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2015年5月23日 (土)

簡単ではない核兵器削減

NPT(Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons:核拡散防止条約)の会議(Review Conference)は4月27日から4週間にわたって国連本部で開かれたが、宣言の採択なしで終了した。

日経 5月23日 NPT、最終文書採択できず閉幕 中東の非核化で溝

この手のニュースは、報道機関によるバイアスが程度の差はあれ、存在する。比較的バイアスが少ないと思う日経を選んだのだが、外国のメディア報道も読んだ方がおもしろい。と言うことで、WashingtonPostは次である。

WashingtonPost May 22 U.N. nuclear conference collapses over WMD-free zone in the Middle East

日本の報道とは、ほんの少し違う。日経は中東の非核化と言っており、WPはWMD-free zoneと言っており、もう少し意味が広い大量破壊兵器(Weapons of Mass Destruction)との用語を使っている。いずれにせよ、核兵器保有確実であるイスラエル問題が存在し、イスラム国を唱える人たちもいる。だからこそ大量破壊兵器無存在地域を取り決めようとする努力は重要と思うのであるが、米英は議論の時期を決めることにも反対する。カナダはイスラエル抜きの会議に反対する。それぞれが、どのような意図で発言しているか分からないと理解できない複雑さである。

WPは、米ロ対決にも触れているが、核開発を放棄した形のイランが核保有国は直ちに新規核兵器開発を中止すべきであるとの演説をしたというのもおもしろいと思いました。南アフリカ代表の「核兵器保有国を5カ国に限定することについての他の非保有国への正当性の説明はどうされるか?」とはすごい正論です。なお、核不保有国宣言(Humanitarian Pledge)なる宣言をした国が現在までに107カ国あり、南アフリカはそのうちの1国です。日本は、当然しておらず、核兵器をNPTとの関係では保有できないのですが、核不保有国宣言はしておらず、米国が日本のために核兵器をしようすることを期待しているのでしょうか?核不保有国宣言107カ国の名前は、このWebで分かります。アジアにもそのような国があり、核戦争になりそうだったら、そこに逃げていったりすべきなのかとも思ってしまいます。

ちなみに、日本のますゴミが報道していた「世界の指導者に広島・長崎への訪問」なんて表現は、外国の報道には全くないようです。そうなんですね。国際関係や外交に関する報道なんて、バイアスばっかりで、政府や政治家の都合によりひん曲げられてフィルターがかかってなされるようです。日本近隣の大国の報道がそのようだと伝える日本の報道があるが、日本も程度の差はあれ、同じようなものかも知れません。

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