« 小沢幹事長問題の本質 | トップページ | OECD諸国との比較 : 医療、医療費、医療保険を考える(その5) »

2010年1月26日 (火)

医療費の将来予測-医療、医療費、医療保険を考える(その4)

医療費の将来予測をしてみます。

前提として、1月21日のシリーズその3で書いた年齢別一人当たりの医療費(次のグラフ)が変わらないこととします。そして、将来人口の予測として、国立社会保障・人口問題研究所(ホームページはここ)の2006年12月推計の出生中位(死亡中位)推計による将来人口を使って、この年齢別人口にグラフの年齢階級の一人当たり医療費をかけ算して、求めます。

Health201012a

1) 人口推計ー出生中位(死亡中位)

一応最初に、人口ピラミッドを見ておきます。上が、2010年の人口ピラミッドで、下が20年後の2030年の予測です。

Poulation2010a

Poulation2010b_2

2050年まで5年ごとの人口ピラミッドも掲げておきます。クリックすると拡大表示されます。 

Poulation2010c

高齢化社会になっていくのが、よく分かると思います。

2) 医療費予測

グラフで計算結果を示します。医療費総額は、2030年に39.6兆円と現在の約1.2倍になるとなりました。しかし、2030年以降減少するのは、人口減によるのであり、一人当たりの医療費では、下の青線のように、増加を続け、2050年には現在の約1.4倍の39万円になりました。

20101a

人口ミラミッドでは、総人口の推移が掴みにくいので、グラフにしました。なお、年齢層により色を変えましたが、見やすくするために、65歳と25歳の境界に線を引きました。

Poulation2010d

次のグラフは、パーセントで表示したものです。65歳以上の人は、現在総人口の23%ですが、2050年には、40%になります。25歳から65歳までの人は、現在総人口の54%ですが、2050年には44%に減少します。この25歳から65歳までの人が、それ以下とそれ以上の年齢層を支えるのだとしたら、23%の負担増となります。逆に現在65歳リタイアーとすれば、2050年には75歳リタイアーにする必要があるのかも知れません。

Poulation2010e

今回の医療費予測は、インフレも何も考慮していません。そして、本当は介護に要する費用も考える必要があるはずです。老老介護はあたりまえ。痴呆症・痴呆症介護をどのようにサポートしていくかを将来は考えることになるのではと思います。

次は、医療費国際比較をしてみようかと思います。

|

« 小沢幹事長問題の本質 | トップページ | OECD諸国との比較 : 医療、医療費、医療保険を考える(その5) »

コメント

すごく参考になりました。
私たちも医療費の増大をテーマとして取り上げているのですが、なかなか数値で将来的予測がたてられているデータが少なくて困っていたんです。
ありがとうございました!!

投稿: しげた | 2010年8月27日 (金) 15時36分

はじめまして。
今まで見たことないデータだったので感動しましたw
ところで、2050年までの医療費予測ってどこの数値で求めたのでしょうか。国立社会保障・人口問題研究所を探してみたのですが各年齢の男女人口、一人当たりの医療費など詳しい数値がわからなくて・・・・。
教えていただければ、とても助かります!!
お返事待ってま~~す♪

投稿: kuwahara | 2010年8月30日 (月) 13時27分

しげた さん、 kuwahara さん

コメントありがとうございます。

2050年までの医療費予測を、どのように求めたかですかですが、2010年1月21日の「医療、医療費、医療保険を考える(その3)」のグラフ(この1月26日の最初のグラフと同じ)に社会保障・人口問題研究所の将来人口予測を掛け合わせて、計算したのです。

グラフの年齢階級別の1年間の一人あたり医療費ですが、厚生労働省が発表しているデータから作成しました。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/database/zenpan/nenrei.html 

投稿: ある経営コンサルタント | 2010年8月30日 (月) 20時46分

1966年は低いですが、2026年は低くないですね。
2026年にもなると、丙午とか考えないのかな?

投稿: 丙午 | 2018年1月 8日 (月) 09時08分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 医療費の将来予測-医療、医療費、医療保険を考える(その4):

« 小沢幹事長問題の本質 | トップページ | OECD諸国との比較 : 医療、医療費、医療保険を考える(その5) »