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2015年12月22日 (火)

国民をあざ笑う東京オリンピックの費用

一体全体、いやはやと思うニュースです。

産経 12月19日 東京五輪費用、1兆8千億円 当初の6倍、大幅な公的資金投入避けられず 大会組織委試算

これに関連して、次の時事ドットコムは、組織委員会の武藤事務総長は21日、東京都内で記者会見し、経費の精査中であり確たる数字は出ていないと報道内容を否定したと伝えている。

時事ドットコム 12月21日 「運営費6倍」の試算を否定=一部報道に武藤事務総長-東京五輪組織委

しかし、この武藤事務総長の話も、確定していないことを述べたのであり、1兆8000億円の可能性どころか、集計する範囲を変えれば、それ以上になる可能性もあることを示唆していると考える。競技場の建設や整備は、東京オリンピックのみに使われず、将来も利用されることを考えれば、全額をオリンピック費用とするのではなく、合理的な負担割合で計算した額を東京オリンピック費用とすべきである。しかし、将来の負担割合を多くすれば、オリンピック後の利用料金が高くなり、利用されず、収入減少を補填するために税金が使われることとなる。

完全な計算より、現時点で予想される費用総額とその費用を支出する財源を国民に開示すべきである。オリンピックは、民主的な組織で、公開を原則とし、市民・国民の参加で運営されるべきである。しかし、東京オリンピックは、秘密主義で運用されているようで、国民が将来重税にあえぐことを懸念する。追加種目の実施により費用は増加するであろう。しかし、収入も増加するはずである。費用に見合う収入が期待できるからこそ、追加種目を決めたはずである。もし、収入が費用に満たず、税金で赤字補填をするならば、国民の了解無しで追加種目を決定するなど、とんでもないことである。

思い出すのは、「45億米ドルもの大会開催準備基金がそれを可能にします。」とか発言した猪瀬直樹招致委員会会長の発言です(ここにあります。)。金銭勘定ができない、予算管理ができない招致委員会や運営委員会なんて何の意味があるのでしょうか。

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2015年12月17日 (木)

日本の医療への懸念

3分の1の病院・診療所が赤字だそうです。

CBニュース 12月9日 3分の1の病院・診療所が赤字

ニュースソースは次の東京商工リサーチの発表です。

東京商工リサーチの12月8日の調査報告 「病院・診療所」、「調剤薬局」の業績動向調査

次は、医療法人に対して融資等を行っている福祉医療機構の12月15日の発表で、融資先の医療機関の財務データの分析結果です。調査対象とした一般病院811病院のうち43.4%が2014年度決算では赤字だったとのことです。

福祉医療機構 12月15日発表 平成26年度 病院の経営状況について

6ページ目に次のグラフがありますが、赤字病院の割合は近年増加しています。

Fukushiiryoukikou201512

どう考えるべきでしょうか?医療機関が倒産すると、困るのは国民です。勿論、半分以上は黒字であり、大丈夫な病院も多いのです。なお、医療従事者は、国民に対する召使いであり、奴隷労働をすべきであるなんてことは言えません。

このようなことを書いておられる人がいました。NHK夜7時のニュースって、私はレベルが低すぎると思っています。

政治家やマスコミとは、正しいことを言いません。自分に都合の良いことを述べるか、あるいは一面のみで議論をしようとします。最近は余り聞かれないが、一時は医療ツーリズムを伸ばすなんてことを言っていた人がいました。その前に、国民に対する医療が、より重要だと考えます。

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最高裁夫婦同姓損害賠償棄却判決

最高裁は、民法750条の「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。」について合憲であるとする判決を下した。

もしかしたら、夫婦別姓を認めないことは、基本的人権の侵害であるとして、違憲判決を出してくれるのではと期待していた私にとっては残念なことである。しかし、未来永劫この状態が継続するわけではなく、近い将来には夫婦別姓も認められるようになると期待したい。

