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2010年10月 3日 (日)

自然保護の重要性(山岳トイレ)

朝日新聞が、次の記事を掲載していました。

朝日 10月2日 山小屋のトイレがピンチ 事業仕分けで補助金廃止

自然を愛し、山を愛する人間にとっては、実に悲しいことです。しかも、環境省が率先して自然保護ではなく、自然破壊を望むのですから、更に悲しい。もう少し、私なりに見てみます。

1) 反対運動

反対運動が、どこまで、盛り上がっているか分かりませんが、長野県議会は環境省の廃止方針に対して、本年7月2日に意見書を決議し、内閣総理大臣、財務大臣及び環境大臣あてに意見書を提出しています。ここに、その意見書があります。

自然保護・環境保全を活動目的としているNGO・NPOは多いと理解しますが、環境保護を求め、トイレ建設補助金制度の継続を環境省に訴えるべきと考えます。

2) 補助廃止は環境省が決定した

内閣府行政刷新会議が事業仕分けで有名ですが、トイレ補助金廃止は、行政刷新会議が各府省に対して指示した事業仕分け作業(行政刷新会議の行政事業レビューのページ)で、環境省が独自に実施した事業仕分け作業(行政事業レビュー)で決定したのです。

事業仕分けを全面的に否定するわけではありませんが、深く考えずに、ムードや雰囲気による決定となる危険性があり、更には、理性より、声の大きさや非難・罵倒が勝ってしまうこともあることを承知すべきです。事業仕分けチームが戦前に存在し、大東亜戦争を対象としたら、参戦論ばかりで、反対したら非国民と言われた気がします。

そこで、環境省の行政事業レビューの結果ですが、ここに2010年6月30日付の中間報告があります。最後のページのリストの3番目の「山岳環境等浄化・安全対策緊急事業費補助」が、山岳トイレであり、廃止と書いてあります。

頭に来るのは、廃止理由の説明です。(頭にきたから、転載します。)

○本来、山岳地帯の景観管理に要するコストは入山者の方が負担すべきと考える。山小屋に対して、適切な使用料の徴収により、設備の整備及びメンテナンスを行う方向に改めるべきであろう。
○公共性の定義を明らかにして、国民に理解していただく必要がある。
○入山規制等の規則面の強化による自然・景観保全に重心を移すべき。

私からすれば、自然を愛する心を持たない、嫌な意見です。誰もが、自由に楽しめるのが自然です。空気を吸うことに対して料金は徴収できない。自然に触れることを規制なんて、とんでもないことと思います。観光立国とは、豊かな自然が残る国です。税を使って保持・保全していく必要があります。

どう考えても、この廃止理由は、私には、環境省とは思えないのです。環境省の役人は、良心を持って欲しい。バカの政治家なんかに動かされて欲しくはありません。

3) 環境省の方針

ここに環境省の「行政事業レビュー点検結果の平成23年度概算要求への反映状況について」という書類があり、16/32ページの181番です。廃止により1億2千万円節約とあります。

一方、ここに環境省の「平成23 年度 環境省重点施策」があり、盛りだくさんの政策が書かれています。この中で、驚くべきは、8ページ目(16/29)に”新しい発想による山岳トイレの時限的整備”と書いてあるのです。少なくとも1億2千万円は、どこからでも捻出可能なはず。私からすれば、バイオ燃料導入加速化事業の40億円なんて、環境省が実施するより、経済産業省が実施すべき事業と考えます。

もっとも重要なことは、何か?それを見失った時、方向を誤ると思います。

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