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2012年6月27日 (水)

原子力規制委員会設置法の公布

原子力規制委員会設置法の公布が本日(6月27日)の官報で掲載され、本日から3月以内の政令で定める日から施行されることとなった。福島事故や大飯再稼働等原子力について最近は多くの人が関心を持っていると思う。私なりに、感想を書いてみます。

1) 原子力規制委員会委員の選任

第2条で、「国家行政組織法第三条第二項の規定に基づいて、環境省の外局として、原子力規制委員会を設置する。」と定められ、3条委員会となった。

その結果、原子力や核物質に関する様々な法律で「経済産業大臣」または「文部科学大臣」と定められていた箇所が「原子力規制委員会」と改正された。

原子力規制委員会は、今後の日本の原子力政策及び行政に関して大きな役割を果たすと考える。3条委員会としたのであり、委員の選任(委員長と委員4人)は非常に重要である。ちなみに、原子力委員会設置法第7条は、次のようになっている。

委員長及び委員は、人格が高潔であって、原子力利用における安全の確保に関して専門的知識及び経験並びに高い識見を有する者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。

この人選については、候補者の経歴や、人選の途中経過を含め、国民に広く伝えて欲しい。与党が納得できる人選ではなく、国民が賛同できる人選をして欲しいのである。そのことこそが、原子力の信頼を国民から得られる方法であり、将来の日本の原子力についての方向を決めて行くにふさわしいと考える。

2) 廃炉40年

マスコミは、廃炉40年の報道が多かったと思うが、「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」にあらたに追加された条文の一つである第43条の3の31に定められた。

発電用原子炉設置者がその設置した発電用原子炉を運転することができる期間は、当該発電用原子炉の設置の工事について最初に第43条の3の11第1項の検査に合格した日から起算して40年とする。

2 <省略> 3 前項の規定により延長する期間は、20年を超えない期間であって政令で定める期間をこえることができない。

結局は、60年まで可能であり、法改正まですれば、更に延長ができる。もともと意味があまりない条文と思う。設計寿命が40年だからと言う発想からと思うが、設計時に長期間運転した原発が存在しなかったのであり、短い寿命しかないかも知れないし、メンテナンスや補修が良ければ、長くなるかも知れない。運転状況によっても変わるかも知れない。

原子力規制委員会の委員を信頼できる人達にしておくことこそ、重要であり、信頼を置きたい安全確保手段であると考える。

3) 安全保障

原子力基本法が改正され、安全保障なる言葉があらたに入った。改正後の原子力基本法第2条は、次の通りである。(大きな改正は第2項の追加)

原子力利用は、平和の目的に限り、安全の確保を旨として、民主的な運営の下に、自主的にこれを行うものとし、その成果を公開し、進んで国際協力に資するものとする。

2 前項の安全の確保については、確立された国際的な基準を踏まえ、国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資することを目的として、行うものとする。

この追加は、自民党案のままであり、3党合意により成立した法なので、国会でも議論されなかったと理解する。

考えようによっては、原子爆弾として安全保障に使用するために、原発で生成されたプルトニウムを国内に保持すると解釈できる可能性がある。原爆は、自衛目的には使えず、憲法違反であり、あり得ないとの解釈もあるはず。歴然たる事実は、原発のプルトニウムから原爆を作るバリアは低くなっており、今後ますます低くなるはず。テロリストの手にプルトニウムが渡ることは避けねばならない。そして、今や日本は、世界のなかでプルトニウムを多く持つ国となっていることである。(次の表は、原子力委員会の平成21年版原子力白書の表2-2です。)

Pultonium20126


臭いものに蓋をするという手段は良いと思わない。非常に難しい問題であるが、国民的管理は重要と考える。

4) 情報公開

原子力規制委員会設置法第25条に情報の公開が盛り込まれた。自民案にはなかった条文であり、民主党の働きを評価する。国民の信頼と支持を得るべく、情報公開に努めて欲しいと思う。

原子力規制委員会は、国民の知る権利の保障に資するため、その保有する情報の公開を徹底することにより、その運営の透明性を確保しなければならない。

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2012年6月18日 (月)

ギリシャ議会選挙結果はギリシャのユーロ残留

ギリシャの総選挙が17日行われ、ギリシャの政府緊縮財政を継続し、ユーロ圏に残留となることが確実になったとニュースがあった。

日経 6月18日 ギリシャ、緊縮派が過半数 議会再選挙

日経 6月18日 ギリシャ大統領、緊縮派第1党に組閣要請

あえて言えば、ギリシャの人々は、最悪のシナリオを回避しようとしたのではと思う。もし、ユーロを離脱したなら、ギリシャ政府の債務は不履行(デフォルト)が避けられなかったはずと思う。その場合、政府が新規国債を発行しても買い手がなくなり、銀行等金融機関も貸し出しをしない。税収は落ち込むだけで、政府は公務員の給料の支払いさせおぼつかなくなる訳で、公共工事は勿論、年金・医療も投げ出さざるを得ない。唯一の手段は、自国通貨の自国中央銀行による大量発行となる。

ユーロを維持すると、緊縮財政をとらねばならないが、ドイツ他ユーロ諸国からの支援を得て何とか資金繰りを付けることしか、解決策は普通に考えればない。それでも、すごいのである。Bloombergの10年国債利回りを見ると、本日現在のギリシャ国債利回りは年率26.015%(ここ)。それに対して、ドイツ国債は年率1.393%(ここ)。同じ、ユーロなのにです。

