電気料金の決め方
東京電力の料金値上についてのニュースを、多くのメディアが取り上げている。例えば、
朝日 1月31日 東電、企業向け料金見直しへ 今秋にも、政府要請受け
この朝日のニュースもそうであるが、読んでいても、頭に入ってこない。
そこで、東京電力のWebを見てみると、次のプレスリリースがある。
1月17日 自由化部門のお客さまに対する電気料金の値上げについて
6000V以上の高圧受電の場合に、値上げ幅2円61銭(2万ボルト以上の場合は2円58銭)の値上げを2012年4月1日から実施すると書かれている。17%と報道されているのは、大口電力であり、kWh15円程度の単価の電力であるからである。同じ幅の値上げでも、家庭向けで22円86銭であれば、11.4%である。値上げの根拠は、燃料費であるとして、添付資料の参考1に計算式も書かれている。
福島の事故関連の費用は入っていない。但し、燃料費の計算においては、原発が運転できないことによる火力発電の増加、すなわち燃料費の増加とは、単価以外に量が増加した分も含まれている。そうなると、原子力が運転できておらず、火力発電が増加しているのは、東京電力のみではなく、沖縄電力以外すべての電力会社に共通である。従い、この問題は、東京電力のみに絞って考えるのではなく、日本の電気供給体制と電気料金の問題として考えるべきはずである。そう考えると、次のような人達は、矮小的なことしか頭にないように思える。
日経 1月31日 経財相、電気料金上げで東電社長に苦言 東電は理解求める
6000V以上の電力であり、自由化されている電力であるからには、市場原理に任せるべきである。しかし、どの電力会社も、原子力が運転できず、供給力に余裕がないどころか、売れば売るほど赤字になる状態かもしれない。この状態であれば、市場原理からすれば、電気料金は鰻登りの連日高騰かも知れない。
福島原発の事故関連費用は、最終的には、電気料金に跳ね返ってくる。政府は負担しないであろうし、負担する財源もない。東京電力のみに負わせれば、東京電力の電気料金が高くなり、皆他社から買おうとする。しかし、東京電力以外の関西電力等他社が現実に東京電力の地域でどれだけ電力を販売するか疑問がある。利益のことだけ考えれば、例え供給力は落ちても、設備投資などしない方が、良いとも言えるのだから。
日経が同じ1月31日に電力規制を経産省から分離 政府検討、監督強化へ独立機関と報じていた。あらゆる意味で、政府から切り離し、独立した機関が管理した方が、良い。
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