« 年金について考える(その1)国民年金 | トップページ | 武富士元会長長男への贈与税課税認められず »

2011年2月17日 (木)

イラク戦争

イラク戦争とは、不思議な戦争です。2003年3月20日に、米軍と英軍を中心とした軍隊が国境を越えて侵攻を開始した。4月9日にバグダッドは陥落し、フセイン政権は終了した。フセイン自身は、2003年12月13日に隠れ家に潜んでいたが捕まった。戦争は、何時終わったのか、今も続いているのか、戦争が終わった何月何日という適当な日にちが存在するのか考えてしまいます。

訳の分からない戦争ですが、次のニュースに接して思ったのは、「そんなところかな?」でありました。

MSN産経ニュース 2月16日 イラクの大量破壊兵器 内部情報は「でっち上げ」

で、英紙ガーディアンの報道として、イラク戦争開戦直前の「イラクは移動式の生物化学兵器とその工場を持っている」とした情報はイラク人情報提供者による捏造だったと当の情報提供者がインタビューで話をしたと書いています。

元のガーディアンの報道とは次の所にあります。

15 February 2011 Guarudian Defector admits to WMD lies that triggered Iraq war

英語で、WMDとは、Weapon of Mass Destructionのことであり、大量破壊兵器です。記事の内容は、書き出しの次の文章で代表されていますが、Read the full story of how the US was dupedを読んでも興味ある内容が書かれています。

The defector who convinced the White House that Iraq had a secret biological weapons programme has admitted for the first time that he lied about his story, then watched in shock as it was used to justify the war.

思ったことを書き連らねてみます。

1) 一人の嘘情報で戦争になるのか?

情報提供者とは、国家情報機関に対する情報提供者であり、スパイです。彼は、ドイツに亡命した時、亡命を認める変わりにスパイになることを要求されたのです。政府の情報戦争とは、そんなことなのですね。日本政府も、しっかりと北朝鮮スパイを使っているのでしょうか?(余談でありすぎました。)

政府が戦争を決断するのに、たった一人のスパイからの情報で動くのでしょうか?重要な判断をする場合には、複数のできる限り多くの様々な情報を分析して、実施すると思うのです。彼は、自分が話した嘘が戦争を正当化するのに使われてショックを受けたと言っているのですから。

例えば、好戦的独裁者がいれば、簡単に、特定情報で動いてしまうのでしょうね。米国関係者も、今後研究をするだろうし、人類にとって重要な研究テーマだと思います。

2) ドイツは嘘情報を見抜いていたのか?

ドイツはイラク戦争に参加しませんでした。しかし、彼はドイツのスパイであり、同時に米国にも情報提供をしていたのです。パウエル米国国務長官が国連安全保障理事会で演説をしたのが2003年2月5日で、この演説の中で、今回インタビューに応じた情報提供者が書いたスケッチを証拠として見せたのです。

歴史とは、相当の期間が経過しないと、真実が見えてこなかったが、最近はネットのおかげで、短くなりました。少なくとも、ドイツは、イラクについて他の多くの情報収集手段を持っていたことが、ガーディアンの記事でも分かります。米国、英国が何故欺されたのかということと、ドイツ、フランスが何故参加しなかったのか、情報戦ではどうであったのかが、やがて分かってくるのでしょうね。

3) 日本の参加は正当化できるか?

当時の首相は、米国の言うことは信用できるとして、後方任務ではあるが、イラク国内での活動を伴う戦争への参加を呼びかけ、日本は参加しました。平和憲法だからとの理由のみならず、戦争への参加は、日本人にとって相当重いものであった。戦場に自衛隊が行くことが、余り大きな反対論もなく、実施されたと思います。

広島の原爆記念碑の言葉も、むなしいことになりそうな気がします。私は、少なくとも、戦争に日本が参加するなら、これこれ、このようなことでと言う明確な理由が必要だと思います。米国の戦争だから、日本も参加するというのは、許されべからざることと考えます。(正確には、米国が大量破壊兵器についての絶対的証拠を掴んでいるので、間違いはなく、世界平和のための戦争であり、許されるとの説明であったと記憶しますが、肝心の証拠が国民に開示されなかったので、「米国が」が理由付けになっていると考えます。)

日本も情報活動をすべきだと思います。(しているでしょうね)世界の全ての国である必要性はありません。情報活動が弱い部分は、他国からの情報にも頼ればよいし、情報交換が可能な部分もあると思います。いずれにせよ、他国の情報に依存するなら、証拠をきちんと手に入れることです。自分の国の情報機関のスパイだって、嘘情報を流してくるのですから、他国からの情報なんて、嘘情報が大量に入っていると思うべきです。

憲法第9条の改正につながるとして反対論があると思いますが、日本は、どのような場合に戦争に参加できるのか、議論・検討をしておくことも必要ではないかとの気がします。何故なら、イラク戦争ではあまりにも簡単に日本の戦争参加が決まってしまったと思います。

|

« 年金について考える(その1)国民年金 | トップページ | 武富士元会長長男への贈与税課税認められず »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: イラク戦争:

« 年金について考える(その1)国民年金 | トップページ | 武富士元会長長男への贈与税課税認められず »