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2016年7月27日 (水)

相模原市の障害者施設での入所者殺傷事件

痛々しい事件です。次のような反応が大勢なのだと思います。

日経 7月27日 「許せぬ」障害者支援団体に怒り 相模原殺傷

次のような発表をし、下記の緊急要望書をマスコミ各社に提出したと報告している団体もありました。

7月26日 NPO法人地域精神保健福祉機構発表 相模原障害者施設殺傷事件の報道について緊急要望書を提出

犯行の原因が犯人の精神障害であり、その不十分な対策と決めつけることは、危険であり、十分に調査をする必要があると考えます。緊急要望書を提出した団体の発表には、精神障害者保健福祉手帳だけでも約75万人が取得しており、約396万人が精神科に入院・通院しているとある。

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2016年7月24日 (日)

マーティン・ウォルフ氏のFT社説

日経が『せめぎ合う民主主義と世界秩序』として7月24日にFinancial Timesに掲載されていたマーティン ウォルフ氏のFTの社説を載せていた。次です。

日経 7月24日 [FT]せめぎ合う民主主義と世界秩序

私なんかは、このような意見に共感を覚え、賛同します。興味ある方は英語の原文も読むことをおすすめします。英語の記事は、次のリンクにあります。(タイトルも日付も、日経訳文と少し異なっているが、これです。)

FT COM July 19, 2016 Global elites must heed the warning of populist rage

英語で読むのも、おもしろいものです。日経での第3パラグラフの「これらの政策はまがい物だ。」は、原文では”The remedies they offer are bogus.”となっている。最後の文章の締めくくりの部分は、日経では「しかし、失敗は許されない。我々の文明そのものが危険にさらされているからだ。」となっているが、英語での以下の表現の方が、私にはやさしく聞こえると同時に、勇気を与えてくれそうな気がします。

It is not going to be easy. But failure must not be accepted. Our civilisation itself is at stake.

マーティン ウォルフ氏は、5つの政策について書いているが、その通りで、これも英語がおもしろい。第5の政策を日経記事は「扇動政治家と訳しているが、原文は” the quacks”となっており、ヘイトスピーチをする人達も含んだ幅広く扇動家であると私は考える。

日本においても金融政策や公共投資政策に過度に依存しないで、人々が昨日より明日が豊かになることを目指す政策を考えて、実施すべきです。

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ポケモンGOキャラクターとのつきあい

ポケモンGOの配信が日本でも7月22日(金)から始まり、Google Play等からスマホにアプリのダウンロードが可能となり、ポケモンGOで遊べるようになりました。

そのような中で、次の報道は、ポケモンGOキャラクターとつきあう方法をうまく述べているように思いました。

NHK三重 7月22日 伊勢神宮でも「ポケモンGO」

伊勢神宮広報室広報課の次のコメントは、キャラクターも生き物であり、神様のいる神宮の中では捕まえないで欲しいとは、神宮として自然な考えと思いました。

神宮の中では生き物を捕まえることはできませんし、人の入れない場所もあります。森の中にいるポケモンは捕まえずに、できればそっとしておいてあげてほしい

伊勢神宮のWebを見ても発見できず、多くの人に伊勢神宮が、この言い方で呼びかけているかどうか、分からなかったのですが、次のニュースは、25日からポスターを掲示するということで、訪問者全員に呼びかけるようです。

産経ニュース 7月23日 「病院にいるポケモンは入院中。探さないで」 成育医療センターがポスター

この病院にいるポケモンたちは、体調が悪いので入院中です。ポケモンたちが早く元気になって退院するために、探さないでくださいね

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2016年7月21日 (木)

オプジーボ関連その4

オプジーボに関連して、何度か書いた関連です。現状の一つの方向です。

日経 7月21日 「高額な新薬」適正投与へ指針 厚労省、医療費を抑制  病院や医師に要件

オプジーボについては、指針を出し、満たさない場合は公的医療保険を適用しない方針とのことで、現状の制度で運用可能です。但し、2016年度末までに方針をまとめ、適用は早くて2017年度中とのことです。

