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2016年11月22日 (火)

さすがスティグリッツ教授 大胆な発言

次の東洋経済ONLINEの記事です。

東洋経済ONLINE 11月21日 スティグリッツ氏警告「トランプは危険人物」

スティグリッツ教授については、この3月16日のブログで書いた事もあるが、経済に関しての正しい分析を構築されている人と私は考えている。

トランプ次期大統領に関しては、選挙前の過激な発言を軌道修正し、共和党主流とも融合的な行動にもなっているとの報道もある。でも、それって、何よ!と言いたくなる。選挙とは、それほど、デタラメなのか?これからも次々と前言を変えていく可能性もある。

トランプ大統領となって、米国では富裕層は富を増加し、多くの人はより貧しくなる。失業は増加するが貧困層や中間層を助ける有効な政策はほとんど実施されないと思う。

世界の他の国々は、どうなるだろうか。あまり影響を受けないのは中国とインドかも知れないと思う。逆に、欧州と日本は、引きずられるのか、独自色を出して、格差拡大にならないように努力するのだろうか?おもしろい幕が上がるのかも知れない。

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2016年11月13日 (日)

280億円で販売して390億円の損失となったマンション

横浜市都筑区のマンション「パークシティLaLa横浜」のことですが、次のニュースがあった。

日経 11月11日 傾斜マンション建て替え390億円 三井不、負担配分は先送り

390億円が建て替え費用と言う事で、損失額は関連費用を含めれば、400億円以上にはなるはずで、10%程度の費用が立て替え費用以外に発生するとなると430億円程度と見込まれる。全額を三井不動産が負担するわけではなく、三井住友建設や日立ハイテクノロジーズ、旭化成建材等にも負担を求めていく。しかし、立て替えに伴う費用をマンション購入者に請求できない。記事には「住民への慰謝料や仮住まい費用を含む」と書いてある事から、管理組合と三井不動産との間では既に書面による合意もできていると了解する。

このマンションの合計705戸をいくらで販売したかであるが、このWebには「販売価格は3500万円から4000万円だったとの事」とあり1戸の平均価格を4000万円とすると合計282億円となり3500万円とすると250億円となる。従い、高くても総額280億円以下の販売収入であっただろうと推定する。

280億円で販売して390億円以上の損失となったわけで、すごいビジネスである。モノを作るということは、たやすい事ではなく、モノ作りで手を抜くと大損になる事を示している。サムスンは電池の発火・爆発で大変な事態に陥っており、電池・パソコン・スマホ以外の事業にも影響が出ていると思う。企業の力とは、表面的な数字のみならず、実質的な力を、少なくとも経営に携わる人たちはキチンと把握し、良い経営をする義務があると考えます。

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2016年11月12日 (土)

リニア新幹線 無意味な資産を残す可能性

次のようなニュースがあった。

日経 11月11日 リニア融資へ改正法成立 全線開業、最大8年前倒し

政府が、鉄道建設・運輸施設整備支援機構を通じて、JR東海に2016年度と17年度に1.5兆円ずつ計3兆円をリニア中央新幹線の建設資金として貸し付けることが国会で決まった。(国交省の説明はここにある。)しかし、成立した法律の中に3兆円という文言はない。この財務省の説明のように予算の中で処理されていくのである。

3兆円の税金が使われるかも知れないのに、こんな軽い乗りで良いのだろうか?JR東海の純利益は2016年3月期3287億円、連結純利益3310億円の会社である。しかも収入の90%以上は東海道新幹線からである。11年後の2027年に品川―名古屋間が完成して誰がこんなリニア新幹線を利用するのだろうかと思う。もの珍しさに1度ぐらい乗る人はいるだろう。しかし、東京オリンピックがある2020年からは日本経済は大不況と言うより、貧困人口の増大に悩む国になっていると思う。

東京ー大阪間の建設費を9兆円として50年で償還すると年間1800億円となる。しかし、次の表のように維持運営費と設備更新費で年間4300億円を必要とする。合計6000億円であるが、この金額はJR東海の利益より大きい。もし現状の利益額を維持するなら6000億円の増収を計る必要がある。2016年度の収入は1兆7000億円なので、2兆3千億円と35%増加させねばならない。人口減社会で旅客輸送量は減少することを考える必要性を感じるのだが。

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民間上場企業であるJR東海が、リニア新幹線を自社の信用力や企業の力で自らの判断により投資を実施することで、事業実施に賛成しておられた方もおられると思う。政府融資の恐ろしさは、事業が失敗しても破綻とはならず、泥沼になってしまう恐れである。しかも今回は、国民には気がつかないうちに法律の改正(しかも補足部分での改正)が行われ、融資金額も3兆円で上限とされている訳でもなく、無限大の可能性もある。

