2014年衆議院選挙結果を読む
12月14日の衆議院選挙の結果を考えるにあたり、各党が候補者を出し、選挙人が妥協することなく投票先を記入できた比例区の得票率が国民の意見に最も近いと考え、比例区の政党別得票率の表を作成した。
今回の選挙は投票率が52.66%であり、戦後最低との事である。しかし、その中で、前回の2012年より比例区で得票を増加させている政党がある。比例区で議席を獲得した上の表の6党のうち維新と社民を除いた政党がそうである。共産党は23万票を、自民党は10万票を増加させた。興味ある自共対決となるのであろうか。
他の政党も含めて比例区の得票率を円グラフとして2014年に加えて2012年衆院選も作成してみた。
グラフを書くまでもないのだが、自公で2/3以上の議席数というのは、どう考えても実態を反映していないのである。上の表で計算すると、自公併せて46.9%である。但し、次世代、生活、新党改革、幸福実現への投票も加えた得票率なので、議席を得た政党のみでの得票率では少し上がり、自民35.0%と公明14.5%になる。しかし、それでも49.5%に止まる。
従い、議席数のみを理由に独裁に走ってはならない。憲法改正を発議できるなんて思うと大間違いであると言いたい。国民の声を十分聞くべきである。
本年の流行語大賞を足しあわせると『ダメよ~ダメダメ集団的自衛権』となるのである。今回の選挙は集団的自衛権が争点となるべきであったかも知れない。しかし、全くならなかった。実は安倍晋三党首の口からは、選挙期間中、流行語大賞に選ばれたにも拘わらず、全く口に出ていなかったように思う。実は、自民党の選挙公約(例えばこれ)にも集団的自衛権なんて言葉はない。そんなことは既に閣議決定が終わっており、選挙で今更争点にすべきではないという考え方であると思う。公明党も同様で、閣議に参加している以上、集団的自衛権大賛成なのだろう。
民主党は「集団的自衛権の行使を容認した閣議決定は撤回を求めます。」と書いている。共産党は、「憲法違反の集団的自衛権行使の「閣議決定」を撤回させます。」としている。社民党も明確に反対と書いている。維新は集団的自衛権の必要な法整備を実施すると書いている。そうなると自民、公明、維新で62.6%で集団的自衛権を定める法律が成立することになる。
しかし、私は、重要な問題であるが故に、このような法の成立を望まない。国連の平和維持活動(PKO)に参加している自衛隊員が一緒に仕事をしている他国の人が襲われても武器を使えないので集団的自衛権が必要であるとするのは、本末転倒である。戦争と平和維持活動をあえてまぜこぜにして使用しているのである。平和維持活動とイラク戦争は全く違う次元であることを認識して、十分な議論をして欲しい。閣議とは、内閣の身内の中での話であり、国民を巻き込んだ議論ではない。
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