車両火災事故がリニア新幹線であったなら
6月30日にあった新幹線「のぞみ225号」の火災事件は、放火自殺が原因と思えるが、もしリニア新幹線であったとするなら、更に恐ろしい事態になっていた可能性があると思う。
読売 6月30日 突然の火災、新幹線車内緊迫…乗客逃げまどう
中央リニア新幹線は全長438kmのうち約86%がトンネルである。同じことが、リニア新幹線であったなら、90%近い確率でトンネル内での発生となるのである。今回の事件は、地上部分だったから、すぐにドアを開いて換気ができた。もし、トンネル内だったら、出口までの距離が短ければトンネルを出た出口付近で停車できただろう。しかし、トンネルを脱出する余裕がない場合は、パニックになったかも知れない。
90%近くがトンネルである列車には余り乗りたいと思わない。まして、リニア新幹線は車両の左右にガイドウェイがあり浮上・推進用の地上コイルも設置されている。車外脱出も容易ではないと思う。救急車も小田原とは異なり、近くに来ることも不可能である。
中央リニア新幹線のこのような事故対策としては、飛行機なみに荷物検査・身体検査を実施することが考えられる。そうすると、当然のこととして、見送りは禁止だし、介助を必要とする人は、ある程度前から申込みをして介助の依頼をする必要がある。そうなると中央リニア新幹線を利用する価値があるのかとの疑問が出てくる。
現状で、東京から名古屋までは、11時発のぞみ225号が名古屋12時40分着である。中央リニア新幹線の東京から名古屋までの所要時間が67分であるから23分短縮される。しかし、地下駅への所要時間と到着しての地上出口までの所要時間に荷物検査の時間を足し併せ、これらの時間が合計20分とすると、中央リニア新幹線は3分早いだけ。しかも、現在ほぼ10分間隔でのぞみが運行されており、中央リニアが1時間3本なら、絶対現在ののぞみが早く、安く、便利で安心・安全と全ての面で有利である。エネルギーは、現在の新幹線の3倍も必要とするし、どう考えても、中央リニア新幹線は中止すべきとの結論になる。
そんな私と同じような意見を持つ人達もおられるようで、この2014年6月19日の日本弁護士連合会の意見書も多くの問題点を書いている。なお、中央リニア新幹線を中止すれば、JR北海道は生き残れるし、日本の多くの鉄道を生かすことができることを、記しておきたい。すなわち、現在の東海道新幹線の収入を中央リニア新幹線のためではなく、日本の鉄道と交通機関が人々の生活と産業に真に貢献するために使用することを考えるべきである。
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