2011年夏の電力使用制限の結果
2011年夏は、東京電力と東北電力管内において、政府による電力使用制限が実施され、9月9日に終了した。その結果は、どうであったか、東京電力がWebで発表している1時間毎の平均電力供給量のデータから検証してみることとする。
なお、2011年夏の政府による電気事業法第27条の電気の使用制限は、大口需要家(契約電力500kW 以上)について、7月1日から9月9日までの9時から20時の時間帯の電力消費を、2010年の同一期間の1時間最大電力量の85%の範囲内とすることであった。
1) 2011年と2010年の比較
2011年と2010年の7月1日から9月9日までの間の各日の最大負荷に対する1時間の供給量を比べたのが、次のグラフである。

概ね、2011年は2010年を下回った。
2) 各日最大電力と最高気温
夏の電力消費はエアコン消費もあり、気温と電力消費量との間の関係が強い。その相関関係を見たのが次のグラフである。

全く同じグラフを昨年の2010年について書いて見たのが次である。

2010年は、2011年より電力消費が少し多いことが分かる。また、2つのグループに分かれており、同じ気温の場合に、少し電力消費が少ないグループがあり、これが土日休日である。
3) 2011年と2010年の分析
2011年と2010年の各日最大電力と気温を同一グラフ上に書いたの次であり、近似線も付け加えた。

近似線が平均を示しているとして、近似線の2011年と2010年の差について電力量と2010年比で2011年をパーセント表示したのが、次のグラフである。2011年は、2010年より800万kWから1200万kWの節減、2010年に対して82%から80%の水準にした。土日休日の節減幅は小さいが、これは、休日の振り替えにより、電力使用制限の対象とならない土日休日に働いた企業や工場があったからと考える。
4) 日負荷曲線での比較
電力使用制限は、ピーク電力を念頭としたが、制限対象は9時から20時であった。そこで、2011年と2010年のほぼ同じ気温を記録した日として、2011年8月8日と2010年8月3日を選んで、比較をする。両日の1時間毎の気温の推移は次の通りであった。

毎時電力供給量で2011年8月8日と2010年8月3日を比べると次のグラフになった。

企業も人々も非常事態であるとの認識で政府の電力使用制限に協力したし、義務になっていなかった契約電力500kW未満の一般家庭や中小企業・工場も節電に取り組んだ結果であると思う。
今後も同じように継続するのか、良い仕組みを考えていくのか、節約は良いことかも知れないが、それで全てが解決する訳ではない。今後のことは、色々と考えていく必要があると思う。私なんかは、電力使用制限ではなく、自由化と市場競争導入、そしてスマートグリッド導入による細かい時間帯別料金とし、市場原理による節電メカニズムが働くことを考えるべきと思う。
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