NHK追跡!AtoZ どう向き合う? がん“代替療法”
NHKが、3月20日に「追跡!AtoZ どう向き合う? がん“代替療法”」というのをやっていました。私は、見れませんでしたが、DIAMOND Online 3月26日のここに内容が出ていました。
基本的には、「がんに効くという代替療法は現時点ではないようです。これを踏まえたうえで私たちは代替療法と向き合うしかないのです。」との見地で作成されていると思うのですが、「手術、放射線治療、化学療法という3大治療を『補う』ということであれば研究によって有効性が示されています。」ともあり、『補う』とは、どのような意味で使用しているのか、疑問を持ちたくなる部分もあります。
そんな中で、気に入らない部分は、ありました。「今年、厚生労働省もようやく代替療法の研究に立ち上がりました。しかし、まだまだ十分ではありません。」とは、何を意味するのか、私には不明です。
例えば、厚生労働省のWebの無承認無許可医薬品情報があり、「いわゆる健康食品」による健康被害事例 もあります。これらは、このページにリンク元があります。厚生労働省がやっていないとは思いません。追跡!AtoZとは、悪意があるのかと思ってしまいます。
私は、このように考えています。医療とは、本来は体にふさわしくないことをするのです。しかし、悪い部分を治癒するためには、やむを得ず行う。あらゆる薬には、副作用がある。副作用を我慢しても、効能・効果を得るためにはやむを得ない。その病気、その時の病状、個人により異なってくる。だから医師が必要だし、検査等してモニターせざるを得ない。緩和ケアのようにQOLに多くの重点を置くのかどうかなんて、考え方だけではなく、病状やその人の生活によっても異なると思います。適切な医療は、個人・個人で異なる。従い、医師s(sは複数の意味)を必要とします。
「「代替療法」に頼る患者たちは、大きな悩みも抱えている。患者らを対象に開かれたセミナーでは、「インターネットで色々調べても、それがどこまで信用できるのか分からない」「良いとか悪いとか情報が色々ある。本当のところどうなのかを知りたい」などの不安の声が次々寄せられた。」と書いてあるのですが、それだったら医師に相談すれば良いではないのと思うのです。私が、理解できない世界があるのかな。
「いわゆる「代替療法」をいま、日本のがん患者の2人に1人が利用し、市場規模は1兆円に及ぶと言われている。」とあるのですが、ガン患者のみで1兆円なのか、食品のみか不明ですが、平成20年度の薬局調剤医療費が約5兆円です。従い、相当な金額なのです。
ところが一方で、3月21日の医療保険について誤解を生む読売新聞に書いたように、「がん治療費、年平均133万円…7割が負担感」と報道されているのです。何かが、狂っているような気もします。例えば、「国が代替療法の研究をすべきである。」と行っても、それは政府厚生労働省が税金で研究するか、中立的な機関が補助金・税金・寄附・健康保険金で研究することになります。そんな余裕があるのか、そのための税・保険料の値上げに賛同が得られるか、支出は最も効果・効率が上がるようにすべきですが、果たして代替療法の研究は、それに該当するのでしょうか?
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コメント
漢方薬もアメリカでは代替療法扱いだそうですが、ツムラが一生懸命あちらの土俵で勝負をかけています。で、効果が認められれば「代替」が外れるんですよね。現在代替医療と言われるものも、科学的に解明されれば「代替医療」でなくなるだけのこと。
ずーっと延々使われていてなおかつ「代替医療」扱いって事は、科学的にはプラセボ以上の効能を認められなかったということでは?あるいは余りにトンデモで、テストするまでもないとか。(丸山ワクチンなども日本産の代替医療ですよね。あれもいい加減治療効果があったのかどうか、エビデンスが出るくらいの症例はあるはずなのに・・・)
投稿: 山口(産婦人科) | 2010年3月28日 (日) 21時48分
山口(産婦人科)さん
コメントありがとうございます。治験の途上にあったり、データを集めたりの医療も確かに代替医療のなかに入りますね。最も、そのような場合は、その事実が確認できますね。
効果があるとは思えなくても、害にはならず、費用も安価で負担とならず、患者の精神的な面でのサポートになっているなら、よいであろうと思います。
しかし、一方で、高価であれば、中止した方が良いと思うし、変な成分が入っているなら、中止するようにしなければならない。
保健所が医療安全相談を行っているようですね。知られていなくて、利用されていないのか、実効性がないのか、ご存じですか?私なんか、NHKが、「お近くの保健所の医療安全相談を利用下さい。」とのメッセージをどうして伝えなかったのかと思います。
投稿: ある経営コンサルタント | 2010年3月28日 (日) 22時22分