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2015年6月19日 (金)

子連れ無理心中は最後の手段ではない

ダイヤモンドOnlineに次のみわよしこ氏の記事があった。

中2娘殺害へと母親を追い詰めた、強制退去という貧困刑

無理心中をすべく、中学2年の長女を母親は窒息死させ、自分も死ぬつもりだったが、県営住宅立ち退き強制執行の為に鍵を開けて立ち入った執行官に発見された。そして、殺人罪で第一審懲役7年という事件である。

この事件に関する報道については、次の2015年3月27日の朝日の記事と第一審判決日2015年06月12日の判決直前の毎日の記事を紹介します。

朝日 2015年3月27日 県営住宅立ち退きの朝、娘の首を… 生活困窮、救う道は

毎日 2015年06月12日 生活困窮:強制退去の日、娘を殺害 千葉地裁で12日判決

生活困窮者に対する市町村の相談支援が機能していないことの問題は確かにある。しかし、何故に機能しなかったのかを考えることは重要と思う。

毎日の記事に「別れた夫は借金を残した。娘の制服を買うためにヤミ金融にも手を出した。ヤミ金から7万円を借り、少なくとも5業者から違法な高金利で返済を強いられた。実家の土地を無断で借金の担保にしたため両親とは絶縁状態だった。友人からも借金を重ねた。」との記述もあり、市町村を初め公的支援制度や市民ボランティアからの支援活動のカバー範囲からは抜け出てしまう。自立を目指そうとしたが最終的にこのような結果になってしまったのであろうと思う。嫌な言葉である自己責任を思い出してしまう。

そこで、私はあえて言いたい。子殺しは恐ろしい罪である。夫の借金なんか、他人の負債である。保証人になっていても、合法的に踏み倒せ。毎日の記事にある月給4万~8万円なら、借金なんか返せる訳はない。自己破産をすればよい。そして生活保護をどうどうと申請すればよい。日本は、法治国家である。法治国家であると言うことは、本当は弱者にこそ保護と権利を与える。弱者が保護を受ける権利を得られないことは、法治国家ではないことである。

第一審判決の懲役7年が確定するのかどうか分からないが、母親にとっては、どのような罪であっても、厳しい一生をおくるのだと思う。刑を終えた後も、心が晴れる日はないのだろう。せめて、誰かに相談をしていたらと思う。同じような人がいたら、法テラスでもどこにでも相談して、自己破産で借金をなくし、生活保護の需給を相談して欲しいと思う。

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