後期高齢者医療制度を考える(その2)
後期高齢者医療制度についてのその2を書きます。
1) 医療費
後期高齢者の医療費は、一体いくらであるかについてです。後期高齢者医療事業年報のデータから、次の円グラフに書きました。
これだけではピント来ないので、医療費全体の中で、どのような割合を占めるかを見たのが次のグラフです。医療費全体のデータは、「医療費の動向」調査(年度版)からです。(なお、後期高齢者医療事業年報のデータと微妙な数字の差もあるが、わずかな差である。)
平成23年度の医療費は、公費分(生活保護医療費)と医療保険適用分医療費の合計で37兆7666億円であった。平成19年度は33兆4408億円であったので、5年の間に4兆3259億円増加した。後期高齢者医療制度が始まったのが平成20年度からであり、平成20年度以降の後期高齢者医療費が全体の医療費の中で占める割合を緑の線で示しており、毎年増加している。
増加割合を考える場合に、総額ではなく、一人当たりの平均額の増加率を見る方が適切と思えるので、前年度からの増加率を一人当たりの平均医療費で推移を示したのが次のグラフである。
後期高齢者の一人当たり平均医療費も毎年増加しているが、他の医療保険適用分医療費の増加率より低い。この意味するところは、人数の増加が多いと言うことである。
2) 後期高齢者医療制度の被保険者数
後期高齢者医療制度が始まった平成20年度からの被保険者数の推移が次のグラフである。
人口ピラミッドの75歳以上の部分を切り取って4年間について眺めたのと同じことと考える。グラフの凡例の各年度の箇所に記載の人数は後期高齢者医療制度被保険者数である。今後益々増加することが予想される。長寿は悪いことではなく、喜ばしいことである。そのために増加する医療費をどうするか、もう少し書き続けます。
グラフで75歳未満の被保険者が存在するのは、65歳以上で障害認定を受けて後期高齢者医療制度の適用者となる場合があるためである(50条2号の被保険者)。
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