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2016年8月31日 (水)

税のごまかしを試みる悪徳中小企業経営者

財産額の多い悪徳中小企業経営者は税をごまかそうとするのだなと思わせる報道でした。

 産経 8月29日 自社株の相続めぐり銀行が中小企業経営者へ提案の節税策、国税がNO! 追徴課税などを受け国提訴が相次ぐ… 

税は正しく納付して社会に貢献することが重要である。しかし、悪徳経営者になってしまうと、社会的な貢献という考えを失い、悪あがきをするのだという風に思わせる。

そもそも持ち株会社を設立して組織改編をすると税逃れをすることができるなんて、あってはならないことである。それが許されるなら、持つ者と待たざる者の格差が拡大するだけである。格差社会の解決を目指すからには、このような悪徳中小企業経営者は絶対に許してはならない。

持ち株会社にしようと子会社を設立しようと、経済活動は自由である。自由な経済活動を税の上で縛ってはならない。税は、公平であり、経済活動を阻害してはならない。一方、合理性がないにも拘わらず、持ち株会社を設立したり、組織再編をしても、不都合なことや不便なことが出てくるし、また経費増になってしまう。悪徳馬鹿中小企業経営者には、そのようなことさえ理解できないのだろう。今回の話は、相続税のごまかしであり、死亡した後に相続人が言われたままに税申告をしたら税務署から更正処分受けたという話である。当然のことである。

土地を保有する個人が、相続税の節税のために、借入金でアパートを建設するという話がある。バランスシート上は資産と負債が同額分膨らむだけで、純資産額に変動はない。しかし、相続税評価上は、負債は実金額であり、資産には評価がつきまとい、その結果、相続税の計算上の資産・負債額は圧縮されるとの期待である。しかし、負債には利払いがあり、アパートには維持費・管理費が必要である。人口減少社会において安定した賃貸料を確保できる見通しは立ちにくい。需要が見込めないアパートは不良資産となる。下手をすると、儲けたのは建設会社と銀行だけになりかねない。

悪徳中小企業経営者の話も、ずるができるのではと期待してやっているのだろうが、一方で悪行を重ねて築いた財産故に、最後まで悪を貫き通したいのだろうかと思わせる。

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2016年8月27日 (土)

わいせつ容疑で医師を逮捕とは驚き

この事件については驚きました。

日経 8月25日 手術後、女性患者にわいせつ容疑 医師を逮捕

何に対して驚いたかは、当然警察(警視庁)に対してです。

柳原病院は次の「警視庁による当院非常勤医師逮捕の不当性について抗議する」を出しており、これを読むと警察の無茶苦茶さが分かります。

警視庁による当院非常勤医師逮捕の不当性について抗議する

訴えた女性患者(30代)の供述では、全身麻酔による手術後35分以内の出来事と言う。人にもよるかも知れないが、全身麻酔による手術後のせん妄状態で、幻覚や錯覚が織り交ざった状態が続いていて当然である。

この事件の証拠は女性患者(30代)による供述のみだが、女性が信頼できる人格の人であったとしても、全身麻酔による手術後35分以内の出来事についての供述を使用できるのでしょうか。

次に犯行現場は満床在室の4人部屋で、手術後の経過観察に看護師が頻回に訪床していたと言うのです。そんな所でわいせつ行為なんて無理でしょと、普通の人なら考えるし、本当に実行したら看護師にすぐにばれてしまう。まさか、看護師も同室の患者もグルだなんてあり得ないよね。

医療は信頼がベースである。警察による逮捕は、この医師やこの病院の他の医師、看護士、職員、患者やその家族、そして他の医療関係者や患者にまで不審や不安を与えかねず、確たる証拠もなく逮捕することには、私も強く抗議をします。

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オプジーボでの死亡例

7月15日以降このブログこのブログこのブログこのブログと何度も書いたのですが、次のようなニュースもあったので、書き留めておきます。

日経 8月27日 オプジーボに想定外の問題 適正使用を警告

ほとんど効果がないと分かっていても、少しでも期待できるのなら、人に迷惑を掛けるわけではない。保険を使わず、全額自分が払うのだから、失敗しても悔いはないとオプジーボによる治療を選択したのではと思います。

