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2016年8月 1日 (月)

群馬大病院医療事故調査報告書

群馬大医学部附属病院の医療事故調査委員会が最終報告書を提出しました。

日経 7月30日 遺族参加で医療安全改革を 群馬大病院問題で調査委

報告書は群馬大学のこのWebからダウンロード可能です。

私は、この報告書は多面的に検証がされており優れていると思った。純医学的な見地からのみならず、幅広い視点での検証がなされている。

問題となっている男性医師(退職)の話として「息者が紹介元の内科等で他の選択肢についての説明を受けたうえで、手術のために来院したと、認識していた。また、男性医師は、「手術をしないという選択肢を示すことは、患者が『見捨てられた』と感じて落胆したり、・・・」との部分は、患者の方に、そのような対応があっても不思議ではないと思う。

報告書は毎日24時頃に帰宅していた超多忙な男性医師が一人で対応し、組織化されたチーム医療になっていなかったことを指摘している。群馬大での手術数は1993年から2012年の間に2倍となっている。このような不十分な医療体制が問題である。

このあたりは、患者から見ると、どうなのだろうか?群馬県における唯一の大学医学部附属病院として70年の歴史を誇り、医学部生の教育、臨床のみならず、研究活動、高度医療、先進医療にも積極的に取り組み、北関東で最高峰のレベルの医療施設として位置付けられてきた病院である。群大病院の患者の9割近くは他の医療機関からの紹介による。

男性医師個人の問題として捉えると解決策を誤ると思う。そして、群馬大附属病院のみの問題とすることも適切ではない。多くの病院で同種・同様の問題があり得る。更には、群馬大附属病院が最後の砦であるとして最先端・最高峰レベルの医療の提供を受けることができるという医療体制が成立していたとするなら、日本の医療体制のあり方までの検討が必要であると思う。誰も適切な医療を受けることができる体制を構築・維持することの努力は必要である。

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