判決文はこの裁判所Webにあり、補足意見、反対意見の記載も含め31ページあり、ある程度の長さであるが、読むことをお奨めしたい。

21ページ目から27ページ目にかけて記載がある木内道祥裁判官の意見は、私なんかは、同調したくなる。例えば、

・ 婚姻の際に,例外なく,夫婦の片方が従来の氏を維持し,片方が従来の氏を改めるとするものであり,これは,憲法24条1項にいう婚姻における夫婦の権利の平等を害するものである。

・ 問題となる合理性とは,夫婦が同氏であることの合理性ではなく,夫婦同氏に例外を許さないことの合理性であり,立法裁量の合理性という場 合,単に,夫婦同氏となることに合理性があるということだけでは足りず,夫婦同氏に例外を許さないことに合理性があるといえなければならないことである。

・ 夫婦同氏であることの合理性ではなく,夫婦同氏に例外を許さないことの合理性なのである。

立法不作為であり、国会が正当な理由なく長期にわたって改廃等の立法措置を怠っていたものとして,国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受けるものであるとの反対意見を出されたのが山浦善樹裁判官である。

山浦氏が述べておられるように、民法750条の夫婦同姓制度は、どちらの姓を選択しても良いのであるが、実際には夫の姓を選択することが多く、実質は女性の職業活動・社会活動に不利益・不都合をもたらしているとの指摘は事実である。また海外でも日本と同様に同様に夫婦同氏制を採っていたとされるドイツ,タイ,スイス等の多くの国々でも近時別氏制を導入しており,現時点において,例外を許さない夫婦同氏制を採っているのは,我が国以外にほとんど見当たらないとの指摘は考慮すべきと考える。

12月17日の朝日新聞の耕論(ここ)は、3人の人から聴取した意見を掲載していた。その中で、私は次の部分に共感を覚えました。

泉徳治氏

国会議員は多数派によって選ばれますから、政治家が常に多数意見の方を強く意識するのは当然のことです。・・・少数者の人権を守ることができるのは裁判所しかないのです。

山田昌弘氏

女性や若い人も含めだれもが活躍するには、多様性を認め、いろいろな選択肢を用意することです。その少なさ、社会の寛容性のなさが、日本経済の停滞感につながっているのではないでしょうか

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南三陸病院の完成(台湾赤十字義援金)

東日本大震災の津波で被災した宮城県南三陸町の公立病院が同町志津川東地区の高台に再建されて、12月14日に開業したとのニュースがありました。新しい病院は「南三陸病院・総合ケアセンター南三陸」という名称で、内科、外科など10の診療科が入り、病床90床を備え、ケアセンターには保健センターや地域包括支援センターも入るとのこと。津波で壊滅した宮城、岩手両県の6つの公立病院のうち、本格復旧したのは初めてとのことです。

この南三陸病院ですが、総工費約55億円(報道により多少の差があります。)のうち22億円は中華民国紅十字会総会(台湾赤十字)からの寄附金(義援金)です。ハフィンポストの記事を参照下さい。また、このWebに、病院敷地内におかれた感謝石碑の写真があります。

ハフィンポスト 12月15日 津波に浸かった南三陸町の公立病院、台湾の義援金22億円で復活

赤十字からの義援金ということは、そのお金を義援金として拠出された台湾・中華民国の人たちがおられることを意味します。外国のことなのに温かい心で応援された方々に感謝したいと思います。Twitterやブログ等では、この義援金ことについての報道が少ないことに不満を述べておられる方が多いようです。NHKは、全く触れなかった。読売は大半が国費とか報道した。(この読売の記事は、既にWebから消えているようです。)

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2015年12月13日 (日)

消費税インボイス制の導入

自民、公明両党は12月12日に生鮮食品および加工食品についての軽減税率について合意した。この合意文書の全文について、日経報道は次である。

日経 12月12日 軽減税率与党合意文書の全文

(4)に「21年4月にインボイス(税額票)制度を導入する。それまでの間は、簡素な方法とする。」との記載がある。

軽減税率取引以外を含めて消費税の課税取引全てについて、消費税インボイスが発行され、消費税インボイスがあることを条件に仕入消費税を控除できるとする制度である。消費税非課税事業者から仕入れた場合は、消費税インボイスを入手できず、その仕入分の消費税を事業者は納付消費税から控除できない。

