最高裁の遺言無効判決
最高裁が赤色のボールペンで1本の斜線を引いていた遺言書について無効であると確認する判決が11月20日にあった。
日経 11月20日 斜線の遺言書「無効」 最高裁判決、「故意に破棄」認定
赤の斜線は訂正を意味する社会常識を最高裁も認めたとする報道が多かったように思う。しかし、私は、そのような考え方は、最高裁判決を読み誤ると考える。
即ち、最高裁の判断は、赤色の斜線は、訂正ではなく撤回であり、遺言の撤回について民法1024条は民法968条2項のような変更の場合の署名・捺印等の厳格な方式を定めておらず、遺言者がそれを故意に行ったときに、その破棄した部分について遺言を撤回したものとみなすこととしていると述べている。
契約については、一方的な撤回は、認められない。しかし、遺言とは遺言者が死亡した時から効力を持ち、効力発生までは何度でも変更、撤回が可能である。遺言を残さずとも民法に従い、遺族が友好的に相続を決定できるのがよいし、トラブルが予想されるなら公正証書遺言を作成すべきと考える。
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