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2015年7月31日 (金)

沖縄県翁長知事が国連演説に

沖縄県翁長知事が辺野古新基地建設問題について国連人権理事会で演説する見通しがついたとの報道があった。

琉球新報 7月23日 翁長知事の国連演説、実現へ 9月人権理事会で

様々な人が様々な場で意見を述べることは、良いことであると考える。地方自治体が、その自治体における問題を発表することこそ、地方活性化への道であると考える。地方自治体の意見が中央政府の意見と異なっていて構わないし、異なることが当然であるとも思う。

7月30日の原発再稼働に思うの中で、サンオノフレ原発に関してSan Onofre SafetyというWebを立ち上げてサンオノフレ原発に関する原発・核燃料・廃炉・安全性に関する論文等を紹介している地元の人がいることを書いた。日本でも原発地元の地方自治体が原発情報を率先して収集し、発表して良いと思うのである。地方自治体以外に地元NGO、任意団体が情報発信し、意見を述べることは地方活性化と共に社会を良くすることであると考える。

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東芝のガバナンスを考える

東芝の巨額粉飾事件の原因は、本来機能すべき会社のガバナンスが機能していなかったと考えるべきと思う。その理由を考えてみる。そうすることが経営コンサルタントとしての社会全般への貢献であるとも思う。

1) 東芝は委員会設置会社である

東芝は委員会設置会社である。

(2015年5月1日に改正会社法が施行され、名前は指名委員会等設置会社になっており、正確には指名委員会等設置会社と呼ぶべきである。しかし、今回のこのブログ内では、委員会設置会社と呼ぶこととする。)

委員会設置会社とは、2003年4月施行の改正商法特例法により導入され、2006年5月施行の会社法に引き継がれた。委員会設置会社ではない従来型の会社統治制度は、株主総会で選任された取締役により構成される取締役会が業務を執行し、そして株主総会で選任された監査役が取締役の業務執行を監査する。取締役の業務執行における不正行為を監視するのは監査役である。監査役の仕事としては、取締役並びに取締役会が不正防止のための適切な管理・監視体制等を構築しているかを監視し、取締役会に改善を勧告することもその業務に含まれる。

委員会設置会社の場合は、監査役は選任されない。株主総会での選任は取締役のみとなる。そして、委員会設置会社では指名委員会、報酬委員会と監査委員会の3つの委員会が組織される。3つの委員会の委員は、取締役の中から、取締役会の決議で選任される。業務執行は、取締役ではなく取締役会が選任する執行役により行われる。但し、取締役が執行役を兼任することは可能である。

委員会設置会社の場合、執行役が業務を執行し、執行役を選任するのが取締役会であることから、取締役会はミニ株主総会の感覚を持つ。数えてはいないが、米国では上場会社のほとんどは委員会設置会社であると思う。株主統治を重視する考え方に立てば、株主代表の取締役会が執行役による業務執行を監視するほうが不正は生じにくいし、株主の利益にそった会社の活動が期待できるとの考え方である。取締役の任期は1年であり、執行役は取締役会の決議で何時でも解任できる。

2) 監査委員会

今回の東芝の巨額粉飾事件の問題点で見落としてはならないのは、監査委員会の職務執行の適正さ・的確さである。会社法404条2項は次の通りである。

監査委員会は、次に掲げる職務を行う。
 執行役等(執行役及び取締役をいい、会計参与設置会社にあっては、執行役、取締役及び会計参与をいう。以下この節において同じ。)の職務の執行の監査及び監査報告の作成
   株主総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容の決定

社長(執行役)を含む会社トップの不適切な職務執行が巨額粉飾を生んだ事件である。東芝巨額粉飾事件については、J-soxのような内部統制制度が機能しにくい面が存在する。即ち、内部統制制度とは社長(執行役)を頂点としての組織が運営・運用する制度である。トップが暴走した場合に、それを阻止する体制は、J-soxでは不十分であると私は考える。委員会設置会社ではないが、大王製紙事件や、オリンパス事件でもJ-soxは機能していなかった。

委員会設置会社の場合のトップ(執行役)の不正防止機能は、監査委員会の職務執行であり、その適正さに期待をしなければならないと考える。

3) 東芝の監査委員会

東芝の7月22日現在の監査委員会の委員は、伊丹敬之(委員長、社外)、島岡聖也(社内法務出身)、島内憲(社外)、斎藤聖美(社外)、谷野作太郎(社外)で全員6月総会で再任されている。経歴はこの東芝の株主総会招集通知を見ると外務省出身であったりで2)で書いたような執行役の不正を正す能力がどこまであったのかと疑問に思える面がある。

委員会設置会社の場合、1)において株主の利益にそった経営が期待できると書いたのであるが、逆にワンマン経営に陥る可能性も高くなるのである。即ち、一人または何人かが取締役と執行役を兼任し、この人が代表執行役のような執行役及び従業員のトップになる訳で、執行役から取締役会への報告は3月に1回で済ませることも多く(会社法417条4項)、監査委員会も取締役の開催と併せて3月に1回のペースとなることも多い。そして、実際に業務に携わっているのは執行役であるから基本的に全ての資料は執行役が準備する。取締役から執行役に対する質問についても、会社の業務に関する情報格差は大きく、各委員会の過半数を占める社外取締役が本質を捉えて執行役の会社業務について正すことには困難がつきまとうと言える。

