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2016年3月28日 (月)

選挙制度改革とは議員のための改革なの?

選挙制度改革とは、やはり国民のための改革ではないように思います。

日経 3月26日 アダムズ方式 20年以降導入 公明容認、与党合意へ

アダムズ方式とは都道府県の単位を前提として、各都道府県に小選挙区をいくつ割り振るかを都道府県の人口を基準として決めることとし、端数は切り上げ計算で計算しようということのようである。小選挙区制だったら選出議員の総数と選挙区の総数が同じであるから、これで公平だと考えるのでしょう。

しかし、都道府県の枠にこだわることが賢明なのか疑問がある。都道府県間の争いごとを決めるなら、そんな方法もあるかも知れないが、日本の国の立法議員を選出し、当選した議員が内閣を選出するのだから、都道府県の枠にこだわることが間違いと言いたい。次の表は2010年国勢調査と2015年国勢調査の都道府県別の人口を比較し、減少率が大きい都道府県から順に並べた表である。

Population20163

日本全体では0.7%の減少であった。37番目から39番目の3府県は減少ではあったが、平均より減少率は少なく、40番目から47番目の8都県は人口増加であった。高齢化が進んでいることから、死亡率と出生率の差による人口減少もあると考えるが、やはり一番大きな原因は人口移動と思う。1番目から36番目までの合計人口の5年間の減少は1,547,027人であった。一方、37番目から47番目までの合計人口の5年間の変動は599,722人の増加であった。

国民は、その居住地をどこにするか自由である。土地に縛られることはない。それなのに、都道府県を単位とするのは、議員の都合であるとしか考えられない。

自由に誰もが、投票できるように、日本を単純に一つの選挙区にすればよいのである。

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2016年3月22日 (火)

不良資産の相続放棄

日経に次の記事があった。

日経 3月22日 実家の相続放棄、急増 空き家問題に拍車も 

記事に「安易な相続放棄に歯止めをかけるため、対策に乗り出す自治体も出始めた。」とあるが、対策なんて可能だろうかと思う。

1番目には、相続放棄という人の権利の侵害は誰にもできないことである。相続人全員が相続放棄をすると国庫に帰属する。(民法959条)

2番目には、空き家対策特別措置法との関連で地方自治体が強制撤去でき、費用は所有者に請求かのうとなったことから、クローズアップされつつあるのだろうが、地方自治体が簡単に相続人情報を入手できるのだろうか、困難なことも多いと推測する。相続があっても、登記上の所有者を変更しないこともよくあるからである。

しかし、相続放棄の手続き開始にあたる家庭裁判所への申し立て件数が増加していることは、私は悪いことのみではないと考える。相続人が複数存在して、一部の人のみが相続放棄というケースもあると思うが、日経記事が指摘しているのは、相続人全員による相続放棄の場合である。なお、全員による相続放棄があった場合に選任される財産管理人は財産の管理義務があり、家屋を調査し、その地の地方自治体にも問い合わせると思うのだが。

また、相続放棄をしても相続財産の管理人が選任されるまでの間は、その財産の管理義務は相続人にある(民法940条)。従い、地方自治体の強制撤去費用も相続人もしくは管理人に地方自治体は請求可能なはずであろうが、被相続人の債務が大きく、財産以上である場合は、一般の相続債権者と同じ扱いとなり、財産換価後の分配になると考える。相続開始以前に強制撤去の対象となる家屋であれば、私は可能と思うのです。最も、相続以後に強制撤去の対象になったとしても、財産換価処分には撤去が前提となるので、問題はないと思う。

そうすると問題は、その人が親から相続した財産と一生かかって築いた財産を足しあわせた相続対象の資産総額よりも、その人が死亡時点で負っていた債務の方が大きかった場合に、限定されると考える。この場合については、税金負担はやむを得ないことと思う。社会の安全確保に必要な支出は税金で為さざるを得ず、支出をしない場合は、更に危険性が増すことも多いからである。