いやはや、そんな利率の国債を発行しても、将来の利払いが大変なだけ。なにしろ、日本で、かつて問題視されたサラ金グレー金利より高いのだから。

しかし、ユーロを離脱したら、もっと恐ろしい状態になるでしょうね。「国は破産しない。」との言葉があるが、その通りである。しかし、政府は破産するのであり、破産した政府の国の人々は悲惨である。無政府状態になったと想像すればよい。税金を払わなくてもすむが、自分の身は、自分で守るしかない。ごく身近な人々しか信じられない。社会も生活圏も非常に狭い。物資は、常に不足し、食料も不足する。若くして、多くの人が死んでいく。勿論、ギリシャがユーロを離脱しても、そのようになるわけではない。無政府状態に直ちになったりはしない。しかし、政府財政が、底をついて、手段がほとんどなくなる。そのために、超高金利国債を発行し、ユーロでなく自国通貨に戻し、中央銀行で通貨を発行する。しかし、ハイパーインフレと輸入物資の不足になる。結局は、ユーロ圏残留の方が、まだましだと思える。

日本が、直ちにそのようになるわけではないが、そうなる可能性はあると思う。日本の将来のシナリオをよく考えないいけない。過去の延長線ではないと確信する。

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2012年6月16日 (土)

米海兵隊オスプレイの辺野古配備を考えた

米海兵隊オスプレイ(MV-22 Osprey)の日本への配備は、どうなるのでしょうか。墜落事故が多い飛行機のようであるが、

MSN産経 6月14日 原因不明「手続き先送り」 配備計画の見直し必至

読売 6月16日 オスプレイ配備「変更はない」…米、安全性強調

さて、どのような飛行機であるかと、U-Tubeを探してみると、墜落するMV-22 Osprey の動画あった。但し、1991年の開発時のテスト飛行の時の動画であり、今回の事故の動画ではない。

MV-22 Osprey について、海兵隊は、どのように言っているかを見てみると、ここには、飛行機の速度と航続距離及びヘリコプターの機動性を兼ね備え、24人編成の海兵隊を通常のヘリコプターより2倍の早さと5倍の能力で輸送することができるとある。

しかし、構造からして、MV-22 Ospreyは、不安定に思える。例えば、離発着時に万一エンジンの一つが停止したらなら、通常の飛行機やヘリコプターより墜落するようなトラブルに陥りやすいのではないだろうか。昔、ある人に質問した。「ヘリコプターのエンジンが上空で停止しても墜落しないですか?」「大丈夫です。滑空できます。パイロットは、そのような訓練をしています。」と答えを受けた。

MV-22 Ospreyは、軍用機である。軍用機に民間機と同じ安全性を要求すべきかは、考え方次第である。ミサイルが飛んできて落とされるかも知れない飛行機とは、製作・運用すべき基準が、やはり異なるはずである。

そうなると悪いのは、MV-22 Ospreyを普天間に配置することである。墜落する可能性がある軍用機を住宅密集地の基地で運用するのが間違っている。

解決には、辺野古を基地にすればよいのか知れない。MV-22 Ospreyだったら、長い滑走路など不要である。万一落ちても、海である。辺野古に小さなMV-22 Ospreyの離発着設備を建設すると言ったら、どうなのだろうか?やはり、日本政府、米国政府、米海兵隊そして沖縄の人に反対されるだろうか?固定化であってはならないが、現状を少しでも改善することでなら、どうなのだろうか?

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2012年6月14日 (木)

LED電球は、良い物なのか?

経済産業省と環境省は、家電メーカーや家電量販店などに対して、白熱電球の製造・販売を自粛するよう要請したと13日にニュースがあった。

MSN産経ニュース 6月13日 節電…LED転換後押し 白熱電球の製造・販売、政府が自粛要請 パナソニック生産終了前倒し

このニュースがあった時、そこまで政府が個人の生活や企業の活動に関与すべきではないと思った。現実に我が家で、トイレは白熱球を使用している。10年以上交換したことがないし、使用時間は極めて短い。LEDを使用する意味はないと思う。それぞれの目的や使用に適した照明器具を使うのが良いはず。

一方、14日になると、LEDの商品表示(景品表示法)で問題があるとニュースがあった。今度は、消費者庁である。

MSN産経ニュース 6月14日 LED電球の光足りない! 景品表示で12社に再発防止命令

ということで、消費者庁の発表は、次の所にあり、リンク先の公表資料には12社の電球の詳細も書いてある。

消費者庁 景品表示法関連報道発表資料 平成24年 6月14日 一般照明用LEDランプ販売業者12社に対する景品表示法に基づく措置命令について

そうですよね~・・・ 購入して、60W相当とか書いてあっても分からない、また7Wの消費電力と書いてあっても、これも自分で調べることができない。現実に、私の場合は、4万時間の寿命と書いてあったLED電球を購入して取り付けたことがあった。しかし、1年ほどで点灯しなくなった。40,000時間の寿命だとすれば、1日8時間使用して、5,000日使えるのであり、13年以上持つはずと思っていた。その時は、中には不良品があり、偶然不良品を手にすることになったのだと思っていたが。

消費者庁の14日のNew Releaseには、コーナンのLED電球は60W相当が実は31W相当しかなく、とエディオンのLED電球に至っては60W相当が29W相当と半分以下であった。メーカーは、どう処分するのかな。せっかく作ったのだから、90%OFFとかで、不良品として販売して欲しいと思う。

今度は、寿命も怪しいと思う。照度(光束)は、試験設備で簡単に結果が得られる。しかし、寿命となると、40,000時間のテストが必要であり、5年間近く必要である。でも、消費者庁には、5年かけてもテストをして、結果を公表して欲しい。

