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2014年10月28日 (火)

政党助成金と政治資金収支報告書

国会議員の政治団体の政治資金収支報告書に関する疑惑についてのニュースが飛び回っており、大臣辞任に追い込まれた議員もいる。

問題の本質は大臣辞任ではなく、やはり国民の税金である政党助成金(政党交付金)からの支出が絡んでいることである。

例えば、平成25年分の自由民主党政党交付金使途等報告書には150億円の政党交付金を受領し、145億円支出したことが報告されている。この支出中で最大の項目が支部政党交付金であり66億円支出されている。報告書にある支部の数は2861あり、最高額5百万円、少ない支部では百万円の場合もあった。

そこで、問題の議員の政治団体の収支報告書を見ると、政党からの寄付が5百万円あった。これが金の流れと思って良いのだろうと考える。

しかし、釈然としない。誤魔化されているようである。やはり、税金で政党助成金(政党交付金)を支払うのは間違いである。即刻止めさせるべきである。しかし、議員達にインセンティブは働かず、国民が声を大にして、政党助成金を止めねば、君たちには投票しないと脅すしかないように思える。但し、政党助成金を廃止する代わりとして、議員歳費の増額には応じて良いと私は考える。個人の金を、政治活動という名目で飲食費に支出しようが、親族企業から物品を購入しようが自由である。一方で、寄付金で支出した分は、寄付金の支出者に対して、それなりに妥当な会計報告をする必要はある。

なお、政治資金収支報告書及び政党交付金使途等報告書は、この総務省のWebで読むことは可能です。

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2014年10月27日 (月)

人口減少への地方の対策

やはり、事実をしっかりと把握・分析をすることが重要である。そこで10月4日のブログで紹介した日本創世会議の2040年人口について、今回は都道府県別に表を作成しました。2040年人口が2010年人口と比べて減少率の大きい順に並べてあります。

Population201410a

2010年の人口は国勢調査によるものであり、2040年の人口は国立社会保障・人口問題研究所による将来人口推計の中位としている人口です。但し、都道府県別人口は、日本創世会議が発表した市町村人口を都道府県単位で集計した結果です。これは市町村単位で人口移動が収束せず現状のまま推移すると仮定した場合です。

日本全体の平均でも16.2%減少する訳で、全ての都道府県において人口減少が予測される結果です。平均の16.2%より人口減少が少ないのは、表のグリーン部分の11都府県であり、それより減少が大きいのは36道県である。

人口減少の大きいと予想される県と小さい都県を過去の人口推移と比較した表が次です。減少大として秋田県、青森県を、減少小として東京都と滋賀県を選びました。

Population201410b_2

大きな人口減少が予想される秋田県は5年ごとの国勢調査の結果においても1960年がピークであった。青森県は1985年であった。2040年の秋田県と青森県の人口は30年間時代をさかのぼった1980年よりも減少している。一方、東京都と滋賀県は人口はこれまで増加することしか経験をしていない。2010年である。これから人口減を経験するのである。

人口減にどう対応していくかは、地方創世とか地方主権とか馬鹿な政治家に欺されてはいけない。「地方創世」や「地方主権」という言葉は、選挙で票が欲しいための政治家による宣伝でしかないと私は考えている。日本全体でも人口減少であるが、特に地方において大きいと予想される時代には、どう対処すればよいかである。例えば、鉄道がよいのか道路がよいのか、鉄道も新幹線か在来線か、高速道路か一般道路か様々な選択肢がある。利用の頻度が低いと予想されるにも拘わらず、投資をしても無駄である。「コンクリートより人」なんて馬鹿な標語ではなく、コンクリートにも役に立つ事業もあれば、無駄な事業もある。様々な代替案を様々な角度から分析・評価する。そして、それを公表して皆が参加して決定するのである。それが、政治家に利用されない方法だと私は思う。

特に、これからの人子減少社会においては、先人の経験と知恵に学ぶべきである。実は、人口減少を既に経験している多くの地域が存在する。それら人口減都道府県・市町村から学ぶべきである。一方、先人の既に人口減少を経験している都道府県は他の地方に対して、どのような現象が生じたか、どのような対策を実施し、その効果はどうであったかを広く他の地方にも教えていただきたいと思う。

最後に全都道府県の1955年からの人口の推移と2040年の予測を1955年を100として指数化したグラフを掲げておきます。

Population201410c

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2014年10月19日 (日)

中央リニア JR東海に突っ張らせて良いのだろうか?