なお、マイナンバーを使って、不動産は厳密に管理すべきと考える。法人にも、法人番号があり、管理可能である。単に住宅のみならず、耕作放棄地や山林も管理する必要がある。手入れの行き届かない山林は土砂崩れや災害の原因にもなりかねない。

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2016年3月20日 (日)

高校生の政治活動

この夏の参議院選から選挙権が18歳以上となり、選挙権を行使できる高校生がでてくることから、高校生の選挙活動に関するニュースが報道されている。例えば、

読売 3月16日 愛媛県立高、「政治活動届け出」…18歳選挙権で

47NEWS 3月19日 高校生の政治活動、届け出は不要 県教委、近く通知 (秋田県教育委員会)

政治活動は、日本国憲法が定めている基本的人権の一つであり、侵してはならない。19条の「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。」や21条の「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。」は、高校生の時に教える最も重要な事項に含まれる。

子どもの権利条約(ユニセフが使っている名称であり日本政府は児童の権利に関する条約と呼んでいる。英語では、Convention on the Rights of the Childです。)は、18歳未満の者を対象としているが、次のような条文もある。

13条 児童は、表現の自由についての権利を有する。・・・・

14条 1 締約国は、思想、良心及び宗教の自由についての児童の権利を尊重する。・・

15条 1 締約国は、結社の自由及び平和的な集会の自由についての児童の権利を認める。 2 ・・・・・・ 3 宗教又は信念を表明する自由については、法律で定める制限であって公共の安全、公の秩序、公衆の健康若しくは道徳又は他の者の基本的な権利及び自由を保護するために必要なもののみを課することができる。

冒頭の読売が報道している愛媛県のケースは政治活動とあり、選挙活動よりも範囲が広いと理解するが、「保護者の許可を得て1週間前までに届け出る」なんて自由な活動を制限することになると考える。

これからの社会をつくっていく若者が高校生の時から社会や世の中のことを考え政治・選挙に関わっていくことはすばらしいことだと思う。そうすることにより自分の頭で考え、苦悩し、自分なりの正しい答えを見つけていく力を付けていく。さもないとポピュリズムにごまかされる人間ばかりになってしまう。

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2016年3月18日 (金)

スティグリッツ教授が述べたこと

3月16日のブログで「スティグリッツ教授の消費税率10%見送り提言は誤報か?」を書きました。

日経のネット映像版にスティグリッツ教授との日経西村氏によるインタビューが掲載されていました。

ここをクリック下さい。

日経のタイトルは『スティグリッツ氏「消費増税の時ではない」』となっているのですが、スティグリッツ教授が日経とのインタビューにおいて述べたことは、単にそのようなことだけではなく、消費税を炭素税と比較して、消費税は消費減少を引き起こし、炭素税は環境保全につながえるとも述べておられます。

消費税に関しては、日本経済がインフレ率2%より低く、賃金上昇がなく、しかも2016年も世界経済が相当悪いと予想される中、消費税率を上げる時期ではないと述べておられ、税政策は問題解決(日経の字幕では社会問題解決となっています。英語では、”in direction you worried about”)を目的とすべきであると述べておられる。

質問に答えて、日銀マイナス金利について、日本は慎重に実施したが、悪影響があることも認識すべきである。銀行のバランスシートに対する影響のみならず、消費を控えさせる心理的影響もある。

人の話の特定の部分のみを取り出して、その人が全体で表現したかったことを伝えないのは、良くないことと考えます。

なお、スティグリッツ教授は2001年にノーベル経済学賞を受賞されたのですが、その関係もあってか、日本語でも出版があり、関連する新書もあります。興味がある人は、読んでみて下さい。(その他、検索すれば多くあります。)

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2016年3月16日 (水)

スティグリッツ教授の消費税率10%見送り提言は誤報か?

