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2017年1月30日 (月)

デジタル社会の正しい発展のために

全ての物がインターネットに接続されるIOTなるデジタル社会や、AI(artificial intelligence:人工知能)が活躍するコンピューター技術の世界が、これから生まれようとしている。生まれつつあると言うのが正解のようである。

日経の1月30日のこの記事理想社会の落とし穴 公平とは何か 気がつけばそこに(1) は、全文を読むには会員登録か有料購読が必要ですが、恐ろしい現実に気づかされた。

天井を見上げると50センチごとにぎっしりカメラが並ぶ。単なる監視カメラではない。不正を犯しそうな人を事前に見つけるシステムだ。

技術開発や研究を規制する事は困難だし、自由な技術開発や研究こそが、人類発展の基礎になっている。規制ではなく、自由な活動とともに批判と競争があるからこそ、正しい方向に向かって発展してきた。しかし、そんな楽天的な見方で良いのだろうかとも思う。

地獄への道は、善意によって舗装されている。」との言葉も思い出す。NHK(BS2)が、フランケンシュタインの誘惑「“いのち”の優劣 ナチス 知られざる科学者」という番組を放映していた。優生学という当時の学問的裏付けの下にユダヤ人は劣等民族であり、人類の将来の幸せのためには民族絶滅が正しいというような思想さえあった。日本でも、大東亜戦争の頃には中国人他アジア人を蔑視する考えを持つ人もいたと理解する。

何が正しいのかは、非常に難しい。正しいと信じてした事の結果が多くの人を不幸に陥れる事があるかも知れない。IOTやAIを正しく利用しないと、恐ろしいことを招く可能性がある。正しい世界・社会をつくるためには、批判し、議論して何が正しいかを見極めていく事が重要と考える。

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FRIDAYデジタルに記事があった

1月19日に書いたこれですが、FRIDAYデジタルがこの記事を出していました。この記事を読むには、クレジットカードで会員登録が必要との事で、私も読んでいないのですが、内容は1月19日のブログと同じようなことだと思います。もし事実で、ロシアから脅迫を彼が受けたら、大変でしょうね。オシッコ・イベントと1月19日には書いたのですが、放尿プレイとでも呼ぶのでしょうか。

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三菱MRJは大丈夫なのか

三菱重工業が主体となって開発している70~90席クラスの小型ジェット旅客機MRJの量産初号機の引き渡し予定を、現在の2018年半ばから、2020年半ばに変更すると発表された。

三菱重工 プレスリリース 1月23日

このプレスリリースに別添としてあるこのMRJ事業の推進についてを読むと、「今後20年:機数で約2倍、年率4%の成長」とか明るい見通しが書いてあるが、大丈夫なのかと思う。それは、市場規模の事であって、MRJの販売見込みは異なるのではとの疑問を持つ。

MRJの製造事業を開始する時のプレスリリースはこれ(2008年3月28日)であった。今回は5度目の延期であり、この1月23日に日経記事は「開発費は数千億円規模に上っている」と書いている。

初飛行時のプレスリリースはこれであり、2015年11月11日であった。この時は「2017年第2四半期の量産初号機納入を目指す」と述べていたのであり、3年間も遅れる事となる。その原因について1月23日のプレスリリースは「部装備品の配置変更等と電気配線全体の最新安全性適合基準を満たす設計へ変更」と述べている。即ち、安全性が不十分であることによる改良と理解する。

旅客機は、極めて高い安全性を要求される。自分の基準ではない、世界の基準である。一方で、安全基準とは思想が入る技術基準である。世界の安全基準や安全基準を作り出すビジネスの世界にどれだけ三菱重工は精通していたのだろうか、しているのだろうかと疑問を抱く。客船の大赤字は、三菱重工が客船という船を知らなかったから生じたと理解する。同じような事が、旅客機についても言えると思うのである。旅客機ビジネスには、もっと厳しい可能性もある。競合する機体・機種よりも性能が良くて、価格が安くなければ売れないからである。200席のボーイング737で9500万ドル程度のようである。80席のMRJなら3800万ドル程度なのだろうかと思う。78席のボンバルディアCRJ700が2500万ドル程度との話もあり、MRJもこれくらいの価格でないと駄目かも知れない。