LED電球は、どう評価すべきなのだろうか。正直分からない。そのうち、60W相当の電球が200円ぐらいで販売されるかも知れず、その頃を待つべきかも知れない。もしかしたら、200円LED電球は、中国製か、インド製、あるいはベトナム製だったりして。それも、日本メーカーの現地生産ではなく、それぞれの国のメーカーだったりして。

やはり、経済産業省や環境省は、おかしいと思う。本当は、企業が競争して、良い製品を開発し、社会に貢献するとともに、自社も利益を得る。そんな社会にすべきと思う。

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2012年6月11日 (月)

沖縄県議選から思う衆議院選挙制度改革

6月10日(日)に沖縄県議会議員選挙があり、結果は与党の自民、公明、無所属が選挙前と同一の21人に止まり、野党の社民、共産、壮大、無所属・諸会派が欠員であった1人分を獲得し27の過半数となった。最終議席数は与党21で、野党27である。

琉球新報 6月11日 県議選 野党・中道が過半数、仲井真県政に打撃 (各党別の議席数がグラフで示されています。)

次の沖縄タイムスの記事には、選挙区別の立候補者別得票数と当選者が出ている。

沖縄タイムス 6月11日 県議選:野党が過半数を維持

他の都道府県も同じはずであるが、小選挙区ではなく、沖縄県議選の選挙区割りは次のようになっている。

沖縄県議会議員選挙区別地図

選出議員が多い選挙区は那覇市であり、合計48議席のうち11議席を占める。人口が那覇市に密集している結果であるが、市を細分化して選挙区にすることはしていない。

これを、衆議院選挙制度に適用すればよいのではと思った。かねがね、小選挙区制度なんて、日本には良くない制度と思っている。ずばり、前の参議院選の有権者数を使って、私案衆議院選挙区案を作ってみた。

Shugiinelecidea2012
人口(有権者)の少ない県では選出議員が少なくなり、一方で東京都は49人選出となる。しかし、ネット選挙禁止を廃止し、これだけ交通機関も発達していることから、県単位の選挙方式が有権者が選挙を自分の身近に感じられるよい方法と思う。ミニ政党が多くなったり、タレント候補も大都道府県で立候補すれば、当選する可能性が高くなると予想する。また、政党に属さないで、独自の活動をして議員になることの可能性も高くなる。それで良いと思う。なお、県の独自性は、参議院選挙制度で確保すればよいはずである。参議院と衆議院で、ことなった議員選出制度であるからこそ、二院制の意味があるはず。

上記の衆議院選挙区割り案をグラフにすると次のようになった。(10人未満は凡例省略)

Shugiinelecidea2012a_2

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スマートメーター

日経に次の記事があった。(全てを読むには、有料会員限定となっている。)

6月10日 スマートメーター、東電仕様で3つの課題 他電力と統一せず

スマートグリッドとスマートメーターについては、一度書いてみたいと思っていたので、これを機会に書いてみます。

1) スマートグリッドとは

従来の電力網(送電網及び配電網)は、他のシステムと同様で、経験を積み重ねて、発達してきた。電力は、貯蔵されないので、需要=供給となる。但し、無理にそうしていると言うより、物理的性質により、そうなっているというのが正しい。そして、本当のところは、物理の法則で需要=供給が保たれているのである。もし、供給(発電)が多すぎたり、少なすぎたりすれば、周波数や電圧が物理的性質により変動して、自動的・結果的に需要=供給が成立することとなる。

但し、周波数や電圧が変動すると、電力を利用する側で不都合なことは、生じる。そこで、許容範囲内に収まるように、電力会社の系統運用部門が発電所や変電所に指令を出して、一定範囲に収めている。もし、許容範囲を超えて、ある限界に達すると、安全装置が作動して、安全確保が自動的になされる。停電が生じる。当たり前であるが、電気が流れていないないことは、許容範囲外の電気が流れるより安全である。

ところでスマートグリッドとは、IT技術の発達により様々な計器をディジタルで読み取り、ディジタル信号で処理することができるようになったことを利用することである。過去のアナログ時代よりはるかに効率的なシステムを構築できる可能性がでてきる。そして、信号や記録を公開することにより新規参入や新技術の開発が促進され、良い物がより安く手に入る可能性がでてくる。

ちなみに私にとって、今でも、スマートグリッドの定義として、最も好きな定義が次の米国連邦法(Public Law 110-104 Energy Independec and Security Act of 2007)の1301条である。

SEC. 1301. STATEMENT OF POLICY ON MODERNIZATION OF ELECTRICITY GRID.

It is the policy of the United States to support the modernization of the Nation’s electricity transmission and distribution systemto maintain a reliable and secure electricity infrastructure that can meet future demand growth and to achieve each of the following, which together characterize a Smart Grid:
(1) Increased use of digital information and controls technology to improve reliability, security, and efficiency of the electric grid.
(2) Dynamic optimization of grid operations and resources, with full cyber-security.
(3) Deployment and integration of distributed resources and generation, including renewable resources.
(4) Development and incorporation of demand response, demand-side resources, and energy-efficiency resources.
(5) Deployment of ‘‘smart’’ technologies (real-time, automated, interactive technologies that optimize the physical operation of appliances and consumer devices) for metering, communications concerning grid operations and status, and distribution
automation.
(6) Integration of ‘‘smart’’ appliances and consumer devices.
(7) Deployment and integration of advanced electricity storage and peak-shaving technologies, including plug-in electric and hybrid electric vehicles, and thermal-storage air conditioning.
(8) Provision to consumers of timely information and control options.
(9) Development of standards for communication and interoperability of appliances and equipment connected to the electric grid, including the infrastructure serving the grid.
(10) Identification and lowering of unreasonable or unnecessary
barriers to adoption of smart grid technologies, practices, and services.

