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2015年2月28日 (土)

冤罪により懲役12年

5年前、周防正行監督の映画「それでもボクはやってない」が上映されていた。その時書いたブログが2007年2月14日のこれである。

犯してもいない罪で、懲役12年とは残酷で、「それでもボクはやってない」よりスケールの大きなニュースです。

日経 2月28日 強姦事件で再審決定 大阪地裁、被害証言と矛盾の記録

この朝日新聞の記事には、もう少し詳しく書いてあり、虚偽の証言を行ったのは、当時11歳と14歳の少女とのことです。少女の証言のみを証拠として、懲役12年が確定していた。

しかし、医師の診療記録には「体内に性的被害の痕跡はない」とあり、確定的な証拠が存在していた。そして、少女達は証言が虚偽であることを認めた。

冤罪被害者の男は、捜査段階から一貫して否認していたのであり、証言のみで刑事罰を下すことの恐ろしさを感じます。

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2015年2月27日 (金)

セクハラ最高裁判決

セクハラに関する最高裁判決があった。

日経 2月26日 セクハラ処分は妥当 大阪・海遊館職員の上告審で最高裁判決

最高裁判決は、この懲戒処分無効確認等請求事件 (判決文ここ

大阪市の第三セクター水族館「海遊館」に勤務する平成23年当時課長代理であった男二人が行ったセクハラに関する訴訟であり、海遊館によるセクハラ行為に対する男二人への処分(出勤停止30日間と10日間、1等級降格、2月間給与減額、賞与減額、昇給なし)の妥当性が争われていた。

どのようなセクハラであったかというと、判決文には「平成22年11月頃から同23年12月までの間に,少なくとも別紙1及び同2のとおりの行為をした。」とあり、別紙1(男X1のセクハラ行為)と別紙2(男X2のセクハラ行為)は最高裁判所判決文に含まれており読むことができる。

セクハラを受けていた従業員(派遣社員)は、セクハラを受けたことが一因となって平成23年12月末日限りで派遣元を退職し、水族館における勤務を辞めた。その際、一緒に働く派遣元からの社員と共に第三セクター水族館にセクハラのことを申告し、結果平成24年2月、3月に男二人への処分が決定した。

判決文の別紙1や別紙2のセクハラの内容を読むと、至極当然であり、職場での地位的関係で反抗できない相手に対して酷いセクハラをすることは、出勤停止、降格、給与・賞与の減額、昇給なし、職務内容の変更等の処分は妥当と考える。

判決文を読んで思ったことは、最高裁判決の妥当さとの裏腹で、大阪高裁が下した第三セクター水族館による懲戒権濫用であり処分を無効とした判決が、変ではないかである。最高裁判決は大阪高裁の判断の要旨として「セクハラを受けていた従業員から明確な拒否の姿勢を示されておらず、本件各行為のような言動も同人から許されていると誤信していたことや、男二人が懲戒を受ける前にセクハラに対する懲戒に関する水族館の具体的な方針を認識する機会がなく、セクハラの各行為について上告人から事前に警告や注意等を受けていなかったことなどを考慮すると、懲戒解雇の次に重い出勤停止処分を行うことは酷に過ぎるというべきであり・・・」と書かれている。

警告や注意等を受けていなくても、ならぬものはならぬと生きていくべきである。

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医療費の総額推移

2月18日に次のニュースがあった。

日経 2月18日 医療費の伸び鈍化 14年4~9月1.4%増

日経記事には「公表データは医療費の伸び率だけで、実額は明らかにしていない。」と書いてある。しかし、これではよく分からない。実は、厚生労働省保険局調査課が医療費の動向調査を実施し、結果を公表している。このページのリンク先から実額が記載されている調査結果がダウンロード可能である。

平成19年度からの医療費総額の推移をグラフで表したのが、次である。なお、平成26年度分は4月~9月の半年分を2倍にして予想数字とした。

Iryouhi20152a

GDPと対比することにより解りやすくなることから、次のグラフを作成した。

Iryouhi20152b

棒グラフ推移で医療費とGDPを比べると形がずいぶん異なることに気づく。下のグラフの右目盛の増加率は一番下がマイナス6%であり、ゼロは少し上にあり、見づらいが、医療費の増加が常にGDPの増加を上回っていた。平成26年度においてこれが、どうなるか注目すべきかも知れない。高齢化社会と医療の高度化を考えると、GDP増加以上に医療費が増加すると予想するのが正しいと思う。

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2015年2月21日 (土)