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2017年1月26日 (木)

英国最高裁の判決「EU離脱には議会承認が必要」から思う

英国最高裁の判決「EU離脱には議会承認が必要」については、制度他について、私も無知な点が多いが、幾つかの知らなかった事が浮かんでくる。

日経 1月25日 英、EU離脱通知へ関門 最高裁「議会承認が必要」 

1) 議会承認無しでEU離脱が可能とは知らなかった

EU条約を含め条約により締結国が義務を負うのは議会承認後であり、条約破棄についても議会承認が当然あると思っていた。英国のEU離脱は、EU条約50条に従い離脱に向けた手続きを始めるだけだから、議会承認は不必要というのがメイ政権の解釈だったのだろうか?

或いは国民投票の結果は、議会承認より重いとの解釈だったのだろうか?

2) 英最高裁の制度

英国も合憲・違憲の判断は最高裁であることを知りました。でも、日本より法制度はフレキシブルなように思った。日本では、政府の行為を違憲であるとして裁判を提起する場合には、その政府の行為や法律により被害を受けている場合とか、権利の侵害を受けている場合でないと裁判提起は実質不可能と考える。原告不適格としての棄却の判断があり得る。自衛隊違憲訴訟についても、原告は何らかの被害者であった。

今回の英国最高裁の判決は、EU離脱の手続きを開始せんとする時であり、政府の違憲行為について積極的に最高裁が判断をし、憲法を政府に遵守させることについて、いいなと感じたのです。

3) 英国とは

このブログの中で英国と使って、自分自身で違和感を感じているのですが、EUに加盟しているのはEngland(英国)ではなくUnited Kingdom(連合王国)です。連合王国はイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドであり、サッカーのように連合王国ではなく、個別の国でEUに加盟(あるいは非加盟)すればと思うのです。

連合王国も残るが、一方でイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドがもっと独立した国家として歩んでいくことになるような気もするのです。

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2017年1月24日 (火)

中学生が150万円とは、どう考えても異常だが

無茶苦茶発言に対する抗議は、横浜市教育委員全員の罷免要請で良いと思うのだが。

NHKニュース 1月23日 同級生に150万円 「いじめ認定難しい」発言撤回を

中学生は未だ働いていない未成年である。150万円を他人に渡せるとしたなら、親か他の保護者のお金でしかない。仮に親のお金であっても、よほどの特別な事情がなければならない。普通なら、その中学生は親のお金を黙って盗んできたと考える。その理由は、ある悪者から脅迫を受け、止むにやまれず親のお金を黙って盗んだ。

また、これが大人の世界であっても異常である。150万円のおごりなんて、あるとすれば賄賂に他ならない。

これを理解できない人が、教育委員になっていて良いのだろうか。他の教育委員もこの程度の人でなしであるのだろうかと思う。良識・倫理観・愛と言ったような要素は、この世で人として生きて行く上で重要であり、子どもや若者を育てる教育においては最重要である。教育関係者とは、ここまで落ちぶれた犯罪者の一歩手前のような人たちなのかと思わせる。

教育委員を選挙で選ぶ制度にすべきである。バカを教育委員にしたならば、将来は真っ暗闇である。

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2017年1月19日 (木)

地方自治体の運営には住民参加が必要

次の記事は、小池百合子都知事が豊洲市場の他にも取り組んでいる都立広尾病院移転問題について書いている週刊朝日の記事である。

週刊朝日 1月18日(Niftyニュース)【本誌スクープ】広尾病院移転白紙撤回の裏

記事の内容で驚いたのは、次の部分である。

 15年6月にみずほ情報総研が都の依頼で作成した調査報告では、現地での改築が強く推されていた。だが、7カ月後に別の設計事務所が都の依頼で作成したもう一つの報告書は、一転して移転を推奨。都議会で広尾病院の問題を追及する斉藤あつし都議(都議会民進党)がこう語る。