ノーベル経済学賞の受賞者ジョセフ・スティグリッツ米コロンビア大教授は、16日午前の首相官邸での第1回国際金融経済分析会合で、来年4月の消費税率10%への引き上げを見送るよう提言したとマスコミ報道がありました。例えば、次の日経記事です。

日経 3月16日 スティグリッツ氏「消費増税すべきでない」 国際経済分析会合

本日、国連大学で『宇沢弘文教授メモリアル・シンポジウム「人間と地球のための経済 ― 経済学は救いとなるか?」』という宇沢弘文教授メモリアル・シンポジウムがあった。スティグリッツ教授は宇沢弘文教授がシカゴ大学で教えておられた時に、研究をされていた。宇沢弘文教授は2014年になくなられており、メモリアル・シンポジウムとして、松下和夫京都大学名誉教授と宇沢弘文氏御長男の宇沢達名古屋大学教授が、スティグリッツ教授を招くことで計画され実施されたシンポジウムであった。このシンポジウムに私も出席した。

本日のメモリアル・シンポジウムは、宇沢教授のあいさつ、ジョセフ・スティグリッツ教授の基調講演、松下和夫教授の講演とパネルディスカッションであったのだが、このパネルディスカッションを終える際に松下和夫教授が述べられたことが、次であった。

来年4月の消費税率10%への引き上げを見送るよう提言したとの報道がありますが、ジョセフ・スティグリッツ教授と話をすると、そのようなことは述べておられない。話をされたのは、炭素税を実施することと法人税率引き下げではなく研究開発費減税を推進することとお聞きしました。

ジョセフ・スティグリッツ教授は、成長戦略よりも持続可能社会を目指すべきとのお考えであり、本日の報道は私にとっても理解に苦しむものであります。首相官邸の本日のWeb国際金融経済分析会合を見てもジョセフ・スティグリッツ教授との意見交換としか触れられていない。冒頭の日経記事を読むと『菅義偉官房長官は16日午前の記者会見で「スティグリッツ氏から税制について、総需要を喚起するものではないとの観点から、消費税引き上げはいまのタイミングではないとの趣旨の発言があった」と説明した。』と書かれており、述べたのは官房長官であったのかも知れない。首相官邸の官房長官記者会見には、今のところ「冒頭発言なし」とのみあるだけ。

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2016年3月12日 (土)

福島事故から5年を経過しての原発問題・課題

2011年3月11日から5年、福島第一原子力発電所1号機の水素爆発があった3月12日15時36分から丁度5年を経過した。

日本の原発は九州電力川内原発1号機と2号機が稼働中。関西電力高浜原発3号機は1月30日より臨界状態となり運転中であったが3月9日の大津地裁による仮処分決定の結果3月10日に運転を停止。4号機は2月27日臨界状態後、2月29日に自動停止したが、大津地裁による仮処分決定の対象であり、停止中。

福島事故時に聞こえてきた声に、原子力神話に騙されていたというのがある。事故はないと受け止めてしまう説明を原子力関係者が多くの人にしてきたのは事実と思う。人間は神ではない。誤りや失敗を犯すし、完璧な物を作れない。従い、新規制基準で安全性が高くなったと言っても、絶対的な安全性ではないし、2011年の東日本大震災を100年に1度と当時の首相が表現していたが、何の理由にもならないバカの見本だと思った。南海トラフ地震の規模も同程度かそれ以上かも知れないと思う。それでも、あり得ることを考えて検討をし、妥当な対策をすべきである。

以下私が思うことである。

1) 原子力損害賠償法に政府を含め責任者の賠償義務を定めるべし

現行の原子力損害賠償法は第3条で「原子炉の運転等の際、当該原子炉の運転等により原子力損害を与えたときは、当該原子炉の運転等に係る原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる。」となっており、不合理な条文となっている。

運転をしている電力会社は当然賠償責任がある。しかし、それ以外の会社はどうなのか?設計ミス、手抜き工事等色々考えられる。最近の傾斜マンションについて言えば、管理にあたっている管理組合に責任があり、賠償をしろと言っているような条文である。そもそも、原発導入時(具体的には現在廃炉作業中の東海1号)に日本側が事故の場合でも全責任を負うとしないと売ってくれなかったからの立法である。政治とは、無責任体制をつくるもので、日本原子力発電に責任をおっつけておいて実質それでよいのかの検討はなおざりにされる。