2) スマートメーター

米国連邦法の1301条の5項にもあるが、スマートグリッドを実現するために、工場、ビル、家庭他需要者側にリアルタイムで自動読み取りができ、それがセンターに自動で流れるメーターの取り付けが必要となる。日本では、多くの一般家庭のメーターは円盤がぐるぐる回っているアナログメーターであり、検針員が月に一度読みに来て、請求書をおいていく方法である。

これがデジタル化すると、どうなるか単純に車の速度計がアナログからデジタルに変わるようなものだが、センターに情報を送る必要があることから、デジタル通信が加わり、更に時間情報も加わる。果たして、将来的に、どれだけの情報が、どのような頻度で通信されるか、まだ何とも言えない。但し、すでに単なるデジタルメーターなら既に採用されてもいる。電化上手は、時間帯により電気料金が異なるが、これはデジタルメーターだから容易なのである。また、工場等の大口ユーザーのメーターは、通信機能があるないにかかわらず、ほとんどデジタル化されていると思う。

3) スマートグリッドが目指すべき世界

上の1)で書いたのであるが、もう少しイメージを書くと、時間帯別電気料金メニューではなく、自由相場電気供給も可能となる。様々な、電気販売会社から、同じ日でも時間により安い料金の会社を選んで購入するのである。期待と異なり高い値で買わざるを得なかったり、取引が成立せず、その時間については、停電を余儀なくされたりとなるかも知れない。

しかし、電気取引価格が上昇すれば、家庭内でスイッチを切り、稼働中の器具を少なくして、電気代の節約につなげたりと、スマートメーターの情報は自分自身でも入手可能なので、それを積極的に利用してうまく対応することも可能となる。電気自動車の充電は、電気価格の安い時にする。高くなったら、逆に売ることもできる。売りすぎて、今度は走れなかったりして。

充電業というビジネスも成り立つかも知れない。安い価格の時に買い、高い価格の時に売るのである。果たして、充電設備費や保守・運転費用を回収することができるかであるが。いずれにせよ、電気の市場取引を発展させ、合理化を進めるには、欠かせない。その他、需要者が消費を落とせば、その分は他に回せるわけで、発電と同じ効果がある。需要を落として、その分を販売することも可能になる。

なお、検針員読み取りシステムの場合は、月に一度が、妥当であるが、通信機能付きでデジタル化すると、頻度を上げられる。連邦法が言っている完全なReal Timeは、可能であっても、精度等でも問題がある。現在日本の電力取引市場は30分で区切った1日48ゾーンで行っているので、当面はこれと同じ30分ごとの積算電力をデータ通信になるはず。しかし、将来的には、5分とか、あるいは1分刻みになるかも知れない。30分刻みだと、変動しても最終的には合計が一致すればよい。しかし、現実には変動するし、システムの安全上、送配電事業者(とは必ずしも限らないが現状では10電力)が、穴埋めをしている。この穴埋め作業のことをアンシラリー・サービス(Ancillary Service)と呼び、多くの電力市場ではアンシラリー・サービスも売買取引の対象となっている。日本は、30分刻みとおおざっぱなこともあるし、10電力が従来から、言わばどんぶり勘定で、提供してきたサービスなので、取り出すことも難しい面もある。いや、まだそこまで日本の電力取引市場や自由化が発達していないというのが正確かも知れない。

4) 経済産業省スマートメーター制度検討会

経済産業省がスマートメーター制度検討会を行っており、ここに資料がある。例えば、2011年2月28日の報告書もこのWebからダウンロードすることができる。

まだ規格化するまでには、固まっていない。例えば、連邦法(2)にサイバーセキュリティーなる言葉があるが、大量のデータを通信する上で、何が最適かの答えは難しい。とにかく、やってみないと問題が顕在化しない面もある。

ちなみに、一人暮らしの高齢者の安否情報に電力の30分刻みでの使用量データがあれば、その高齢者を見守る人には、とても役に立つはずである。世話をしている親族や市町村の福祉担当が、おかしいと思えば手を打てる可能性がある。あるいは、ケアサービスを会社やNPOと契約し、電力情報を流し、安全を高めることもできる。しかし、不必要に流れると、悪用される可能性もある。単に、機械や情報の純技術的な面以外の社会の制度面での検討も必要である。

5) 東京電力のスマートメーター

東京電力がスマートメーター通信機能基本仕様に関する意見募集を3月21日に発表(ここにある。)し、そこに添付のスマートメーター通信機能の基本仕様はここある。

実は、私は、これを読んで、日経記事ほど問題があるとは思わなかったのである。やはり、試験段階であり、これで決定するのではなく、通信手段すらこれから方向を決めねばならない時期なので、この程度かと思った。

6) スマートメーターの設置者が誰がなるべきか

メーターは、電力会社が検定済みメーターを設置すると言うのが常識であった。そこで、自由化されて、東京電力から関西電力かどこかのPPSに切り替えたとする。その時は、メーターを取り替えるのか?あるいは、自由に次々と供給者を変える場合は、どうなるのか?メーターとは、配電線の先についている物であり、配電事業者が設置するとすれば、配電線を持っている会社なので、東京電力となる。

しかし、将来のことを考えると、よく分からない部分がある。ちなみに、Webで見ると、米国カリフォルニアでは、CAISO(California Independent System Operator)が、スマートメーターの仕様を決定している。