地方自治体の多くは人材不足であり専門家はあまりいない。従い、外部の専門家に依頼して計画の検討や立案を行う。しかし、民間企業とは異なり、支出は地方公務員の腹が痛まない金である。効果についても、同様でそれほど関係はない。一方で、首長は「俺は選挙で選ばれた」とのことで、自己主張が強い。これを悪用するのが、民間のシンクタンクや設計事務所他である。黒を白と、発注者の意向を汲んで書くのである。勿論、赤裸々に誰かの思惑を書くわけではない。しかし、将来予測なんて絶対的な数字はない。鉛筆をなめる事ができる分野である。鉛筆なめなめをうまくすればよいのである。このような結果が、週刊朝日が述べているみずほ情報総研の調査報告と別の設計事務所が作成したもう一つの報告書で正反対となる理由である。

地方自治体とはガバナンスが効かない組織である。従い、税金は最低限しか使わせず、住民が自ら管理する仕組みに変えていくべきと考える。

都立広尾病院移転問題についても、まず一番最初に考えるべき課題は、民間病院とすることでは駄目なのかである。広尾病院は、東京都心の港区の病院である。仮に広尾病院に、東京都として持たせなければならないファンクションがあり、その部分が民間で無理というなら、その部分についてのみ補助金を考えるという案があっても良いはずである。悪い人たちが巣くう地方自治体にしてはならず、改善が必要である。地方自治体の予算は、どしどし削減していくべきと考える。

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首相に衆議院を解散する権限があることでよいのか

衆院解散・総選挙が常時と言っていいほど話題になる。例えば、

日経 1月17日 衆院選と改憲、「18年末同日投票」はあるか 編集委員 清水真人

明文化されていないとしても、無効とまでは言えない。しかし、首相が使いマスコミがフォローする首相の専権事項とするこの解散権とは、問題が多いと思う。首相は、他の大臣を任命し、その任命した大臣と共に内閣を組織する。行政権は内閣に属することから、行政の長は首相である。

行政の長である首相が立法機関である衆議院の解散権を持つのは、アンバランスというか、不自然というか、権力がありすぎと思うからである。憲法69条は、衆議院で不信任の決議案の可決の際の衆議院解散について記述しており、衆議院が解散されるのは、衆議院の決議によるのが自然な形であると考える。

1月19日の日経BPの次の記事であるが、同じような考えと同感を覚えた。

日経BP 1月19日 改憲の論点2:歯止めなき衆院解散権の是非 内閣の解散権は「国民のため」にある 神田 憲行

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ウォータースポーツゲート疑惑

普通だったら、あり得ないような疑惑ですが、さすがトランプ氏です。

ハフィントンポスト 1月13日 トランプ氏のセックススキャンダルを裏付ける録音と動画はあるのか? BBC記者が背景を解説

こちらのページ の下の方の書類が問題の35ページのメモ(書類)です。その2ページ目の第3項目にオバマ大統領夫妻が宿泊したホテルの部屋のベッドで複数の売春婦とオシッコ・イベントをしたとあります。[”employing a number of prostitutes to perform a "golden showers" (urination ) show in front of him”]

真実かどうか、分かりませんが、トランプ次期米大統領であれば、あるかも知れないと、何故か消し去る事ができない疑惑であります。さて、どのようなことになるのやら。

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どこまでも膨らむ東芝の損失

1月12日にこのブログを書いた時は、東芝の損失額4000億円だったが、本日は、ついに”最
大”との修飾語が付いているものの7000億円の損失に拡大した。

1月19日 日経 政投銀が東芝支援検討 米原発損失、最大7000億円 

東芝は何時倒産してもおかしくない。しかし、倒産しない。倒産すると影響が大きすぎるからである。日本政策投資銀行が、どのような形で資本支援や資金援助をするのかは分からないが、日本政策投資銀行とは政府全額出資の銀行である。

倒産できないから政府出資の銀行が支援せざるを得ない。その結果、原因である東芝の無責任な奔放経営の付けが、国民に回ってしまうのだろうか?東芝を再建するには、原子力からの撤退は兎も角として、WHからは撤退すべきである。変な話であるか、可能ならトランプか米政府にタダでも良いから売りつけては、とうだろうか?