日本の医療保険制度に関しては、ここにあるように制度の廃止や医療のビジネス化といった大胆な改革を提唱しておられる方もおられます。私は、日本の医療保険制度は維持すべきと考えていますが、人口の高齢化や高額医薬品を含め医療費の増大があり、持続可能な状態を構築していかないといずれ崩壊する危険性があると思っている。

薬剤費のみで年間3500万円となるオプジーボは、日本の医療制度や医療保険制度を考えていく上での参考情報であると考えます。

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2016年8月26日 (金)

GPIFまたも5兆円の損失だが

この6月間で10兆円を超える損失だが、許されるのだろうか?

日経 8月26日 GPIF運用損5兆2342億円 2期連続赤字

8月1日のブログで5兆3千億円の損失と書いたので、これと合わせると10兆5千億円を超える。なお、1-3月間のみでは4兆8千億円の損失であるが、いずれの場合も最近6月間では10兆円を超える損失となる。

GPIFの発表はここにある。それでも驚くべきは、ここにある理事長コメントではないだろうか。「短期的に市場価格が上下しても」との前置きがあるが、「年金受給に支障を与えることはありません。」とはあまりにも無責任と思う。

8月1日のブログで書いたように、年金の年間給付額は厚生年金と国民年金を合計して約45兆円です。これに国家公務員共済、地方公務員共済、私立学校共済を足し合わせると50兆円というのが日本の公的年金の姿です。GPIFは共済組合の部分には現在の所関与していないので、10兆円損失は損失は厚生年金と国民年金である。概略では、10兆円の9兆3千億余りは厚生年金の負担。7千億円弱は国民年金の負担である。

年金20%カットとなってもおかしくない金額の損失である。もしかしたら年金20%カットが正しい政策とも言える。何故なら、この損失を将来取り戻せないとしたならば、将来の年金カット、もしくは年金保険料のアップ、あるいは増税である。いずれにせよ、将来世代が負担する。良心がある大人は悲しいばかりである。日本の年金制度は既得権益を保護してきた。し過ぎである。高度成長期であれば、可能であったが、もはや既得権益の保護を続けると将来世代が貧しくなるばかりか制度が破綻する。少なくとも、既得権益で年金受給額が多くなっている受給者に対する年金額は下げないと若い世代が耐えられなくなる。

公的年金を守ろうではないか。そのための一つの方策は、現在のように厚生労働省が管理する形ではなく、公的な独立機関が民主的に運用するようにすることと考える。「年金受給に支障はない」ではなく「1)・・・・、2)・・・・・、3)・・・・・」のように公平な分析発表を願い、国民が議論するのである。現在のような政治家の傘下にある組織が、政治家の都合による視点での発表や政策決定しかなされない状態を脱する必要性を痛切に考える。

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北朝鮮潜水艦ミサイル発射の理由を想像する

北朝鮮は24日午前5時半ごろ、東部咸鏡南道新浦(シンポ)付近の日本海で潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を発射したとのニュースがあった。

日経 8月24日 北朝鮮が潜水艦ミサイル発射 500キロ飛行

日本人の感覚からすれば、SLBM発射のテストをするなんて、今受けている制裁が更に強まるだけで、近隣諸国を仲良くつきあう気がない悪い国との印象である。しかし、北朝鮮にとっては、もしかすると極めて正当な理由ある選択という可能性があるのではとの気もする。

北朝鮮は人口25百万人。GDPで一人当たり1700ドルとして450億ドル(4兆5千億円)程度の小国である。それなのに潜水艦を持ち、核兵器を持つなんて、大変な不釣り合いである。国民は、不釣り合いな軍事支出に耐えて頑張っているという姿に見える。