参考ですが、オプジーボが承認されたのは、2014年9月であった。当時の適応症は、既存治療に抵抗性となった悪性黒色腫で、薬価は20mg150,200円、100mg729,848円。体重1kg当たり2mgを3週間間隔の投与であった。これが、2015年12月に肺癌に適応拡大となり、肺癌に対する用法・用量は体重1kg当たり3mgを2週間隔投与となった。60kg体重で計算すると、体重1kg当たり2mgを3週間間隔の場合は年間1530万円であり、肺癌で体重1kg当たり3mgを2週間隔の場合は年間3470万円となる。肺癌適用で薬剤費は2倍以上になった。(参考:この日経メディカルの記事

イレッサという肺癌に対する分子標的薬があり、患者遺族が製薬会社と国に損害賠償訴訟をしたことがあった。この裁判の弁護団のWebが現在でも存在し、第一審大阪地裁の判決文がここにあり、そのV-79ページに次の記載がある。

イレッサの販売が開始された平成14年7月16日以降の推定投与数は、同月末までに約820人、同年8月末までに1960人、同年9月末までに9600人、同年10月末までに1万5000人、同年11月末までに1万8100人、同年12月末までに2万900人、平成15年4月22日時点では約2万8300人であった。

イレッサもオプジーボも効果がある時は、画期的も言える結果が得られる。だからこそ、うまくつきあう方法を見いだす必要がある。なお、裁判は、この2013年4月12日の日経記事の通り、損害賠償は認められなかった。又、参考として、イレッサに関して私が過去に書いたブログには、これこれこれがあります。

肺癌にならないようにする一番の方法は禁煙です。

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2016年7月20日 (水)

共和党大統領候補指名受諾からつまずくトランプ氏

大統領候補に指名されたら早速つまずくなんて、この人漫画みたいと思わせる。

日経 7月20日 トランプ氏夫人の演説盗用疑惑が波紋 英バンドも抗議 

メラニア夫人の演説にどのような類似点があったかは、次のような部分です。

Obamatrump2016

このCNN Newsからです。一体誰が、メラニアのこんな演説原稿を書いたかですが、現時点では報道ありません。但し、このNY Timesの記事によれば、最初にメラニアの演説原稿を書いたのはMatthew ScullyとJohn McConnellで、先月に書いた時点ではこんな文章は入っていなかったとあります。

メラニアはスロベニア生まれでパリやミラノで活躍していたモデルですが、ミシェルの演説が頭にあり、自分で原稿に手を入れたのでしょうか?やはり、誰かがやったのかな?それとも偶然?

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2016年7月18日 (月)

無電柱化の推進(続き)

無電柱化 耳障りは良いが実質はについて、やまださんよりコメントを頂いたのですが、私もそのように思います。

1960年代の高度経済成長期の頃から、道路、橋梁や上下水道などのインフラが多く整備されて、今老朽化問題に直面している。

中央自動車道笹子トンネルの天井板落下事故は2012年12月に起こった。笹子トンネルを含む大月-勝沼間の供用開始は1977年12月であり、35年経過した時点での事故であった。この事故原因としては、やはり監視を含めメンテナンスの問題があったと考える。

老朽化対策と言った場合、重要なことは、監視を含むメンテナンスであり、適切な対策の計画とその実施であると考える。事故につながらないようにするための対策は重要である。

無電柱化も良いであろうが、老朽化対策も推進する必要がある。人口減、高齢化、過疎地拡大という3つの現象が生じている現在において、インフラの新設よりも老朽化対策に重点を移すことも考え、バランスがある政策が必要と考える。

そんな難しいことを八方美人の政治家がやるのは無理だろうと思う。国交省の心ある役人、地方公務員、土木技術者、その他関心のある経済学者や一般の国民がよく考えて、プランを作っていく必要があると思う。

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無電柱化 耳障りは良いが実質は

都知事選で無電柱化の推進を訴えた候補者がいたとのニュースがあった。

朝日 7月16日 災害に強い東京、構築策は 都知事選の主要3候補訴え

電線を地中化すれば、景観が良くなり、電柱が倒れるリスクがなくなり、歩道は通行が楽になる。この日経 2016年2月1日 首相、電線の地下埋設に意欲 「東京五輪までに加速」 には、市区町村長の会長が首相に、全国的な電線の地下埋設の推進に向けた協力要をしたとある。