2011年福島第一原発1~4号機は津波発生の11日14:46から51分後の15:37に到達した津波により非常用発電機が使えなくなり、直流電源も3号機を除いて喪失した。直流電源までなくなると照明もなく計器を懐中電灯で照らしても正確な表示となっているのかさえ分からなくなる。糸が切れたたこになるのみならず、原子炉に近い部分は放射線濃度が高く人が近寄れない。その結果、1号機は12日15:36に水素爆発。3号機は12日深夜にバッテリーが枯渇し、14日11:01に水素爆発。停止中の4号機も3号機の水素が流れ15日6:04に水素爆発。2号機は水素爆発には至らなかったが、水位低下、炉心損傷、放射性物質の放出となった。

この福島第一原発1~4号機の事故経緯がやむを得ない現象の連続であったのかどうか、判断がつかない。しかし、2月11日の夜にでも自衛隊が大量のバッテリーを原発に輸送してくれていたら、現場で計器類の監視をし、状況をある程度は把握し、関係者と対策を検討できていたかも知れないと思う。直流電源喪失の恐ろしさは、プラントの設計や運転に携わった方々には痛いほど分かる。安全性の最後の砦なのだから。

自衛隊は4号機水素爆発後のヘリによる偵察飛行をしたのみで、後は意味のない空中からの水まきをしたのみ。

政府は、実質何もしなかった。放射性物質の飛散なんて頭の中に無かったわけではないが、責任は東京電力であるとして自らは動かなかった。

せめて、この原子力損害賠償法第3条がなかったなら、政府も真剣に対応策を考えたのだろうと思う。それは、地震や津波の前を含めてである。「みんなで渡れば怖くない」の逆の現象で「あいつに全責任が行くから怖くない。」で当事者は「万一の事態のことは、能力を超えるから考えない。」になっていたと考える。これを続けてはならない。原子力損害賠償法第3条を削除すべきである。

2) 核燃料サイクルの再検討

高速増殖原型炉もんじゅを放棄しても、核燃料サイクルの問題は残る。原発全てを直ちに廃炉にしても同じく問題は残る。しかも、相当やっかいな問題である。

低レベル放射性廃棄物の処理に困っているのに、解決可能であるのかとの問題であり、日本にある核兵器の原料をどう管理していくのかとの問題である。あれは、核兵器の原料ではなく高速増殖炉の燃料であると言っても言葉のお遊びであり、本質に入らない政治家のバカ言葉になってしまう。このあたりは、全滅を転進と呼び、本質の議論を避けた旧日本軍みたいである。それじゃ、日本は滅びるよと言いたい。

核燃料サイクルの問題に関しては、日経ビジネスのこの記事での田坂広志氏へのインタビュー記事が分かりやすく書かれていると思う。福島原発事故関連ではこの東京で力の冊子がまとまっていると思った。

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2016年3月11日 (金)

北朝鮮問題

3月2日に国際連合安全保障理事会が、本年1月6日の北朝鮮により実施された核兵器実験に対する重大な懸念を表明し、2270号の決議を採択した。ニュースは次の通り。

CNN 3月3日 国連安保理、北朝鮮制裁決議を採択 厳しい内容

この決議文の和訳を本日11日の官報(特別号外11号)に外務省告示67号として掲載されていた。(この官報目次の当該部分をクリックすると読める。)

安保理決議22070号(英文)はここにある。

1) 日本への脅威は潜水艦発射ミサイル

その後3月10日には、北朝鮮軍が日本海に短距離ミサイルを発射したというニュースがあった(参考 日経記事 3月10日)。日経記事に「スカッド」と推定されるとあり、射程は最大700km程度なのかも知れない。その場合、福岡や広島といった西日本地域は北朝鮮のミサイルの射程内に入るかも知れない。もし、ミサイルの弾頭が通常爆弾ではなく核弾頭だとしたなら、重大な被害が発生する可能性がある。