処理に相当な手間暇を要する可能性もある。しかし、電子取引・クラウド・ネット社会であり、消費税事務処理ソフトなんて多く販売されるだろうと思う。そして、消費税インボイスも電子処理で簡単に済ませることができると思う。マイナンバー制で番号の通知があったのは、個人のみではなく、法人に対しても「法人番号指定通知書」が送付されている。これを使えば、電子データで簡単に処理するシステムをつくることができはずである。

一方、国税庁も不当な消費税益税の摘発が容易となる。そして、それだけのみならず、法人間の企業取引把握が容易となり、架空取引による脱税把握を含め、税徴収に威力を発揮すると思われる。下手をすると税務署が大きな権力を得るのであろうか。よく分からない。私としては歳入庁の新設をして欲しい。年金機構の年金と保険料徴収も含めて歳入庁が実施し、地方公共団体が依頼すれば、国民健保、介護保険、高齢者医療制度の保険料徴収も歳入庁が実施すれば良いと考える。公的資金の管理とは、重要である。せめて、その中で、徴収については、公平・厳格に行い、必要な減免措置も過不足無く実施して欲しい。

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福島第一原発排気筒問題

ダイヤモンドオンラインが『まったく報じられない「排気筒問題」と2号機「大惨事」の危険性』と題したおしどりマコちゃんと広瀬隆氏の対談記事を掲載していた。

2015年12月12日 ダイヤモンドオンライン まったく報じられない 「排気筒問題」と2号機「大惨事」の危険性

2号機大惨事の危険性については、私はよく解らないが、排気筒倒壊の危険性については、その危険性を評価し、必要なら適切な処置をすべきと考える。

排気筒とは、通常運転(保守のために発電していない時を含め)時は原子炉建屋内を大気圧以下に保つためにフィルターを通して大気中に排気をするための外観は煙突そっくりな高さが高い構造物である。この排気筒は、非常時にはベントをする際の、ベント・ダクトなる。従い、排気筒の内部は、大量の放射性物質が付着している。

ベントをし、大量の放射性物質を大気に放出した排気筒である。内部は近づくことも容易ではないし、解体するとしても、高さが120mもあり解体工事による放射性物質の飛散は防止せねばならない。やはり、必要と判断されれば、補強して耐震上問題ないようにすることと思う。

東京電力は2015年10月26日にこの点検結果を発表している。

ところで、ダイヤモンドオンラインの記事の3ページ目にあるマコちゃんの発言の中に「結局、シビアアクシデント(重大事故)のとき、バッテリーを近くのホームセンターに買い出しに行ったりするために現金が必要で、お財布を提出していたために、5円玉が1個も残っていなかったのです。」という発言がある。

多分、そのようなことがあったのだろうと思う。福島第一原発は交流と直流の全電源を喪失した。非常用発電機も、バッテリーも全て地下にあり、水没したのだから、お手上げ状態となった。原発の恐ろしさは、事故現場、破損現場に近づけず、そもそも様々なデータを取得するには電源は不可欠である。設計思想として、多くの場合は、最悪でも直流電源(バッテリー)は生きていることを前提としている。現場では、バッテリーを必死になって確保しようとしていたはずである。何故、官邸は助けようとせず、見殺しにしたのかと思う。放射性物質飛散を防ぐことができたかどうか不明ではあるが、せめてバッテリーだけでも福島第一原発に届けてやることができなかったのかであ。自衛隊を出動させれば、夜間でもヘリコプター等を使い自衛隊が保有しているバッテリーやその充電設備等を緊急輸送できたはずである。

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2015年12月 7日 (月)

出生前診断に関しての差別、選択、悩み

最近まで茨城県教育委員であった長谷川智恵子氏が、県内の特別支援学校を視察した後に、障がい児が生まれてこないよう妊娠中に診断し選別する方向性を進めるべきだといった趣旨の発言をした。