良いことずくめのようににも思えるが、甘い物ほど危険性が大きい可能性もあり、真実をよく知る必要がある。

1) 工事費及び保守経費

ここに、総務省が実施した無電柱化推進に関する2014年8月の「無電柱化対策に関する調査」の結果報告書がある。無電柱化(電線[電力・電話・光ケーブル・ケーブルTV同軸線等]の地中化)に関してのまとまった報告書である。

この報告書の18ページの表3に東京都における電線共同溝事業費の推移があり、20ページの表4に世田谷区の第6期電線類地中化計画概算事業費がある。これらからするとkmあたりの電線共同溝事業費は297百万円と223百万円と計算される。

この国土交通省のWebからVFM(バリュー・フォー・マネー)に関する簡易な算定の資料としての第3章 個別事業算定結果の中に、電線共同溝事業の結果があり、ダウンロードできる。その105ページに1000mで450百万円とある。規模を1000mとしたので割高となっている可能性もあるし、2005年の公表であり、その後に建設費を抑える工夫ができた可能性もある。

いずれにせよ、建設費は1kmあたり2億円程度は必要であると考える。メンテナンス・フリーはあり得ず、1000mで450百万円のすぐ下に「維持管理・修繕費: 400千円/年」とあり、建設費が2億円であれば年間0.1%の200千円は必要と考える。

仮に設備寿命を50年間とし、資金コストを年4%として、1kmあたりの年間コストを算出すると9,500千円となった。

電柱の場合のコストであるが、東京電力の共架についてを読むと、年額1,200円(税別)となっている。1kmあたりの電柱の数は40-45本程度であるので、45本を採用すると54千円である。

地中線は保守費でも年間200千円で、設備償却費等を考えると9,000千円を超えるとなっては、それなりの有効な意味がないと無駄使いとも思える。

2) 東京都の計画

2014年12月の東京都無電柱化推進計画がここにある。15ページの表3-2によると地中化済み819kmであり、整備対象は2,328kmと書かれている。18ページには、今後5年間で916kmを整備するとある。

1800億円が共同溝整備事業に使われるのあろうが、23ページの図4-5によれば55%が国交付対象事業費となっている政府補助金である。冒頭部分で、市区町村長の会長が首相に訴えたと書いたが、東京都に税金で補助するなら自分たちにも補助しなければ、理屈が立たないとなる。

3) 政治の闇の世界か、明るい未来か

政治の闇の世界か、はたまた、明るい未来かと思わせてくれる。公共性が高く、電柱が緊急車両の通行を妨げることがあってはならない消防署や災害拠点病院の近く等無電柱化を推進すべき所はある。従い、優先順位を付けて、合理的に無電柱化を推進することに賛成するが、何が何でも無電柱化が優れているとは思わない。

負担は、本来受益者であるべき。仮に無電柱化により地価が上がるのであれば、受益者はその地域の土地保有者である。国民全体が費用の55%も負担するのは行き過ぎと考える。

大内宿観光協会のホームページがここにある。大内宿は家屋の軒下に電線を通すことにより無電柱化を実現している。歴史的な美しい宿場の街並みがあり、電柱は目につかない。地中化よりも費用は安くついたと思う。

ディベロパーが住宅団地・宅地・戸建て住宅群を売り出す際に、無電柱の住宅団地として売り出すことも考えられる。その分高くなっているはずだが、美しい所に住むことは誰もが望んでいる。価格に対する満足度で決まるのが合理的であると考える。

東京都やそれ以外の無電柱化計画も全て都道府県道、市町村道の話である。自分の住む家の前の道路が無電柱化するとは考えない方が良さそうである。それを望むなら、最初からそのような環境の住宅に住むことである。

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2016年7月15日 (金)

オプジーボ関連その3

日経に次のニュースがありました。関心を持って見ておかないと、変な方向に向かうと困ってしまいます。なお、社会保障審議会医療保険部会のWebはここです。

日経 7月15日 高齢者医療費 上げ議論 「後期」窓口負担や高額療養費

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オプジーボに関連して(若者も大切にすべき)