何故そんな不釣り合いな軍事国になっているのかと言えば、やはり米国と韓国により、いつか倒されるかも知れないという恐怖心だろうと思う。そして、全て北朝鮮の思うように行っているかと言えば、中国からも冷たくされかねないとすれば、不安になるのだろう。

北朝鮮が今一番恐れていることは、私はトランプ現象なのだろうと思う。トランプ氏が大統領となった場合、米国は世界の警察官から一歩引き、日韓は自分で国を守れ。核兵器も持てばよいとなるかも知れない。今年の選挙ではクリントン氏が大統領になったとしても、将来の可能性として、米国が軍事費削減に向かう可能性は十分ある。そうなって、日本ですぐに核兵器武装論が出てくるとは思わないが、韓国ではそのような可能性はあると思う。そうなった場合に、北朝鮮としては核兵器やSLBM発射能力がある潜水艦を持ち、交渉力を高めておきたいのだろうと想像する。

北朝鮮にとって最大限譲れる線は、朝鮮半島非核化であり、非核化を中国と米国が保証することと思うのである。北朝鮮・韓国・米国・中国の4国での交渉となった場合、交渉力が一番弱いのは、北朝鮮である。自らが核兵器を放棄することを交渉カードとする。万一の場合は、製造・保有したことがあるので、再び製造・保有できるようにもなんとかする。勿論、そんな骨抜きにならないように、朝鮮半島の非核化を実現すべきと思うが。

分裂国家となってしまった悲しさなのだなと思う。北朝鮮も韓国も同じ国である。それなのに敵として向き合っている。米ソ東西対立の時代が終わったのだから、統一国家を目指すようになっても良いのだが。何がどう間違ったのか、難しい・悲しい問題と思う。

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2016年8月25日 (木)

今後の日本の課題

Diamond Onlineに次の記事があった。

Diamond Online 8月24日 熊野英生 人口減少と経済発展の両立は不可能ではない

別の表現では、高齢化社会は怖くないということでもある。経済とは生産物であり、それは物だけではなくサービスも含まれる。豊かな社会とは、生産物を多く受け取ることができ、そのことで豊かになる社会である。

高齢化社会が問題視されるのは、高齢化による非生産人口の増大。即ち、一人当たりの生産高が同じであれば、生産人口の減少と共に、総生産高は減少する。同様に、消費側である生産物を受け取る側の人口が減少しても、その減少幅が低ければ、一人当たりの生産物受け取り量は減少し、貧しい社会となる。

農業分野では、多くの高齢者が働いているが、サラリーマン・勤労者分野では、65歳がやはり現在においては一つのハードルとなっている。やはり、これを打開していかないと、豊かな社会の実現は困難であると思う。1億総活躍社会を目指すとなるが、かけ声で実現する訳ではない。

冒頭に掲げた熊野氏の分析がおもしろかったのは、求人がどの分野に多くなり、どの分野で労働力が増加すべきかとのアプローチである。将来労働人口が総数で増加しないなら、どの分野からどの分野にシフトすべきかが重要である。熊野氏が掲げておられる主要国の職業別就業人口割合では、日本と韓国は専門的・技術書的職業の割合がヨーロッパの半分程度である。このことからすれば、技術立国日本を目指して、進めば日本は豊かになれる可能性があるように思える。高齢者は、技術立国日本を目指すために、活用すれば良いように思う。技術とは失敗の積み重ねの結果である。高齢者とは、長く生きた分だけ、多くの失敗を経験しており、それを生かせる仕組みを作り上げられるかが課題であるように思う。

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2016年8月15日 (月)

四国電力伊方原発再稼働に関する財務計算

四国電力伊方原発3号機が8月13日に臨界に達し、稼働を始めた。

日経 8月13日 伊方原発3号機が臨界 15日にも発送電開始

その経済効果を分析したいが、事故を起こしす確率を予測し、その賠償額や社会的損失を評価するなんて簡単ではないし、仮に事故はないとの前提であっても、使用済み核燃料の処分費用や高濃度放射性廃棄物の処理費用も、そもそも方法すら確立されていないのだから、とりあえずそのような難しい計算は別の機会とする。(注:以下の分析でも電気事業会計規則による核燃料再処理費用、放射性廃棄物処理費用、廃炉費用等は含んでいる。但し、その金額で可能という保証はない。)