安保理決議22070号の中に、英文では2ページ目の最初の文章中(官報では1ページ目の後ろから4番目のパラ)に『the submarine-launched ballistic missile ejection test in 2015』、『2015年の潜水艦発射弾道ミサイルの射出試験』とある。多分この毎日新聞の報道(写真特集2015年05月09日)のことと考える。

2015年の潜水艦発射弾道ミサイル実験は成功していないとの見方もあるようだが、北朝鮮が潜水艦を保有しているのは確かだし、そうなると水中からの発射はできなくても、浮上しての発射は可能だと思う。そうすると、日本の比較的近い海域で突然浮上して日本の都市等を攻撃可能となる。首都への核攻撃もあり得ることとなる。

北朝鮮が2月7日に発射したのは人工衛星ロケットか事実上の弾道ミサイルかは別にしろ、潜水艦発射ロケットの方が、日本が警戒しなくてはならない脅威と考える。

2) 北朝鮮の考え

安保理決議22070号は、石炭、鉄、鉄鉱石の北朝鮮よりの購入を禁じる内容(パラ29)を含み北朝鮮にとって厳しい内容のはずである。その前からの国連安保理決議で、そのようなことは北朝鮮は予想していたはずである。それにも係わらず、何故強行するのか?

その何故は、イラクだと思う。イラクは、米軍により破壊・破滅された。北朝鮮は、なんとしても米軍による破壊・破滅は阻止したい。そのための抑止力は、米本土をミサイル攻撃する可能性があると脅す威嚇だとの考えを持っているのではと思うことがある。

3) 最悪シナリオ

日本にとっての最悪シナリオとは何であろうか?北朝鮮潜水艦が日本に核ミサイルを撃ち込むことだろうか?確かに脅威ではあるが、その先の見通しもなく、無節操な策は取らないと思う。米国もイラクのように石油がない北朝鮮に無理矢理進行していくこともないと思うし、そうなると米国も恐れる中国が出てくるので、イラクより遙かにやっかいなことになるので避けるだろう。しかし、ドローン攻撃はあり得るのだろうか?

日本にとっての最悪の脅威とは、私は北朝鮮が破綻国家になってしまうことと考える。北朝鮮とは金正恩の独裁国家なのか、あやつられた人形であり黒幕組織がいるのかは知らないが、破綻国家ではなく、政府が機能しており無政府状態ではなく、人口25百万人の中規模の国であり、人民・国民も政府の下で生活をしている。北朝鮮には核兵器が存在し、潜水艦やミサイルもある。それらがコントロールが効かない状態になった時、恐ろしい状態になると思う。イスラム国のような状態になり、大量難民発生のみならず、核兵器の脅威が世界中に広まったら、恐ろしいと思う。

4) 解決に向けて

北朝鮮問題の解決はSix Party Talk:6者会合(六カ国協議と使っているマスコミもいる。)と考える。日本、北朝鮮、韓国、中国、米国、ロシアの6者会合であり、一方的に北朝鮮が譲歩をする必要はない。まずは、軍事的なリスクを下げることをしなければならない。自国の防衛力を高めることは、リスクを下げるのではなく、リスクを高くしてしまう可能性がある。

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2016年3月 9日 (水)

本日の日食は見られましたか

日本では部分日食を見ることも期待できたのですが、残念ながら北海道の一部等を除いて天候に恵まれず、見ることができた人は少なかったと思います。

私は、気象庁の気象衛星ひまわりの画像(全球、可視)を見ました。次の画像は、ひまわりの日本時間11時の画像です。中央部分が月の陰で黒くなっています。(クリックすると画像は拡大画像が出ます。)

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2016年3月 7日 (月)

水素エネルギー供給の一大生産地なんてあるの?