この発言についてハフィンポストにあった次の投稿記事は、色々ある中で、良い記事と思った。

ハフィンポスト 11月22日 障がい者の人生を誰が評価できるの? みんなが不完全であり、みんなに可能性がある

障害があれば殺すべきである。殺しても構わないとの思想につながり、恐ろしいと思う。ところで、出生前診断についてマスコミ報道の多くは、障害児を持たないようにするために、出生前診断を行うことができるようになったとの内容であった。

人の場合、倫理観は生きていくために、どうしても必要と私は考えている。個人により差があると同時に、他人に強制はできない。出生前診断を受けることに反対しない。出生前診断の結果、重い障害があると診断された場合、生活苦であえいでおり、育てることを放棄する親もあるだろう。親の判断により妊娠中絶を選ぶことに対しても反対しない。しかし、長谷川智恵子氏のような社会として、一つの方向を選ぶことには反対する。かつて、母体保護法が優生保護法と呼ばれていた時代に、ハンセン病の人には強制的に不妊手術をしていた。

最後に、2011年のことであるが、当時LUPOさん(宋美玄氏)が「シリーズ 赤ちゃんの情報は誰のもの?」というタイトルで6回シリーズのブログを書いておられたので紹介しておきます。

その1その2その3その4その5その6

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2015年12月 3日 (木)

最低人事の年金機構理事長再任

厚生労働省のバカと思う人事である。

日経 12月3日 年金機構理事長再任へ 厚労省、方針固める

再任を受けるという水島藤一郎も人間として最低であり、良心のひとかけらでも持ち合わせていれば、後任を探し、自らは辞任すると思うし、それが本当の社会人の姿と考える。

何も世の中に迷惑をかけていないのであればよい。しかし、もしかして何兆円かに上るかも知れない損失を日本国民に与えた張本人である。日本の年金は、この男のためにマイナンバーを利用できず、制度改革は何年も遅れ、国民が損害を受けることとなった。このブログこのブログはたまたこのブログそしてこのブログこのブログと何度も書いたが、最低組織を温存することの愚かさである。

勿論、最低レベルの組織であるからと言って、解体・組織変更するには、ある程度の検討も準備も必要である。しかし、組織の長を温存した状態では絶対にできないのである。

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2015年12月 2日 (水)

消費税軽減税率 密室議論での決定に反対する

消費税率10%を適用するにあたり、消費税軽減税率をどうするかについて、与党である自民・公明両党の関係者間で実質決定することで動いているようである。

税という国民にとって関心が高く重要な事項を密室決定のような形で進めることに、反対するのである。憲法第30条は「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。」となっており、第84条で「あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。」となっている。国会で成立した法律に基づかないと税の徴収はしてはならないのである。消費税軽減税率の導入は、大きな制度変更であり、議論を国民全般に拡大し、国民の意見を聴取して方向を決定すべきであると考える。

そもそも自民党の中にも、消費税軽減税率反対論者は多いと思う。経済界は、消費税の事務処理等が複雑となることから、ほとんどが反対と思う。軽減税の適用・不適用を間違えれば、脱税が発生するのであり、そのような分野で神経をすり減らすより、業務の拡大あるいは労働時間の短縮に注力した方が合理的と考えるひとが多いはずである。(例えば、この読売ニュース 11月27日です。)

仮に4000億円を軽減税の対象とするなら、4人家族で世帯あたり年間約平均1万3千円である。現金で受領した方が、国民にとって不公平感はない。

税とは納付するのが全てではなく、逆の面から見ると受け取りである。税を財源とする政府支出を金額及び支出内容において合理的にすることにより豊かな国を実現できるのである。

将来において消費税インボイス制導入という話も聞こえてきたりする。インボイス制が導入されれば、消費税益税は例外扱いを除き解消される。しかし、消費税率を増加したり、さらに複雑な複数税率制の導入も容易となる。実は、今回の消費税軽減税率導入に際して、これをインボイス制導入の糸口とし将来の増税への足がかりにしようと考えている人がいると思う。即ち、法人税や所得税および消費税を比べると、複数税率が適用できれば消費税が最も国民の抵抗を少なくして導入できると考えている人である。

次の三木義一氏の「日本の納税者」は主権者である納税者の権利が無関心により失われているのではと警告を書いておられます。

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