記憶は思考の邪魔になる

『記憶は思考の邪魔になる 「覚えない頭」の作り方』と題した記事が日経にあり、すぐに眼にとまりました。

日経 2月21日 記憶は思考の邪魔になる 「覚えない頭」の作り方

私の場合は、全く同感です。記憶に頼るよりは、実際に調べて考える。頭は、柔軟にしておいた方が、アイデアが次々と浮かんでくる。浮かんできたアイデアを、正しいか、有効か、採択すべきか考える。思考する過程で、間違いに気づいたり、新しいアイデアやヒントが浮かんだりする。固定概念にとらわれると、新しいアイデアが浮かんでこない。「記憶は思考の邪魔になる」とは、すばらしい格言だなと思いました。

学校教育とは、子供たちのすばらしい能力をぶち壊し、将来の可能性を否定し、日本と世界を惨めにする教育ではないかと思います。世の中に出たら、記憶なんて、クイズ番組に出場する時ぐらいしか役に立たないように思います。現実の世の中の競争は、平気で人の足を引っ張り、踏みつけにしたり、スキを見て気づかれずに行動したりと過酷なものです。邪魔になる記憶は捨てて、思考で競争し、勝負をするのが、実は勝ち組になる方法ではないかと思います。

思考をしていれば、負けて落ち込むことはないように思います。多くのパターンが思考に組み込まれているし、常に今後のことが思考に含まれるからです。認知症になり、記憶能力が弱くなっても、気にする必要はないように思えます。思考能力があれば、こと足りるように思えてきますので。

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2015年2月20日 (金)

NHK籾井勝人批判

本日NHKは衆議院予算委員会の中継を行っていた。TVを見ると、民主党の階猛氏がNHK籾井勝人の不適切な発言に対する批判をしていた。安倍首相の民主党階猛氏への答弁を、日経ニュースは次のように報道している。

日経 2月20日 首相、NHK会長発言に「コメントしない」

なお、民主党階猛氏が取り上げた籾井勝人発言とは、18日に開催されたNHKの中期経営計画の説明を聞くための民主党総務部門会議ににおける籾井勝人会長による発言であった。(日経記事は、ここ

民主党総務部門会議ににおける籾井勝人会長による発言については、NHKを除く、主要な民放テレビ局全社のニュース番組やワイドショーで取り上げられたようであるが、次の東洋経済ONLINEに水島 宏明氏が、内容を書いておられるので、ほぼ把握できる。

東洋経済ONLINE 2月19日 NHK会長が怒鳴り散らすと、何がマズイのか

籾井勝人会長は報道機関の会長としては、望ましくないと考える。色々理由はあるが、一つあげるとすれば、人間性のないことである。こんな人物を選んだ任命責任、反対運動を起こせないNHKの組織が考えられるが、今後どうなるのであろうかと思う。NHKの会長は、選挙権があり、NHKの受信料を払っているなら誰でも投票できる選挙制度により選出する制度が良さそうに思えるのだが。

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2015年2月15日 (日)

曽野綾子コラムに南ア大使が抗議

曽野綾子コラムに南ア大使が抗議したといニュースがあった。

朝日 2月14日 曽野氏コラムは「人種隔離容認」 南ア大使が産経に抗議

コラムを掲載していた産経によるこの抗議についての記事は次である。

産経 2月14日 曽野氏コラムで南ア駐日大使が本紙に抗議

正確に理解するには、曽野綾子が書いた文章を読まねばならず、次である。(クリックで拡大)

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賛同される方が、おられるかも知れない。国家主権があるなら、国家が法律によりどのような事を定めようと他国からとやかく言われるすじはない。しかし、それは、やはり以前の思想である。国家と民族は異なる。民族主義により紛争が起こっている。宗教が違うことが、人種が異なることにもなる。国家とは、多くの民族から構成されている。外国人を受け入れるなら、日本人として受け入れるのが本来の姿であると考える。

容易なことではない。苦難の道のりはある。南アのアパルトヘイト撤廃の闘争は、南アが誇るべき国家の勝利である。アパルトヘイト撤廃があったからこそ、南アは、現在の一人当たりGDP名目値(USD6,621:IMFデータ)にまでなっていると考える。日本のことを考えるに当たり、グローバルな視点は重要である。

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南山大学がデリバティブ損失でドイツ証券を提訴

南山大学のデリバティブ損失事件については、2012年7月21日にこのブログで書いたことがある。

当時の発表では160億円と推定されていた。しかし、2012年12月26日付け南山学園資産運用問題総括委員会の報告書(この南山大学発表からダウンロード可能。)では、最終的にデリバティブによる損失は約259 億7775 万円(利益総額は約30 億7935 万円)と発表された。

南山大学は、ドイツ銀行およびドイツ証券株式会社への損害賠償裁判の提起について、この2月13日発表で報告したのであるが、賠償金額が9,008,389,305円となっている。即ち、140億円少ないのである。