一方、四国電力の2017年3月期の損益に対する影響はとなると、ほぼ確実なことが言えるので、2017年3月期の損益に対する影響を分析してみたい。

四国電力の伊方原発の発電コストを2008年度から2015年度までの8年間についてグラフにしたのが次である。

Ikata20168a

四国電力の個別財務諸表からのデータにより作成したのであるが、2016年度の予想についても次のように計算した。

1) 2015年度は発電していない。しかし、伊方原発の費用として72,108百万円が計上されている。

2) 2016年度は72,108百万円に発電量1kWhあたり1.475円の燃料費(核燃料減損額他)が発生するとし、9月1日から2017年3月31日までの間890MWでフル稼働するとして、伊方原発の2016年度発電コストを78,788百万円と計算した。

3) 2016年5月10日に伊方1号機は運転を終了したが、原発の場合は運転終了により直ちにコストがゼロになるとは考えられず、とりあえず2015年度と同一のコストをこの計算では想定している。

2016年9月1日から2017年3月31日までの間890MWでフル稼働した場合の発電量は4,528,320MWhである。所内動力を停止中の原子炉分も含めて4%+100,000MWhとし、送配電損失を5.48%と想定すると伊方原発から消費者に届けることができる電力は4,014,441MWhと計算される。78,788百万円に対しては、19.63円/kWhとなる。

四国電力の四半期報告書によれば、2016年4-6月の電力販売額は135,866百万円であり、その量は6,302GWhである。即ち、平均販売単価は21.56円/kWhとなり、19.63円/kWhはそれよりほんの少し低い。

しかし、忘れてはならないのは、伊方3号機が4,528,320MWh発電した場合、他の発電設備の発電量を抑えることができることである。水力発電は発電量を押さえてもコストは変わらず、火力発電を押さえた場合の燃料費の削減である。具体的には2015年度の四国電力の火力発電量(発電端)は15,142,537MWhであった。このうちの半分近くが石炭火力と想定され、重油・原油とLNGによる発電において伊方3号機による4,528,320MWhに相当する燃料費が節約できると考える。

2015年度の四国電力の石炭費・運炭費は30,868百万円、燃料油費35,874百万円、ガス費26,258百万円であり、その合計は93,000百万円である。火力発電量15,142,537MWhに対しての燃料費はkWhあたり6.14円である。但し、重油・原油とLNGによる発電については、9円-10円程度と想定される。もしkWhあたり9円の燃料節約ができれば、伊方3号機による4,528,320MWhは407億円の燃料節約をもたらす。現在原油価格が下がっており、kWhあたり6円の燃料節約であるとしても270億円の燃料費削減が可能となる。

この財務分析では、伊方3号機の9月以降の運転によるコスト増は67億円であり、一方期待できる火力発電の燃料節約は270億円-400億円となった。

原発に限らないのでしょうが、一旦設備を保有すると、稼働させないとコストばかり嵩む結果となり、経営者は稼働を目指すこととなります。原発反対なり、脱原発の運動をするなら、原発の運営を誰とすべきか、どのようなルールとすべきか、簡単に答えを得ることは難しいが、そのようなことについても検討をする必要があると考えます。

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2016年8月12日 (金)

賃貸住宅にリスクがあるのは当然と思うが

次の記事は、私の理性では理解不可能でした。

朝日 8月11日 「家賃保証」アパート経営、減額リスクの説明義務化

全てのビジネスにはリスクがある。将来の価格は誰にも分からない。もし、リスクがなく、価格は確実に上昇すると保証する人や会社がいたならば、嘘をついているか、裏がある。これがビジネスの常識である。