電力は自由化をもっと推進していくべきと考える。現状だと、電気料金値上げなんて、世間から冷たい目で見られる。しかし、本当にそれでよいのかと言えば、それほど単純ではない。この際も、東京電力を思い浮かべれば、良いのかも知れない。電気料金を値上げせずに政府に資金援助をさせても、最終的に、その資金を返済できなければ、将来の税金で穴埋めするだけ。喜ぶのは、現在の政治家や、その他の関係者だけではないか。合理的な負担をしないと不幸な社会が生まれるはず。そして、合理的な負担となる仕組みに約立つのが、合理的な市場による市場取引や価格形成と考えるのです。

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2012年6月10日 (日)

番号法の成立を急ぐべき

番号法の成立を急ぐべきと考える。理由は、消費税増税の低所得者対策のためです。

給付付き税額控除とは、消費税増税と同時に所得税減税を実施し、所得税と消費税の合計で考えた場合には、低所得者に負担が大きくならないようにすることと私は考えている。そこで、例えば、増税率が3%なら、仮定数字であるが百万円の3%である3万円を全員に所得税額控除を行い、一人あたり百万円の消費税対象の支出までは、増税がないこととする。子どもや学生あるいは専業主婦(夫)他非課税で税金の支払いがない人には、世帯主が勤務先に提出する扶養控除等申告書や確定申告書で、対象となる人数に3万円をかけた数字を税額なり源泉徴収税額で調整すればよい。

しかし、年金受領者で公的年金控除や基礎控除等で所得がない人や生活保護の人もいる。簡単なのは、全員が税務署に確定申告をすることにすればよい。事務手続きが大変で、税務署では、給付付き税額控除を受けるための確定申告に長蛇の列ができることを避けるには、電子申告や郵送による申告を積極的に推進すればよい。しかし、いずれにせよ、番号法がなければ、混乱は必至と思う。

なぜ急ぐべきと言うかは、2014年4月から消費税税率を8%とする案であるから、これに間に合わせる必要がある。所得税は、1月1日から12月31日の1年間の所得について、その翌年の2月16日から3月31日までの間に確定申告をする制度である。従い、2014年の所得について税額控除をするなら2013年12月31日までに法改正がなされなければならない。もし、確定申告のみで対応するなら、2014年2・3月の確定申告となるので、2013年が対象となる。その場合は2012年12月31日が限度である。

日本の今の議員・政治家達を見ていると、他党の足を引っ張ることに頑張って、国民のことは二の次に思える。食料品低減税率や給付付き税額控除との話があるが、実は増税は決まるが、低減税率も給付付き税額控除も実現しない可能性がある。足の引っ張り合いをしていれば、そうなってしまう。せめて、番号法を通して進めること。そして、歳入庁設置法を成立させることと考える。

ところで、一人百万円を仮定の話で書いたのだが、もし一人百万円の3%・3万円の税額控除をする場合の、所得税税収減は3兆8千億円です。生活保護受給者にも渡ると言うと、反対論があるかも知れないが、実は、生活保護費が最低限度の保証であるから、消費税増税は、それに見合うように生活保護費を増額することになる。その他、公共事業費だって消費税額分予算が増加する。全額を福祉に充てるなんて、一皮めくると、そんな単純じゃない世界です。

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社会保障と税の一体改革

民主、自民、公明の3党で社会保障と税の一体改革を協議しているが、どうなるのだろうか。

MSN産経ニュース 6月8日 社会保障と税の一体改革、3党による修正協議の難航必至 10日夜に再協議

議員・政治家に任せて良いのだろうかと思うのです。

昨年年金について書くことを思いついて、少し書き始めたら、東日本大震災となり、特に原子力発電については、正しい情報を発信したいと思い、年金については、つい後回しになっている。

丁度、2011年3月11日の日付で、年金について考える(その2)厚生年金を書いた。その際、次のグラフを掲げた。

20113b_2 

20113c_2 

20113d

一番上が、何歳まで生きれば、1.0より多くなるか、即ち、払った元が取れるのかのグラフである。但し、支払い保険料としては、雇用主が負担する保険料も含めたので、個人負担分のみで倍率を計算すると丁度2倍になる。

2番目のグラフは、一番上のグラフに国民年金を追加したものである。一見、国民年金が有利に見えるが、収入が少ない2-3百万の人だと、個人負担分のみで倍率計算すると、厚生年金が有利そうである。考え方としては、基礎年金分については、厚生年金であれ、国民年金であれ、国庫負担2分の1となっている。しかし、保険料は、厚生年金は報酬比例で、国民年金は定額なので、どうしても、一部分のみを比較すると有利・不利が発生する。

一番下の3番目のグラフは、三号被保険者という保険料を払わなくて、年金を受け取る「やらずぶったくり」のケースが存在するので、その場合も追加して、比較したグラフである。なお、三号被保険者は、配偶者でなければならず、誰でも三号被保険者になれないのである。また、グラフは、年収2百万円から10百万円で書いているが、実際には年収2百万円で生活はできず、三号被保険者は存在しないはず。しかし、パートで働いて年収を130万円に抑えて、三号被保険者の厚遇を享受している人もおられる。但し、誤解してはいけないことは、共稼ぎと専業主婦(夫)夫婦の2人を合計して比較すると、差はないのである。即ち、年金額は、基礎年金プラス報酬比例なので、夫婦2人で稼いだとするなら、同じである。また、自営業では、専業主婦(夫)も支払うから不公平との意見があるが、これも基礎年金分は、専業主婦(夫)は払っていないが、働いている主夫(婦)が2人分を支払っていると考えれば、公平となる。