監査委員会の能力についての疑問を書いたのであるが、任務を怠ったとなると取締役に対する株主代表訴訟の可能性が出てくる。これについては当然監査委員会の委員を含め東芝の取締役は認識しておられると思う。賠償上限金額を定めて就任していると思うが、今後の日本の会社の社外取締役はなり手があるのかとも思う。また経歴等で見栄えのよい社外取締役ではなく実務に優秀な職人的な社外取締役が望まれる気がする。

4) 日本型会社経営

独立社外取締役が取締役に就任することに反対するのではありません。東芝のように委員会設置会社とすることが日本の会社にとって良いことなのかという疑問です。企業には、それぞれ風土があり、一概に述べることは不適切と考える。しかし、日本型の終身雇用制度においては、委員会設置会社のガバナンスはうまく機能しないとの疑問が、東芝巨額粉飾事件を考えるにつれ強くなってきたのです。

代表執行役一人に、好きなように活躍させて、株主の利益拡大を最優先にする会社とするなら委員会設置会社も機能すると思う。年功序列的に社内から認められてトップになるのではなく業績回復や業績拡大を目指して競争相手から引き抜いてでもトップに据えたくなる人間がいれば連れてくるやり方の場合、委員会設置会社の仕組みはうまく機能すると思う。日本はやはり年功序列的なガバナンスであると思う。基本的には、社内風土・企業内容・人員等を的確に把握している人がトップとなり、リーダーとなって業務を執行していく。先輩を敬い、同じ釜の飯を食ってんだからと、遠慮なく意見を述べ、正すべきことは正していく。監査についても社内出身者の場合は、手心を加える面があるかも知れないが、不正の可能性を見抜くことが容易とも言える。

日本型会社ガバナンスを見直してみるべきではないかと思う。終身雇用や従業員第一というような経営姿勢から生まれるガバナンスも良いではないかと思う。株主利益優先なる経営方針やガバナンスがもたらす結果は、どうであるか、個々の会社毎に考える必要があると思う。どの会社のガバナンスの説明を見ても、金太郎飴みたいに思え、書いてあるだけではないのと疑ったりしてしまう。

5) 東芝の今後

東芝がこれくらいのことで、どうかなる訳ではないと考える。日本の将来を担う技術を保有する会社である。一方、それ故非常に残念でもある。社会に貢献することを最大の目的として会社を運営・経営をしていかれたいと望む。

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2015年7月30日 (木)

原発再稼働に思う

日本の原子力発電所は新規性基準の下、福島第二原発のように申請書が提出されていない原発もあるが、電源開発を含め全11社が適合性に係る審査の申請を提出している。その中で、次の3発電所については、許可となっている。

  • 九州電力株式会社川内原発1・2号機 2014年9月10日許可
  • 関西電力株式会社高浜原発3・4号機   2015年2月12日許可
  • 四国電力株式会社伊方原発3号機    2015年7月15日許可

なお、関西電力株式会社高浜発電所3・4号機については4月16日のブログに書いたが、福井地裁により運転差し止め仮処分が認められている。

原子力発電所新規性基準の概要はこの原子力規制委員会Webにある。当然のこととして福島第一原発の事故当時の基準より安全性が高まっていると考える。しかし、技術面のみならず社会的な面、すなわち法的な面での安全性確保も重要と考える。日本社会におけるあいまいな責任体制が、「皆で渡れば怖くない。」の感情を生み出し、単に基準に合っているから問題はない、責任はないとして片付けられるようなことは、原子力にあってはならないと考えるのである。

そのようなことを、あらためて思い浮かばせてくれたのが、この朝日新聞の記事7月28日 三菱重工に賠償9300億円求める 米企業、原発廃炉でである。(三菱重工の7月28日発表はこれ)三菱重工が交換用の蒸気発生器を納入したのは2009年、2010年であり、2013年6月11日のブログ(これ)で書いたように、三菱重工への損害賠償は当時から予想され、サンオノフレ原発全ての廃炉も当時決定された。また、2013年10月13日のブログ(これ)で書いた当時の賠償額は4000億円程度であったようです。9300億円となった理由はよく分からないが、LA Times 7月28日 Edison seeks almost $7.6 billion in damages for nuclear plant には、”Money collected from Mitsubishi would be split 50-50 with customers, said Mindy Spatt, a spokeswoman for the Utility Reform Network.”と、三菱重工から受領した賠償金は地元住民にも50-50の精神で分けるようなことが書いてある。

日本の場合、「原子力損害の賠償に関する法律」により「原子炉の運転等に係る原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる。」となっており、原因者負担になっていない。三菱重工が損害賠償で仲裁申立を受けている件について、どうこう言うことはできないが、原子力損害の賠償に関する法律4条3項にある「製造物責任法の規定は、適用しない」のような部分は非合理であり、無責任体制を生み出すと思う。福島第一原発事故当時、官房長官は一義的に責任は東京電力にありとして政府は間違いを犯していた。結局は、東京電力に全ての責任を押しつけるために原子力損害賠償支援機構法が制定された。原因究明や責任追及は曖昧となり、国民が電気料金または税金で全額を負担することとなった。こんなことなら、まだ米国のように何でも訴訟で解決をして教訓を得る方がよいように思うのである。原子力損害の賠償に関する法律の改正を原発再稼働を機会に考えるべきである。

