誤った政府対応 竹富町への教科書採択是正要求
教育をする権利と義務は親にあると私は考えている。社会は、親が子どもを教育することを支援するのである。政府が教育委員会に要求する事は、あるべき本筋を外れている。
日経 3月14日 文科省が沖縄・竹富町に是正要求 教科書採択問題で
政府(文部科学省)が、竹富町教育委員会に是正要求を行う根拠は、教科書無償措置法第12条の採択地区が竹富町では与那国町と石垣市を加えた1市2町の八重山採択地区となっており、竹富町独自の判断は教科書無償措置法に違反しているとすることである。
しかし、地方教育行政法第23条の教育委員会の職務権限には、その管理、執行する事務として第6号に「教科書その他の教材の取扱いに関すること」と定めており、政府要求は、地方教育行政法に違反している。
学校教育法第34条が小学校の教科書検定であり、49条でこの34条が中学校に対しても準用するとある。学校教育法と地方教育行政法からすれば、検定済み教科書であれば、市町村の教育委員会が教科書採択の権限を保有するのである。教科書無償措置法が、無償で教科書を国が(本当は税金による政府の行為です。)配布するのだから、言うことを聞けと無謀な要求を法案に盛り込んだと想像する。
政府の教科書無償配布も税金の支出であり、無償配布を理由に学校教育法や地方教育行政法を無視するのは、けしからんと考える。そもそも、権力者に教育の権限を与えると悪い結果になる。自分(権力者)の意のままに動く人間を育てようとするからである。自由と平和と繁栄は、各個人が豊かな人間性を身につけることにより実現する。親やその子どもが生きている地域社会が教育に携わる度合いを適切に確保すべきである。
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コメント
国会で可決成立した「法律(=国会の意思決定)」によるもので、「法案(=内閣の意思)」によるものではないことを前提に。
※如何に政府が法案を都合良く作っても、国会が可決しなければ(政府の考えを是としなければ)法律にはならないし、国会の権能として自発的に法律改正ができることを前提に。
中央省庁からの教育委員会への「是正の要求」という行為そのものは、地方自治法第245条の5に基づいて行われるもので、今回も(事前に第2項を適用して、今になって第4項を適用したことも含めて)形式的には適法に行われています。
また、現行の「教科書無償措置法」に照らすと、文部科学大臣の「是正の要求」は、形式的には、適法かつ合法と解せるように思います。
ただ、ご指摘の「教科書無償措置法」と「地方教育行政組織法」との兼ね合いについては、議論のあるところと思います。
それゆえに、この問題は「国会の立法の問題」と、「都道府県教委が教科書無償措置法により行った採択地区の設定の問題」であって、「現状に基いて、現行法の執行を行った文部科学大臣の問題」ではないように思えます。
従前に都道府県教委が教科書無償措置法により行った、採択地区の設定が、単一の町村単位で行われていれば、今回の「是正の要求」には到らなかったわけですし。
投稿: 秘匿希望。 | 2014年3月16日 (日) 20時53分
秘匿希望。サン コメントをありがとうございます。
地方分権と言うべきか地域住民・市民の行政参加が多く図られるべきであると考えるのが、私にとっては教育分野です。PTAとは、いかなる組織とすべきか。本当は、親の学校教育の方針を議論することを含めた教育参加であるべきと考えます。
現行法で、竹富町教科書問題をどうするべきかと言えば、裁判で争うべきと私は考えます。法の解釈は、裁判によってしか結論を出せないのですから。又、裁判をすることにより多くの人に考える機会と材料を与えると思います。
投稿: ある経営コンサルタント | 2014年3月16日 (日) 21時45分