2012年12月26日付け総括委員会報告書を読むと次のような文章が含まれている。

デリバティブ取引は、元本すなわち資産というものがないから、資産の運用ではない。

デリバティブ取引は、その仕組みや取引の方法が複雑であり、かつ通常の株式の運用などとは異なって、最大損失の特定ができないことから、膨大なリスクを伴う取引である。

デリバティブ取引の知識がある人なら、常識に入ると思うし、取締役会や理事会のメンバーである人には備わっていて当然の常識と思う。そして、南山大学には経営学部経営学科なるコースがあり「財務論・ファイナンス」なんてのも書かれている。余りにもちぐはぐに感じるのである。

さあ、裁判はどうなるのであろうか?南山大学の2月13日発表には「説明義務違反や適合性原則の観点から、訴訟提起が可能」とある。ドイツ銀行・ドイツ証券にしても自分たちのために戦ってくれる有能な弁護士を起用するはずである。裁判の行方が気になるところである。南山大学が敗訴した場合、責任論なんか出るのであろうか?株式会社であれば、株主代表訴訟の制度があるが、学校法人である南山大学には適用がない。もっとも、140億円については、どう考えても説明必要と思うのであるが。

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2015年2月10日 (火)

悪徳販売でも単に景品表示法違反?(プラチナビューティーウォーター)

次のニュースです。

毎日2月10日 消費者庁:三貴に措置命令…「がん予防水」根拠なし

NHK2月10日 “がん・老化予防効果”根拠なし 行政処分

単に「プラチナビューティーウォーター」なる500ミリリットルのペットボトル入り1本250円の水を飲むことで、この宣伝でがんの原因とする活性酸素を除去したり、お肌のしみ・たるみに効果があるとは思えないのです。NHKのニュースは、「この商品はこれまでのおよそ8年間に57万本余りが売れ」とあり、8年前から販売していたようです。そのなかで、効果が偉大だと宣伝したのは、新聞折り込みチラシで宣伝した2014年2月15~25日と3月11日~4月23日だけだったのだろうかと思います。

Webを探すと、ここにミキの「プラチナビューティーウォーターとは」というWebがあり、そこには「活性酸素を還元(分解)する効果を発揮します。」と書いてある。

これは、どう考えても誇大広告であると考えます。

なぜ消費者庁は発売開始から8年、新聞折り込みチラシから1年近くたって措置命令を出したのかが問題だと考えます。一方、政府が、根拠なく企業活動に関与することは良くないことであり、悪貨は自然に市場で淘汰されるべきである。それゆえ、消費者庁も確実な証拠と根拠を明確にできるまで処分を待ったのだと思う。

しかし、それでよいのだろうか?多くの人々に誤解を与えかねず、効能を信じてわざわざお金を余分に使った人もあると思う。誇大広告と推定される場合には、消費者庁が広告差し止め仮処分のようなことをできるようにすべきだと考える。(この方面の法制度については、私もそれほど明るくはなく、もし既に消費者庁にそのような仮処分権限がある場合は、ゴメンナサイ!)

広告差し止め仮処分は公表されるが、製品・商品の販売禁止ではない。広告が過大であるか、適正であるかは、必要なら別途販売元と消費者庁が係争をすればよく、決着がつかなければ、裁判で争えばよいのである。

消費者庁は、国民のために存在する役所であって欲しいと思うのである。

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2015年2月 8日 (日)

裁判員裁判の控訴審、上告審

先週、裁判員裁判の控訴審(高裁)と上告審(最高裁)に関してニュースがありました。

日経2月7日 三鷹女子高生殺害、裁判員判決を破棄 東京高裁

日経2月4日 裁判員の「死刑」破棄確定へ 最高裁、強殺2事件で上告棄却

2つの事件(正確には3つの事件)とも裁判員が参加した一審判決が控訴審、上告審で認められませんでした。一審判決の死刑判決が破棄とされ無期懲役の高裁判決が確定した最高裁の判決は次の裁判所のWebにアップされています。

2009年 東京・南青山飲食店店長殺害事件 判決文

2009年 千葉県松戸市千葉大生殺害事件 判決文

高裁判決を支持し一審判決を退けた最高裁判決は、死刑を懲役、禁錮、罰金等の他の刑罰とは異なり被告人の生命そのものを永遠に奪い去るという点で、あらゆる刑罰のうちで最も冷厳で誠にやむを得ない場合に行われる究極の刑罰であるとしている。

