人口減少への地方の対策
やはり、事実をしっかりと把握・分析をすることが重要である。そこで10月4日のブログで紹介した日本創世会議の2040年人口について、今回は都道府県別に表を作成しました。2040年人口が2010年人口と比べて減少率の大きい順に並べてあります。
2010年の人口は国勢調査によるものであり、2040年の人口は国立社会保障・人口問題研究所による将来人口推計の中位としている人口です。但し、都道府県別人口は、日本創世会議が発表した市町村人口を都道府県単位で集計した結果です。これは市町村単位で人口移動が収束せず現状のまま推移すると仮定した場合です。
日本全体の平均でも16.2%減少する訳で、全ての都道府県において人口減少が予測される結果です。平均の16.2%より人口減少が少ないのは、表のグリーン部分の11都府県であり、それより減少が大きいのは36道県である。
人口減少の大きいと予想される県と小さい都県を過去の人口推移と比較した表が次です。減少大として秋田県、青森県を、減少小として東京都と滋賀県を選びました。
大きな人口減少が予想される秋田県は5年ごとの国勢調査の結果においても1960年がピークであった。青森県は1985年であった。2040年の秋田県と青森県の人口は30年間時代をさかのぼった1980年よりも減少している。一方、東京都と滋賀県は人口はこれまで増加することしか経験をしていない。2010年である。これから人口減を経験するのである。
人口減にどう対応していくかは、地方創世とか地方主権とか馬鹿な政治家に欺されてはいけない。「地方創世」や「地方主権」という言葉は、選挙で票が欲しいための政治家による宣伝でしかないと私は考えている。日本全体でも人口減少であるが、特に地方において大きいと予想される時代には、どう対処すればよいかである。例えば、鉄道がよいのか道路がよいのか、鉄道も新幹線か在来線か、高速道路か一般道路か様々な選択肢がある。利用の頻度が低いと予想されるにも拘わらず、投資をしても無駄である。「コンクリートより人」なんて馬鹿な標語ではなく、コンクリートにも役に立つ事業もあれば、無駄な事業もある。様々な代替案を様々な角度から分析・評価する。そして、それを公表して皆が参加して決定するのである。それが、政治家に利用されない方法だと私は思う。
特に、これからの人子減少社会においては、先人の経験と知恵に学ぶべきである。実は、人口減少を既に経験している多くの地域が存在する。それら人口減都道府県・市町村から学ぶべきである。一方、先人の既に人口減少を経験している都道府県は他の地方に対して、どのような現象が生じたか、どのような対策を実施し、その効果はどうであったかを広く他の地方にも教えていただきたいと思う。
最後に全都道府県の1955年からの人口の推移と2040年の予測を1955年を100として指数化したグラフを掲げておきます。
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