相続税対策を目的としてアパートを建築すると、失敗する確率の方が大きい。借金をすれば、その残高分相続税課税価額は減少する。しかし、貸借対照表を頭に浮かべれば、借金分だけの資産が増加しているのであり、プラス・マイナス・ゼロである。相続税の不動産についての評価方法で節税が計れるとの目論見であるが、そんなにうまく行くか分からない。アパートも10年以上経過すれば、賃借人はあまり入らず、家賃は下がる。修理費は嵩むなんてこともあり得る。

まして、人口減社会であり、現実に高齢化社会が進行している。バブル直後に建設された住宅街やマンションでも、新築当時に住み始めた人たちの子女は独立し、同居しておらず、高齢化が進んでいる。人の住まない空き屋も増加している。これが大都市の近郊でおこっていることである。地方では、もっと高齢化が進んでいる部分もある。

需要もないのにアパートを建てるバカには多額の税を課して、世の中の人を幸せにすべきだとも思う。最も、需要と供給の関係で家賃が決まってくるから良いとの考えがあるようにも思う。しかし、問題が発生しつつある現状では、誰も住んでいないアパートの区画には住宅としての軽減税率が適用された固定資産税ではなく通常の固定資産税を課すべきだと思う。誰も住んでいない一戸建てやマンションも同様である。住民登録がある住居のみに固定資産税の軽減措置を認めることでどうだろうか?資産を保有することは、その分社会に対する責任も増加する。

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2016年8月10日 (水)

どうしようもない民進党

室井佑月氏のこれ(室井佑月「印象操作、ではないの」〈週刊朝日〉 8月9日)を読んで、核心を突いているねと思いました。

マスコミの姿勢もそうだし、民進党もこれじゃ政党ではないと思う。こんな政党があってもよいのかも知れないが、思想や考えがばらばらの烏合の衆ではどうしようもない。2009年からの政権獲得時代も、国民を失望させたことの方が多かったように思う。

基本的な部分で不一致があるのに政党として活動することは、単なる権力欲としか思えない。国民と対話・議論をした上での政策を考えないのは、国民無視である。

室井佑月氏が思うとおりに書いておられたので、私もついつい書いてしまいました。

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これも杭問題なんでしょうか?大林組at San Fransisco

次のニュースです。

Bloomberg 8月9日 大林組株3年ぶり大幅下落、米子会社施工の米高層ビル地盤沈下

記事に大林組は「契約に従い適切に施工されていることを発注者との間で確認した」と述べているとあり、施工上の問題はないのかも知れません。

こちらのBloombergの英語記事を読むと、大林組が2007年に株式を取得する前のウェブコーが2005年にこの沈下している60階と11階のツイン・タワー・マンションを建設したとある。建設前に地盤調査をしているはずであり、原因は何なのでしょうね。

Bloombergの英語記事には日本語記事にはない恐ろしい記述がある。大林組の最大の株主は6.3%を保有するGPIFである。GPIFについてはこのブログを参照下さい。

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公正取引委員会もi-Phoneをターゲットに

直前のエントリー2年弱勤務して300億円を超える報酬を得たの続きのようなニュースかと思いました。

日経 8月10日 標的はアップル 公取委・経産省が異例のタッグ

i-Phoneは、ソフトバンク以外にNTTドコモとKDDI-auも扱っている。i-Phoneのキャリア別シェアをネットで探してみた。少し古い2014年2月調査であるが、このページによれば、ソフトバンク17%、NTTドコモ8%、KDDI-au14%であり、合計するとi-Phoneのシェアは39%である。

さて、i-Phone 6S 16GBを新規に契約するとして、ソフトバンク、NTTドコモ、KDDI-auの月額料金をネットで調べてみた。そうすると、ソフトバンク8,883円/月、NTTドコモ8,010円/月、KDDI-au7,560円/月となった。完全に同条件になっているか、間違いがあるかも知れないが、契約する会社によって同じ機種・同じサービスでも料金が異なるようだ。

購入や機種変更をする場合は、是非、比較して検討した上で購入することを求めることをおすすめします。なお、私のおすすめは、やはり格安スマホです。50,000円の機種を購入しても36月使用するなら、月額1,388円であり通信料金が月に2,500円かかったとしても月額3,888円です。電話はLINEやIP電話とするなら月額3,500円以下となる可能性もあります。