見方をほんの少し変えただけで、訳が分からなくなる世界であります。そして6月8日に書いた完全生命表

私は、議員・政治家には難しすぎると思います。あんな単純脳細胞の人達に分かるわけがない。これは、言い過ぎでした。訂正します。「選挙の票しか考えない人には、正しい判断が下せない。」専門家が委員会を作って、国民に案を提示すべきと思います。なお、委員会に議員・政治家が入っても良いと思います。但し、過半数は、専門家にすべきであり、3党以外の議員・政治家も入れるべきです。

自公は、100年安心の大枠を変える必要はないと言うでしょう。民主は、最低保障年金を言うでしょう。しかし、現在の制度でのシミュレーションが示され、問題点が検証されるべきだし、最低保障年金には税金投入がいくら必要かも検討されねばならない。また、外国人は、どうするのかの問題もある。ほとんどの国では、日本同様に働いている外国人も年金加入が義務づけられ年金受給資格を得る。細かいことになるが、年金受給のための、最低加入期間なんて変な条件は、取っ払うべきと思います。

社会保障も、政権争いの対象とすべきではありません。また、社会保障と税の一体改革と言うなら、一定額については無税の個人年金保険を考えるべきと思います。現状では、勤労者財産形成年金貯蓄の利子所得等の非課税はあるが、日本版401K(確定拠出年金)も使いやすくすることを考えて良いと思う。但し、公正な制度運用には、どうしても番号制度を採用せねばと考える。

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2012年6月 9日 (土)

菅直人の恐ろしい発言

常識外れで、こんな人が経営者だったら、その組織は直ちに壊滅すると思っているが、この発言には驚いた。次のMSN産経ニュースの最後の部分です。

6月8日 MSN産経ニュース 東電の清水前社長「全面撤退の意図なし」 国会事故調

また、菅直人首相(当時)が東電本店で「撤退すれば東電は百パーセント潰れる。60歳を超えた幹部は現地へいって死んでもいい」と発言したことについて、「発電所で死力を尽くしている社員が打ちのめされた印象だ」と語った。

60歳を超えた幹部は現地へいって死んでもいい」なんて、旧陸軍幹部が、全員玉砕を叫んでいるのと、何ら変わりはないと思う。

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2012年6月 8日 (金)

原子力(政策・方針)は政治家の意図で動いてはならない

6月8日の野田首相の記者会見で感じるのは、原子力発電所が、首相の意図で、簡単に停止したり、運転したりというのが日本の実態と思えたのである。

日経 6月8日 首相「大飯再稼働が私の判断」 夏場限定は否定

この首相官邸のWebに、野田首相記者会見があり、動画があり、また発言を読むことができる。

1年と少し前の2011年5月6日の同じ民主党内閣の前菅首相の記者会見で、浜岡原発を停止したのが始まりだった。この首相官邸Webにあり、「国民の安全と安心を守るためには、こうした中長期対策が完成するまでの間、現在、定期検査中で停止中の3号機のみならず、運転中のものも含めて、すべての原子炉の運転を停止すべきと私は判断をいたしました。 」と述べた。「すべて」は、浜岡原発にかかるのであり、日本の全てではないのかもしれない。しかし、現実には、ストレステストとかを持ち出して、日本の全ての原発の定期点検終了後の稼働を認めなかった。

問題にしたいのは、判断根拠である。前菅首相の記者会見には、「内閣総理大臣として本日の決定をいたした次第であります。」とある。今回の野田首相の会見には、「それがこの国論を二分している問題に対して、私がよって立つ、唯一絶対の判断の基軸であります。」とある。

私は、3条委員会として発足させる原子力委員会が決定すべきであり、政権交代やあるいは政権内部の権力争いの結果で、原子力の停止・運転を含め原子力政策や方針が変わるべきではないと考える。自民党提出の原子力規制委員会設置法案には、「第7条 委員長及び委員は、人格が高潔であって、原子力利用における安全の確保に関して専門的知識及び経験を有する者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。」とある。優れた専門家で、反対意見を含め他人の意見を傾聴し、専門的見地から批判を行い、グレイゾーンはグレイゾーンで明確にし、国民に対して適切な情報公開を実施できる人達が委員となる原子力委員会が主導して欲しいのである。

前菅首相は、訳の分からないストレステストを持ち出したが、その結果として何が判明したかの説明すらない。テスト結果の報告書を読んだが、問題がなかったといった表現であった。原発を止めてまで、何故実施したのか不明なのである。だからこそ、今回も大飯原発について、ストレステストで安全が確保できたと言えないから言わないと思えてしまう。大飯原発は、事故があっても、ベントをすることができないはずだが、問題はないかと問いたい。どうなのだろう。このことについて、専門家の意見や説明を聞きたいのである。もし、PWRだからと言うなら、ではBWRとどう違うか、温度上昇により圧力が高くなるのは、全く同じはずと思う。

なお、関西地区の今夏の電力不足解消のための大飯原発再開に間に合わない緊急事態と言うのであれば、現在だって、原子力委員会と原子力安全委員会が政府の組織に存在するのである。何故に、これらの委員会の意見を聞かないのかと思う。原子力保安院は、経済産業省であり、大臣を上司とする組織である。これを環境省とするなんて、愚の骨頂である。

私は、2011年7月2日のこのブログで、4)項目目になるが、2012年5月には、稼働中の原発がなくなる予想のグラフと定検に入り、停止する時期の予想を書いた。私でも、これぐらいの予想ができたのである。政府関係者は、私より早い時期に、もっと正確に自体を把握していたはずである。従い、ずっと早く手を打てた。しかし、手を付けかなった。

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5月31日発表の完全生命表

完全生命表とは、少し表現が変に思うが、厚生労働省が毎年発表する簡易生命表ではなく、5年ごとに国勢調査の結果に基づいて発表しているバージョンとの意味であります。5月31日に発表されたのは、2010年の生命表です。47ニュースとダウンロードができる厚生労働省のWebを紹介しておきます。