まことおそろしにほんの政治であります。参議院の投票結果を見ると賛成は自民、民進、公明、維新、こころ、無所属で反対は共産、自由、社民、沖縄でした。国民による議論の場を奪った政治家たちでありました。

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2016年11月10日 (木)

心臓移植詐欺ですか

オレオレ詐欺とか振り込め詐欺とかありますが、心臓移植詐欺もあるようです。

ハフィントンポスト 11月10日 心臓移植受ける男児「救う会」はウソだった。 「怒り心頭」と心臓病患者

産経新聞や読売新聞などでも報道されたとあり、詐欺が判明した後の産経新聞と読売新聞の記事は次の通りです。

産経 11月9日 「心臓手術のため募金」は伯母の虚偽発表

読売 11月10日 「小1移植で募金」虚偽会見…本紙確認せず誤報

詐欺の片棒を担ぐ新聞社がいた。言い過ぎなのでしょうか?ハフィントンポストの記事に「報道を知った知人が両親に連絡をし、虚偽の発表だったことがわかった」とか「男児は健康で学校にも通っている」ともある。振り込め詐欺の電話がかかったら、その本人に直接確認をとるのが、振り込め詐欺退治の基本中の基本だと思う。

そんな基本中の基本動作をせずに新聞記者とは記事を書く。新聞とは、文屋とは、デタラメなお仕事をされているように思います。

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トランプ大統領でどうなるアメリカ

泡沫候補が大統領になることとなった。どうなるかであるが、それほど大きな変化はないだろうと思うのである。

何故なら、米国は三権分立の国である。大統領は行政で大きな権力を持つ。しかし、立法の連邦上院と下院の議員はトランプ大統領を支持する必要はない。議員としての自分の義務を果たすのが使命である。民主党議員はトランプ大統領を支持しないだろうし、共和党議員だって支持しない場合の方が多いかも知れない。大統領が法案を出してきても、承認しない可能性は大いにある。

日本の場合は、国会で総理大臣を指名するので、必然的に総理は多数派の支持を受けるので、内閣提出法案は、可決・成立する可能性が高く、総理大臣独裁国家とまではいかないが、立法機関と行政機関は密接な関係にある。だから、「国は」なんて報道があったりする。可愛そうなもので、裁判所なんか無視されている日本と思ってしまう。

トランプ大統領が行政を握っても、立法はほとんど進まない、議会からの承認はほとんど得られない可能性がある。そうなると、米国の経済も社会も停滞する可能性がある。トランプ氏に投票したと思われる米国社会に不満を持つ人たちの不満は更に拡大する可能性が高いように思う。

4年後の大統領選は、どうなるのだろうか?トランプ氏が優秀なブレーンを抱き込んで、来年から4年間の仕事をしない限りは、トランプ氏再選はないように思う。しかし、批判と攻撃ばかりしていた人だから、ブレーンはトランプ氏をどうコントロールするのか、やはりそんな人はいないのか。

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2016年11月 4日 (金)

パリ協定発効 CO2排出量1兆8千億トンをめぐる戦い

国際政治の舞台とは恐ろしいものです。ついにパリ協定が発効した。

日経 11月4日 「パリ協定」発効 温暖化対策の新枠組み

国連気候変動枠組条約のWebにおける発表は次です。

Opinion / 04. NOV, 2016 Paris Enters into Force – Celebration and Reality Check Patricia Espinosa and Salaheddine Mezouar

今回のタイトルに書いた1兆8千億トンとは10月7日のブログに書いた次のグラフによる数値で、縦軸の2℃に相当する横軸の数値は1000十億トン(即ち1兆トン)となっている。CO2換算では、3兆6千億トンであり、既に累計で1兆8千億トン排出していると推定されることから、残るは1兆8千億トンというのがその根拠である。

Temperaturevsco2cumemissionipcc

本当にそうであるかどうかどうかは、断言は難しいが、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第5次評価報告書に書いてある。当然、これに基づく(を利用した)駆け引きが始まるわけで、マラケシュの第22回締約国会議(COP22)は11月7日からである。日本は、国会で批准されておらず、出席する日本の人たちはどのような対応をするのだろうか?国会で批准されていない以上、奥歯に物が挟まった状態のことしか言えないだろうと思う。

日本に有利な事、不利な事があるのかどうか、よく分からないが、気候変動をめぐる国際的な駆け引きにおいては、日本は後塵を拝したと言えると思う。それでも、1兆8千億トンの排出量に止める革新的な技術を開拓し、世界をリードする可能性は閉ざされてはおらず、政治で負けても技術で勝つという日本スタイルを樹立できるなら、それですばらしいと思う。しかし、技術は競争の激しい場において発展するのであり、そのためには日本国内では温室効果ガスを半減するような政策を断行しないとならないように思う。

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