サンオノフレ原発に関してこのようなWebがあることを知った。サンオノフレ原発は、廃炉の最中である。しかし、廃炉と言ったて、安全とは限らず、下手をすると、運転中よりも危険なこともあり得る。Webは、地元に住むDonna Gilmoreという人が立ち上げ、原発・核燃料等の安全性等に関する科学的な論文等を紹介し、地元を含め多くの人に正確な知識を提供することに努めようとしている。原子力規制委員会の書類を見ても、相当難しい部分がある。マスコミ報道は、薄っぺらで何も伝えていないのとほぼ同じと思えることがある。福島原発事故当時のことであるが、インタビューで「原発は安全と聞かされ、信じていた。」と述べていた人がいた。100%の安全は存在しないのである。安全は人々のたゆまない努力により確保していかねばならない。電力会社・メーカ・政府・政府機関・県・市町村を含めあらゆる組織の言うことをそのまま信じるのではなく、自らが安全性を審査することにより安全が確保される。原発について、そこまで自らが行動することは困難である。しかし、地元にそのような活動をする国民・市民の自主団体が生まれてきてWebを通じて発信するようになれば、日本の原発も相当安全性が高まると考える。

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2015年7月28日 (火)

やはり認知症でしたか、しかし・・・

7月9日に阪急京都線を乗用車が走行すれば損害賠償額はいくらか?なんてことを書きました。やはり、この時乗用車を運転していた73歳無職の男性は認知症であったとのことです。

日経 7月28日 阪急線に車進入、不起訴 認知症理由に大阪地検

逮捕された後の診断結果が認知症との結論となり、刑法39条1項の「心神喪失者の行為は、罰しない。」により大阪地検は起訴を見送ったと理解します。

この73歳の男性は、愛知県安城市から自分で車を運転して大阪まで来たのであるが、当然安城市を出発する前から認知症であったはず。家族は、何故運転を止めなかったのかと思う。刑法の39条1項に相当するのが民法では713条であるが、民法には714条があり、責任無能力者の監督義務者等の責任が問われる。

今回の阪急京都線の線路走行に関しては阪急は振替輸送を実施しておらず、民事賠償額は不明であるが、それほどの金額でもなく、7月9日のブログのように20万円弱で済むのかも知れない。認知症の人が、車を運転して万一大事故を起こしたらと思うと、恐ろしく思う。考えれば、逆走なる報道はよく耳にするし、高速道路において逆走事故が多発しています!なんて掲示板を見たこともある。

本当の対処は、認知症の人には、運転をさせないことである。運転しても、誰にも損害を与えなければ、民法714条による監督義務者等の責任は問われない。しかし、事故をおこし、他人の生命を奪い、人を傷つけ、物を壊しとなると、恐ろしいこととなる。高齢化社会とは認知症割合が高い社会である。否が応でも、高齢化社会に対応して行かざるを得ないのである。事故は、運転していなくても引き起こす可能性はあり、JR東海共和駅事件のように2時間以上も列車を止めることさえあるのである。

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2015年7月22日 (水)

東芝の問題

東芝の粉飾事件は、日を追う毎に、問題が膨らんできているような気がする。時事ドットコムは、米国における東芝株の株価急落に起因する損失についての裁判について報道している。

時事ドットコム 7月22日 東芝に賠償請求=集団訴訟に発展も-米

米国の法廷での裁判であり、私は、陪審員制と理解します。陪審員制の場合、情状による判断が入りやすく、弱者救済に向かうことが多いと聞いたこともあり、東芝にとっては、厳しい判決となりうるように思う。

しかし、東芝は、何故こんなバカな粉飾をしてしまったのだろうと不思議に思う。日経は7月21日に、東芝、不適切会計問題を読み解くという記事を出しているが、社長の指示でそんな簡単に社員が粉飾決算に手を染めるのだろうかと疑問に思う。義侠心が多い社員もいる。最も、上の意向を汲んで行動する人もいるだろうが逆に社会的正義感が強い人もいる。社内監査部門もあるし、社内制度・組織では不正が生じないようガバナンスが働くようになっていると思う。そう考えると、社長が犯人ではなく、社員・就業者全員が一丸となって粉飾をしたのではとさえ思ってしまう。そうなると、会計監査人新日本監査法人は、どうなのだろうか?会社法423条の役員等の株式会社に対する損害賠償責任には会計監査人も含まれている。日本で、株主代表訴訟が提起された場合には、新日本監査法人が含まれる可能性もあると思う。

