電気料金40円以上が許されるのか
経済競争の結果として価格が決まるのは、納得がいく。やはり、計画経済は一部にとどめ、合理的なルールの下での自由競争が本当の仕組みであると思います。
ところが、次のニュースです。
4月25日 再生可能エネ参入に追い風 買い取り価格、企業の要望くむ
記事は、太陽光が42円/kWh、風力23.1円/kWhと伝えている。
ところで、今年の1月末に東京電力が平均17%の値上げを発表したとして大騒ぎになったが、この時の東京電力の発表の値上げ幅は金額では2円58銭-61銭であった。即ち、15円程度の金額を対象とすることから17%の値上げであり、値上げ後でも20円以下である。
家庭用の電力については、25円程度なので、同じ幅の値上げには10%となる。いずれにせよ、30円以下である。
私は、再生可能エネルギーの推進や拡大に賛成する。しかし、無理な導入をはかり、大幅な電気料金の値上げと一部の人達のみに利益を与える不公正な価格を設定することには、反対である。今の大臣だと、こんな値上げを平気ですると思うので、憂鬱である。「太陽光発電を手がける会社などの要望を大筋で受け入れ、高めの価格を設定した。」なんて、誰の方を向いて仕事をしている人達なのかと思う。
民主党が、こんな制度(電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法)を作る前には、RPS法という電力会社に再生可能エネルギーの買取を義務付けた法律があった。RPS法の場合は、発電会社が互いに競争し、且つ電力会社も交渉し、自らも設備を建設をし、それほど問題はなかったと理解する。ところが、RPS法を廃止してしまった。
詳細を見るべく、経済産業省のWebに、4月25日の配付資料が見つかった。しかし、常識を疑うことが書いてある。バイオマス発電が39円/kWhなんて、馬鹿かと思う。効率の悪い設備で、特定の業者のみが利益を得る構造は、公共工事のゼネコン談合より質が悪いと思う。地熱について「地熱発電については、他の電源と比較して著しくリスクが高いことから、・・・標準的なIRRである税引前7~8%より高い税引前13%が提示されている。」なんて、金融の知識があれば、AIJ投資顧問より醜い人達であると感じるはず。
日本の国際競争力は小さくなったと感じるが、このままでは、全く失われ、貧しいだけの最貧国になるような気がする。国民に正しく説明し、理解を得ることが重要である。ちなみに、私の知っている諸外国の再生可能エネルギーの電力買取料金は、これらの半額以下である。
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