次の記事を読むと、私は、大いなる疑問がわいてくるのである。

日経 10月17日 JR東海社長、リニア着工認可「交通史上に残る大きな一里塚」

超電導磁気浮上リニアについては、調べれば、調べるほど、欠陥ばかりが目につき、こんなリニア浮上鉄道など5兆5千億円も費やして建設する意義はなく、次世代に負の遺産を残すようなものだと思うようになってきたからです。

1) 国鉄分割民営化の分割の不合理が生み出したJR東海(東海道新幹線)

国鉄分割民営化は1987年4月にJR東日本、JR東海、JR西日本の本州三社とJR北海道、JR四国、JR九州の三島会社およびJR貨物の7社に加え、新幹線鉄道保有機構と国鉄清算事業団が設立された。そして、新幹線(東海道、山陽、盛岡までの東北と上越)を保有していた新幹線保有機構から本州三社に1991年10月に分割払いで譲渡された。新幹線保有機構は、その時点で鉄道整備基金となり、1997年に船舶整備公団と統合されて運施設整備事業団となり、一方で国鉄清算事業団は日本鉄道建設公団に1998年に吸収され、そして2003年10月に日本鉄道建設公団と運施設整備事業団が統合されて現在の鉄道建設・運輸施設整備支援寄港(鉄道・運輸機構)となった。

超複雑な歴史であるが、本州三社が民営化(上場開始はJR東日本1993年、JR東海1997年、JR西日本1996年)にあった以外は、政府の支配組織(子会社)の組織再編・変更でしかなく、複雑化して国民の目を誤魔化すためのご都合改革とさえ思える。実際、鉄道・運輸機構の財務諸表は読んでみても、複雑怪奇で財務諸表の大原則である「事業内容と財政状態について明瞭に情報提供をする。」に反していると思える。財務諸表のみが問題なのではなく、事業内容が支離滅裂なのである。例えば、内航船の建造費融資を事業とする船舶整備公団の事業を鉄道支援事業と同じ組織が実施するのはきちがいとしか思えない。

それはさておき、本州三社に譲渡された新幹線の価格であるが、次の表を参照願いたい。

Jr201410a_2

表の第1行目が新幹線譲渡価格である。JR東日本については有価証券報告書に記載があったがJR東海とJR西日本は開示がなく、他の資料から推定した。事業会社の資産とは、将来のキャッシュフロー獲得に貢献する便益の源泉であり、その価額は将来キャッシュフローの割引現在価値である。それぞれの譲渡価格がどのように計算されたかはチェックしていないが、JR東海が一番高値であった。

本州三社は、新幹線を年率3.73%の利息付きの分割払いで購入しており、年間の元利合計支払額は4400億円を越えるのである。問題は、2013年度の元本減少額から推定した最終弁済日が2019年6月に到来するのである。今から5年後である。この話だけを単純に聞くと、問題はない。しかし、実は、この資金こそ、JR三島会社の支援に使われているのである。勿論、この資金は、旧国鉄の債務償還にも使われ又整備新幹線の建設他にも使われているのである。

ところで、2019年6月以降はどうするのであろうか?JR東海に勝手に中央リニアなんかに投資されては、たまったものではないと思えてしまう。国民の財産東海道新幹線を一企業の私欲のために使うのではなく、その収益は国民全体に利益が及ぶようにすべきではないだろうか。最も利払い額720億円なんて、消費税を1%あげることで得られる1兆円と比べれば、微々たる金額ではあるが。

