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2015年11月20日 (金)

東芝粉飾におけるウエスチングハウス問題

7月22日にこのブログを書いた頃は、東芝のウエスチングハウス(WH)問題は、それほど大きく取り上げられてはいなかった。しかし、最近はWH問題が話題になっていることが多いようである。例えば、次の日経BPの記事である。

スクープ 東芝、室町社長にも送られた謀議メール 巨額減損問題、第三者委の調査は“出来レース”だった

7月22日の記事で書いたが、東芝は6,210億円でWH株式を購入したのである。(東芝発表 この後に20%追加取得の結果最終6,210億円と推定する。)6000億円以上の投資をして、その結果について株主にも債権者にも、まともな報告をしなかったのである。この日経BP記事は、減損額は合計すると13億2000万ドル(約1156億円)と書いているが、そんな少額で済まず、6000億円に近い可能性もあるように私は思う。

日経BPの記事タイトルにある「謀議メール」とは東芝の法務部長、会長、社長、CFO等経営幹部の間で第三者委員会にはWH問題を調査させないようにしよう(第三者委員会も実はグル)とのやりとりがあったとの記事である。第三者委員会なんて独立した存在ではありません。東芝が金を払って、東芝が依頼・指示をして結成された委員会ですから。弁護士や会計士は依頼人のために働く人たちです。本当の独立性を言うなら、寄附金のみで運営しているNPOがまだ信頼できると思う。(最も、NPOを隠れ蓑にして、実質上資金は・・・なんてこともあり得るので、そう簡単ではないが。)なお、第三者委員会報告書(要約版)には調査対象として「以下の1ないし4の会計処理の適切性、・・・」となっており、WH問題は含まれていない。初めからの出来レースです。

何故東芝はWH株の購入なんて、バカなことをしたのか?原発を成長産業と見込んだこと。WH株を買うのは、東芝以外には三菱重工、日立製作所以外になく、他の国内2社より優位に立ちたかった。そして究極の所は不滅のビジネスを目指したのだと思う。WH株は、英国原子燃料会社とWH UKから購入したのであり、ゼロに近ければ売れる可能性はある。東芝の目論見は原発メンテナンス・廃炉ビジネスだろうと想像するのです。電力会社が自らすることは困難である。日本で仮に原発が直ちに廃止になっても50年程度のビジネスは楽にあるし、100年立っても未だある。WH株を保有していれば、米国の原発メンテナンス・廃炉ビジネスも展開できる。

いやはや、原発とはとても恐ろしい魔物なのである。

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