薬剤の費用のみで年間3500万円も要するオプジーボに関してこのブログで、色々書きました。

あと一つ、付け加えたいことがあるので、書きます。

それは、若年者、若者に対する配慮です。即ち、高齢者を優遇するあまり、若者を粗末にし、若者の犠牲の上に成立しているのだとすると、問題であると思います。

病気になると、医療保険で治療が受けられる。現在入院日数の短縮化に向かっている。高齢者の場合、退院しても年金が受給できる。一方、年金受給前の人は、企業の厚生制度が整っている場合は別として、退院しても現職復帰ができないことも多いと思う。職を失うことも多い。一方、体に無理をかけられないことも多く、その前に、療養期間中は無収入となってしまい、回復期も低収入となることも多いはず。医療保険・健康保険は治療費以外の支出をカバーしない。

厚生年金や国民年金は障害年金の制度があるが、障害状態と認定されないと年金受給の対象とならない。医療保険でなくても良いので、何とかならないかと思うのです。財源がなければ、○○歳以上の高齢者については、年間一千万円を超える部分の医療費は高額医療費給付の対象としないと言うような仕組みを制度とし、この制度により生み出される財源を若者を含め現役勤務者が治療により勤務が困難となった場合の休業補償を一部補填する保険制度を創設できないかと思うのです。オプジーボを含め高額医薬品を保険対象とすることに対する若者や現役勤務者に対する配慮です。

最後に、5歳刻みの年齢層別年間医療費(平成25年度)を厚生労働省の医療給付実態調査(平成25年度)から作成したので、掲げます。

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南スーダンはややこしい

日経が南スーダンに関するFinancail Timesの記事を掲載していた。非常に複雑です。

日経7月14日 [FT]失敗国家となった南スーダン(社説)

それに劣らずややこしいと思うのは、日本政府であります。

NHK 7月14日 南スーダンの日本人退避へ 自衛隊機が出発

このNHKニュースからは、邦人救出に自衛隊が派遣されたと誤解する。実は、この読売の記事を読めば、自衛隊機に乗ったのは、日本大使館員4人のみだった。(自衛隊機C130の最大搭載人員は92名。)

では他の人はと言うと、次のJICAの7月13日の発表にある。

JICA 2016年7月13日 南スーダンからの当機構関係者等の退避について

自衛隊機が行く前に、チャーター機を手配して93名が無事にケニアのナイロビに到着(日本時間13日21:25)したとあります。

まだ現在も南スーダンに日本人の方はおられると思います。国連の関係機関で勤務している日本人やPKOで働いている自衛隊員の方がおられると思います。

邦人救出に自衛隊機を派遣と言うには、言い過ぎで、誤解を招き、私なんかは、何故自衛隊機が行ったのかと思う。アホみたいに(念のためでしょうか)、12日に小牧基地からC130輸送機をジブチに飛ばした。手ぶらで帰すわけにはいかないから、大使館員4名を南スーダンのジュバからジブチに輸送したのでしょうか?

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オプジーボについて

7月13日の「NHKクローズアップ現代+」があなたはどう考えますか 新薬高騰が医療を壊す?としてオプジーボを取り上げていた。私も5月21日のブログ 医療保険(健康保険)でオプジーボのことを書いたことがある。補足したい部分があり、再度書きます。

1) NHK番組の不十分な点

NHK番組では、オプジーボの様な高額な医薬品が今後増加することが予想されると述べていた。間違ってはいないが、既に高額医薬品が保険適用薬として認可されることが増えているのである。(次の記事等を参考にして下さい。)

