あるあると消費者委員会と花王の不思議な関係
日本の消費者保護は、大丈夫でしょうか?
1) あるあるで変な証言をした人物が消費者委員会の委員
消費者委員会の委員名簿がここにあります。その中の、田島眞・実践女子大学生活科学部教授が「あるある」で「レタスが眠らせる効果がある。」と証言していたとのことです。その告発を書かれたのが、健康食品管理士認定協会理事長の長村洋一氏(鈴鹿医療科学大学大学院・教授)で、ここにあり、さらにその本文はここにあります。名前と顔が隠してありますが、田島眞氏に間違いはありません。
ブログでは、松永和紀blogがあり、実は松永和紀blogで、私も知りました。
2) 不可思議の花王エコナ
エコナクッキングオイルなんて知りませんでしたが、突然エコナ関連製品に関する花王株式会社からの失効届の提出についてを消費者庁が発表して知りました。
「特定保健用食品(特保)」とは何であるかですが、この東京都福祉保険局のWebによれば、健康増進法26条(特別用途表示の許可)の許可を受けた販売に供する食品です。
少なくとも、花王は、お墨付きをもらって高く販売し、利益を得ることを意図したはずです。
NBOnline 10月20日 虚実ない交ぜ“消費者主権”が、指摘しているのですが、消費者団体などがエコナ発売当時から「ジアシルグリセロール」というエコナの主成分が発ガン物質であると問題視していたとのこと。しかし、実はエコナには、別の発ガン物質が含まれていたと言うのです。
植物油脂を加工して製造される人工ミルクに、発ガン性の疑いが濃い「グルシドール(以下G)」に構造が近いグリシドール脂肪酸エステル(GE)が含まれ、GEが仮にGに変化するという「最悪のケース」においては健康被害が無視できず、「リスク評価を進めるべき」という見解をドイツの公的機関が、発表した。これを受け厚生労働省は、花王に調査を指示。花王が独自に調査して、エコナにはほかの食用油よりも高い水準でGEが含まれていることが判明した。その結果、特保を取り下げたと言うのです。確かに、この消費者庁の文書には、「グリシドール脂肪酸エステルが高濃度で含まれることが判明し」と書いてあります。やはり、エコナは黒に近かったのでしょうか?それを、政府は特保だと認定した。
健康増進法26条に書かれている特別の用途とは、乳児用、幼児用、妊産婦用、病者用であり、これで健康食品のお墨付きを政府が与えるというのは、行き過ぎであると思います。バランスの取れた食事が一番よいはずです。
花王は、エコナクッキングオイルを、植物性加工油脂、グリセリンエステル、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC)、(原材料の一部に大豆を含む)と説明しています。エコナとは、Edible Coconut Oil of NAGASEのことで、椰子油を主成分としていたのではと思います。対策としては、バランスの取れた食事が一番よいはずで、特保は多分価格が高いから止めた方がよいように思いました。(特保とは、リスクが低いことが保証されている訳ではない。ちなみに、薬もリスクがあるが、治療という重要なリターンの期待がある。)
3) そう言えば、あるあるのスポンサーは花王
これを思いつくと、花王から遠ざかりたくなりました。
4) 消費者委員会
消費者委員会とは、消費者庁及び消費者委員会設置法で 設置された委員会です。消費者保護をするにあたり極めて重要な委員会ですが、委員の選定はやはり極めてずさんであったと思います。
だれが、決めたか。麻生太郎です。(やはり!)法第6条の「委員及び臨時委員は、消費者が安心して安全で豊かな消費生活を営むことができる社会の実現に関して優れた識見を有する者のうちから、内閣総理大臣が任命する。」に従い、9月1日に任命しています。
では、鳩山君が首にできるかというと、できないと私は思います。何故なら、この委員会は政府とは独立しており、政府の消費者行政を監視し、意見を述べる委員会だからです。消費者庁とは別の組織です。総理大臣は任命できるものの、辞任させる権限はないし、持つべきでないと思います。
そもそも、この消費者委員会の任命を総理大臣とすることがおかしいのです。立候補者に対し、国民投票で決めればよいと思います。そうすると、どの様な人か、その意見や、熱意、経歴等も全て国民に明らかになります。国民の為の消費者行政が、総理大臣のための消費者行政にしてしまうのでは、意味がありません。だから、あるある捏造田島眞氏が就任したのですが。
ちなみに、法案に対し、日弁連は「委員の任命は「両議院の同意を得て内閣総理大臣が任命」と修正すべきである。なお、委員は兼職禁止について規定すべきである。」との意見書を2008年11月19日に出していました。兼職禁止も賛成します。消費者保護を片手間にして欲しくありません。
ところで、今の委員の首を切る方法ですが、自ら辞めてもらうことが一つですが、それ以上に重要なことは法改正だと思います。私が言うように、選挙で選べないなら、せめて日弁連が言う改正を民主党政権が直ちにして欲しいと思います。
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コメント
グリシドール脂肪酸エステル なんて最近、出てきたものです。パームヤシには、当然に含まれているものですし、植物性油にも、当然含有さているもです。
エコナは、グリシドール脂肪酸エステルが多く含まれている事は、確かです。
グリシドール脂肪酸エステルの結合が切れて、グルシドールへ変化するのは、無知数です。 この場合は。急性毒性ではなく、慢性毒性の問題となります。
悪性腫瘍への変化は、時間がかかります。20年から30年です。
エコナを使う層は。40代以上でしょうし、
毒性には、急性(LD50)と慢性があります。毒か薬かは、同じ物質でも量です決まる。です。 ここが化学物質の性質です(入れた以上には、増殖しないし、排出を生物は持っていいる)。
過度の安全安心こそ、警戒すべきです。
投稿: omizo | 2009年10月23日 (金) 11時57分
omizoさん いつもコメントをありがとうございます。
「過度の安全安心こそ、警戒すべきです。」とのご指摘、賛成です。
それ故、食品について乳児用、幼児用、妊産婦用、病者用と政府や政府機関が指定するのは、よいのですが、健康食品と指定するのは、やり過ぎだと思うのです。
投稿: ある経営コンサルタント | 2009年10月23日 (金) 13時14分