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2016年2月29日 (月)

再生可能エネルギー電力の販売が新電力は可能ですか

電力自由化により新電力が再生可能エネルギー電力を販売可能かどうかの疑問について、朝日新聞の記事は、可能であるように報道していた。

朝日 2月28日 再生エネ電力は選べない? 4月自由化、家庭向けわずか

「環境を重視する人たちの選択肢は当面限られそうだ。」と書かれており、これでは購入することが可能であり、日本では4社が再生可能エネルギー電力を販売しているように読める。

しかし、これは大嘘と考える故、デマが広がらないように、再生可能エネルギーが一部の人の利益ではなく、多くの人の利益になるようにと考え、正しいことを記載します。

1) 再生可能エネルギー発電事業者は一般電気事業者に販売する

ユーザーに直接販売することは現状では考えられない。何故なら、再生可能エネルギーの固定価格買取制度による価格が再生可能エネルギー発電事業者にとっては一番高く売れる金額だからです。10kW以上の太陽光発電であれば2015年度後半で27円+消費税等で販売できる。(電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法)

固定価格買取制度を利用しない販売も可能である。しかし、家庭用電気料金はこの2016年2月27日朝日新聞の記事では一番安い北陸電力が300kWhの使用で6,852円(消費税込み)である。単価にすると22.84円で、最も高い関西電力でも25.66円(税込み)である。

ビジネスとは、高く売ろうとするのが常識で、通常では無理をして安く売らない。

最も、この環境ビジネス オンラインの記事 2016年度のFIT買取価格、委員長案公表 10kW以上太陽光発電は24円(税抜)のように、太陽光も安くなりつつある。しかし、家庭用に販売するとなると送配電コストに相当する電力託送料も発生するのである。

2) 再生可能エネルギー発電単独での電力供給は困難である

太陽光発電設備を例にとると、正午前後に太陽エネルギーが地表に届く量が大きく、発電量も多い。朝夕は少なく、日没から日の出までは全く発電しない。昼でも雨や曇天の日は発電量が少なく、雲に太陽が隠れれば、出力が急に落ち込んだりする。夜間の家族団欒時間の電力は全く供給できない。

それでも、太陽光発電設備から家庭に電力供給をするなら、大規模バッテリーを保有して供給するか、他の発電設備との組み合わせで家庭が消費する量と同一量を常時供給する方法である。この場合、太陽光電力100%にはならないが、一般の電力事業者から購入する場合の固定価格買取制度に含まれている再生可能エネルギー発電の量よりは大きくなる可能性はある。電力自由化なので、再生可能エネルギー割合の予想値を提示し、実際割合はある変動幅とし、電力料金は○○円と言った契約は可能である。

風力発電も出力変動の激しい発電であり、太陽光以上に設備単独での供給は困難である。水力やバイオマスの様な発電量が安定しており、出力調整もある程度は可能な再生可能エネルギー発電もある。それでも、これら再生可能エネルギー発電からの電力がユーザーに直接供給されることが良いのかどうかは、総合的な観点も必要である。CO2対策が目的なら、CO2対策に有効なように設備が建設されることが望ましい。

3) 朝日新聞の嘘っぱち

冒頭の朝日新聞の記事は4社を実名で記載しており、Webで検索をしてみた。結果、やはり再生可能エネルギー発電電力を販売していなかった。その中で、みやまスマートエネルギーという会社があるが、固定価格買取制度の価格より1円高く購入すると言っている。こうなると、ビジネスモデルが成り立つとは思えない。振り込め詐欺の同類かとまで思ってしまう。

変なビジネスには気をつけた方が良いです。新電力の変なビジネスに高齢者の多くが引っかかったりしてと懸念する。例えば、以前から債務弁済が滞っていると噂のあった日本ロジテック(参考この経済産業省発表)の撤退なんてのもあります。(この日経ニュース 2月24日)電気の使用者にとっては、どの発電設備からの電力かは分からない。契約相手が、発電や供給をせずに契約不履行を起こしていても供給は継続されるのです。物理の原理で、どうしようもない部分もあります。ユーザーには不明ですから、恐ろしいです。

