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2015年8月15日 (土)

安倍晋三首相の戦後70年談話

8月14日に安倍晋三首相が戦後70年談話を発表した。談話は、首相官邸の次のWebで読むことが出来る。

平成27年8月14日 内閣総理大臣談話

総理大臣談話としての文章は、この程度かな、安倍氏個人としては相当踏み込んだつもりだろうなと思う。

日経は、この記事 「70年談話、海外反応は様々 メディアは厳しい声も 」で、海外メディアの反応等を伝えていた。参考として、NYT、WP、WSJの記事は次の通りである。

NY Times: Shinzo Abe Echoes Japan’s Past World War II Apologies but Adds None

WashingtonPost: Japan’s leader stops short of WWII apology

Wall Street Journal: Japan’s Abe Stops Short of Direct Apology Over World War II

WPとWSJが表題に使っている”Stop Short”とは、「ほんの少し立ち止まる。」という意味でしょうか?NYTの”Adds None”なる「追加したことなし。」との表現も面白いと思った。

様々な意見や批判が出ることは良いことである。何も出ないことこそ、良くないことである。実は、戦前の日本が戦争に向かっていった背景の一つに異なった意見や批判を許さなかった、封じてしまったことがあると考える。米占領軍政策として、軍部に戦争責任を押しつけ、国民には罪はないとしたことがあると思う。ある部分では、それは正しいと考えるが、それが全てであるとすると大きな誤りを犯すと考える。遺族の中の英霊の死を無駄にしてはならないとの声に心情的に同感を覚える人はあり、そのことが侵略につながっていった部分はあると思う。

安倍談話であるが、私にとって、意味不明部分がある。「私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません。」との部分である。日本政府は戦時賠償を行った。中国のように相手国による賠償権利放棄もある。(参考:1972年9月29日の日中共同声明の第5項(この外務省のWeb))賠償権利放棄が永遠に存続するとともに、日中共同声明前文の「日本側は、過去において日本国が戦争を通じて中国国民に重大な損害を与えたことについての責任を痛感し、深く反省する。」との部分も永続すると考える。「謝罪」との言葉は何を意味するのかにもなってしますが、下手をすると、謝罪を続ける宿命を背負はないとは、歴史をふりかえらないとの意味にもつながりかねないと思う。

安倍談話も、直後の文章に「世代を超えて、過去の歴史に真正面から向き合わなければなりません。謙虚な気持ちで、過去を受け継ぎ、未来へと引き渡す責任があります。」とあり、謝罪を続ける宿命なる言葉にこだわる必要はないのかも知れない。しかし、私とすれば、それなら、謝罪を続ける宿命という部分は、初めから削除しておくべきであったと考える。

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