2) JR各社を比較すると

JR各社を比較すると、よく分かるのである。次の表(クリックすると拡大表示)は本州三社は有価証券報告書より三島会社とJR貨物は決算公告より作成した比較表である。

Jr201410b

トップ3行の営業距離を見ればよく分かるが、線路の営業距離と売上高がJR各社で差が大きいのである。JR北海道はkmあたり3千万円の収入であり、JR東海は20倍以上の6億円以上である。三島会社の鉄道事業の厳しさが伺える。最も条件が厳しいJR北海道の事故や本州会社でも厳しいJR西日本はやはり事故があった。そんなことも影響しているかも知れないと勘ぐってしまう。

鉄道事業損益1と鉄道事業損益2としたのは、鉄道事業損益1が旅客運輸収入から運送営業費を差し引いた営業利益であり、鉄道事業損益2は有価証券報告書の営業利益と一致する鉄道線路使用収入、雑収入を加え、一般管理費と諸税、減価償却費を差し引いて計算した利益である。三島会社は、営業収益と営業費用のみの表示であるため不明である。

比較の結論としては、三島会社とJR貨物の4社は鉄道事業損益1と鉄道事業損益2は赤字、本州三社は3社とも黒字であること。そして重要なことは、JR全7社を合計すると鉄道事業損益1と鉄道事業損益2は黒字になるのである。

私の結論は、JR7社の経営については、最適化をすべきと言うことである。分割した結果のある部分は黒字で他の部分は赤字と言うのは、その分割が正しいのかを見直すべきである。方策を国民的視点に立って、考えるべきである。

3) 鉄道・運輸機構の不明朗会計

鉄道・運輸機構は会計検査員の監査対象となっており、不正な会計処理は行われていない。しかし、財務諸表は、変な法律にガンジリガラメに縛られて、理解不可能な状態である。その中で、JRに関して読み解けていることを述べると、1)の表にある本州三社から鉄道・運輸機構への金の流れである。

もう一つの金の流れは鉄道・運輸機構から三島会社へであり、2)の表の中で「経営安定化基金利息収入」、「鉄道・運輸機構受取利息」と書いた金額である。この金があるから、三当会社は存続できているのであり、1)で書いた新幹線の分割払いが終了すると鉄道・運輸機構に財源はなくなり、税金で補填するのではと思ってしまう。後3年すれば、三島会社は倒産するのだろうか?三島会社を倒産させてまで、中央リニアを建設する意味があるのだろうかと思ってしまう。

経営安定基金とは三島会社が鉄道・運輸機構に運用を委託した資産であり、JR北海道を例に取ると、7523億円が貸借対照表に計上されている。しかし、純資産の部に経営安定基金として6822億円が計上されている。鉄道・運輸機構の貸借対照表ではJR北海道からの長期借入金(最終返済期限2017年3月)として1149億円が計上されている。何故このように計上され、表示されているのか読み込んだが結局は分からなかった。

国鉄分割民営化以来の不明朗会計を引きずり、今再び、中央リニアとか言って、国民の目を欺くらかすことを実施しようとしていると思えてならない。JR東海さん!説明をお願いします。

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2014年10月10日 (金)