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2016年2月24日 (水)

介護保険料があがるとのニュースがあったが

次のニュースです。

読売 2月20日 現役世代の介護保険料、来年度から月5352円

このニュースに関する厚生労働省の発表をWebで探したが、見つけることはできなかった。

このニュースは、40歳から64歳までの人の介護保険料についてのことであり、医療保険(健康保険)料と共に徴収、支払が為されている分です。(参考:この厚生労働省のWeb

2016年度の介護保険に関する総額は、厚生労働省のこの説明によれば10.4兆円で、このうち利用者負担が0.7兆円であり、保険会計からの支出額は9.6兆円と説明がある。この9.6兆円の負担割合は50%が(65歳以上を含めた)40歳以上の被保険者による保険料である。被保険者の総人数は7449万人(うち65歳以上の1号被保険者3202万人、40~64歳の2号被保険者4247万人)であるので、一人当たりの保険料は年間6.4万円で毎月5370円となる。実際には、低所得者の公費負担が入ったり、1号被保険者と2号被保険者の負担割合等が3年ごとの介護保険事業計画期間で決まったりするので単純ではないが、概ねこのような具合です。

なお、保険料50%以外の残りの50%は政府(国)25%、都道府県12.5%、市町村12.5%となっています。(介護保険法121条~128条)

40歳から64歳までの人の介護保険料は、医療保険と共に支払うことになるが、国民健保とそれ以外の健保組合、協会けんぽ、共済組合とで倍半分の保険料負担となる。即ち、国民健保には雇用者負担分がないからです。ちなみに、協会けんぽの介護保険料率はこのWebのように2015年度は平均1.58%(労使合計)だったが、実際は都道県単位保険料率となっている。

それなりに複雑な介護保険ですが、要介護者は40~64歳が0.4%、65-74歳が4.4%、75歳以上が32.1%であり、75歳以上の人口割合は益々増加するので、介護保険の会計規模は近い将来に向けて相当膨らんでいく。更に、医療の分野で、長期入院が減少し在宅医療・在宅看護が多くなると、介護保険の会計規模も大きくなると思う。決して、このこと自身悪いことではないと考える。むしろケアをどのようにすべきか、そのあるべき姿を考えることが最重要と思う。保険料と税金(国、都道府県、市町村)は、どうあるべきかも。

地に着いた数字の分析も踏まえた議論が重要と思うので、その啓発の意味で、少し書いてみました。ご参考になればと思います。

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2016年2月23日 (火)

議員たちは野合をめざす

「野合」とは、共通するものもないばらばらの集団が、まとまりなく集まることだそうです。今回のこのニュースは、一緒にやれないと言って分裂した団体が選挙を前に統合するのだから、野合なのでしょうか?(政権にありつきたい、落選したくないという共通点があるので野合ではないと言えるのかも?)

東京新聞 2月23日 民主・維新が来月合流へ 維新は解党 新党名を検討

そもそもは、小選挙区制なるものが悪いのである。国民は、自分が望む人が国会議員となり、政府政策に関与して欲しいのである。今の小選挙区制では、政党内部や政党間で調整された人しか当選がおぼつかず、投票したい人がいない状態になっている。消極的な選択で投票の相手を選ぶなんて、最低の制度と思う。

ネット社会だから日本全国一選挙区の大選挙区制も可能である。

定数削減なんてのも、同じようなもので、「国会議員自身が身を切る」と票集めのために言っている。身を切るなら、給与たる歳費や政党助成金を値下げすれば良いのである。政党助成金は、団体献金の禁止の代わりとして、一時的な暫定策として出てきたはず。悪い議員たちが定数削減と言っている。

いつも、そのように思っていたが、2月22日の東京新聞社説は、定数削減を批判する社説を掲載していた。

東京新聞社説 2月22日 定数減は身を切る改革か

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2016年2月22日 (月)