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2017年1月18日 (水)

トランプ政権はオバマケアに代わる制度を導入できるだろうか

トランプ次期米大統領は、オバマケアに代わる、「全ての国民のための保険」制度の導入を目指すとしている。参考として、次のロイター記事。

ローター 15日 オバマケア代替案、全ての国民向けの保険に=トランプ氏

言う事だけなら、何でもできる。元々の米国の医療制度、医療保険制度および妥協の末にオバマ大統領が導入した医療保険制度改革法(オバマケア)を知らないと偉そうな事は言えないのだが、次の記事は、私には米国の医療保険制度及びオバマケアについてうまく書いているように思えた。

Exciteニュース 1月17日 トランプ大統領で変わる米国の医療制度~ 「オバマケア」から「トランプケア」への移行はイバラの道

国民全体の医療と医療保険に係わる課題はあちらをつつけば、こちらに影響するとなる。複雑である。

ところで、医療と医療保険については、日本でも同じだと思う。よく言われるのが、肩車社会であり、収入に応じて医療保険・健康保険の保険料を支払う制度では、制度維持が困難になるのが目に見えているように思う。しかし、保険料が収入比例でない制度は国民が支持しないと思える。では、所得税のような所得額の累進料率が可能かと言えば、高所得者は保険に加入しない可能性が生まれる。累進課税が可能な税金の投入額比率を増加させるか、資産課税である相続税を増税することとなるのだろうか。あるいは後期高齢者医療の改訂のような医療と医療保険の制度改正も必要になると思う。簡単に結論が出るとは思えず、早めに議論を始めるべきと考える。

Kataguruma20171

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健康食品について

健康食品についての「ためになる記事」がありました。

何故ためになるかと言うと、これを読むと健康食品を積極的に摂ろうという気がおこらなくなり、お金を有効に使う事ができる。わざわざ健康食品を選ぶよりも、おいしい食事をすることに頭が行き、楽しくなると思うからです。

健康食品「4つの誤解」 副作用の有無から効き目まで 2016/12/16 日経Gooday

次の事が書いてあります。

1 健康食品の副作用
2 健康食品と医薬品の効能や機能
3 健康食品と医薬品の併用
4 健康食品は副作用被害救済制度と無関係

トクホ、機能性表示 意外に知らない健康食品の注意点 2017/1/10 日経Gooday

こちらは、次のことでした。

1 トクホの摂取目安量
2 機能性表示食品とは
3 GMPマーク

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高齢者による自動車事故の減少

マスコミのニュースに接すると高齢者による自動車事故が増加しているように思える。しかし、本当なのでしょうか?警察庁は交通事故統計を発表しており、2016年11月現在の統計から過去10年間の年齢階級別の死亡事故件数のグラフを作成すると次のようになった。

Traficaccident20171a

死亡事故において事故の過失割合が一番大きな第1当事者となった当事者の年齢階級別の10年間の死亡事故件数のグラフです。なお、原付が第1当事者となった事故も含んでいます。

第一に言える事は、事故割合はこの10年間で随分下がっていることです。一番事故件数が多いのは、20歳未満です。でも、75歳以上も事故は多く、黒線の合計が全免許保有者に対する加重平均なので75歳以上は2.46倍になる。

高齢者ドライバーの対策は何も実施していないかというと、70歳から74歳までの免許更新の場合には、高齢者講習を受講しないと免許証の更新はできないことになっています(参考)。そして、75歳以上の場合には、更に厳しい制度で、講習予備検査と高齢者講習等を受けないと免許証の更新ができません(参考)。そして、この3月12日から更に制度が強化され、臨時認知機能検査制度や臨時高齢者講習制度の新設されました(参考)

