国立大学は守るべき
国立大学への運営費交付金の毎年1%ずつの削減継続を今後15年間引き続き継続する方針を財務省が提案したことについて、国立大学協会が抗議する声明を発表したとのニュースがあった。
日経 10月28日 国大協が抗議声明 財務省の運営費交付金削減方針
ちなみに運営交付金が幾ら支払われており、国立大学の収入のうち、どれほどを占めるかを見るために、「国立大学法人運営費交付金の在り方に関する検討会」の2015年6月15日報告書から、次のグラフを作成した。
付属病院の医療関係収入は除外しているが、ほぼ同額の付属病院関係の支出があり、運営費交付金を考えるには、除外した方が把握が容易と考えて、除外した。
国立大学協会の抗議声明とは、これであり、「国立大学法人運営費交付金の在り方に関する検討会」の報告書はこの文科省のWebからダウンローで出来る。
財務省の提案については、この資料の25ページにある。キチガイと思える文章で始まっている。
先進国中最悪の財政状況を抱える我が国において、国立大学が高い質を確保しながら自律的、持続的な経営を続けていくためには、今よりも国費(渡し切りの運営費交付金)に頼らず、自らの収益で経営していく力を強化していくことが必要である。
教育を何とこころえるかと言いたい。日本が発展を続けていくためには、優秀な頭脳が、どうしても必要である。2013年度で1兆円足らずの運営費交付金である。法人税を1%増税すれば、1兆円捻出できる。その結果、日本企業は1兆円以上の競争力を手にすることができる。支出は今であり、リターンがあるのは将来である。しかし、そんなことは、投資全てにあてはまる。ポピュリズムより、必要なことを実行するのが政治である。財務省は政治家や議員達の手先になれ果てたのかと言いたい、
次のニュースを読むが良い。
日経 10月1日 東大、アジア首位転落 世界大学ランク英誌調査
日本の大学が軒並みランキングを落としているというニュースである。日本の大学に進学せずに世界トップクラスの大学に行って、卒業後は日本の縛りにはとらわれず活躍するのも良いかも知れない。しかし、それだけでは寂しい気がする。日本の大学で高等教育を受けて、日本並びに世界のために貢献する人材を育成することも重要と考えるのである。そのためには、国立大学運営費交付金削減なんてとんでもない話である。財源なんて、法人税増税で幾らでも捻出可能である。もし、これに企業や財界が反対するなら、倒産に向かおうとする企業である。
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