米大統領選 共和党のブッシュ氏撤退とイラク戦争

米大統領選に向けた共和党候補指名争いで、ジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事(63)は20日、サウスカロライナ州予備選で惨敗する見通しになったことを受け、「撤退」を発表した。NHKニュースは次です。

NHKニュース 2月21日 米大統領選 共和党のブッシュ氏が撤退

このNHKニュースの中に『兄のブッシュ前大統領が始めたイラク戦争に対する根強い批判などから支持を伸ばすことはできませんでした。』とあるのですが、他の報道では、どのようになっているか、NY Timesの記事を紹介します。

NY Times FEB. 20, 2016 Jeb Bush Bows Out of Campaign, Humbled and Outmaneuvered

イラク戦争に関しては、次のような文章があります。

”He stumbled out of the gate — struggling to handle both his famous last name and the legacy of his brother, President George W. Bush, who led the nation into a deeply unpopular war in Iraq to pursue weapons of mass destruction that never materialized.

・・・・

In one of his campaign’s lowest moments, he repeatedly bungled a question about whether he would have authorized the 2003 invasion of Iraq, as his brother had, given the intelligence known today. What seemed like the simple and inevitable answer did not arrive for days, after multiple, widely ridiculed attempts.”

2003年のイラク戦争は最早共和党支持者でさえ不愉快な思い出であるようです。私なんか、あのイラク戦争がなかったなら、イスラム国のテロもなかった可能性が高いと思っています。イラクやあの周辺地方の人たちを不幸に陥れたイラク戦争は、21世紀が始まったばかりの時代におこった悲しい戦争であり、その戦後は今も続いている。

ところで、2003年のイラク戦争に係わった米国大統領を兄に持つ弟は、大統領選から撤退したが、日本はどうなっているのだろうかと思う。当時、首相や外務大臣はイラク戦争を指導し、日本をイラク戦争に参戦させた。(後方支援も軍事行動である。)

当時の日本の政権首脳の行動と日本の関わり方をよく研究すべきと考える。イラク戦争に関しての当時の政権首脳に対する批判もあまり耳にしないし、日本のとるべき方針についても振り返るべきである。参戦が正しかったか、参戦せずに中立でいるべきであったか、あるいは積極的に反対をすべきであったか、過去を研究することは重要である。

集団的自衛権か改正安保法か戦争法か呼び名はともかくも日本が戦争するハードルが昨年低くなった。だからこそ、2003年のイラク戦争およびこの時の日本の軍事行動に関してよく研究すべきである。さもないと、自主性なく流れに任せることなり、国民が不幸になる。

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2016年2月21日 (日)

GDP世界各国比較

直前のブログで日本のGDP成長率の世界比較を書きました。今度は、GDP実額の比較をします。この場合、実質GDPは国間比較はできず、名目値の米ドル換算を使用します。日本には、これ以上の経済成長はないと誤解してはならず、世界を見渡して考えることが重要です。増税をして実施すべきことを実施することによって、日本の明るい未来が見えてくるのだと考えます。

井戸の中の蛙でいてはならず、世界の中で日本を見るとどうなるのか、今回もOECDの統計データにより比較を実施する。

次の図は、主要国の一人当たりGDPを1970年以降についてチャートにしたものです。

Gdpoecd20162a

次表は、2014年の一人当たりGDPを高い国から順に30番まで並べたものです。ユーロ19カ国やOECD諸国のような単位もOECD統計には含まれており、このような単位も表の対象に加えたことから日本は24位というわけではく、国のみを対象とした場合の日本の順位は4位繰り上がるものの、それでも20位です。

Gdpoecd20162b_2

日本は、このままでは、更に順位が下がっていくのみ。即ち、日本は成長力を失いつつあると考えます。その理由は何かと言えば、必要な投資を行い、必要な対策を講じていないからと考えます。人々に勇気と希望と夢を与えることができなくなっていると思えます。教育に力を入れるべきです。増税しか、日本には生き残る道はないと思います。

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2016年2月20日 (土)