東洋経済ONLINE 2016年01月02日 C型肝炎の特効薬、バカ売れで浮上する問題

メディ・ウォッチ 2016年5月18日 高額医薬品、「本当に効果のある患者への使用に限定」することを検討する時期―中医協総会

毎日 2016年4月28日  高額医薬品 費用対効果検証、7薬品 「オプジーボ」など 厚労省公表

東洋経済ONLINE 2016年05月02日 超高額な「夢の新薬」は、国を滅ぼしかねない

オプジーボについて、どれだけ効果があるかについて、5月21日のブログでも引用したが2016年5月3日の産経の「1剤が国を滅ぼす」高額がん治療薬の衝撃 年齢制限求む医師に「政権がもたない」の5/7ページは、「 臨床試験では投与を受けた患者の約2割に有効とされたが、どの患者に効果があるかを事前に見極めることはできない。また、投与後の効果を早い段階で判断するのが難しい。」と述べている。

2) 國頭英夫医師

NHKクローズアップ現代+も國頭医師の発言を放送していた。國頭医師のインタビューを医学書院の次の記事が掲載しており、私は、問題を鋭く突いておられると考えるので、紹介します。

医学書院 第3165号 2016年3月7日 コストを語らずにきた代償  “絶望”的状況を迎え,われわれはどう振る舞うべきか 國頭 英夫氏(日本赤十字社医療センター化学療法科部長)に聞く

3) 日本の医療保険

日本は国民全員が何らかの医療保険(健康保険)に加入するという国民総被保険者制度を運用している。

まずは、被保険者数ですが次の通りです。データは、厚労省の第20回医療経済実態調査(保険者調査)からです。

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次に支払っている保険料と政府、都道府県、市町村が負担しているお金が各保険事業者の収入となっており、次の通りです。

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一人当たりの納付保険料には差があります。特に後期高齢者医療制度は負担が低くなっています。医療保険には13兆円以上の税金をつぎ込んで維持しているが、その半分以上は後期高齢者のためです。(後期高齢者制度には、他の保険から支援金が支払われており、実質はもっと大きくなる。)次は医療保険から保険給付として支払われる医療費です。

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納付保険料の差より更に大きいのが、保険給付の差です。後期高齢者は平均すれば7万円弱の保険料を支払って、100万円近くの医療を受け、10万円を自己負担で支払って90万円は保険から支払われる制度です。

もし、高齢者がオプジーボでの治療を始めたら、どうなるのでしょうか?現状でも13兆円以上の税金です。政府財政の破綻や国が破綻するリスクはどうなるのでしょうか?最も、政府や国は破綻しない。その前に、医療保険制度や年金制度が破綻することにより、政府や国の破綻は免れる。誰が、貧乏くじを引くのかと言えば、将来の人たち、現在の子ども達でしょうか?

医療と年金の近い将来の破綻を予想する資料として、人口予測のグラフを掲げておきます。やがて後期高齢者は20%を超える。医療費は増加するが、負担する人は減少する。やはり、混合診療解禁なのでしょうか?但し、そうするにしても十分考えないといけません。例えば、後期高齢者でも医療費年間1千万円までは、現状の制度が適用され、1千万円以上は保険対象外とか。

Populationgraph20167

4) たばこ税

オプジーボもがんの治療薬です。喫煙は、さまざまながんの原因の中で、最大の原因であり、がんの死亡のうち、男性で40%、女性で5%は喫煙が原因だと考えられている。特に肺がんは喫煙との関連が強く、肺がんの死亡のうち、男性で70%、女性で20%は喫煙が原因だと考えられていると解説しているのが、この国立がん研究センターのWebです。

オプジーボを含め、肺ガン治療薬は広く喫煙者に負担を求めるべきとして、たばこ税を増税する方法があると思います。最後にがん研究センターのWebにある喫煙リスクの表を掲げておきます。

日本における喫煙とがん死亡についての相対リスク*と人口寄与危険割合**-3コホート併合解析研究(1983年~2003年)
がん種
相対リスク 人口寄与危険割合(%) 相対リスク 人口寄与危険割合(%)
全がん 2.0 39 1.6 5
口唇・口腔・咽頭 2.7 52 2.0 7
食道 3.4 61 1.9 12
1.5 25 1.2 3
肝・肝内胆管 1.8 37 1.7 5
膵臓 1.6 26 1.8 8
喉頭 5.5 73
4.8 69 3.9 20
子宮頸部 2.3 9
腎盂を除く腎臓 1.6 30 0.6 -1
尿路(膀胱・
腎盂・尿管)
5.4 72 1.9 3
骨髄性白血病 1.5 35 1.0 0
* 相対リスク:たばこを吸わない人を1として、たばこを吸う人のがんのリスクが何倍になるかを示す指標
** 人口寄与危険割合:がんの原因のうち喫煙がどのくらいの割合を占めるかを表す指標(%)
(注)人口寄与危険割合は、相対リスクが1の場合は0となり、相対リスクが1未満の場合は負の値となります。

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2016年7月12日 (火)

リニア新幹線の開業を前倒しを首相が指示なんてあるの?