マララ・ユスフザイさんがノーベル賞に決定

マララ・ユスフザイさんがノーベル賞に決定しました。

日経 10月10日 ノーベル平和賞、パキスタンの少女マララさんら2人に

私は、昨年10月7日には、マララのノーベル賞を期待して次のブログを書きました。

2013年10月7日 マララ・ユスフザイさんがノーベル賞の候補

私が、最初にマララについて書いたのは、彼女が国連のYouth Assemblyで2013年7月12日に演説をした時でした。

2012年7月14日 マララ・ユスフザイの国連でのスピーチ

彼女の演説は上のブログの国連TVでは既にリンクが切れていましたが、You Tubeには残っています。

You Tube: Malala Yousafzai addresses United Nations Youth Assembly

演説をした時は16歳。女子に教育は不要だとするタリバンから銃弾を左の脳に受けた。しかし、教育が重要であると、大勢の皆の前で訴える。勇気を与えてくれます。

ノーベル賞受賞に大喝采をあげたいと同時に、マララが世界中の人に勇気を今後とも与えて貰いたいと思います。

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アスベスト訴訟の国家賠償責任最高裁判決

国(政府)の賠償責任を認める最高裁判決が10月9日にあった。

日経 10月9日 泉南アスベスト訴訟、国の賠償責任認める 最高裁

判決文は、

A) 事件番号: 平成26(受)771(大阪高裁で国家賠償が認められ、政府が上告していた事件)判決結果概要 判決文

B)  事件番号:平成23(受)2455(大阪高裁で賠償責任なしとされ、元従業員が上告していた事件)判決結果概要 判決文

1) 国会賠償法

国会賠償法の第1条第1項の賠償責任に関する争いであった。その第1条第1項の条文は次の通りである。

国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。

2) 最高裁は何故国会賠償法の賠償責任を認めたのか

国家賠償法1条1項の適用上違法とされる期間は、昭和33年(1958年)5月26日から昭和46年(1971年)4月28日までである。この期間の開始日の昭和33年(1958年)5月26日とは、労働省労働基準局長が都道府県労働基準局長宛てに「職業病予防のための労働環境の改善等の促進について」と題する通達(基発第338号)を出した日である。粉じん作業等につき労働環境の改善等予防対策のよるべき一般的措置の種類を技術指針とし、 その実施の促進を指示した。

石綿肺の被害状況については、昭和31年度及び昭和32年度の委託研究の調査結果、勤続3年以上の労働者の石綿肺の発症率が29.6%~45%であり、かなりの高率であり、石綿工場の労働者の石綿肺り患の実情が相当深刻なものであることが明らかになっていることを、労働省は昭和33年頃には認識していた、また医学的知見についても確立していたと最高裁は判断した。

石綿の粉じん防止策として発散源となる石綿工場の機械に局所排気装置を設置することが最も有効な方策であり、労働者が石綿の粉じんにばく露することを相当程度防ぐことができたと認められるとした。労働省は、昭和30年頃から局所排気装置の設置を指導していたものの設置を義務付けなかった。昭和33年5月26日の通達においても義務とはしなかった。旧労働基準法により厚生労働省は省令制定権限を適切に行使し,罰則をもって義務付けを行って局所排気装置の普及を図るべきであったと最高裁は判断した。

労働安全衛生法による旧特定化学物質等障害予防規則(労働省令)により昭和46年に局所排気装置の設置を義務づけた。

高い危険性が存在し、かつ相当程度危険性を低める対策が存在するにも拘わらず、有効な対策を採らなかったことによる政府の責任を認めたのである。

3) 石綿工場とはどんな所?

Webを探すと次のスライドがありました。

大阪・泉南地域の石綿被害実態と石綿公害問題の検証 2009年7月26日 高木基金成果発表会

写真もある。石綿から糸を作る製糸工場や紡績工場もあったのです。

多分、当時としては、法令違反はしていないとのことで、問題にはならなかったのだと思います。

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2014年10月 8日 (水)

素直に喜べない面がある青色発光ダイオードへのノーベル物理学賞 

2014年のノーベル物理学賞は、青色発光ダイオード(LED)を開発した赤崎勇氏、天野浩氏、中村修二氏の3人の受賞が決まった。ノーベル財団の発表は次です。

The Nobel Prize in Physics 2014

青色発光ダイオードへのノーベル物理学賞が決まって嬉しい。LED照明が現在の社会にもたらした恩恵は大きく、ノーベル物理学賞に値する開発であり、3人の方にはお祝い申し上げたい。ノーベル財団の説明(一般向け)はここにあり、さらに詳しい説明はここにあります。