日本のGDP成長率の世界比較

OECDが2月18日にGDPの中間見直し結果を発表した。日経の記事は次です。

日経 2月18日 日本の実質成長率0.8%増に下げ OECD16年見通し

なお、OECDの日本語による発表文はここにあり、英語はここにあります。

英語による発表の中を、たどっていくと次のチャートがあるのですが、日本は非常に低い成長率です。

Oecd20162a

OECDのEconomic Outlookから10年程度のスパンで主要国比較をすると、どのようになるかを見たのが次のチャートです。

Oecd20162b

やはりトップは中国でした。インドが、それに続いていたのですが、2015年から逆転が始まっています。中国、インドを日本と同列で比較するのは、適切でないかも知れず、中国とインドを除いて比較したのが次のチャートです。

Oecd20162c

どうでしょうか?東日本大震災の前年2010年以外は、経済が低迷している国となっています。安倍政権誕生が2012年12月なので、アベノミクスは2013年からです。結果、このチャートの判定では、アベノミクスは効果無しとなる。2014年以降最悪の結果です。

日本の経済を正常にすべきと考える。最低賃金を上げたり、所得税、法人税の増税を行って、政府財政の健全化をすると共に国立大学の助成金を増加したりして高等教育や研究活動に力を入れ、有能な人材を育成すると言うようなまじめな政策を進めるべきだと思います。

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2016年2月17日 (水)

議員のレベル

議員の知的レベルは、高くないようです。

一つは、丸川珠代環境相の1ミリシーベルト発言です。松本市内での講演で述べたそうだが、それを伝えたのが次の信濃毎日の記事です。

信濃毎日 2月8日 丸川環境相「何の根拠もなく」 原発事故、松本で講演

『何の科学的根拠もなく時の環境大臣が決めた』と彼女は述べたようで、アホ丸出しです。実は、福島事故の2011年3月以前からあった基準なのです。その証拠としては、私のこの2011年3月12日のブログを見ていただきたい。次のように書いています。

一般公衆の年間放射線被曝限度を1mSV/年とする基準は、 ICRP(International Commission on Radiological Protection:国際放射線防護委員会)の勧告数字によると理解します。また、国内法において、この数値は経済産業省の告示になっていると理解します。

そして次のように続けている。

ICRPの1mSV/年も、2007年勧告では「計画被ばく状況における公衆被ばくに対しては、限度は実効線量で年1mSVとして表されるべきであると委員会は引き続き勧告する。しかし、ある特別な事情においては、定められた5年間にわたる平均が年1mSVを越えないという条件付きで、年間の実効線量としてより高い値も許容される。」と5年平均での適用もあり得るとしている。

1ミリシーベルトが厳しすぎるのが、また現状どのようになっているのか、調べていないので、帰れるはずの所にいまだに帰れない人がいるのどうかも、私には何とも言えない。バカ議員の発言だと思っていたのだが、この朝日新聞(ハフィンポスト)の記事を読むと、そんな発言をした記憶はないと言ったり、一転して「言ったと思う」と述べたり、もはや人間性に問題があるように思う。

しかし、もっと支離滅裂な発言をする議員もいるようで、こいつらは辞職しないのだろうかと思う。不倫報道で辞職する議員はいたが。

朝日 2月17日 「黒人・奴隷が米大統領に」 自民・丸山氏が発言し撤回

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笹子トンネル事故での会社役員には賠償責任を求めることは正しいか

笹子トンネル事故で、中日本高速道路と点検業務を担当していた子会社の役員(計4人)に対する損害賠償訴訟の判決において、横浜地裁は、個人としての賠償責任はないと請求を棄却したとのニュースがあった。

日経 2月17日 笹子トンネル事故、役員の賠償責任は否定 横浜地裁

訴訟を提起されたご遺族は、「民意からかけ離れた判決だ。個人の責任を明確に追及するため訴訟を続ける」と話されているとのこと。感情的には、そうであっても、それが正しいとは限らず、事故原因を究明し、再発を防ぐべきと考える。

