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2014年8月20日 (水)

国土地理院の旧版地図はネットで公開すべき(土砂災害に思う)

広島市で豪雨による土砂崩れが発生し、死者・行方不明はあわせて40人以上に達している。

日経 8月20日 未明の濁流、住宅地を急襲 家屋は原形とどめず

天災・自然災害による災難・被害を、不可抗力だから仕方がないと思ってはならないと考える。やはり備えが十分でなかった点があるのではと反省することから、被害や不幸を食い止めることができるだと思う。ある意味では、自動車事故より対策が立てやすい面があると思う。

土砂崩れ災害の一番の対策は、土砂崩れが発生する危険性を評価し、危険性の高いところには住まないか、土地が安いので広い敷地の豪邸に住めることを選択し、災害の危険性については対策行い、場合によっては豪雨の恐れがあるとして、早々とホテルに移るというような対策もなきにしもあらずである。勿論、危険地に安全のための大金を投資できない人も大勢いる。無理に危険地に住む必要はないと思う。

そこで、危険地かどうかであるが、宅地開発業者が、本来なら、危険度を十分に説明して販売すべきと考えるが、市町村役場がハザードマップを作成して危険地をしていない限り、不動産の販売業者の方から積極的に危険地であると伝えないはずである。

危険地とは、新規開発地である。実は、多くの人は、開発前の状態をよく知らずして、不動産購入をしていると思う。買い手も不動産業者も、駅まで何分、学校は、スーパーは、付近は緑が多いかとか、今回土砂崩れが発生した広島市の現場も、実は緑が多く、新興住宅街で静かであり、快適な生活が送れそうと言うか、住民の方々は、送っておられたと思う。

新規開発地の全てが危険な訳ではない。急斜面の山林を切り開いた場所、切り開いて盛り土がなされている様な地域は危険度が高いように思う。どのようにして、過去の状態を知るかであるが、地形図を見るのが一番手っ取り早いはず。買う時に危険だと感じたら、不動産業者に尋ねればよい。その上で、自分で評価するのである。

国土地理院の過去の地形図は、ネットで誰もが見れるように公開すべきであるというのが私の主張である。実は、この国土地理院のWebにあるように、全国11カ所の旧版地図閲覧窓口に行けば、閲覧が可能であり、謄本取得も可能である。しかし、実は、日本全国が見れるのはつくばの本院と九段の関東地方測量部の2カ所だけと言うから、超ミットモナイサービスと思う。国民の税金で地形図を作成しているのである。戦前は映画「劒岳 点の記」のように陸軍参謀本部が作成しており、それらは全て国民の貴重な財産である。ちなみに、今回被害が発生している安佐南区を含んでいる5万分の1地形図「広島」は、この図歴の通り一番古いのが明治31年測分で、全部で20のアーカイブが存在する。

自分自身で、欲しい地形図の名称がわかり、地理院のWeb広島の図歴のようなページを探し出せれば、この地理院のページの説明にもあるように、ネットや郵送で謄本を依頼することができる。謄本費用と送付費用がかかるが、入手はできる。しかし、それにしてもあまりにも不便である。

浦安で東日本大震災の時に液状化現象が発生した。つい最近まで海であったところを埋めた造成したのだから、予測はできたのかも知れない。友人から、住み始めた住宅地が沼であったところを埋め立てて造成したから、家の中でゴルフボールが自然に転がる現象がでる家屋も発生していると聞いたことがある。歴史は、侮ってはいけない。過去、どのようにして、その土地が使われていたかは、貴重な情報である。

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