1月17日の日経BPに高齢者の運転免許返上は平均寿命を短くする!?なんて記事がありました。やはり、「免許の取り上げ」という単純な発想ではなく、どのように車社会とつきあうべきなのか、合理的な考えが必要です。

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2017年1月15日 (日)

どうするのだろうか豊洲への市場移転

あきれかえる話です。豊洲市場の安全性を確認する9回目の地下水モニタリング調査で、ベンゼンは最大で環境基準値の79倍、ヒ素は3.8倍が検出され、検出されてはならないシアンが30地点超で検出された。食品を扱う市場での話なので、あきれてしまいます。

日経 1月14日 豊洲地下水、ベンゼン最大79倍 移転遅れも 有害物質、72カ所で基準超す

10月19日の日経ニュース(これ)では、国の指針値の7倍の水銀が検出されたとのことでしたが、ベンゼンではあるが79倍と一気に跳ね上がり、検出されてはならない物質まで検出された。

強引に石原慎太郎が欲にからんで、こんな罪作りな事をしたんだと思います。そもそも石炭ガス製造工場の跡地に食品を扱う市場を建設するなんて欲ボケのバカしか考えない。そしてバカな都職員は、昇進をちらつかされて、バカの言いなりになったのでしょうね。

土地の売り主である東京ガスの責任ですが、この2016年12月1日の朝日新聞の記事には次のような記述がある。

「土地を売る気はない」。1998年9月21日の記録に東ガス担当者の発言が残されている。

2000年10月4日、石原氏の最側近、浜渦武生副知事が交渉役になって同社を訪ねた時は、東ガス側の態度に変化があった。

参考に東京ガス豊洲工場の1960年代初め頃の航空写真を掲げておきます。又、GoogleMapもその下に掲げました。まさしく石炭ガス工場の上に食品を扱う施設を建設しています。誰が考えても、これじゃ駄目じゃん。市場関係者の中には、倒産する企業も出る可能性があると思う。

Tokyogas1960s

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2017年1月12日 (木)

福島県広野町の高野病院長の死が問うもの

日経BPが次の記事を掲げていました。

日経BP 1月12日 常勤医不在の高野病院院長に36歳都内医師 被災地が浮き彫りにする地方医療の課題

1月11日の東京新聞の記事には次がありました。

東京新聞 1月11日 原発被災地の医療 病院長の死が問うもの

高野病院の高野院長の死が問いかけていることは多いと思うです。

1) 避難指示と個人の権利

福島県広野町(現在人口は5000人)はいわき市のすぐ北に位置し、町の北端が福島第一原発から丁度20kmである。町には広野発電所とそれに隣接してJビレッジがあり、事故後は福島第一原発事故対応の重要拠点となった。事故2日目の2011年3月13日に全町民に対して避難指示が発令され6月余り後の9月31日に緊急時避難準備区域の解除、1年経過して2012年3月31日に避難指示の解除となった町です。

避難指示は、立ち入り制限や禁止あるいは撤退命令と比較すると緩やかな市町村長の指示と理解するが、やはりほぼ全ての人がそれに従うし、避難指示の期間中は広野町役場もいわき市内に移転していた。ちなみに、広野町のこのWebによれば、2011年9月1日当時に広野町に残っていた人は275人(事故時の人口を5500人とすると5%)である。

避難と言っても、高齢者や弱者にとって、体育館のような避難所に行くのは大変である。まして入院中の患者にとっては、避難なんてしたくないはずである。そう考えると、高野病院長は自らも広野町に留まることを選択し、患者に寄り添う事を決断したのだから、もしかしたら、勝手な言い分になるが、医師冥利を選んだのだと思う。1億総活躍社会の最先端であったのでしょうか?

