 | 20(~ 600) | 20(~ 900) | 20(~ 900) | 10(~ 330) | |
14 | 14 | 16 | 30 | 30(~1,000) | 30(~1,800) | 30(~1,800) | 20(~ 695) | |
16 | 17 | 20 | 40 | 40(~2,000) | 40(~3,000) | 37(1,800~) | 23(~ 900) | |
18 | 21 | 25 | 50 | 50(2,000~) | 50(3,000~) | 33(~1,800) | ||
21 | 25 | 30 | 60 | 40(1,800~) | ||||
24 | 30 | 35 | ||||||
27 | 35 | 40 | ||||||
30 | 40 | 45 | ||||||
34 | 45 | 50 | ||||||
38 | 50 | 55 | ||||||
42 | 55 | 60 | ||||||
46 | 60 | |||||||
50 | 65 | |||||||
55 | 70 | |||||||
60 | ||||||||
65 | ||||||||
70 | ||||||||
75 | ||||||||
住民税の最高税率 | 18% | 18% | 18% | 16% | 15% | 15% | 13% | 10% |
住民税と合わせた 最高税率 |
93% | 88% | 78% | 76% | 65% | 65% | 50% | 50% |
税率の刻み数 |
19 (13) |
15 (14) |
12 (14) |
6 (7) |
5 (3) |
5 (3) |
4 (3) |
6 (1) |
法人税率 |
40% | 43.3% | 42% | 42% | 40% | 平2から37.5% 平10から34.5% |
30% | 30% |
消費税+ |
0% | 0% | 0% | 0% | 3% | 3% | 平9から5% | 5% |
所得税は1974年以来税率を下げてきています。1999年と2007年とを比べると、2007年に上がっているように思えますが、(高所得者に対して)住民税を下げているから、実質は変わりません。本当は、この時、定率減税を廃止したから、低所得者に対しては、増税となり、現在に至っています。
法人税は、法人地方税が加わり、更に事業税もあるので、目安税率としては1.3倍ぐらいを考えれば良いだろうと思います。
消費税の導入は、平成になる直前の1988年(昭和63年)12月に法が成立し、1989年(平成元年)4月からの施行で、竹下内閣の時でした。その後、細川内閣の時代に突然福祉目的税として7%が提案され、つぶれ、橋本内閣の時に、1997年(平成9年)から地方消費税と合わせて現在の5%となりました。
所得税と法人税は、小渕内閣の1999年(平成11年)に、景気対策として負担軽減措置を導入して、暫定的に税率が引き下げられた。特別経済対策と思っていたら、小泉内閣の時に、この税率が恒久税率になってしまった。
小泉内閣の路線は、小渕内閣時代の減税政策と財政支出拡大で膨れあがった財政赤字をとりあえずは、支出を切り詰めていったことである。財政支出を切り詰めれば、そのしわ寄せは弱者に行く。その結果が、現在だと思います。そろそろ限界が来ているように思います。多分、与謝野氏も私と同じように感じているのだろうと勝手に思いました。
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