東日本大震災から5年目となるが、水素エネルギーってエネルギーの主役になるには、ほど遠いと思うのだが、首相は3月5日に福島県を訪問し、視察後『福島を、日本中に水素エネルギーを供給する一大生産地に、未来の水素社会を開く先駆けの地としていきたいと考えています。』なんて述べた。スピーチ文は、次の首相官邸のWebにある。

平成28年3月5日 福島県下訪問

水素は、宇宙全体では多く存在し、星間ガスや銀河間ガスの主成分(密度は低い)であるが、地球上にも水素単体としては大気中にも存在する。しかし、容積比でたったの0.00005%(0.5ppm)であり重量比だとその15分の1程度となる。多くの水素は酸素と結合した水の状態や動植物あるいは化石燃料として存在する重要な物質であり、人が生きていくための貴重な物である。

0.00005%の物質を抽出するのは大変であり、相当のエネルギーを必要とする。例えば、メタンはCH4なので元素の数では4分の3が水素であり、重量比でも25%が水素である。しかし、メタンから水素を分離するのもエネルギーを必要とするわけで、水素をエネルギー源として使用する目的なら、メタンをそのままエネルギーとして利用した方が大きなエネルギーが得られる。貯蔵にも輸送にもメタンの方が容易でコストも安いし、安全である。メタン以外に石油も考えられるが、これとて同じで水素を経由せずに直接エネルギーとして利用した方が、効率も良く、優れている。

では、CO2排出の面ではと言うと、これもメタンや石油の状態で利用した方が、CO2排出量が少ない。水素はクリーン・エネルギーと言うが、水素製造時に発生するCO2排出を無視した場合である。

この読売の記事 3月5日は、首相のスピーチを報道しており、『風力など再生可能エネルギーで水を電気分解すれば、CO2削減につながる。』としているが、当然のことであるが、電気分解で消費する電気エネルギーと製造された水素のエネルギーを比較すると、製造されたエネルギーの方が小さい。再生可能エネルギーによる電力は、そのまま利用した方が賢いのである。従い、再生可能エネぎーが相当に安く、消費できないほど発生した時に、水素でも製造して蓄えておくというような使い方になる。

なお、車のエンジンはそれほどエネルギー効率が高いわけではない。それ故に電気自動車が注目されるのであり、水素自動車も水素電池の方が車のエンジンよりは効率がよいので、総合効率・コストでは水素自動車が有利になる可能性は将来においてはある。

水素エネルギーの研究や技術開発は進めるべきと考えるが、水素エネルギー供給の一大生産地というのは、あまりにも現実を無視した虚構発想と考える。

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2016年3月 5日 (土)

スパムメール(ネットバンキング不正送金ウイルス)

ネットバンキング不正送金ウイルスを感染させるスパムメールがあるようです。

読売 2月6日 郵政偽メールはネット銀行ウイルスだった

私が説明をするよりこの読売の記事を読んでいただくのが良いと思います。

実は、全く同じメールを私も受信したのです。次の文章でした。

 拝啓 

配達員が注文番号805040827667の商品を配達するため電話で連絡を差し上げたのですが、つながりませんでした。従ってご注文の品はターミナルに返送されました。ご注文登録時に入力していただいた電話番号に誤りがあったことが分かりました。このメールに添付されている委託運送状を印刷して、最寄りの日本郵政取り扱い郵便局までお問い合わせください。

 

敬具

 

日本郵政ジャパンの宛先:

 108-7525 

東京都港区芝浦4-13-23

 MS芝浦ビル13F 

日本郵政

 

3/4/2016 03:19:16

このメールに拡張子がZIPとなっている添付ファイルが付いていました。多分、そのファイルをクリックすると、ネットバンキング不正送金ウイルスに感染するのでしょうね。私は、当然クリックしていません。

又、悪質なメールに次のようなのがありました。当然、このメールにも拡張子ZIPの添付ファイルがありました。なおかつ、このメールはウイルス対策ソフトをすり抜けていました。

 

