280億円の税金なんて気にしない人がいる?
エルピーダメモリが会社更生法を申請。エルピーダには、2009年に政策投資銀行が行った優先株による出資284億円の80%と貸付金100億円の50%に対して、政府(日本政策金融公庫)の損失補填が約束されている。(参考:政策投資銀行プレスリリース2月28日 エルピーダメモリ株式会社の会社更生手続開始の申立てについて)
政策投資銀行が保証金の支払いを政策金融公庫に求めたらならば、政策金融公庫はそれを支払わねばならず、最終的には国民の税負担となる。直ちにではないが、いずれそのようなキャッシュフローが生じる可能性は十分ある。
ところで、次の日経記事である。
このなかに、「今回の国民負担は09年度補正予算で設定した枠内に含まれるため、枝野経産相は「新たな国民負担が生じる状況ではない」と述べた。」とある。
そう述べたのであれば、けしからんことと思う。この人は、他の報道で「2009年にエルピーダに対する公的資金注入を含む支援を決定は、当時としては正しかった。」と述べたようにも伝えられている。
アホの政治家だと言ってしまえば、それまでであり、経済人として考えることが誤りと思う。そこで、もう一つ、この毎日の報道のように、東京電力に政府が資本注入をして2/3以上の特別決議ができる過半数を政府が保有すべきとの考えさえあるようだ。絶対反対である。政府が東京電力に資金を出すなら、貸付金で良いはず。貸付金を出す際にも、交渉は可能であり、その結果を金銭消費貸借契約の条項に入れることになる。交渉において、出す、出さぬ、会社更生法の申請等様々なオプションが存在する。専制政治を行ってはならないのである。
政治に振り回されたかつての国鉄を忘れてはならない。政治家や役人には経営能力はないし、経済のことは分からない。雇用対策とか地元対策とかの言葉には強いが、それで経営ができるのではない。政府が東京電力のオーナーになったなら、電気代がむちゃくちゃ上昇すると同時に停電が頻発したりとなる恐れはどうであろうか?
エルピーダの資金援助は、政策投資銀行が実施し、議決権のない優先株と貸付金であり、それを政府はバックアップした。正しかったかどうかは、今後検証をすればよいことである。自分の都合で、都合の良いようにしか考えない人には、重要なことにタッチして欲しくない。
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