驚くような事態と思います。

日経 7月12日 リニア全線開業を前倒し 安倍首相、経済対策指示へ

リニア中央新幹線は、東海旅客鉄道株式会社(JR東海)の事業である。2016年3月末の最大株主はみずほ銀行であり、4.75%を保有している。JR東海は完全な民間会社であり、株主でもない政府が企業の事業計画を早めるというようなことをして良いのか問題ありすぎと考える。法的にはできないと考える。

そもそも、国鉄民営化とは完全に相反している。何故開業を早めねばならないのか、理由がない。工期短縮を追加費用を支払って行えば、工事費は高くなる。その結果、運賃は高くなる。そして、人手不足や工事費・人件費の高騰が他の分野で悪影響を及ばさないかの危険性もある。介護、保育の人手不足は更に増すのではないかとも思われる。

記事には全線開業を最大8年前倒しとあるので、東京・大阪間のことと了解するが、JR東海の有価証券報告書には建設に要する概算額は9兆300億円と書かれている。JR東海の鉄道収入の90%以上は東海道新幹線であり、2014年度は1兆1434億円が東海道新幹線の旅客収入であった(参考:このJR東海のWeb)。2015年度の旅客収入は1兆2947億円であり、そもそも営業収入は1兆3497億円の会社なので、ほぼ全てが東海道新幹線のような会社である。

JR東海は、東海道新幹線を含め鉄道設備を5兆957億円で購入して、1991年にスタートした。それ以上の負債を背負い込んで9兆300億円もの投資をして、果たして、この会社大丈夫なのだろうかと思うのである。現在の東海道新幹線は、リニア中央新幹線開業後も、運転本数は減少するであろうが、存続するのである。経営的には、コストとして現状に加えてリニア新幹線分が追加となるはずである。運転本数が減少しても、コストはほとんど変わらない。リニア中央新幹線を現在の倍の運賃にしたら誰も乗らない。現在の東海道新幹線の運賃だって格安ジェットの運賃より高い。でも東海道新幹線は便利だから、利用者は多い。

JR東海の将来性は暗いと思ってしまう。しかし、世の中には、もっと暗い地域がある。北海道である。2015年度におけるJR北海道の収支は営業収入768億円に対して費用が1251億円であり、483億円の営業損失であった。経営安定化基金からの支援を受けて成り立っているが、その最大の資金源は東海道新幹線である。

複雑な構造であるが、政治家が絡むと、いよいよ解決から遠ざかり、魔物が生まれてしまう。そして、その最終的な負担は将来の国民となる。

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2016年7月11日 (月)

2016年参議院選で与党得票率は過半数に達っせず

7月10日の第24回参議院選の各党の比例区での得票率を分析した見ると次の通りであった。

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自民と公明の比例区の得票率は35.91%と13.52%であり、合計で49.43%であった。選挙区を含めた実際の獲得議席数では自民と公明は56と14であり合計70である。今回の選出議員総数は121であるので、議席の割合では57.85%となる。

マスコミは、改憲勢力3分の2と称している。これもマスコミが言っている自民、公明、おおさか維新の会、日本のこころの4党の参議院選の比例区での合計得票率は59.94%であった。

憲法改正には、衆参双方の議院で3分の2以上の賛成が必要であり、この3分の2とは出席議員ではななく総議員である。一部のマスコミが言うような、憲法改正の体制が整ったとの状態からは、遠いと私は思っている。