ところで、ウェスチングハウス(WH)は、どうなのだろうか?東芝の有価証券報告書(2014年3月期)を見ると、WHの全部の持分は東芝エナジーホールディングス(米国)が保有し、この87%を東芝が保有しているとの記載がある。東芝がWHの67%を買収したのは英BNFLからで2006年。(この東芝発表2006年2月6日には、54億ドル(約6,210億円、115円/ドルで換算)で契約を締結とある。但し、54億ドルは、米ショー・グループ(20%)、カザフスタンの国営原子力事業会社カザトムプロム(10%)と日本IHI(3%)の合計である可能性はある。2011年のWH20%持分追加取得はこの東芝発表2011年9月6日であり、米ショー・グループから。金額はこの日経2015年7月22日によれば、1250億円であるが、東芝の発表にもショーのプットオプション行使の決定とあり、ショーが6,210億円の20%で東芝に売却するオプションを保有していたと想定される。

そこで東芝のWH取得の投資額を考えると、6,210億円の87%である5,400億円と想定される。2014年3月末連結財務諸表におけるWHの資産は259億円が計上されており、のれんは全社合計で5800億円計上されている。東芝は米国基準で財務諸表を作成しており、のれんは規則的な償却の対象ではなく、5,400億円がほぼそのまま資産計上されている可能性はある。

どうなのだろうか?原発に明るい未来は考えられるのだろうか?特にWHの加圧型軽水炉の将来は、どうなのだろうか?仮にWHの持分を東芝が売却しようとして買い手が現れるのだろうか?米国政府・米議会や米国民にしてみれば、変な相手先への売却を認めないはずである。東芝のWH投資は更に混迷を深める問題である。

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2015年7月21日 (火)

西伊豆町の電気柵2人感電死に関する安全対策

静岡県西伊豆町で19日午後4時半ごろにおきた電気柵の感電事故は悲しい事件である。2組の家族が西伊豆に休暇でやってきた。小学生の子どもが川で事故にあい、それを助けようとして2組双方の家族の父親が死亡し、その子ども二人が重いやけどをおい、母親一人は重体となり、そして地元の75の方が軽い怪我をされた。

日経 7月21日 静岡の2人感電死亡、電気柵の安全対策に不備か

報道では、電気柵を設置したのは、重体となっている母親の親類の男性で、川岸にあるアジサイの花壇をシカから守るためであったという。この男性は、相当のショックを受け、落ち込んでいるだろうと想像する。まさか人を死に追いやるとは思わなかったはずである。

このNHKニュース 7月21日では、漏電ブレーカーが設置されていなかったと報道されているが、私なんか、にわかには信じられない状態です。最近は、どの一戸建てやマンションでも過電流ブレーカーと漏電ブレーカーの2種類が設置されており、農業用の小屋だって設置されていると思いますから。もっとも、上の日経の記事には、変圧器には接続されていたとあり、そうなると変圧器の2次側の電気柵電線の回路には漏電ブレーカーが設置されていなかった可能性もある。

西伊豆は美しいところです。しかし、近年非常な過疎化が進んでおり、日本創成会議が2014年5月に発表した2040年の西伊豆町の人口は4097人です。2015年6月現在は8748人で、2010年は9469人であった。シカ、イノシシ、タヌキ等野生動物が多くなって不思議ではない。日本の地方は野生の王国に近づきつつあるように思う。しかし、それが単純に悪いことではなく、人と動物が共存する豊かな世界を目指すべきだと思う。そして、そのようなことに電気柵も有効であると思う。しかし、危険であっては、本末転倒である。電気柵の安全基準の確立を目指すべきである。つまらないふるさと創生の政府予算を少し削れば、電気柵安全性の製品試験に振り向けられ、地方を豊かに、日本の国を豊かにできると思う。

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2015年7月18日 (土)

新国立競技場建設計画の見直

2520億円もの巨額の整備費を費やして建設する意味は全くないと思え、当然のことと思います。

内閣官房長官 記者会見 2015年7月17日(金)午後 新国立競技場の建設計画見直しについて

これまでの記録を読むと、多くの人が無責任に行動や言動を繰り返していたと思います。猪瀬直樹招致委員会会長は、『45億米ドルもの大会開催準備基金がそれを可能にします。』なんて述べていた訳で、何故そのような豪華なオリンピックを実施する必要があるのか疑問に思います。

東京は、日本は、安全で平和なところです。世界各国のアスリートと観客が訪れるオリンピックの開催地としては理想的なところであり、そこにボランティアの支持を得て、お金のかからない将来の理想とすべきオリンピック開催を目指すとする方向でプレゼンをし、そのような大会を目指すべきだと思うのです。

6月6日のこのブログで、オリンピック招致におけるプレゼンについて書きましたが、その時に引用したこのWebは本日現在でも存在します。興味ある人は、クリックをしてみてください。

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2015年7月17日 (金)

シリアで日本人行方不明

安田純平氏という日本人のフリージャーナリストが、トルコからの電話で6月23日に親しい友人に、シリアに入国する計画だと話をし、その後は行方不明になっている。イラク・シリア・イスラム国(ISIS)により身柄拘束されている可能性があるとのこと。

CNN co.jp 7月17日 ジャーナリスト安田純平氏、シリアで消息不明か

日本政府からは発表がなく、岸田外務大臣の7月10日の記者会見でフジテレビとテレビ東京の記者からの質問に対して邦人拘束の情報に接していないと答えている。(この外務省Web