47ニュース 5月31日 女86・30歳、男79・55歳 2010年の平均寿命確定

厚生労働省 第21回生命表(完全生命表)の概況

グラフを見てみるのが早いので、次のグラフを書きました。

Lifeexpect2012a
人口ピラミッドとよく似ているが、これは現在の生命表の確立で生存するとして出生数が10万人と仮定した人口ミラミッドです。女の方が常に生存している人が多く、80%以上の確立で生存する年齢は、男70歳ですが、女は79歳です。長寿の目安として20%以上の人が生存している年齢は、男90歳で、その後平均約95歳まで生存され、女では95歳であり、その後平均ほぼ100歳まで生きられるようです。

長寿を別の指標で示せば、100歳以上生存される方は、2010年の統計ベースでは、男では1.3%、女では6.3%です。

一般的な指標が平均寿命ですが、平均寿命とはゼロ歳の時の平均余命です。平均寿命と、もう一つの指標として50%以上の確立で生存する年齢を、1995年以降は、どのように変化したかをグラフにしてみました。

Lifeexpect2012b
1995年から2010年にかけての15年間で、平均寿命は男約3.1年、女は3.3年伸びました。ところで、半数以上の人は、上のグラフの通り、平均寿命より長く生きます。男3.0年、女2.9年ほど平均寿命より長く生きるようです。老後をしっかりと設計しなくてはなりません。

次は、統計による生命カーブで、1995年からどのように変化したのかの全体像を掴むために書いたグラフです。

Lifeexpect2012c
やはり少しずつ伸びてきたのです。ところで、このカーブの減少数(左への傾き)は、死亡数と一致するので、年間死亡数のグラフも描くことができます。

Lifeexpect2012d
2010年生命表からすると、男85歳、女91歳での死亡が一番多いこととなります。統計から見た数字であり、個人の一生は、千差万別です。なお、平均寿命はゼロ歳の平均余命なので、それより長く生きる人が多いのです。長寿であることは、長く人生を楽しめることであり、長く社会に貢献できることと思います。

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2012年6月 7日 (木)

東電女性社員殺害事件に思う

東京地裁が再審開始を決定したとニュースがあった。

日経 6月7日 東電女性社員殺害事件、再審開始を決定 東京高裁

記事にも「決定的な直接証拠がなく、元被告は一貫して犯行を否認。一審・東京地裁判決は無罪とした。しかし、二審・東京高裁判決は状況証拠などから逆転有罪として無期懲役を言い渡し、最高裁で確定していた。」とあり、決定的な直接証拠がなく、新たなDNA鑑定で「確定判決に合理的な疑いを抱かせ、認定を覆すに足りる蓋然性のある証拠と言える」と判断したとある。当然の再審決定と思える。

佐野 眞一氏の「東電OL殺人事件」を、DNA鑑定の報道があった時に、読んでみたが、伝奇小説的な不可解な事件である。慶応女子校、慶応大学、東京電力と一般からすればエリート人生を歩んでいる39歳の女性であった。しかし、夜は別の顔を持っていた。それ故、発見されたのは、殺害から11日経過した後であった。何故、そんな風になったのかと思うが、大きな悩みを持っていたのだろうと思う。

 

ゴビンダ・マイナリは、どうなのだろう。1994年に90日間の短期滞在で、来日した。しかし、インド料理店に勤務をし、不法滞在となっていた。死体発見が1997年3月19日なので、3年間日本で働いた。ゴビンダ・マイナリは、入管法違反であることに疑いはなく、最初は入管法で逮捕されたのであり、警察は、そのようなゴビンダ・マイナリの弱い立場を利用して、(利用する結果となって)犯人と認定して、捜査を進めていったのではないかと思う。「お前の仲間も一人残らず、不法滞在で検挙してしまうぞ」と脅かされたら、弱いだろうと思う。

ゴビンダ・マイナリは、犯行を否定し続けた。妻と子供という家族がゴビンダ・マイナリを信じ続けてくれていたからではないか。そんな家族の愛っていいなと思う。

上記の私の書いていることに対して、小沢裁判で書いていることに矛盾するのではとご指摘があるかも知れない。しかし、例えば、小沢裁判の判決要旨の53ページに次のようにある。

「したがって,公訴事実第1の1について,平成16年分の収支報告書において,被告人からの借入金として,本件4億円が計上されず,りそな4億円のみが計上されて, 「本年の収入額」が記載されたことは,虚偽の記入に当たるといわなければならない。」

虚偽の記入に当たると判断しても、その本人は無罪とする判決は、立法機関の議員であることから、私としては、しっくりこないのである。

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2012年6月 6日 (水)

今国会で消費税他の増税成立に向け儀式

今月21日までに国会で成立すべくやっと動き出したようである。

日経 6月6日 消費増税、修正協議入りへ 民・自、15日までに合意めざす

1) 成立のための儀式 or 政治駆引き

政府財政危機や国債残高の増加を考えると、この国会を逃すと、増税はそうとう先延ばしになると、国の将来のことをまじめに考えて、憂いていた人もいるのではと思う。

自民党の政治駆引きも嫌になる次第で、すんなりと国会審議を始めればと思っていた。野田首相も小沢氏との会談で破談の決着を付けないと2大臣を交代させることができなかった。内閣改造結果、やっと自民党も国会審議に向かわざるを得なくなった。国民からすると、国会議員が儀式をしていたと思ってしまう。国民の方を向いていたのではなく、将来の自分自身と自分の組織の権力争奪戦で、有利なポジションを確保しようと政治駆引きをしていただけなのかとも思ってしまう。