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2016年8月 9日 (火)

2年弱勤務して300億円を超える報酬を得た

すごいと思います。次のニュースです。

Diamond Online 7月29日 ソフトバンク、アローラ氏に退職金68億円 報酬総額2年弱で310億円超

この朝日新聞の記事なんか、アローラ氏にソフトバンクが支払った額は、計400億円を超えると書いている。

私の感覚では、天文学的金額であり、常軌を逸しているとしか思えない。そこは、アローラ氏の問題ではなく、そんな天文学的報酬を支払う契約をしたソフトバンクのガバナンスのなさだと思うのだが、19.26%株主である孫正義氏以外の株主は、どう思っておられるのだろうか?そんな金があるなら、配当をしろとは考えないのだろうか?ちなみに、発行済み株数12億株で割ると300億円は1株あたり25円となる。(ちなみにソフトバンクグループの2015年度配当は1株あたり41円であった。)

観点を少し変えると、上のDiamond Onlineの記事は2016年4─6月期連結決算について「米携帯電話子会社スプリントの減益を、堅調な国内通信事業がカバーした。 とある。こんな巨額の報酬を支払ったら、日本のユーザーは反感を持ち、逃げないだろうかと思う。

事実、ソフトバンクのi-Phoneは高いと言う声しか私は聞いたことがない。そして今やAdroidとi-Phoneのi-OSとの間で性能や使いやすさに差はないと言う人もいる。ちなみに私は格安スマホを使用しているが、月間利用料金は2,000円以下の時がほとんどである。性能的には全く困っていない。つながらなかったことは一度もない。格安スマホで高性能機を選べば、全く問題ないし、自分が使用する環境・条件に適したスマホを選べばよい。

ソフトバンクが、今後どのようになるのか、分かりませんが、ユーザーに反感を持たれたならば、悪影響は避けられないと思う。

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2016年8月 8日 (月)

日本の国際化

2016年1月~6月の国際収支状況は経常収支が10兆6256億円の黒字であった。前年同期の2015年1月~6月と比較して2兆5,317億円の黒字幅拡大である。

日経 8月8日 経常黒字、9年ぶり高水準 上期10.6兆円 

財務省による発表はここにあります。

一つの大きな原因は原油とLNGの金額ベースでの輸入減少であり、2015年1月~6月比較で1兆6,009億円[▲38.2%]と1兆4,454億円[▲46.4%]の減少であった。燃料関連で約3兆円輸入額が減少し、貿易収支全体では3754億円の輸入超から2兆3,540億円の輸出超となった。差は2兆7,294億円であり、この原因の大部分は原油とLNGの輸入金額の減少であった。なお、数量ベースでは、前年同期比原油3.2%増、LNG5.3%減である。

2016年1月~6月の国際経常収支の黒字10兆6256億円のうち貿易収支は2兆3,540億円であり、黒字の大部分は貿易収支ではなく、第一次所得収支9兆6,129億円である。第一次所得収支とは子会社やJVからの受取・支払の利子・配当金等や証券・債券投資等に係わる受取・支払の利子・配当金等です。貿易収支は2011年から赤字ですが、第一次所得収支は2004年から年間10兆円を超える黒字が続いている。日本の国際化と言うべきかグローバリゼーションと言うべきか、日本及び世界の国際化と相互依存は進んでいると私は考える。そして、そのような中での日本と世界の成長戦略を考えるべきである。

医療ツーリズムなんて、しっくりとこないことを言っていた政治家がいたと思う。医療ツーリズムの前に、日本の医療の国際化が必要であると思う。そんな思いで、読んだのが次のSYNODOSの記事である。

SYNODOS 2016.08.04 医療通訳はだれのため?――在日外国人の健康格差、現実に即した医療体制とは

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2016年8月 7日 (日)