中日本高速道路の組織の名称は中日本高速道路株式会社であり、全株式を政府が保有している。現在、名義人は財務大臣となっている。

会社の取締役は、会社が賠償責任を負うべき行為に対して、同様に賠償責任を負うべきであろうか?取締役が会社に損害を与えた場合は、会社に賠償責任を負う。東芝は、元取締役に対して損害賠償訴訟を行っている。株主代表総称も取締役より株主に対する賠償金支払訴訟でなく、裁判で勝っても、当該取締役は会社に賠償金を支払う。取締役が直接被害者に賠償金を支払うことについての論理は、難しいと考える。やはり、会社に損害賠償を求めるべきであり、当然十分な金額の賠償を受けるべきである。笹子トンネル事故での会社による4億4千万円余りの賠償額は十分であったかどうか、私には判断できないが。

笹子トンネル事故において法令違反は、あったのであろうか?法令に「・・・・について十分な点検を実施し・・・」と記載されていた場合、拡大解釈をすれば、相当その範囲は広がる。しかし、道路トンネルのメンテナンスを含め、規則をあいまいな状態にして管理することは良くない。その観点からすれば、道路トンネルのメンテナンスに関する規則を立案すべき国土交通省や土木学会あるいは大学や研究機関の方が高速道路会社の取締役より責任重大とも思える。

勿論、中日本高速道路の責任は重大であり、実は中日本高速道路以外の東日本や西日本にも言えるのであるが、点検をしていれば、問題点を早めに検知して、対策が講じられた可能性もある。ある人から聞いた話であるが「トンネル内の鉄製ハンドレールはすぐにぼろぼろになるのです。」車の排気ガス汚染により、トンネル内は腐食が激しいことは、関係者にとっては常識だったようである。

中日本高速道路とは、日本道路公団を分割し民営化して設立された株式会社の一つである。そもそも、何故分割民営化などする必要があったのかを検証する必要がある。不必要な高速道路を建設せずに政治から独立するためだとするなら、その検証が必要である。道路公団という組織のままの方が、一体であることの合理性を追求して、必要なメンテナンスの管理体制を組め、実施できたかも知れない。

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2016年2月16日 (火)

2015年第4四半期GDP速報値

内閣府より2015年第4四半期GDP速報値の発表があった。

日経 2月15日 10~12月実質GDP、年率1.4%減 2期ぶりマイナス 消費・住宅投資が低迷

2011年から2015年にかけての20四半期分をチャートにしてみた。

Gdp20154qa

チャートを見るとよく分かる。2014年1-3月のGDPが535兆円で最高であった。消費税8%が2014年4月からであり、この直前の時期である。四半期ベースでは、未だこの時のGDPに追いついていない。

当然、駆け込み需要もあったはずなので、年間平均の比較を行うべく2014年4月から2015年3月までの四半期ベース実質GDPの平均値を5年間にわたり比較したのが次のチャートである。(最終の2015年分は4月12月までの9月平均である。)

Gdp20154qb

やはり、2013年4月-2014年3月が最高であった。アベノミクス発足が安倍政権誕生の2013年1月とすれば、1年は有効であったが、2年目以降は見るべきものはなく、民主党政権時代と同じか、それより悪いことがチャートから読み解ける。

次のチャートは、2006年からの過去10年間の実質四半期GDPであり、支出要素別内訳も示している。

Gdp20154qc

GDPの60%を占める民間消費支出が肝と考える。

GDPにおける民間最終消費の大部分を占める家計最終消費とGDPについて過去5年間のチャートは次である、。

Gdp20154qd

2014年1-3月は、家計最終消費も良かったのである。その結果、高いGDPとなり、絶好調の日本経済が実現できた。しかるに、最近は家計最終消費が落ち込みが目も当てられない状態である。

最後に、直前のブログに現金給与指数の推移チャートを掲げたので、同じチャートにGDPと家計最終消費支出を指数化(2015年を100)したチャートを掲げます。GDPが伸びても賃金は跳ね上がらず。従い、消費も低迷するという悪循環が生じていると考えます。最低賃金を上げ、労働組合を活発化し、法人税を上げて、企業から労働者への分配を促進する政策を採らないと日本経済は沈没するように思います。