当選した議員に対しては、国民の意見を尊重した活動をして欲しいと望む。かつて民主党は政権に就いたら、国民の意見や意志を無視し、公務員の意見を聞くこともしなかった。あのような政府や議会を私は望まない。

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2016年7月 8日 (金)

生活の中の環境保護

次の日経ビジネスOnlineを読んで思ってしまいました。

7月8日 パンダが古着食べる上海、ゴミ預金のジャカルタ

アジアだって、こんなことが始まってんだです。もしかしたら、日本より進んでいるのではと思ったのです。

日本は、マイバッグ運動で、それも良いのですが、スーパーもコンビニもレジの近くに、高いのから安いの、素材や大きさも色々で、買った物を、持ち帰りように詰め込んで、何度も使えるバッグを販売用に置いておく、マイバッグを持ってきたお客さんはマイバッグに入れればよいのですが、そうでない場合は、レジ袋を利用するか、レジの直前に、バッグを買って、それに入れる。

割り箸が、森林破壊になるとして悪いように言われていることもある。しかし、間伐材が割り箸になるのであれば、森林保護になると思う。間伐材が割り箸材として使えるのか調査していないが、使えるのであれば、環境マークでも付けて森林保護をすべきだと考える。

一方、同じように思うのが、レジ袋である。山や海、川などに落ちたり捨てられたりすると、見苦しいし、環境にも悪影響を与える。しかし、うまく管理すれば、エネルギー資源にもなるわけで、再生可能エネルギー源となる。市町村によって、現在扱いは様々であるが、焼却炉で再生可能エネルギーとしてのゴミ発電を進めればよいと考える。良い焼却炉であれば、ダイオキシンは発生しないと言えるようなレベルにできる。

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2016年7月 6日 (水)

日本の国際協力の方向

バングラデシュのダッカ市ガルシャン地区の飲食店Holey Artisan Bakery襲撃事件は、日本人7人を含む計20人の人質が殺害された。痛ましい事件である。

日本人7人は、JICAの仕事でダッカ都市交通システムの調査をしていたようである。日本のバングラデシュ援助の中で、すぐに頭に浮かぶのが1998年に完成したジャムナ橋(参考このJICAのWeb)である。全長4.8kmあり、車で渡ってもそれなりの時間を要する。片側2車線の道路の横に鉄道が併設されており、バングラデシュで産出する国産エネルギー源である天然ガスのパイプラインも通り、更には高圧送電ケーブルも通っている。このジャムナ川の水源はインドであり、ガンジス川は少し上流で、ジャムナ川に流れ込むの一つの支流である。

アジアの最貧国と呼ばれていたバングラデシュも繊維産業(縫製産業)の発展により最近の経済成長は著しい。下のグラフはバングラデシュの一人当たりGDPをインド及びパキスタンと比べたグラフである。

Bangladesh2016a

バングラデシュには、私も何度か行ったことがあるが、危険と感じたことはなかった。インドネシアでは自爆テロがあったが、このような小銃を持った集団が飲食店を襲うなんてアジアではあまり聞かない。それだけにショックであり、今後このような事件がないことを望む。

政府は国際テロ情報収集ユニットを派遣し情報収集を始めた(参考この日刊スポーツのニュース)。今回のガルシャン地区事件は武装集団が同国上流階級の若者が中心であったようである。何故という疑問が出てくる。ISにそんなに簡単に洗脳されてしまうのがと思うのである。

今後の日本の援助(政府援助のみ成らずNGO、NPOの援助も含めて)が、武力によるテロ対策ではない平和な社会制度を構築する援助にも、より多く向いて欲しいと思う。勿論、交通インフラと比べた場合、容易ではない。しかし、少しでも効果を上げることができたなら、すばらしいと思う。NHK大河ドラマ真田丸では秀吉が前回朝鮮半島に兵を進めた。朝鮮出兵は、今の価値観からすれば、どうかと思う。しかし、秀吉がしたことで刀狩りは評価できると思う。徳川の平和も、今の日本の治安の良さも、秀吉の刀狩りがあったことが影響しているように思う。そんな日本だからこそ、武力を使わない平和な社会の構築に向けた国際協力が、できるかも知れないと思う。できずに失敗するかも知れない。しかし、それでも外国の一部の人たちが評価してくれるなら、防衛のための軍隊より安くつき、しかも効果があるような気がする。

