各都道府県は原子力からの電力消費に応じた廃棄物を引き受けられるか
1月18日の日経ビジネスOnlineに次のインタビュー記事があった。
安倍新政権に立ちはだかる「核廃棄物」の壁 いますぐ取り組むべき「五つの政策」 田坂 広志
私が思っていること、考えていることとほぼ同じ内容のことが田坂氏により述べられていた。例えば、「原発がゼロになる時期は、原子力のバックエンド問題そのものによって決まってしまうのです。」という部分に代表される。
日本学術会議が2012年9月11日付で原子力委員会に対して高レベル放射性廃棄物処分についての意見を提出した直後の、9月17日にこのブログを書いた。私のブログの中では、日本学術会議の解答書へのリンクも張ってある。
日経ビジネス記事の田坂広志氏の「すべての都道府県が、過去に恩恵に浴した原発電力量に相当する使用済み核燃料の長期貯蔵を引き受ける」という法律を検討すべきでしょう。」については、私も、いささか驚いた。そんな法律は、できっこないと思える。非常に少量の放射性物質しか含まれていない焼却灰廃棄物でさえ自分の所は嫌だと拒否が起こっている。
では高レベル廃棄物である使用済み核燃料は、どうすべきであるか?原発に長期保管しておくことは危険である。そのように原発は作られていない。六ヶ所村の再処理工場は、再処理までの一時的な保管であり、再処理をしたところで、その再処理した核燃料をどうするか又再度発電に使用しても、同量以上の使用済み核燃料廃棄物が発生する。
もし、各都道府県が恩恵に浴した原発電力量に相当する使用済み核燃料の長期貯蔵を引き受けるとなると、沖縄県は貯蔵義務がなくなる。多分東京都が一番多くなる。でも、これを議論することこそ、原子力発電をどうするかの真剣な議論が期待できると思う。そして、政治家はどうするか。政治家にとって、もっともふさわしい踏み絵である気がする。どれだけ真剣な対応を述べ実行するか。それとも、やはり絵空事のポピュラリズムでごまかすか。ごまかすのが難しいから、おもしろい。地方主権なんて主張していた政治家は、どうするだろうか?地方が自らのことを責任もって決めるなら、廃棄物も自らが責任を持たねばならない。
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コメント
関西圏も例外でなくなりますからね。 当然に滋賀県も含まれる事に。
前村長の小林宏晨氏http://mytown.asahi.com/akita/news.php?k_id=05000871203240001
投稿: omizo | 2013年1月22日 (火) 17時01分
omizoさん
コメントをありがとうございます。紹介あったmytown.asahi.comの朝日秋田版の記事も参考になります。
原発は現在以上に増やすことは困難であり、これ以上立地都道府県は増加しない。しかし、高レベル廃棄物については、何も決まっていないのだから、何でもあり。一方、確実なのは、日本国内で処理せざるを得ない。
投稿: ある経営コンサルタント | 2013年1月22日 (火) 17時43分
学術会議の議論は
http://scienceportal.jp/HotTopics/interview/interview81/index.html
松田さんが、直近で。科学者は利害関係者として振舞うべきか
で、意見を述べています。
それと、別の見出しに、
中西準子さんの去年の本に、反対派は「対案を出すと運動は収束するので、戦っている状態こそが大事なんだ」と書いていましたが、
議論のテーブルにつく事も、反対運動が有効でなくなることに成るという見解ですが。
投稿: omizo | 2013年1月22日 (火) 20時34分
omizo さん
何度もコメントをありがとうございます。
私は、皆がどしどし意見を述べるべきだと考えます。意見を言わぬと政治家が勝手なことをする。政権交代より各人が自分の意見を述べることが重要であるというのが私の意見です。(対案まで、出すべきかというと、その必要なないかも知れませんね。しかし、自分の意見の問題点を指摘されれば、それに対して説明することは必要と考えます。)
投稿: ある経営コンサルタント | 2013年1月22日 (火) 22時57分