ところで、素直に喜べない面があると書いたのは、中村修二氏と日亜化学工業の裁判です。2004年1月の東京地裁判決は日亜化学工業に中村修二氏に対する約604億円の発明対価の支払いを命じたのです。日亜化学工業は、これを不服として控訴。東京高裁は、6億円の和解勧告を2004年12月に出したのである。中村氏は、最高裁に上告せず、米国に帰っていった。中村氏が、何時米国籍を取得したのか知らないが、2005年以後であったのかも知れない。いずれにせよ、東京高裁の和解勧告には大きな不満を持っておられた。

日亜化学工業は、株式譲渡について取締役会の承認を必要とする譲渡制限付の会社であり、上場会社ではないが、決算公告は行っておらず、有価証券報告書を提出している。従い、EDINETで見ることもできます。資産内容は連結総資産6235億円で、負債815億円と純資産5420億円という会社であり、しかも純資産のうち利益剰余金が4350億円です。過去の推移を見ていませんが、青色発光ダイオードでメチャ儲けて、こんなに金を貯め込んで、一方で中村氏にはたったの6億円を支払って終わりにしたという風に思ってしまいます。

正直、中村氏が当時述べたように日本の社会は、どこかおかしいのではと思います。しかし、一方、中村氏については、どうして最高裁まで争ってくれなかったのかと残念です。そして、更に残念なのは、世界に通用する研究・発明・技術を日本の若者が目指す仕組みが整っていないことです。マネーゲームは、一方で大もうけがあるのは、その分を損している人がいるからです。研究・発明・技術は、今回の青色発光ダイオードのように世界への貢献が大きなこともあり得るのです。電子技術にしても、日本はマイクロソフトやグーグルに遙かに及ばず、スマホもダメ。ガラパゴス技術ではない世界に通用する研究・発明・技術が日本に育つには、研究者・技術者への革新技術開発に対する大きな報酬期待(ニンジン)が必要だと思います。

以上のようなことで、素直には喜べず。むしろ課題が大きいと思いました。なお、これを書くにあたり、次の2つ文書を参考にしました。

1. 日経ビジネス 2014年10月7日 ノーベル賞学者は10年前、「敗軍の将」として何を語っていたか

2. パテント 2005 Vol.58 No. 5 日亜化学工業対価請求事件の和解による終結に関する考察 (パテントは日本弁理士会の月刊誌です。ここ

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2014年10月 4日 (土)

人口減少最大の地方自治体は?

日経に次のニュースがあった。

日経 10月4日 人口減もがく自治体 消滅可能性都市、4割が予算増

日本創成会議(ホームページはここ)が5月に発表した報告を基にしている。では人口減少率が最大の自治体はどこかと見てみると、次の通りであった。

201410a
60パーセント以上減少すると予想される市町村を列挙すると、なんと47もあった。たったの20年間に60パーセント減少し、半分以下の40パーセントより更に減少するのだから、すごい減少です。なお、人口減少を推定した方法は、出産年齢にある女性の人口から増加するゼロ歳の人口を推定し、平均余命から死亡し、減少する人口を推定する。更に、人口移動による増減を見込むのであるが、創成会議の人口予測は、2010年から2015年にかけて人口の社会純増減数が、その後もほぼ同じ水 準で推移するとしてプラスおよびマイナスの純移動率を見込んで計算している。

地方創世なんて、夢物語を追いかけるより、足下の問題として、まじめに取り組むべきだと思います。人口減少の計算は、福島県については市町村単位で実施していないことから、市町村総数は1800となっているが、このうち1505市町村が2040年に10%以上の人口減予測となっている。10%以上人口が減少するというのは、大変な事です。10%以上減少する1505市町村の現在の人口は86百万人であり、日本全体の3分の2です。決して、人ごとではなく、自分のもんだいです。