2) 小さな髙野病院

髙野病院は、精神科・神経内科・内科・消化器内科を診療科目とする精神科病床53床(16室)、その他の病床65床(16室)とする2階建ての小さな病院です。経営的には、極めて厳しいはずです。隣接して花ぶさ苑という特別養護老人ホーム(入所定員36名)がある。

しかし、広野町の人口を5000人と比較して考えると、1000人当たり精神病床10.6、その他病床15となる。これを東京都と比べると東京都は1000人当たり精神病床1.94、療養病床と一般病床合計で8.14であり、広野町の半分近く(54.3%)である(2007年10月1日データ)。1000人当たり療養病床と一般病床合計で最も高い都道府県大分県で12.7、大都市・中核都市データと比較すると高知市が24.49と非常に高いが、高知市の場合は療養病床10.94と特異な状況にある。

地方の医療は、どうあるべきなのか、何が求められているのか、それは医療だけの問題ではないと思います。消費税増税もできず、医療も福祉も切り捨てていく方向に向かいつつあるように思える。高齢者と地方は切り捨てざるを得ない時代になって行きつつある。

最低限、死守すべきは何であるか、切り捨てる際に代わって提供するものは何であるかを考えていく必要があると思う。

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東芝は債務超過ですか?原発の今後は

東芝が認識する損失額は日々拡大に向かっているようで、時事ドットコムは4000億円という数字を掲げていた。

時事ドットコム 1月11日 想定外の費用4000億円=米原発事業で膨らむ-東芝

私が12月29日に取り上げた時(このブログ)は、3000億円規模というような表現だったのですが、ついに4000億円の数字も聞かれるようになった。

東芝からは未だ発表がないので、何とも言えない面はある。しかし、相当のエビデンスを出さないと東芝発表は信じてもらえない。或いは、もっとすごいのは、その先を見通して、真実を述べていないとして、東芝の株式売却を進める投資家は出ると思う。WHにしろCB&Iにしろ、高給取りの技術者は働いているわけで、雇用の維持だけでも、相当のキャッシュフローが出て行く。借入金で捻出するとしても、銀行はすんなり貸すだろうかである。

勿論、東芝はつぶれない会社である。東芝がつぶれたら、福島第一原発の廃炉はおろか、他の原発の運転どころか、休止も、廃炉も困難となる。日立、三菱がいるではないかであるが、原子力分野の技術者が他の分野に転出したりして、総人数が減少したら、やばくなることがないか心配である。

運転休止から以降も数十年間(使用済み燃料の管理まで考えれば、数百年、数千年)も高度な技術を使って面倒を見なければならない原発は、民間会社ではなく、政府が全てを管理する社会主義体制でなければ、利用・推進できない発電方式のような気がする。もっともチェルノブイリはソ連時代の事故であり、そう考えると、人間の英知を超えた存在と認識するのが正しいように思えてくる。

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2017年1月 6日 (金)

この記事の冒頭の書き出しには、感心した

まさか私が出所した翌日の未明に、国会でIR法案(カジノを含む統合型リゾート整備推進法案)が成立するとはね。よくできた冗談かと思いました」。そう話すのは、2011年11月、特別背任で逮捕された井川意高(もとたか)・大王製紙元会長(52)。

次の1月5日のデイリー新潮です。

カジノで借金の大王製紙元会長、日本カジノには悲観的 「作ってもうまく行かない」

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2017年1月 5日 (木)

東芝志賀会長の言うことにゃ

東芝会長の、日本電機工業会他が開催した年賀交歓会における記者団の質問に対するコメントではありますが、あさっての方向を向いての発言でして、支持したいとは思わせませんよね。

日経 1月5日 東芝会長、米原発事業の損失額「現段階で言えない」 

12月29日のブログでも書いたのですが、東芝がWH関連で問われているのは、CB&Iが手がけている米国ジョージア州のSouthern’s Vogtle 3、4号機の工事損失の問題ではなく、東芝が手がける原子力ビジネスの進め方である。幾ら損を出しても、原子力には未来があると、投資を拡大するのか、もはや損切りしてでもどこかに売却するのか、ある一定の方針の下で継続するのかである。

