防災で政府がするべきこと
9月14日のブログ 避難準備情報で高齢者や障害者らが避難を始めるべきなのかに対しては、rumichan さんから多くのコメントを頂きました。
私は、政府(地方自治体を含めて)がすべきことをふくらませることが、国民や住民にとって、望ましいことなのか、全体論や一般論ではなく、個別の事項について、具体的に考えるべきと思います。税金を下げることを望むなら、やはり政府・地方政府の仕事を減らすことを考えねばならない。しかし、一方で、政府・地方政府の仕事として、どうしても残すべき仕事もある。例えば、強制力のある命令を必要とする分野は、政府以外が強制力を持つことに対して多くの人は賛成できないはずである。税金を据え置いても、人口減では政府・地方自治体の予算は減額せざるを得ない。
具体的に、防災に関して、やはり強制力の行使が必要な場合もあり、災害対策基本法により市町村役場が勧告や命令を出すことに異論はない。
しかし「避難準備情報」が一人歩きをすることは、やはりまずい。高齢者や障害者等の災害弱者に早めの避難を呼びかけるとしても、その市町村内に、危険な場所も安全な場所も存在し、一律ではない。災害弱者と言っても、多岐にわたる。従い、「避難準備情報」は参考情報に止めるべきである。グループホーム「楽ん楽ん」での死亡事故でも、同一敷地内の療養ショートステイ「ふれんどりー岩泉」の入居者は助かったのである。(この東京新聞社説は、人数は書いていないが、全員が三階に避難して無事だったとある。)同じ敷地内でも、差はある。個別に事情が異なることについて市町村役場に責任を押しつけることに問題はある。「避難準備情報」は現状のまま参考情報に止め、運用を通じて、改善点や問題点を見つけていけばよい。
必要なことは、各個人や各組織が自らのことについては、自らが気をつけて、守ることであり、政府や地方自治体あるいはその他の組織や個人からは支援であると認識することである。グループホーム「楽ん楽ん」の建設や運営を岩泉町役場は拒否できただろうか?無理である。危険な場所であっても、それなりの安全対策が構築できていれば、問題がないことが多い。
問題があれば、事故が起きれば、行政の責任だとするより、一歩踏み込んで、その理由やどうあるべきかを論理的に考え、改善策を検討すべきである。
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コメント
『グループホーム「楽ん楽ん」での死亡事故でも、同一敷地内の療養ショートステイ「ふれんどりー岩泉」の入居者は助かったのである。(この東京新聞社説は、人数は書いていないが、全員が三階に避難して無事だったとある。)同じ敷地内でも、差はある。個別に事情が異なることについて市町村役場に責任を押しつけることに問題はある。「避難準備情報」は現状のまま参考情報に止め、運用を通じて、改善点や問題点を見つけていけばよい。』
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1.濁流に呑まれた建物の三階で助けを求めていたのは、逃げ遅れたということです.
結果的に犠牲者が出なかったから良いと言う話ではありません.
2.ちなみに、建物の上階へ避難しろ.これも避難指示です.
と言うことで、あなたは自分が何を言っているのか判断できていないので、病院へ行って頭の修理をして下さい.
投稿: rumichan | 2016年9月18日 (日) 07時14分
「ふれんどりー岩泉」の全員が三階に避難したことは、逃げ遅れたのではなく、正しい選択だったのでは、ないでしょうか?
河川水位が上昇したのですが、多分この地点での水位は、最大1階が全没する程度。即ち、最大3m程度と思います。おそらく、5m以上を警戒する必要性は少なかったと思います。
いずれにせよ、避難とは、どこに避難するのか、安全と想定される避難先が確保されておらねばなない。同時に、避難手段や安全な避難経路の確保も必要です。これら全てを評価して、今後の役に立てるべきです。
なお、「ふれんどりー岩泉」の三階は、河川水が引いた後も道路は使えず、電力もなく、通信は携帯電話・スマホしか利用できなかったと思います。(携帯電話・スマホの電池が何時間持ったのかもあります。)そのようなことから、救援を必要としたのは間違いないと思います。救援活動も併せ検討すべきでしょう。なお、「ふれんどりー岩泉」の場合は、すぐ近くに野球場があったり、道の駅があったりで、それぞれどのように活用が可能であったのか、町役場とも離れており、何が有効で、効果的であるのかを含めて検討事項と考えます。
投稿: ある経営コンサルタント | 2016年9月18日 (日) 12時07分