このようなISISのような組織による邦人拘束は、今後とも発生するのだと思います。しかし、このような事件と集団的自衛権を結びつけてはならないと考える。個人の自由を政府や国家が束縛してはならず、個人の行動結果を国家レベルで考えてはならない。

上記のCNN記事の下の方のここをクリックするとISISの勢力範囲の地図が出てくる。ISIS支援地域と表示されている地域は、私が思っていたより、相当大きい。イラクでは、こんなに支持されているのだと感じる。やはり自分の国を力ずくで攻め入ってきた米国憎しなのでしょうか。最も、そのようなイラクの人達には国という概念はないし、今でもないと思います。アラーの神と平和に暮らしたいというのが気持ちであり、国なんて必要ないと考えていると思います。そんなところに、何故多国籍軍が攻め入ったのだろうと思います。イラクとは、中国4千年の歴史なんてのより、更に古い6千年の歴史と言われている地域です。

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選挙制度の抜本改革

直前の安保法案強行採決で、小選挙区制を廃止するという根本課題に取り組むべき必要性があると書きましたが、Diamonnd onlineに松井雅博氏が志ある若者を立候補させない選挙制度のトンデモ参入障壁との記事を書いておられるのを読みました。

小選挙区制においては大政党の公認を得られないと、よほどの事情がない限り、当選は不可能である。政党公認を得るためには、その政党の勢力拡大に貢献した実績がないと難しい。あるいは何とかチャイルドや何とかチルドレンみたいにその党の集票宣伝の利用価値が公認の判断になったりする。何とかチルドレンが次の選挙では別の選挙区から立候補させられ落選てなこともありました。

そして小選挙区制はボス政治を生みやすい。党議拘束とか言って、与党である時に、内閣提出法案に反対すれば、離党勧告とまで行かずとも、次の公認はほぼ得られない。党の方針なんて民主的な議論で決まると言うより、党首を含め党幹部・有力者が決めると言うのが実態で、当内部の権力争いがすざましい場合もあると見受ける。

戦前の日本において政友会と民政党の二大政党が存在し、政権交代がおこっていた時期があった。政友会と民政党の二大政党時代の特徴としては、政策論争より相手党の足を引っ張り、国民のことより、自分たちが政府の実権を握ることの方が重要だとする活動があった。この教訓を生かせば、小選挙区・二大政党制は日本を破滅に向かわせる。

比例代表制にすることも選挙投票の結果を反映する良い制度であるが、一方で、比例代表制の場合は、政党に属していないと、○○党という小政党を作らねばならず、今から新しい制度とするなら、日本全国一つの大選挙区制が良いと思う。そうすれば、個人でも立候補可能だし、どの政党に属することも、政党を渡り歩くことも自由で、その結果を判断するのは選挙民となる。今でも多くの政党が次々に生まれ(分裂・合流の結果でしょうか)るが、政治家個人の判断で、国民のためという判断基準であれば、それで良いと考えます。

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2015年7月16日 (木)

安保法案強行採決

やはりやったか安倍政権と思った。つづけて7月16日も衆院本会議で採決し、衆院を通過させてしまうのだろうと思う。

ハフィントンポストでは高橋浩祐日本版編集長が立憲主義を否定する安倍政権と題して記事を投稿していた。憲法解釈の変更を含むなら、それなりの十分な議論を国民参加の上で実施して採決すべきであるが、まるで通常の法案のように採決に踏み切った。非難を受けて当然と思う。

NHKの世論調査でもこれのように支持41%・不支持43%と、支持しない人が多くなってきている中での強行採決である。もっとも安倍政権成立につながった2014年の衆議院選の自民と公明の得票率は小選挙区で49.6%と1.5%であり、比例区では33.2%と18.4%であった。(参考このブログ このブログ

選挙の得票率からすれば、数を武器にと言う勢力ではないはずだが、恐ろしい小選挙区制の結果であると思う。憲法解釈が関係し、その上さらに防衛・安全保障関係となると国民が参加しての国民の支持を受けての議論であるべき。年金、医療、高齢者、福祉、税と言った問題も白黒で決着する問題ではない。幅広い議論を経て決めていく必要がある。政権交代でめまぐるしく変えるのは愚の骨頂である。小選挙区制は、21世紀の現代には不向きである。小選挙区制を廃止するという根本課題に取り組むべき必要性があると考える。

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2015年7月14日 (火)

ギリシャの円建て国債は償還された

7月5日にギリシャの円建て国債は償還不払いになると思うと書いたのだが、無事償還されたことが日経でも報道された。

日経 7月14日 ギリシャ国債、日本発のデフォルト回避 サムライ債償還

13日に合意に達したギリシャ支援に関するEU首脳会議の結果、無事この円建て国債は償還されたと考える。(財源が何であったのか不明であるが。)

13日の合意について日経のこの記事は「ユーロ圏首脳、ギリシャ条件付き支援で合意 法制化15日期限、3年で11兆円超」と条件付き支援との表現を使っている。

一方、このEUのWeb発表には”On 13 July 2015, the leaders from the euro area member states agreed in principle that they are ready to start negotiations on an ESM financial assistance programme for Greece.”と”are ready to start negotiations”との表現を使っている。”The agreement will have to be approved by the Greek parliament and by several national parliaments.”とも書いてあり、ギリシャ国会の承認やEU諸国の幾つかにおいての議会承認も必要ということであり、条件は多い。しかし、他に良い方策はなく、EU支援を受けての健全化が最善の道である。