東芝は2006年にWHを54億米ドル(当時の円貨換算6210億円)で購入した。このWHにCB&Iを229百万米ドル(約250億円)で購入させた。東芝(の経営者)が問われている事は、世界の原子力をどのように展望しているか、そして、その展望の中で東芝はどのようなビジネス展開をしようとしているかである。

そんなこと賀詞交換会で記者に聞かれても、適当に返事をしてくしかないよと言う所でしょうが、「真剣に検討中」とかうまい言葉がなかったのかと思う。最も新聞記事も発言の全内容を伝えているわけではなく、もっと真摯な答えをされたのかも知れないですが。

東芝は原子力の未来について、自社の見解を述べる必要があると私は考えます。三菱重工や日立製作所も同じように原子力産業に係わっているが、WHへの投資という巨額投資をしている東芝は株主他への説明義務があると思います。なお、東芝、WH、CB&Iに関する記事で次のWall Stree Journalの記事はよくまとまっていると思いました。

WSJ Dec 26, 2016 Toshiba Shares Plunge Further Over Problems at Nuclear-Power Subsidiary

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2017年1月 2日 (月)

ポピュリズムに対抗せねばならない

あけまして、おめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

昨年はポピュリズムの旋風が吹いていた。未だ当面、その嵐は続くのだろうと思う。米国のトランプ氏の大統領選勝利、英国の欧州連合(EU)離脱国民投票結果のみならず、日本でも昨年は消費税税率の8%据置きと軽減税率なんてポピュリズム(大衆迎合主義)の年であった。

ポピュリズムとは大衆迎合主義であるが、大衆が求めていると言うより、悪い政治家が私利私欲のために大衆という大票田を利用するために、大衆を扇動し、大衆を利用することである。ポピュリズムには緻密な思考はない。恐ろしい事には、大衆を不幸にしても構わないとまでは言いすぎであろうが、少なくとも大衆の真の幸福を目標とはしてはいない。撒き餌はばらまかれるが、それで終了する。

消費税税率の8%据置は、政府財政状態を悪化させているが、その点に止まらず、将来の世代に今以上の税負担を押しつけた事を忘れてはならない。2018年4月からは年金支給額の伸びについての「マクロ経済スライド」を物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回るときは、名目手取り賃金変動率を物価変動率として調整するとした。「公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律」が12月14日に成立した結果である。(日経記事はここ

「名目手取り賃金変動率」とは、厚生年金保険の被保険者に係る標準報酬平均額の変動率である。低賃金で働く非正規労働者の増加があり、非正規労働者も厚生年金の受給が得られるようにすることは正しい。しかし、結果として、同じ年金保険料を払っても年金を受給できる金額は減少する制度は、根本的におかしいと思う。もし、賃金変動率の概念を導入するなら、日本の労働者の賃金指数を用いるべきと考える。いずれにせよ、年金のあり方について国民的な議論があってしかるべきであった。消費税税率の8%据置の結果を、このような国民負担とすることは、ごまかしである。目指すは、年金制度のみならず、働く国民が裕福になる制度を構築する事である。

ポピュリズムは民主党政権時代もすごかったし、それ以前にも多くあった。世界的なポピュリズムとしては、イラクのフセイン政権を倒しに行った米国のイラク戦争も、そうであった。その結果は、ISの台頭であり、EUへの避難民の増加、シリア他での国内避難民の増加、破綻政府の続出となっている。シリアは、アサド政権が悪いからとんでもない状態になっているのかと言えば、アサド政権のみを犯人とできるほど単純ではない。米国のイラク戦争もポピュリズムが生み題した悲劇であると考える。

ポピュリズムは、考える事を否定し、感情での判断を求める。本来は冷静な状態で、分析をし、考えねばならないことを。単純なマル・バツで決定してはならない。

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