本メールは、セキュリティ強化のため、電子署名をつけてお送りしています。
~∞~∞~∞~∞~∞~∞~∞~∞~∞~∞~∞~∞~∞~∞~∞~∞~∞~

2016
33にお振り込みを受け付けいたしましたので、ご連絡いたします
 
電子署名(デジタル署名)

 

次の読売の記事には「ネットバンキング不正送金被害30億円超なんて、振り込め詐欺なんて可愛らしいとさえ思えてきます。

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辺野古新基地建設問題和解を受けて問われる政治力

辺野古移設を巡る政府と沖縄県の訴訟合戦は和解を迎え、工事中断が決定した。

日経 3月4日 首相、辺野古和解受け入れ 工事中断し県と再協議 

沖縄県副知事の和解成立を受けての、読み上げ文は、次です。

平成28年3月4日 沖縄県副知事 安慶田光男 和解の成立を受けて

和解で合意したことは国土交通大臣、沖縄県はそれぞれの訴訟を取り下げ、沖縄防衛局長は審査請求を取り下げ、埋め立て工事を停止することです。

国と県は、円満解決に向けた協議を行うが、合意が成立しなかった場合は、工事再開となり訴訟合戦が再開されると予想される。

どのような合意が可能かと言えば、辺野古移設は実施するが、埋め立ては実施しない案が有望且つ現実的と思う。

普天間基地の主力はオスプレイとヘリコプターである。即ち、埋め立てを必要としない。普天間基地にはKC-130空中給油兼輸送機12機も駐機している。しかし、このKC-130空中給油兼輸送機12機は、岩国基地へ移転することが日米両政府で合意されているのである。

従い、米国政府と交渉すれば、埋め立てなしの辺野古移転は可能と私は考えている。それができないのは政府の交渉力の無さである。勿論、それで沖縄の人が満足できるかと言えば、そうではないであろう。しかし、前進ではある。30年とか時間の区切りを付けることができるかも不明であるが、可能な限り多くの人が良かったと思える姿に仕上げることが政治力であり、政治力が問われている案件だと思う。

なお、辺野古埋め立てせず案に関してはこの私の2013年4月 8日のブログを見ていただければと思います。

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2016年3月 4日 (金)

認知症損害賠償の最高裁判決を受けての民法改正

3月1日の最高裁判決の結果、民法714条の責任無能力者の監督義務者が必ずしも存在しないケースが多くなってしまったと思う。

その結果として、民法713条の「精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、その賠償の責任を負わない。」の条文改正を考える必要性が出てきたと考える。民法713条の状態に認知症が含まれる以上は、該当者は多いし、今後益々増加する。

即ち、認知症であっても賠償責任の義務を有することにするのである。そして、責任無能力者が加害者となった場合の監督義務者による損害賠償責任については監督義務者の責任はないことにする。もし、監督義務者に過失がある場合は、無責任能力者(認知症の人)と共に、賠償責任を負う。

成年後見制度は、認知症のように判断能力が不十分になった場合でも、法的な権利義務を正しく行使できるようにしようとする制度である。認知症になっても、法的な賠償責任義務を履行することは可能である。法的な権利義務を有していると考えるなら、その中で賠償責任義務について、ないと考えることは不都合なことが多くなると考える。

私の親が認知症であるとして、他人に損害を与えた時は、認知症の親にその損害賠償をさせる。もし、その賠償金額が巨額であり、親の財産を超えるなら、親に自己破産をさせる。

今回の最高裁判決が浮かび上がらせたもう一つの問題が保険である。賠償義務がない場合に、賠償保険が機能するか疑問が出てくる。そして、保険を付保するインセンティブがでるかの疑問である。賠償金を支払うリスクがないなら、保険を付保し保険料を支払う意味はなくなる。

それと、やはり大問題は、損害を受けても賠償を得られないリスクである。この社会的問題を解決するには、認知症の人も損害賠償責任を負うように民法改正をしないと社会の不安が消えないと考える。