Gdp20154qe

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2016年2月10日 (水)

日銀黒田マイナス金利に批判が増加する

安倍政権へのべったり姿勢を続けている黒田日銀である。マイナス金利導入はひどい金融政策と考えていたが、日経も次のような記事を掲載していた。

日経 2月9日 長期金利マイナスに にじむ日銀の誤算

2%物価上昇が、どれほど重要でしょうか?一般の人には全く関係がない話です。むしろ次のニュースの方が、よほど重要です。

日経 2月8日 実質賃金0.9%減 15年、物価上昇に賃上げ追いつかず

厚生労働省の給与総額指数をチャートにしました。

Tingin20162

このチャートを見ると、浜矩子氏のようにアホノミクスとバカ黒田日銀と思います。株価が上がる必要はない。一部の不動産の値上がりも歓迎しない。円高や円安なんて関係がない。毎月手にする実質収入が増加して欲しいのである。こんな単純なことに取り組まない政権は愚かなアホでしかない。

マイナス金利はこの1月29日日銀発表のように、基礎残高とマクロ加算残高を超過した部分に適用される。マクロ加算残高は、日銀のさじ加減が入るので、たちが悪い。考え方によっては、1月29日のマイナス金利とは心理的な効果を狙ったと言える。

しかし、現在生じていることは、10年物国債利回りがマイナス0.005%(参考記事)であり、日経平均は2月9日918円安(参考記事)、米ドル為替はこのブログを書いている時点で114円近くになっている。これらは、どう考えるべきかと言えば、日本以外の要因の影響があることも言える。一方、バカ黒田日銀について言えば、マーケットには小手先の見かけ倒しのマイナス金利なんて通用しないのである。市場のプロと実際のビジネス需給が全てに勝るのである。

政権も日銀も国民の方を向いた政策に切り替えるべきである。原油価格は30ドルを下回っている(参考記事)。結果、米国のシェール・オイル・ガス事業は行き詰まり、投資家・銀行はロスを出す。第2のリーマンショックが起こりそうである。リーマンショックより恐ろしいのは、ベネズエラなんかが破綻する。下手をすれば、サウジアラビアなんかも危ない。

原油価格が下がれば、物価は下がる。私は良いことだと思うが、2%の上昇が良いというバカがいる。国民が国民による国民のための政府をつくり、国民のための政治をすべきだと考える。

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2016年2月 9日 (火)

台湾南部地震に宮城地方が募金活動

12月17日のこのブログで書いたのですが、南三陸町の公立病院が中華民国紅十字会総会(台湾赤十字)から寄附金(義援金)22億円の支援を受けて2015年12月14日に再建・開業を成し遂げました。

今度は、台湾南部地震の被災に対して宮城地方の人たち他が、台湾南部地震に対して募金活動を始めたというニュースがありました。

河北新報 2月8日 <台湾地震>今こそ恩返し 被災地朝市で募金

河北新報 2月9日 <台湾地震>南三陸町が100万円

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2016年2月 8日 (月)

無責任体制はまずいです

12月22日のブログ国民をあざ笑う東京オリンピックの費用にrumichan さんから、コメント欄で東京新聞の次の記事の紹介を受けました。

東京新聞 2月6日 五輪総費用 公表なし 不足分は税金追加投入

一つのことをするのに、いくら経費がかかるか分からない。東京オリンピック組織委員会(正式名称は、公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会)とは、定款がここにありますが、東京都1億5千万円と日本オリンピック委員会1億5千万円で設立された財団法人であり、2020年オリンピックの事業を実施する。

