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2016年8月26日 (金)

北朝鮮潜水艦ミサイル発射の理由を想像する

北朝鮮は24日午前5時半ごろ、東部咸鏡南道新浦(シンポ)付近の日本海で潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を発射したとのニュースがあった。

日経 8月24日 北朝鮮が潜水艦ミサイル発射 500キロ飛行

日本人の感覚からすれば、SLBM発射のテストをするなんて、今受けている制裁が更に強まるだけで、近隣諸国を仲良くつきあう気がない悪い国との印象である。しかし、北朝鮮にとっては、もしかすると極めて正当な理由ある選択という可能性があるのではとの気もする。

北朝鮮は人口25百万人。GDPで一人当たり1700ドルとして450億ドル(4兆5千億円)程度の小国である。それなのに潜水艦を持ち、核兵器を持つなんて、大変な不釣り合いである。国民は、不釣り合いな軍事支出に耐えて頑張っているという姿に見える。

何故そんな不釣り合いな軍事国になっているのかと言えば、やはり米国と韓国により、いつか倒されるかも知れないという恐怖心だろうと思う。そして、全て北朝鮮の思うように行っているかと言えば、中国からも冷たくされかねないとすれば、不安になるのだろう。

北朝鮮が今一番恐れていることは、私はトランプ現象なのだろうと思う。トランプ氏が大統領となった場合、米国は世界の警察官から一歩引き、日韓は自分で国を守れ。核兵器も持てばよいとなるかも知れない。今年の選挙ではクリントン氏が大統領になったとしても、将来の可能性として、米国が軍事費削減に向かう可能性は十分ある。そうなって、日本ですぐに核兵器武装論が出てくるとは思わないが、韓国ではそのような可能性はあると思う。そうなった場合に、北朝鮮としては核兵器やSLBM発射能力がある潜水艦を持ち、交渉力を高めておきたいのだろうと想像する。

北朝鮮にとって最大限譲れる線は、朝鮮半島非核化であり、非核化を中国と米国が保証することと思うのである。北朝鮮・韓国・米国・中国の4国での交渉となった場合、交渉力が一番弱いのは、北朝鮮である。自らが核兵器を放棄することを交渉カードとする。万一の場合は、製造・保有したことがあるので、再び製造・保有できるようにもなんとかする。勿論、そんな骨抜きにならないように、朝鮮半島の非核化を実現すべきと思うが。

分裂国家となってしまった悲しさなのだなと思う。北朝鮮も韓国も同じ国である。それなのに敵として向き合っている。米ソ東西対立の時代が終わったのだから、統一国家を目指すようになっても良いのだが。何がどう間違ったのか、難しい・悲しい問題と思う。

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