« 消費税複数税率を推進するバカ者達 | トップページ | 消費税10%の行方 »

2015年10月20日 (火)

横浜市の大型マンション傾斜問題の複雑さ

横浜市の大型マンション傾斜問題について、旭化成社長は20日午後、記者会見を開き、「深く反省し、おわび申し上げる」と陳謝した。

日経 10月20日 旭化成社長「深く反省しおわび」 マンション傾斜問題で会見 

旭化成が、責任を完全に認めたわけで、何故そのような失敗をしたのかと思う。旭化成とは、連結売上高が2兆円に届こうとする2015年3月期連結売り上げ1兆9864億円の大企業中の大企業である。

旭化成の発表がここにあるが、DYNAWING(ダイナウィング)工法(日経エコロジー参考記事)という方法で施工された杭である。オーガーで穴を掘削し、掘削が終了するとオーガーを引き上げて杭を挿入する。オーガーによる掘削時に支持地盤まで到達していることが必要であるが、その確認はオーガーを駆動する電力の電流値で行う。固い岩盤地層に到達すれば、電流値が増加することで確認が可能であり、その記録紙は保存する。

支持地層に到達していない杭など全く意味のない杭である。電流値が増加したデータがないことから他のデータを流用する等の不正を行ったとの報道である。犯罪である。犯行は多層構造の下請けが実施したのであるが、三井不動産、三井住友建設、旭化成の責任は免れない。下請管理と施工管理に不備があったことの責任は大きい。

この大型マンションの固有名詞については報道が余りされていないが、パークシティLaLa横浜である。東洋経済Online・日テレNEWS24のこのニュースが、そう伝えており、様々な報道とも矛盾はない。2006年に販売開始、2007年12月に完成した総戸数705戸の大型マンションである。最寄り駅はJR横浜線鴨居駅であり、マンションの南と西はららぽーと横浜に面している。マンションが完成する前は、工場(NEC?)であり、ららぽーと横浜も工場。工場地帯に開発されたマンションとショッピングセンターである。工場地帯となる以前は、水田であり、海抜約9mで南約600mに位置する鶴見川までなだらかな坂となっている。特別に地盤が悪い土地でもなく、基礎杭の工事に特に注意を要するわけでもなかった。

このようなマンションで不正工事という犯罪があったわけで、こうなると日本中どの建造物で行われていても不思議ではないという気になる。ばれる可能性が薄い、完全犯罪となる確立の高い工事であるので。

杭の不良工事は、完成後チェックは、施工時の記録からする以外に、実質ないと思う。故に、極めて悪質な犯罪である。だからこそ、ばれることなどあり得ないとして行われた犯罪だろうと思う。おそらく、日本の建築学会に向けられた強烈な批判だと思う。建築学会こそ、この犯罪防止策を立案することが求められていると考える。(例えば、このような杭であった場合は掘削終了時の検査である。施行者とは異なった検査官制度であり、資格を含めインフラから整備する必要がある。)

|

« 消費税複数税率を推進するバカ者達 | トップページ | 消費税10%の行方 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 横浜市の大型マンション傾斜問題の複雑さ:

« 消費税複数税率を推進するバカ者達 | トップページ | 消費税10%の行方 »