ギリシャにおいては、消費税(付加価値税)増税と年金支給減額は避けられない。ギリシャでは15歳ー24歳の若年層の失業率は50%を越えているとの話も聞く。銀行預金引き出し制限を経験したからには、人々は預金意欲は低くなり、国内金融は規模縮小となるだろうと思う。

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2015年7月12日 (日)

NHK日曜討論における不当な解説

NHK日曜討論は、出席者が自由に意見を述べ、議論をすることから、様々な観点を率直に考えさせてくれる良質のTV番組であった。

しかし、最近は、レベルが悪くなっている。従来にはない長い紹介と解説が入るのである。堕落したとも言える間違った説明が多い。12日は「賛成・反対 激突 安保法案 専門家が討論」というテーマであった。

最後にPKO協力法の改正についての議論があり、その前にPKL協力法改正の内容について中川緑アナウンサーから解説があった。6月24日に安全保障関連法案におけるPKO協力法の改正案を書いた私としては、驚いてしまった。PKO協力法の改正法案に書かれていないことを述べていたのである。

中川緑アナウンサーが読み上げた解説は、従来PKOにおいて認められていなかった武器使用が、今回の改正案では、部隊の判断で武器使用が可能となる・・拡大されるというような内容であったと記憶する。自衛隊のPKO活動での武器使用は2001年のPKO協力法改正で可能となっている(参考:この内閣府説明 →国際平和協力業務に従事する自衛官等が、「自己と共に現場に所在する・・・その職務を行うに伴い自己の管理の下に入った者」の生命又は身体の防衛のために武器を使用できることとしました。)。

今回の改正案は「防衛」のための武器使用を「防護」のための武器使用と変更することであり、言葉だけに限定されると考える。むしろ、国連における決議に基づき国際平和維持活動を実施するという従来の枠組みを拡大してることが、PKO協力法改正案の一番大きな論点であるべきである。国連決議がなくてPKOをやりたいなら、先ずは国連・国連加盟国に働きかけて国連決議を行い多数の国によりPKOを実施するというのが我が国の方針であるべきである。米国の依頼でもPKOができるとするのは、間違いの元になると考える。

なお、改正案には他の9法律の改正と新規国際平和支援法があり、私も他の改正案や法案を、PKO協力法の改正案ほど丁寧に読んでいない。従い、もし他の部分にPKO関連の改正が記載されているのであれば、少し私のトーンも下がらざるを得ないのであるが、一方で、もしそうなら、そんな複雑な改正案は廃案にすべきである。解説は中川緑アナウンサーが読み上げているが、彼女が作成したのではなく、NHKの組織が作成したのである。報道機関がこの程度の理解しかしていないにも拘わらず、今国会で成立を目指すのは愚の骨頂である。

[追記]

7月16日に安全保障関連法案は衆議院を通過した。PKO協力法における武器使用について補足を追記します。PKO協力法の武器使用は第24条(改正が成立すると第25条)であり、厳密には「防衛」を「防護」と言葉を変更する以外にも改正がある。その中での大きな改正は、「派遣された自衛官は、その宿営地であってPKO業務に係る外国の軍隊の部隊の要員が共に宿営するものに対する攻撃があったときは、その宿営地に所在する者の生命又は身体を防護するための措置をとるその外国の要員と共同して、武器の使用をすることができる。(それは宿営のために使用する区域であって、囲障が設置されることにより他と区別されるものに限る。)」である。PKO派遣自衛隊が他の国の人達と共同で宿営地を設けざるを得ないことはある。そのような場合、宿営地が万一武力攻撃を受け生命又は身体の防護が必要となった場合に、共同して対処するのは当然のことと考える。

むしろ問題は、国連決議ではなく、国際連携平和安全活動として派遣された場合であると考える。それが改正案で、可能となるかどうかは十分検討していないが、米国の要請で出向いて、同じ所に宿営をして、米国をねらってテロリストが攻撃を仕掛けるような場合である。武器使用に関する改正ではなく、国際連携平和安全活動の追加という改正の妥当性である。

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2015年7月11日 (土)

トヨタ元常務役員のジュリー・ハンプ事件

普通の神経の人には、理解に苦しむ事件であったと思う。

日経 7月7日 麻薬密輸容疑のトヨタ元役員を起訴猶予へ 悪質性低いと判断 

1) ジュリー・ハンプの感覚

ジュリー・ハンプは容疑を認めていないとの報道が当初あったが、この日経記事には『「膝の痛みを和らげるため、父親から送ってもらった」と供述』とある。しかし、『「ネックレス」として輸入申告され、箱の中からはネックレスなどのほか、隠すようにして包みに小分けされたり、底に敷き詰められたりした麻薬成分「オキシコドン」を含む錠剤57錠が見つかった。』とある。そうなると、偽装工作をして日本に密輸入しようとしたことは明白と思う。