死刑とは、憲法36条の絶対にこれを禁ずるとした残虐な刑罰に含まれるか、または相当に近いと考える私なんかは、最高裁が述べる究極の刑罰との表現に賛成する。

裁判員の方々は被害者感情・遺族感情を考え、もし自分が被害者だったら遺族だったらとして、他人事ではないとして、被害者感情も考慮して、判決を下す評議に参加されたと思います。しかし、刑事裁判は社会の制度としての裁判であり、刑事は日本の社会として日本政府に行使させる刑罰であり、被害者の復讐ではない。究極の刑罰である死刑との判決を下すことは、被害者感情のみならず、社会の秩序・正義の実現・維持や、宗教観・倫理観も問われることと考えます。だからこそ、職業とする裁判官のみならず一般国民である裁判員が参加する制度が生まれた。

死刑を決めるのは、立法に関わる国会や国会議員ではない。裁判所であり、死刑を執行する刑務所や法務局を初め政府や公務員でもない。裁判員って、死刑が問われる裁判において大きな任務を負っています。しかし、社会で生きていくこととは、常にそのような重要な任務をいつも負っているようにも思います。

三鷹市女子高生殺害事件は、起訴されていないリベンジポルノを処罰する趣旨で量刑を判断した疑いがあると指摘されて差し戻し判決となったとのことですが、一審判決が公開されていないので、詳細は検討ができない。死刑判決ではないが懲役22年が妥当であるのか、よく分からない所です。なお、「私事性的画像記録の提供被害防止法」(リベンジポルノ対策法)が成立し、施行されたのは2014年12月からである。(参考 日経記事 2月7日

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2015年2月 1日 (日)

医師がブラジル人患者家族に「クソ、死ね」の背景

静岡県内の総合病院で、医師が、6歳のブラジル人少女に付き添っていた在日の父親に「クソ、死ね」などと罵倒したと、この家族がフェイスブックで訴え、病院側は不適切な言動があったことを認め、病院長が男性医師を厳重注意したとの報道があった。

「クソ、死ね」との発言が本当にあったのかどうか知りませんが、それに近い発言はあったのだろうと思います。しかし、同時にそのような発言を誘発するトンデモ発言が父親の方からもあったのだろうと思います。

私は、当初、この原因は間に入った医療通訳の日本語とポルトガル語の通訳に起因した誤解なのだと思っていました。医療ツーリズムの拡大による日本経済の発展なんて変なことを言った人がいましたが、高度医療になればなるほど、患者に対し病状を説明し、治療方針の理解を得なければならない。リスクについても納得してもらわないと、医療裁判を起こされかねない。(それでも、起こされるかもしれないので、医療側としてのリスク回避策は必要。)通訳も、高度な医療知識がないと、誤訳として損害賠償を要求される可能性があると思う。

しかし、よく考えると、この件では父親は在日ブラジル人であり、父親が病院に行っていることから、通訳は介在していない。真相は、どうなのだろうと思っていたところ、ある医師限定サイトに投稿されている記事の転載として書いておられる次の医師ブログがあった。

Dr lufthansaのブログ 1月28日 「くそ、死ね」搬送女児のブラジル人父に医師が暴言 ユーチューブ投稿動画にはキレた姿も 静岡

さらに次に行った病院先でも暴れて研修医が最初対応したのですが、それでも対応しきれず、小児科医が出ていき、○○ですね・・・とご説明、紹介状を見せずに、「あなたの診断を最初からしてください。」とI病院でも凝固を含めた採血をしており、○○で矛盾しない所見であるにも関わらず、再度採血を要求。自分の娘にもう一度針を刺させるだけでなく、I病院での採血の結果を見せずに、挑戦的な態度。 ?押された小児科医は午前6時に入院させるということです。 

○○には病名が入るのですが、プライバシーも関係するので、伏せておられる。「○○の経過としては通常の紫斑のみ、腹痛の出現なく」のように紫斑が出ることがある疾病で、受診当時は入院する必要はなく、自宅に戻り経過観察することで大丈夫というこの病院の判断が正しいはずです。なお、この病院では夜間緊急であったが、血液検査を実施して、家族に説明をしているのです。にも関わらず、その説明の途中で切れだして、ビデオ(多分スマホ)撮影をしネット投稿となったようです。

これも現代社会の一面だと思います。マスコミ情報を初め、様々な情報が飛び交っており、しっかりと判断をせねばならないと思います。そのような例の一つが「WHO、インフルエンザはワクチンで予防不可と結論」というような話です。WHOは、けっしてそのようなことを言っておりません。

WHO Influenza  Vaccine use

”Vaccination is the most effective way to prevent infection and severe outcomes caused by influenza viruses. ”

the most effective wayという表現です。完全な方法ではないにしろ、最も有効な方法です。

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