原爆・終戦の1945年8月を考える

NHKスペシャルは、広島原爆の8月6日に「決断なき原爆投下~米大統領 71年目の真実~」を放映していた。(この番組

その内容は、明確な決断がなかった可能性があるとのことであった。私は、調べていないので何も言えないが、逆に明確な意志が存在したとも思える点もある。

それは、NHKが百合子さんの絵本-陸軍武官・小野寺夫婦の戦争-という終戦スペシャルドラマを7月30日に放映していた(再放送8月25日)。このドラマの内容は、夫が掴んだソ連参戦の情報を妻が暗号化して日本に送ったが、その情報はいかされなかったことを一つの主題としている。

ソ連参戦の情報とは、この国会図書館のWebにもあるヤルタ協定である。念のため、ソ連参戦の部分を抜き出すと次である。

三大国即チ「ソヴィエト」連邦、「アメリカ」合衆国及英国ノ指揮者ハ「ドイツ」国カ降伏シ且「ヨーロツパ」ニ於ケル戦争カ終結シタル後二月又ハ三月ヲ経テ「ソヴィエト」連邦カ左ノ条件ニ依リ連合国ニ与シテ日本ニ対スル戦争ニ参加スヘキコトヲ協定セリ

ドイツ降伏の日は1945年5月8日である。その日から「三月ヲ経テ」は8月8日であり、8月9日にソ連軍の当時の満州侵攻が始まった。ヤルタ協定の通りであり、「百合子さんの絵本」の通り、小野寺武官が入手し、本国へ送った情報は有効に使われなかったのである。

ヤルタ協定の当事者の一国はアメリカである。アメリカは8月8日・9日のソ連の日本に対する戦争・戦闘開始は公式情報であり、それを念頭に対日戦争を戦っていた。原爆投下もヤルタ協定によりソ連が日本本土に侵攻していった場合を恐れてのことではないかと思う。

アメリカはB29による空爆はできていたが、本土上陸には未だ時間がかかっただろうと思われることと同時に日本軍の抵抗により沖縄同様鎮圧には相当の期間が予想された。そのような状態では、ソ連に北海道はおろか東北、あるいは朝鮮半島から侵攻してきたソ連軍に九州や中国地方の西部さえ押さえられソ連軍の支配下におかれることになったかも知れない。このあたりは、どうなったか分からないが、ソ連を日本に行かせたくなかった。何故なら、ソ連軍の軍艦が太平洋に自由に出てくることを嫌ったからである。ソ連の太平洋側には、ウラジオストック以外に不凍港として使える軍港がない。サハリンはソ連への返還とヤルタ協定で決めているので、宗谷海峡の南側の北海道までソ連の支配下となったり、日本のある程度の範囲がソ連の支配下となることは、アメリカにとっては避けたい事態である。

歴史とは恐ろしいものと思う。日本がドイツ他のように分裂国家となっていた可能性もゼロではなかったはずである。

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2016年8月 3日 (水)

迷惑スパム・メールの多さ

1日に何本も入ってくる迷惑スパム・メール。

悪質なのがありました。

お疲れさまです。

ご確認下さい。

昨日の、メールはもしかしたら添付されていなかったかもしれませんので再送します

という文章で、このメールにはZIPファイルが添付されていました。

当然、そんな添付ファイルは開きませんでしたが、差出人のアドレスが誰か知っている人と勘違いするような表示になっていたら、間違って開いてしまうかも知れません。

みなさまにおきましても、くれぐれもご用心下さい。ZIPファイルを受け取ったら、その相手に送ってきたのか、また何故ZIPファイルにしたのかを問い合わせてからZIPファイルの解凍をした方が良いと思います。

クラウドのような時代になってきて、わざわざZIPファイルとして圧縮して添付ファイルの形で送付する必要性は、まずはなくなっているというのが私の認識です。

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2016年8月 1日 (月)