2) 消費税増税法

法案(社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案)では、消費税率を2014年4月から地方消費税を含めて8%とし、2015年10月から10%とするのであるが、これ以外にも次のような改正があり、これらの改正は、この機会を逃すと、成立は容易でなく、低所得者層はますます苦しくなってしまう気がする。

A) 5千万円を越える所得の人に対して5%所得税増税(法案第4条)

B) 相続財産(課税額)が6億円を越える場合に5%増税と贈与税の贈与財産(課税額)が3千万円を越える場合に5%増税(法案第5条)

C) 番号法(消費税増税法案とは別に2月14日に国会提出されている。)の稼働を前提とした総合合算制度(医療、介護、保育等に関する自己負担の合計額に一定の上限を設ける仕組み)や給付付き税額控除の導入検討(法案第7条)

3) みんなの党が提出した歳入庁設置法案

3月に議員提出で出されており、内閣府に、歳入庁を置き、税務署の行っている税徴収、厚生労働省所轄の労災と雇用保険料の徴収、日本年金機構の年金保険料の徴収を歳入庁が行う案である。これも消費税増税にからめて成立させたらと思うが、どうであろうか。

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2012年6月 4日 (月)

練馬光が丘病院についての区長の言葉

日大光が丘病院が引き継がれ、公益社団法人地域医療振興協会の運営による練馬光が丘病院となったが、その開院式の3日に区長が報道機関と懇談したとのニュースがあった。

東京新聞 6月4日 練馬光が丘病院運営問題 「日大と同等」無理と言えず

MSN産経 6月3日 同等の医療規模は「最初からは無理」と練馬区長

私は、最初は2011年9月2日に、この日大医学部付属練馬光が丘病院を書いており、予想された発言ではあった。しかし、当時も、2011年8月30日のYomiuri Onlineの記事に「区は、「地域住民を混乱させないように」と極秘で日大と交渉を続け、」との文章があることを書いた。今回の記事にも、同じような次の文章がある。

協会もすぐに日大と同じ規模や数でできないことは分かっていたが、区民には言えなかった」(読売)

区政が混乱するので、(同等と)言わざるを得なかった」(産経)

住民不在の練馬区と思ってしまうが、区長は選挙の時には、「5病院構想」を掲げて再選を果たしたと聞く。

最終的には、練馬区民の問題かも知れないし、あるいは同じようなことが、自分の近くでもあるかも知れない。あるいは将来の可能性ではなく、現実であるかも知れないと気をつける必要もあると思った。

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大飯原子力発電所稼働開始への動きについて

ずるずると訳の分からないままに事が進むようで、嫌な気がします。最も重要である国民に対する説明が、ほとんどないように思えるからです。

読売 6月3日 大飯再稼働で原発相、4日に福井知事と会談

1) 停電は回避可能か

回避できる可能性は高くなる。しかし、絶対ではない。関西電力が4月23日に発表した今夏の電力需給見通しは、平年並みの暑さで、需要3,030万kWに対し供給力2,535万kWであり、495万kW不足する見通しである。大飯原発3号、4号は各118万kWなので合計236万kWとなる。これでは、259万kW不足するが、揚水発電と一般水力のピーク運転を増加して停電を回避することは可能かも知れない。需要者の協力を得て、節電とピークシフトで回避可能とも思える。

なお、計画停電は準備しておくべきである。鉄道、病院、信号機、給水関係等供給を継続すべき供給先は存在する。供給継続のためには、どのようなルートで送電・配電をするかをあらかじめ計画しておく必要がある。

いずれにせよ、正確な情報が発信されねばならない。

2) 稼働に何故1月以上も要するのか

日経 6月1日 大飯フル稼働、7月中旬以降の見方 経産相は、大臣が関西電力大飯原子力発電所3、4号機がフル稼働する時期は「7月を越えると認識している」と語ったと伝えている。

関西電力の6月1日プレスリリース(これ)には、原子力発電所における運営状況として、大飯原発3号は「当初平成23年7月中旬定期検査終了予定」と1年近く前の日程が書かれている。

現在大飯原発3号、4号が、どのような状態にあるか情報開示がないが、運転を開始すると直ちにフル稼働に入るのである。2010年の定検終了後の運転を伝えるこの関西電力2010年5月25日は、大飯原発4号は5月26日に原子炉を起動し、27日に臨海に達する予定と述べている。そして、この関西電力6月23日で、5月28日からの調整運転は、6月23日15時10分、経済産業省の最終検査が終了し、本格運転を再開したと述べている。ところで、調整運転と本格運転の差は経済産業省の最終検査が終了しているかどうかであり、全く同じフル稼働なのです。

7月中旬以降のフル稼働とは、調整運転のことか、本格運転のことか不明です。

情報開示をしない経済産業大臣は直ちに辞任せよと言いたい。この5月22日大臣記者会見を読むと、少し前なのに、今と全く逆のことを行っていると感じる。

3) 原子力委員会設置法

福島原発事故で最も反省すべき点は、首相の介入を阻止し、国民のために働く専門家を選任することである。本来であれば、そのような組織を立ち上げ、信頼すべき人達の意見を聞いて、すすめるべきはず。今のような、素人の大臣が決定するような状態は一刻も早く脱したい。

自民党が国会に提出した原子力規制委員会設置法案はここにあるが、内閣提出のこの環境省に設置する法案は、とんでもない不合格の案である。

政権交代とは、政治家、代議士、議員と呼ばれる人達が、いかに無能力であり、国民のためを思っていないかを証明していくれたと考える。

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