「ライフケア高砂」の山口豪雨被害から学ぶ対策
7月22日のブログで土建国家反対論を書いたのですが、やはりそんな懸念があるようで、心配します。
日経 7月22日 裏山の砂防ダム建設、間に合わず 山口豪雨被害の特養ホーム
「山口県が砂防ダム建設を検討、2008年度から2年間の計画で調査に着手していたことが22日、分かった。」と書いてあり、川でない所から、土石流が発生したのであり、私は砂防ダムがあったとしても、別の箇所に建設をしており、多分役に立っていなかったと思うのです。
そもそも「ライフケア高砂」の土石流は、今でも水が出てきているようですが、多分裏山の小さな沢が、土砂崩れでせき止められ、その結果、流れが変わって、「ライフケア高砂」を直撃する土石流が発生したと思います。
対策の第一は、老人ホームのような施設には、敷地内に雨量計を設置しておき、アラームが発生すれば、第1段階では、全員2階に避難、第2段階で、体の不自由度な人から、他の施設への移動といった豪雨時の対策を平時から作成し、マニュアルに従って避難することが一番効果があるし、費用も安くて済むはず。地方自治体は、個別地点の雨量と危険度についての情報等を積極的に公開し、相談があれば、相談に応じることが最も重要と考えます。
必要があれば、地方自治体は、降雨と土砂崩れ、土石流、その他災害に関して、コンサルタント等専門家を起用して、対策を取ればよいのですから。砂防ダム一つの建設費で、相当多くの効果がある仕事が可能と思います。
なお、気象庁の防府地域気象観測所(アメダス)のデータがWebにあることから、防府の雨に関するグラフを書いてみました。
7月20日から7月23日までを示したのですが、雨は7月21日に集中しています。そこで、7月21日ついての部分のみを書いたのが次のグラフです。
7月21日は、最低気温が9時です。午前0時と夜の12時が最も気温の高い日でした。朝の午前5時から降り始め、9時に最も激しく、8時から9時にかけては63.5mmの雨が降りました。前日の20日も多少は雨が降ったものの、大雨は21日なので、21日の累計雨量をグラフに書いてみました。
5時から降り始めて12時-13時にかけて累計雨量が鰻登りになっていったことが分かります。「ライフケア高砂」を土石流が襲ったのは、昼食を終わりつつある時間ですから、13時前でしょうか?累計雨量が240mm(グラフ右軸)を超えた頃と思います。
累計雨量と豪雨被害との関係について、研究をすべきと思います。このようなことにこそ、金を使うべきです。危険地域については、累計雨量何mmで、どのような危険が高まり、どのように対処すべきか、検討をしておくべきと考えます。多分、被害損失より小さい金額で検討が可能であると思うので、効果は大きいと考えます。
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