人口が減少した市町村で救急医療や在宅医療なんて成立が困難になってしまう。地方創世の前に、住民が健康で文化的な生活を確保する手段の手当を検討することが最重要です。もし、手当てできないなら、市町村や、場合によっては市町村広域連合で中核地域をつくりそこに高齢者住宅や医療・介護ならびにスーパー・ショッピングセンターが集中している生活の場をつくっていくことだと思います。そうしないと効率が悪くて、税金や保険料等の負担が重くなるだけではなく、サービスが必要な人にサービスが行き渡らないことになると思います。

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タイの病院がエボラのワクチン開発

タイのSiriraj病院がエボラのワクチンを開発したとのニュースがありました。

TBS 10月2日 タイの病院、エボラ熱治療用の抗体を作製

Straits Timesはシンガポールの新聞と理解しますが、次の記事があった。

Straits Times 9月29日 Thailand hospital has developed an Ebola vaccine, says state news agency

Siriraj病院のホームページはここにあり、ベッド数は2223あり、常勤医870人・看護士/看護助士計5000人で、研究機関と教育機関も保有する非常に大きな病院です。

日本が医療ツーリズムなんて邪道を向いている間に、世界は立派に発展しているような気がします。人類に役立つなんて大げさでなくて良いから、せめて世界の人々に喜んでもらえることを目指すことで良いと思うのです。日本がガラパゴス化し、世界のことは考えず、井の中の蛙として毎日を過ごしているように思えてしまうのです。

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2014年10月 1日 (水)

8月下旬からの急激な円安からの脱却方法

10月1日は、一時的に米ドルが110円を越える時があり、8月下旬から急激な円安になっている。

日経 10月1日 経財相「過度の円安は経済にプラスにならず」

今年になってからの米ドル為替レートのチャートは次の通りである。

Usdforex201410
8月下旬からの急激な円安が上のチャートから一目瞭然である。102円から110円になれば、輸入品の価格が約8%値上がりする。非常に厳しい状態であると考える。不況下のインフレが始まる可能性がある。まもなくデフレが懐かしくなるだろうなと思ってしまう。消費者にとっては、物価高と消費税10%が待っている。

円高の原因と対策は、どうすべきかであるが、日銀が政策金利を上げることである。為替レートに最も影響を与えるのが、その通貨の金利である。信用できる複数の通貨の間では、低い利子率の通貨が売られ、高い利子率の通貨が買われる。結果、買われる事が多い通貨は値上がりする(交換レートが悪くなる)。円・ドルで考えた場合、102円が1ドルと110円が1ドルとでは、1ドルを手に入れるのに102円を渡すか110円を渡すかの差であり、110円の場合は102円の時よりドルの相対価値は高いのである。逆に1ドルが80円の時を考えると、100円を得るためには1.25ドルを渡さねばならなかったのが、102円では0.98ドルですみ、110円では90.9ドルで済むのである。

このWebでLIBOR(London Interbank Offered Rate)金利を見ると、円(JPY)がCHF(スイスフラン)と共に金利が非常に低い。この低い金利が110円相場の最大の原因と私は考える。

Overnight Euro LIBOR 0.14286 % 09-30-2014
JPY LIBOR - 1 week 0.05357 % 09-30-2014
USD LIBOR - 1 month 0.15650 % 09-30-2014
CHF LIBOR - 3 months 0.00600 % 09-30-2014
GBP LIBOR - 6 months 0.71456 % 09-30-2014
USD LIBOR - 12 months 0.57860 % 09-30-2014

そもそも、日銀のゼロ金利や過度の緩和策には、百害あって一利なしの面がある。少なくとも、これほど継続していては、日本経済を破滅に導くと言うべきか、日本国民の大多数を貧困に導き、一部の富裕層の富を増大させることになる。

この年末にかけて、消費税10%が正式に決定する。もし、10%を見送ったなら、年金制度や医療は崩壊に向かい、日本経済と日本国民は破滅に向かうことになる。消費税10%を実現し、豊かな日本社会を作り上げようとするなら、日銀ゼロ金利を先ずは中止し、日本経済を立て直すべきと考える。

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