3兆円ぐらい費用がかかるとして、東京新聞の記事には、スポンサー収入や放映権料、チケット販売などで、4500億円とある。2兆5千億円のうちには、道路整備のような後年度にも利用され、適切に後年度に費用配分されるべき支出もある。それでも、合理的な会計計算をして国民に報告して寄付を得るなり、税金からの負担をお願いすべきである。組織委員会には、評議会と理事会という二つの意志決定組織があり、評議員には首都大学東京理事長川淵氏他、理事には御手洗冨士夫氏他の名前が見受けられるが、赤字の場合は、全私財を寄付してでも責任を取る覚悟で就任されているとは思わないのである。しかし、それは逆に言えば、完全な無責任体制になっているように思える。少なくとも、2020年オリンピック・パラリンピックの収支見通しと税負担見通しについては、毎年公表するのが、当然と思うのである。

2015年4月から2016年3月までの事業収益144億円という予算書は公表されている。しかし、肝心の2016年を含む全体の予算計画はない。さらに細かい点まで触れると144億円のうち66億円は支払手数料となっている。どこの誰に支払ったのか不明である。こんなことを許して良いのかな?もう、オリンピックなんか、応援してやらないぞとの気持ちにさせる。

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2016年2月 7日 (日)

シャープの経営不振の元凶は太陽光パネル

シャープと買収交渉を行っている鴻海の郭台銘董事長が『太陽電池事業の業績がシャープ全体の足を引っ張っているので、切り離す。他の事業はブランドと共に継続させる。』と述べたことが報道されている。

日経 2月6日 鴻海董事長「太陽電池事業は分離」 シャープ買収で

その通りと思います。太陽光パネルにシャープの未来はないと思います。中国企業が世界トップに君臨しており、シャープに競争力はないはず。仮に効率20%が22%に上がっても、価格が10%以上増加するなら、ビジネスにはならない。価格がビジネスを左右することは、実際にビジネスをしている人は、実感されていると思う。

シャープの液晶は、液晶自体が未だ進化を遂げる可能性があるし、液晶適用分野が広がると思う。即ち、技術力が競争力を生むと期待できる。

もう一つの買収交渉相手である産業革新機構は、駄目でしょうね。ジャパンディスプレイなんかと統合したら泥船沈没だろうと思う。日本政府出資額2860億円、民間企業26社出資140億円の会社。しかし、民間企業分から政府全額出資の政策投資銀行15億円の出資を政府分に置き換えれば、日本政府出資額2875億円となり、95.83%が政府出資である。政府は、ビジネスをしてはならないのが基本である。

答えが出ているようで、このあたりで引き下がった良さそうです。

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2016年2月 1日 (月)

壱番屋廃棄ビーフカツ流通問題

壱番屋が廃棄したビーフカツがスーパーで販売されていた問題は、結局は消費者がバカにされている問題なのだと思った。「お客様は、神様です。」というのは、私のいやな標語である。その裏には、同時に「客をだませば、巨利が手に入る。だますことこそ、商売である。」との標語が隠されているように思うからである。(神様ではない人を神様とは神を冒涜するとも思えますが。)

壱番屋廃棄ビーフカツ流通問題(壱番屋による発表はここ)では、廃棄物処理業者が廃棄をせずに食品として販売した。しかし、壱番屋は食品として流通可能な状態で廃棄物処理業者に引き渡したのである。例えば、製造業である場合、物品を製造して出荷前に検査をする。検査合格を持って、刻印を押して、初めて流通させる。壱番屋の場合は、流通させる前に、欠陥品として認定したのであるから、合格印を押した商品(問題のビーフカツは包装され賞味期限まで刻印されていた。)は流通させてはならなかったのである。即ち、自社で包装を解体し、ゴミ袋に入れるなり、更に確実性を確保するために、粉砕して廃棄物処理業者に引き渡すべきであったはず。

壱番屋が消費者のことを考えている会社であったなら、再流通しないように自社で手をかけて、細工をした上で、廃棄物処理業者に引き渡したはず。そう考えたとき、消費者がバカにされているのかな。まさか、壱番屋もこの一連の処理によって利益を享受できるようにはなっていないはずだよな。と。でも、壱番屋のビーフカツ以外でも、同様な報道があるようです。法律違反はしていなくても、責任はあるし、良心は痛むはず。まして、(廃棄物管理を含めた)安全管理ができていない食品なんて、消費者は嫌うと思うですが。

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