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2016年3月 2日 (水)

すっきりしない解りにくい最高裁判決 JR東海共和駅構内認知症患者事故賠償事件

日経は、家族免責で初の基準なんて、言っているが、混乱の極地とも思えるのです。

日経 3月1日 家族免責で初の基準 認知症事故の最高裁判決

最高裁判決文はここにあります。

1) 要介護度1はどの程度か

私は、分からないのですが、Webで見ると、「排泄や食事はほとんど自分ひとりでできるが、身の回りの世話に何らかの介助(見守りや手助け)を必要とする」とある。これが免責の基準になって良いのだろうかと思うのです。判決文では10ページの下の方からです。(AはJR東海を止めてしまった認知症の老人(男)で、Y1はその妻で、Y2が息子です。)

第1審被告Y1は,長年Aと同居していた妻であり,第1審被告Y2,B及びCの了解を得てAの介護に当たっていたものの,本件事故当時85歳で左右下肢に麻ひ拘縮があり要介護1の認定を受けており,Aの介護もBの補助を受けて行っていたというのである。そうすると, 第1審被告Y1は,Aの第三者に対する加害行為を防止するためにAを監督するこ とが現実的に可能な状況にあったということはできず,その監督義務を引き受けていたとみるべき特段の事情があったとはいえない。したがって,第1審被告Y1は,精神障害者であるAの法定の監督義務者に準ずべき者に当たるということはできない。

認知症の人に事故を起こされ、被害を受けても、全く賠償を受けられない。自分で、高額の保険でもかけておかねばならないが、認知症の人から被害を受けたらお金がもらえる保険があるのかな?認知症の老老介護って多いと思うのです。認知症が始まったら、成人後見人制度を利用して、後見人に適切なケアを受けて、他人に極力迷惑をかけないように手配をしてもらうことは可能だし、要介護度1では、完全に可能だと思うのです。

2) 別居すれば責任無し

次の判決文(11ページ)は、私には、そう読めてしまうのです。

また,第1審被告Y2は,Aの長男であり,Aの介護に関する話合いに加わり,妻BがA宅の近隣に住んでA宅に通いながら第1審被告Y1によるAの介護を補助していたものの,第1審被告Y2自身は,横浜市に居住して東京都内で勤務していたもので,本件事故まで20年以上もAと同居しておらず,本件事故直前の期においても1箇月に3回程度週末にA宅を訪ねていたにすぎないというのである。そうすると,第1審被告Y2は,Aの第三者に対する加害行為を防止するためにAを監督することが可能な状況にあったということはできず,その監督を引き受けていたとみるべき特段の事情があったとはいえない。したがって,第1審被告Y2も,精神障害者であるAの法定の監督義務者に準ずべき者に当たるということはできない。

最も息子Y2の妻Bは横浜に住むY2と別居し、事件を起こした認知症老人の家の近くに住み、毎日通って老人Aとその妻Y1の介護をしていたのです。だからいよいよ私には分からなくなる論理構成なのです。

妻Bを監督義務者とすると妻Bに過酷なのです。しかし、それだからと言って、息子Y2を責任がないとして良いのだろうかと思うのです。家族会議の結果だとしたら、誰かの妻に介護をやらせよう。そうすれば、自分たちは責任を負わずに済むとなるなら、変な話です。

3) 認知症には近寄らざるべき

認知症には近寄らざるべきとならないでしょうか?逆走車が認知症の運転だったら、通り過ぎることを祈るだけ。万一事故に巻き込まれても、責任を追及できない可能性がある。認知症には関わるな。関わるのは、詐欺師のような悪い奴らだけ。でも、それでは、悲しい社会です。やはり、認知症の人とも仲良くやっていける社会が望ましい。電車を止めるようなことは滅多にやらないが、生きている以上は、人に迷惑をかける。損害をかければ、賠償し、お詫びをすることで社会が成り立っている。認知症の人も、そんな社会で生きていけることが望ましいと思うのだけど。

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