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2011年9月 6日 (火)

川崎協同病院事件須田セツ子医師の医師免許停止

一昨年12月に最高裁が上告を棄却し、川崎協同病院事件須田セツ子医師の高裁判決(殺人罪、懲役1年6月、執行猶予3年)が確定し、その時にこの2009年12月9日のブログを書きました。

殺人罪確定から1年半以上経過したが、医道審議会による医師免許の停止、あるいは3年以内の医業停止の処分という行政処分が決定するようです。

週刊金曜日ニュース 9月5日 終末期医療は「殺人罪」なのか――罪に問われた医師に医師免許停止

2009年12月9日に書いたので、どのような事件であったかは、そちらを読んでいただければと思います。須田医師が行った医療行為が殺人罪となったのであり、最高裁で確定したので、行政処分は当然のことと言えます。

患者家族の依頼により患者に装着されていた気管内チューブの抜管をした。結果、患者は苦しみ始め、筋弛緩剤ミオブロックの注射、そして死亡となった。これに関して、患者家族から書面による確認は得ておらず、また、他の医師の立会等もなかった。

須田医師は、横浜市で診療所を開き、外来で日に100人近く患者が来院しているようである。川崎協同病院事件に関する一般の評価は、「須田医師の脇が甘かった。」との見方が多いようである。しかし、週刊金曜日ニュースの記事が書いている須田医師の発言「延命治療の技術が進んだのに、技術に司法が追いつかないまま判断を下せば、国民が不幸になる。地震などの大規模災害でも、トリアージ(災害治療下で、治療の優先度を決定すること)を行なう医療者は常に訴えられる危険にさらされる。」は、考えねばならない重要なことと思います。

過去に、取り上げたことがある事件なので、書いてみました。

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コメント

川崎協同病院が出版した”「検証」と再生への取り組み”(2012年6月、編集委員;井町和義、大越宏樹)は、この10年間の事件への真摯な反省と、事件の真実が述べられています。終末期医療や尊厳死を考える人たちには一考です。

投稿: 愛巣俊作 | 2012年12月24日 (月) 12時35分

「私がしたことは殺人ですか」の本を読ませてもらいました。司法が追い付いていないことがよくわかります。正しいことが正しいと通らないもどかしさを感じます。そして、そこには何故か裏の方で自己責任を逃れるための操作が、金の力や組織の力で都合のよいように捻塞がれることの多い社会、特に医療現場では何が正で何が邪かわからないことが多いことを感じました。私も70才を迎え現在軽い脳梗塞ですが日常には問題なく過ごし投薬を続ける毎日です。須田先生の様な純真な医師のいることに驚きと関心さえしました。

投稿: 小笠原國勝 | 2015年8月16日 (日) 11時40分

小笠原國勝様

コメントをありがとうございます。

医療の難しさがあると思います。例えば、同じ薬を同じ量飲んだとして人によって、効果も副作用も異なることがあるし、同じ人でも、体調により異なる。それ故、医師と対話をしつつ治療を行うことが重要と私は考えます。

須田医師は、現在どうしておられるのか私も知りませんが、良い人だったとの声は多いようですね。だからこそ、苦しむ患者を前にして、家族から楽にしてと依頼があれば、危険性は認識しつつも、一刻も早く苦しみだけは取り除いてあげたいと試みたのだと思います。(おそらく、当時病院のトップにあげても回答は得られなかっただろうし、またそのような体制もなかった。一方、苦しみ続ける中で患者が死亡した可能性もあった。)

小笠原様は、現在軽い脳梗塞とのことですが、日常には問題なくと書いておられ、信頼しうる医師を得てモニタリングと治療ができていることと存じます。病気になっても、健康時とそれほど変わらない高いQOLを実現することが重要だと私は思います。是非、充実した生活を継続願いたいと思います。

投稿: ある経営コンサルタント | 2015年8月16日 (日) 12時39分

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