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2011年3月29日 (火)

ふるさと納税で地震義援金募金を寄附をする

ふるさと納税制度が、2008年4月の地方税法改正で導入されています。ふるさと納税制度を使って、今回の地震義援金募金を寄附をしたら、どうなるか考えてみました。

1) ふるさと納税制度

ふるさと納税と呼んでいるが、実は税金を納付するのではなく、寄附をすることです。寄附の相手先が、都道府県または市区町村(以下地方自治体とします。)である場合に、寄附をした翌年2月15日-3月15日に確定申告を行って所得税の寄附金控除を受けると共に、住民税の寄附金税額控除を受けます。

これは、都道府県民税と市町村民税の寄附金制度が、2008年4月の地方税法改正で税額控除方式になり、地方自治体に対する寄附については、住民税(厳密には個人の所得割県民税と所得割市町村民税)から次の金額が税額控除されることになりました。

住民税の税額控除額=(地方自治体に対する寄附金額 - 5千円) X 10% + ((同寄付金額-5千円)×(90%-所得税率(注)))
(第2項の金額は、住民税額の10%を限度とするので、総額では住民税額の20%まで。)

(注)所得税率は、その人の所得税について、超過累進税率として適用されている最大の所得税率

結果として、所得税と合計すると、範囲内におさまれば、5千円の負担で済みます。(厳密には、所得税の寄附金控除は2千円を超える額であり、微妙に異なる部分があるが、無視できる範囲です。)

根拠となる税法条文は、地方税法第37条の2と第314条の7、そして所得税法第78条です。参考となるWebは、この総務省のWebがよいと思います。

2) 5千円の負担で済む上限

寄附金なので、上限はありません。しかし、5千円を超える寄附金を言わば税金で取り戻すような仕組みなので、納付する税額を超えて寄附金を支出しても、自己負担となります。そこで、目安として計算すると次のようなグラフになりました。

ほぼ上のグラフのようになり、高所得なればふるさと納税扱いにできる金額が大きくなる。このグラフを参考にしてください。

3) ふるさと納税の方法

まず、寄附をする県または市町村を決めます。複数でも構いません。その県や市町村に連絡を取り、振込先の口座を問い合わせたりして、寄附金を振り込み、領収書を受領します。この領収書を使って、2012年2月・3月に所得税の確定申告をします。その際、寄附金控除を申告することを忘れないでください。給与所得のみで、年末調整をしていれば、寄附金控除に関わる税額が還付されます。そして、住民税の通知が、2012年5月頃に送られてきます。その通知では、1)に書いた「住民税の税額控除額」相当額が、差し引かれた金額になっています。

こうして、地方自治体に対する寄附金で5千円を超えた額を取り戻すことになります。

4) 義援金をふるさと納税で寄附するメリット

最大のメリットは、寄附を行う人の金銭負担を助けます。もう一つの大きなメリットと思うのは、直接地方自治体に寄附ができることです。例えば、赤十字募金や新聞社、放送局等が募集している義援金があるが、最終的な支出先は、募集をしている団体の意思に任せることとなります。しかし、ふるさと納税だと、○○県とかXX市や町に、自分の意思で、寄附をすることができます。使途制限は難しいと思いますが、使い道について自分の希望を述べたり、メッセージを付けることは可能なはずです。また、複数の地方自治体に寄附をして、確定申告を合計金額ですることができます。

ふるさと納税は、自分のふるさとに納税する制度として、検討されていたこともありましたが、税法として成立したのは、地方自治体であれば、どこでも可能な制度です。東日本大震災を機会に、ふるさと納税で、寄附をしてもおもしろいと思いました。

あまり、宣伝されていないのですが、多分いやがる地方自治体を気にしているのかも知れません。例えば、東京都の人が、ふるさと納税で、岩手県に寄附をすると、「住民税の税額控除額」の額の住民税が東京都に納付されず、東京都は税収減となります。被災地の地方自治体は喜ぶが、寄附をする人が住んでいる地方自治体は悲しむのです。でも、震災の時ぐらいと思います。でも、納税者が力を持つのは、当然のことである気がします。

20113b

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