一方で、日経記事にある『麻薬とは思っていなかった』とのジュリー・ハンプ供述については、それなら何故ネックレスの偽装をし、箱の底に錠剤を敷き詰めたかの疑問を解くことができない。確信的実行犯であったように思う。

2) トヨタ

記者会見を開いて無罪を信じると社長が述べたのである。人情に厚い会社である。しかし、一方では、ガバナンスゼロの会社であることを証明してしまった。即ち、警察が逮捕まで踏み切ったのは、それ相当の証拠があったと考えるべきであり、真実の追求をすべきである。しかし、トヨタにとって真実よりは会社の力を強引に見せつけることであったと印象づけた。次に、法令遵守・ガバナンスは二の次であることを証明した。日本で勤務する以上は、日本の法を遵守せねばならない。法遵守は、コンプライアンスやガバナンスの基本中の基本である。仮に、ジュリー・ハンプが日本の法令を熟知せず、違法行為を働く可能性があれば、会社としてジュリー・ハンプに注意喚起をしておく必要があった。最も、偽装密輸をした訳で、熟知していた可能性もある。

3) 検察庁

起訴猶予であり、不起訴処分ではない。従い、被疑事実は明白であるが、犯罪の軽重及び状況並びに状況を勘案して起訴をしないことを検察が判断したのである。嫌疑不十分で不起訴にしたのではない。

ジュリー・ハンプの場合は、妥当であると思える面がある。しかし、仮に同様の犯罪があった場合は、どうなのだろうか?ジュリー・ハンプは起訴猶予で、他の人は起訴とするなら、検察の対応について社会は不信を持つこととなる。自分が、ある外国で、治療のために、その外国では合法であるが、日本では違法となる薬物を飲んでいた。それが日本でも、どうしても必要であるなら、やはり日本で医師の診察を受け、処方箋によりその薬物を入手すべきである。医師は、保険適用外でも、診察をして、処方箋を発行することが可能である。

脱法ドラッグ・危険ドラッグについて規制を強化していこうというのが現在の日本社会である。この日本社会の動きと検察庁の今回の判断を照らし合わせて考えると、どうなるのかとの疑問を抱いた。

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2015年7月10日 (金)

誤報が続く朝日新聞の再生可能エネルギー報道

朝日新聞は、事実を曲げて報道しすぎであると思う。次の記事です。

2015年7月9日 朝日 発電の内訳開示、業界は慎重 来春、電力自由化(誤報あり)

正確に伝えていると思えるのは、次の電気新聞です。

電気新聞 6月26日 電源構成の表記ルールを議論-制度設計WG

なお、6月25日開催の経済産業省総合資源エネルギー調査会制度設計ワーキンググループにおけるこの関連の実際の資料はここにある。この資料を読んで朝日新聞の記者が記事を書き、デスクがチェックしているとしたならば、理解不足で記事を書く三流以下の新聞であり、資料を読むこともしていないとすれば、犯罪に近いように思う。誤解を与えない報道を行うことは、報道機関として私は極めて重要な使命と考える。

電力自由化により一般家庭向けも2016年4月から電気の供給会社を利用者が選択できることとなる。法は2014年6月18日に公布済みであるが、一般家庭向けであるからこそ、売り込みの際の文言や方法にも一定のルールを設けておく必要性があることからの議論である。高齢者向けの振り込め詐欺的な電力販売は禁じるべきであるが、自由化の意味までそいではならない。又、自由化であることから、価格をある条件で値引いたり、価格外の競争もあることとなる。そのような電力自由化を頭に入れて、考えないと誤解をする可能性がある。

1) グリーン電力

グリーン電力との言葉は、曖昧であり、一般水力も含むのか、原発はクリーンかダーティーかと大論争になったりするかもと思う。仮に、グリーン電力とは固定電力買取制度(FIT)対象となり得る設備で発電された電力と定義をしても簡単ではない。

FIT制度は、日本全体を一つとして、同一価格で買取し、販売においてはkWhあたり同一額を販売価格に上乗せする制度である。従い、FITの対象となった電力を選択・抜き出して販売することは不可能である。しかし、FIT制度の対象とせずに個別に太陽光電力を買取し、販売することは可能である。勿論、太陽光電力の場合は、夜間電力が得られず、別電源からの供給となり、どのような説明をするのか不明な点があるが、正確な表現が求められるべきである。

2) 発電割合

電気の品質とは電圧と周波数であるが、電源別の割合も品質の一部であり、商品の原産地表示と同じように電源構成が示されるべきとする考え方は存在する。電力供給会社の選択を電源構成にウェイトを置く人もおられるだろう。

そこで、実際の話をすると、PPSを含め電力会社の発電電力の電源構成は公表されているのである。公表は、資源エネルギー庁の電力統計であり、これらの統計は継続すべきである。但し、自家発電設備等の電力会社以外による発電については公表されていない。FIT電力について経済産業局単位での地方毎の数字は、公表されているが、送電網毎の数字はないことから、各需要家単位でのFIT電力は把握が容易ではない点はある。