群馬大病院医療事故調査報告書

群馬大医学部附属病院の医療事故調査委員会が最終報告書を提出しました。

日経 7月30日 遺族参加で医療安全改革を 群馬大病院問題で調査委

報告書は群馬大学のこのWebからダウンロード可能です。

私は、この報告書は多面的に検証がされており優れていると思った。純医学的な見地からのみならず、幅広い視点での検証がなされている。

問題となっている男性医師(退職)の話として「息者が紹介元の内科等で他の選択肢についての説明を受けたうえで、手術のために来院したと、認識していた。また、男性医師は、「手術をしないという選択肢を示すことは、患者が『見捨てられた』と感じて落胆したり、・・・」との部分は、患者の方に、そのような対応があっても不思議ではないと思う。

報告書は毎日24時頃に帰宅していた超多忙な男性医師が一人で対応し、組織化されたチーム医療になっていなかったことを指摘している。群馬大での手術数は1993年から2012年の間に2倍となっている。このような不十分な医療体制が問題である。

このあたりは、患者から見ると、どうなのだろうか?群馬県における唯一の大学医学部附属病院として70年の歴史を誇り、医学部生の教育、臨床のみならず、研究活動、高度医療、先進医療にも積極的に取り組み、北関東で最高峰のレベルの医療施設として位置付けられてきた病院である。群大病院の患者の9割近くは他の医療機関からの紹介による。

男性医師個人の問題として捉えると解決策を誤ると思う。そして、群馬大附属病院のみの問題とすることも適切ではない。多くの病院で同種・同様の問題があり得る。更には、群馬大附属病院が最後の砦であるとして最先端・最高峰レベルの医療の提供を受けることができるという医療体制が成立していたとするなら、日本の医療体制のあり方までの検討が必要であると思う。誰も適切な医療を受けることができる体制を構築・維持することの努力は必要である。

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GPIF5兆3千億円の損失で年金支給額を下げるべきか

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の資金運用損失が5兆3千億円であるとのニュースがあった。

日経 7月29日 公的年金、15年度運用損5.3兆円 赤字幅、過去3番目の大きさ

1) 資金の運用主

5兆3千億円とは大変な金額である。一体誰の金かと気になるのであるが、厚生年金と国民年金である。

GPIF27年度業務概況書118ページに次の記述がある。

この−5 兆3,502 億円を、各勘定に以下のとおり按分しました。
 厚生年金勘定に–5兆85億円 国民年金勘定に–3,417億円

合計が5兆3502億円の損失となる理由は資金運用損5兆3,097億円に運用手数料等405 億円が加わっているからです。

2) 厚生年金と国民年金へのインパクト

次の表が2014年度の厚生年金と国民年金の主要項目をピックアップした収支である。

Pension20167a

5 兆3,502 億円の損失とは、厚生年金と国民年金へのインパクトは10%以上になることが分かる。GPIFの運用収益から納付されるべき納付金を考慮すれば、15%程度と言ってもよい位である。

GPIFの資金運用損を受けて、年金給付を引き下げないでいると、将来の年金給付額が更に下がる可能性はどうなのだろうか?それと関係者の責任追及は、どうなのだろうか?5兆円とは、消費税で2%に相当する。もし、税金で5兆円の穴を埋めるとすれば、消費税を臨時に2%引き上げることとなる。

3) GPIF5兆3千億円の損失で年金支給額を下げるべきか

将来の世代に損失を先送りしないという考え方に立つなら、やはり現在の年金受給者が年金額10%カットに応じるべきです。その代わりに、国民が年金資金の運用に積極的に関与すべきと考えます。

年金とは、将来の支給額が約束されているべきであり、約束されていることで年金という制度が成立するとの考え方もある。しかし、誰が約束できるのかと言えば、誰もできないはずである。国がなんて言った処で、国なんて何もできない。制度を作っても、制度の財政が破綻すれば、倒産して約束は守れない。

GPIFに関しては7月2日のこのブログで、決算報告の遅いことを批判した。制度のあり方を含め見直すべきと考える。なお、公的年金には、厚生年金と国民年金以外に公務員共済のような共済組合がある。現時点ではGPIFは共済組合の資金運用をしておらず、私も共済組合の財政状況を調べることはできていない。

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