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2016年7月 2日 (土)

GPIF2015年度5兆円超の運用損失

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の資金運用結果は5兆円を超える損失であったとのニュースがある。

朝日 7月1日 年金の運用損、昨年度5兆円超 GPIF公表は参院選後

これに対して、萩生田官房副長官は「精査中で(金額が)確定していない」と答えたようである。

日経 7月1日 萩生田官房副長官、GPIF5兆円損失報道「金額、確定していない」 

何がけしからんかと言えば、3月末の決算報告を7月29日に行うという管理体制である。3月末決算の会社は4月末頃に決算短信を発表し、監査を受けた財務諸表を6月初めに株主に送付すると共にこ公表する。問題があった今年の東芝でさえ5月12日に決算短信を発表し、6月1日に株主総会招集通知を出したのである。

GPIFの事業は投資のみであり、東芝の事業より比べることができないほど単純である。朝日の記事には『例年は7月上旬に公表しているが、今年はGPIF発足10年に合わせて保有株の銘柄なども新たに公表する予定で、その開示方法などを検討するのに時間がかかるためだと説明している。』とあるが、これに賛同するわけにはいかない。国民と年金を払っている被保険者ならびに受給者を無視している行為である。

与党による参議院選対策だと批判されても言い逃れはできない。即刻、与党勢力を破滅すべきと思う。

どう運用するか、運用によっては損失を生じることもやむを得ない。しかし、結果については直ちに報告すべきである。

GPIFの2015年度第3四半期(2015年12月末)に関する発表によれば2015年12月末の残高は139兆8249億円であった。2015年3月末が137兆4769億円であったので、5兆円を超える損失の結果は残高が132兆円余りになると推定される。無責任な政治家は一時的なものであり、長期的には問題がないと説明するであろう。しかし、それを判断するのは、年金受給者と国民である。93.6%が厚生年金分である。そして残念ながら将来に損失を取り戻せるどころか、損失が逆に拡大する可能性もある。

運用結果の全てを年金受給額にスライドするのは問題があるが、資金運用結果を受給額に一部スライドする制度にして、年金受給者にも応分の負担を求める仕組みも考えられる。そうすれば、決算から4月も要する決算報告なんて誰も満足しないと思う。運用損失を受給者に負担させないなら税金で当該損失を穴埋めするか、さもなくば保険料増額と受給額減額により将来の年金受給者が負担することとなる。どうするのが最適であるのか、それは複数の手法の組み合わせかも知れない。しかし、どのような仕組みを取り入れるにせよ、決算結果の速やかな開示は是が非でも必要である。

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2016年7月 1日 (金)

7月10日参議院選投票をどうするか

7月1日のDianmond onlineにみわよしこ氏が

「貧困対策」主要政党のスタンスを参院選前に確認する

を書いておられた。この中で生活保護問題対策全国会議という団体が10政党に対して行った生活保護政策に関するアンケートに関して触れている。そのアンケートの質問事項と各党の回答がこのWebにある。

ネット時代の市民活動、国民活動として候補者や政党に対してアンケートを実施して、各党の回答を公表する。アンケートをすることにより、公約、マニフェスト、演説、テレビ、公報等では分かりにくい面が浮かび上がってくるような気がする。どのような結果かは、このWebを見てそれぞれの方が判断すればよいと思う。回答を拒否した政党があるが、それはそれで、なるほどと思ったりする。

私は、生活保護は単純なものとは思わない。政府政策の中でも最重要事項の一つである。社会を維持するために必要な制度である。政党間で対立することなく、国民に情報を開示して、何が問題で、何を改善・改革していくべきかの研究を行うべきであると考える。予算をけちってはいけない分野である。公務員を増員するという提案があっても良いと考える。人手不足のため、やるべきことがやれていない状態になっていることは恐ろしいことである。勿論、そのような状態なのか、人出があるのに怠慢によりやっていないのかを調べる必要があるのは当然であり、公正な調査となるようにするために情報開示は欠かせない。

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