3) 参考図表

説明が舌足らずであるとも思えることから、参考として図表を掲げる。

次の表は、FIT制度において10電力会社が消費者から負担金を幾ら徴収し、それをプールした後に、買取制度の仕組みとして幾ら受領したかの表である。消費者からの負担金徴収額は「再エネ特措法納付金」としての額であり、「再エネ特措法交付金」がFIT買取のために交付を受けた額である。納付金と交付金に差があるが、その電力会社の地域にFIT設備が多ければ交付金が多いこととなり、納付金は販売電力に比例するので、販売量が多い電力会社で額が大きい。なお、FIT制度はPPSも対象となるが、財務諸表で公表しているのが10電力会社に限られるので10社を対象とした。

Denryoku20157a

次の表は10電力会社と電源開発(J-Power)の発電電源構成である。

Denryoku20157b

次の表は火力発電についての燃料別構成であるが、各社別の表は公表されておらず、一般電気事業者(10電力会社)、卸電力事業者(J-Power)、特定電気事業者とPPSという事業者区分である。

Denryoku20157c_2

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2015年7月 9日 (木)

阪急京都線を乗用車が走行すれば損害賠償額はいくらか?

乗用車が、大阪市淀川区の阪急京都線で踏切(南方駅近く)から線路内に入り、線路上を京都方面に約1.3km走行し、別の踏切から道路に戻ったとの事件があった。

日経 7月9日 乗用車「道に迷い」阪急線1.3キロ走る 容疑の73歳男逮捕

車が走っていない方の線路を走行していた電車の運転士が、これを発見して無線連絡をした結果、約12分運転を見合わせることで、大事故は防げた。

考えれば、チョウ迷惑な話である。73歳の無職の男とのことであるが、認知症である可能性が高いと思う。そこで思い出すのが、JR東海共和駅構内認知症患者の男性(当時91)死亡事件であり、昨年5月にはこのブログこのブログそしてこのブログと3つのブログを書いた。

JR東海共和駅構内認知症患者事件についての360万円弱の損害賠償を命じる名古屋高裁判決については、認知症であり本人と遺族の損害賠償責任は否定すべきであるとの意見も割合多数あった。私は、JR東海の請求額720万円弱は妥当であり、全額認めるべきとの意見を持っており、係争中の最高裁判決は、全額の支払いを命ずる判決であって欲しいと思っている。

このJR東海共和駅構内事件の場合は、20本の列車に121分~122分の遅れが生じさせた。JR東海は振替輸送に534万円を支払った。今回の阪急事件では、12分の遅れが生じたものの振替輸送は実施されなかった。JR東海が共和駅構内事件で計算したのと同じ係数を使用して、計算すると(720万円-534万円)x 12分/120分となり、19万円弱となる。

事件の大きさからして考えると、19万円弱では済まないと感じるのであるが。最も、共和駅構内事件を参考例とすることは必ずしも妥当ではない。阪急が被った緊急対策に要した費用を加えるべきとも言える。共和駅構内事件では、JR東海が振替輸送に支払った金額にも満たない金額でしか認められなかった。死亡事故発生により警察の要請で現場検証が終了するまで列車運行ができず、発生した振替輸送であったと思うが。

高齢化社会において認知症の人の割合は確実に増加すると考える。適切に対応することが重要であり、社会のためであると共に、認知症の人のためでもある。万一、他人に迷惑を掛けたらきちんと賠償をすることである。死亡しても、遺産は残り、遺産の中から払えば良いのである。しかし、金持ちほど、銭に汚く、裁判してでも、頑張って払わないでおこうとする。本当に、当人にお金がなければ、自己破産することも可能だし、遺族は相続放棄をすれば良いのである。

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2015年7月 5日 (日)

ギリシャの円建て国債は償還不払いになると思う

7月14日に償還日を迎えるギリシャの円建て国債が110億円あるが、多分償還されず不払いになると思う。

日経 7月4日 ギリシャ、返済期日次々迫る 14日のサムライ債110億円強

日経記事には極東証券が3月末時点では8億円近くを保有していたとあるが、110億円のほとんどはやはり日本の企業または個人が保有していると思います。円建てなので、為替リスクを考えると外国企業・個人の保有はほとんどないと思う。

みずほ銀行が管理事務を担当しており、世界の先進国とされるOECD加盟国の国債が不払いとなる訳で、ショッキングなことに違いはない。国債も、相手国の信用度が重要であり、バラマキ政策や国債依存政策を続けている国の国債を保有している場合は、早めに損切りをしてでも売却してリスクを少なくしておくべきとの教訓と考える。バラマキ政策や国債依存政策の指標度が注目を更に集めることとなると思う。

そんな指標は何かと言えば、やはり、バラマキ度は政府財政のGDPに対する赤字幅パーセントであり、国債依存度は国債未償還残高のGDP比です。日本政府は、どうするのかなと思います。

ところで会社であれば、社債権者集会で債権カットや弁済方法等を決めることとなるのだが、国債はどうなるのか不明な点が多いと思う。政府間の債権債務や世銀他国際機関の再建についてはパリクラブで決定するが、民間の政府債権については、銀行であればロンドンクラブが交渉の場となると思うが、先進国国債の償還不履行について、ギリシャの例をよく見てみたいと思う。

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